2007年10月03日

長期計画不要論

昨日の続きを考えてみましょう。
マニフェストは、具体的な指標を問う基準でもあり、今までの公約レベルとは明らかに異なります。市長交代などによる政権交代が仮にあった場合、新市長は当然ながら既存の計画を見直し、自己のマニフェストを新計画に盛り込むことになります。近時では武蔵野市が例といえるでしょう。

さて、選挙は4年毎であり、一方の計画は5年ないし10年サイクルのものが多いのが現状です。ここでタイムラグが生じてくるのです。数年刻みで細かく改定があるのも、ある意味しょうがないことかもしれません。
そこでサイクルを4年で考えることは出来ないか?となって行きます。ここでこちらをご覧下さい。

これは三鷹市役所の一條さんがまとめた論文であり、少なくとも必要説の中では群を抜いているといえます。三鷹市はこういう優秀な職員さんがいらっしゃるので幸せ者ですね。
これを拝見しますと、他薦自粛という流れから12年の3回サイクルというのはなるほど!と思いますし、少なくとも三鷹市のように2期目を迎えた市長を擁する自治体の場合、この論が正しいのかもしれません。

一方、同じ政策空間で、別の視点の論を発表している方もいらっしゃいます。

これもとても素晴らしい指摘といえるでしょう。計画の有り様から解きほぐし、計画行政の時代は終わったという大胆な結論を導き出しています。

ここで考えてみますと、確かに一條説のように、例えば下水道など長期インフラ整備を考えた場合に4年毎というのは現実的に厳しいかもしれません。
しかし、もう少し考えてみると、起債にしかり債務負担行為にしかり、議案として出てくるのです。先延ばしすることなく、ある事業を私の代でやっておきたいという市長がいらっしゃる場合、その市長は当然ながら財政スキームを考えているでしょうし、また議案を出される側の議会側も賛否の表明によって、一定の責任を持つわけです。
このことからすると、やはり次の選挙の後をも睨んで長期計画をつくる必然性にやはりかけるのではないかと思えてくるのです。三鷹市は今後も一定の長期投資がありえますが、例えば30億円の起債をしなければいけない場合に、その起債をする年度は予算案として審議されますが、少なくとも、その年に存在した市長ないし議員が責任を持つわけですから、予算案提出時に例えば12年後はこうですよ!というものまで示さなければならないかとなると、そうはいえないのではないでしょうか。
ありうるとしたら、財政スキームを示すことでしょう。しかし、12年後に市長でいられるか又は議員でいられるという方には大きな意味があるでしょうが、そうではない方が多いでしょう。また税法の改正などにより、がらっと収入構造が変わってしまう可能性もあります。そう考えると、正直に白状すると、未来のことをきちんと予測することなんてまずは不可能なのではないか?という気がするのです。だからこそ、当該予算案を審議する時点での市長ないし議員の責任が大きく問われなければならないと思っているのです。

先ほど述べた後者のURLにあるように、もともとは「伸び」を前提とした拡大方向での計画という意味合いだったのでしょうし、だとするならば近時の行革の傾向からすると、そもそも計画の存在意義自体が薄れているという論のほうが、私にはしっくりと来るのです。

また基本計画の作り方も個人的には疑問を感じているのです。市民アンケートがあり、議員への説明会があり…様々なものがありますが、ここで重要なことはご意見をお聞きしていくという姿勢であり、はっきり書くと、ボトムアップ方式であるわけです。図書館が欲しい地域の人は図書館というでしょうし、児童館がないという不満がある方は児童館というでしょうし…。あれもこれも、となっていくと、これはどういう将来が待っているのでしょうか。

近時、こういう計画行政の限界を考えるときに、改めて間接民主制の意義を考えることが多くなりました。ただご意見を聞いて計画に反映となると、財政スキームをどう考えるかは必然的な議論になるでしょうし、こういう意見!というほうは楽でいいでしょうが、それを総合的に組み立てるとなると、これは一定の将来負担を考えざるを得ません。このボトムアップの手法自体が、実は「伸び」を前提としていた時代と同じ手法であることに留意しなければなりません。

であるならば、いっそのこと、こういう計画を廃止して、年度ごとに発生した行政需要に対し、
・一般財源で可能なもの
・適債事業として後年度負担とするもの
に分けて、予算の段階で議論する方がまだいいのではと思います。

長くなりましたが、こういった全員協議会をきっかけに、そもそも計画行政はどうあるべきなのか?の議論を議会内で深めた方がいいのではないでしょうか。マニフェストを反映することの是非の議論は多かったものの、そもそもマニフェストと計画行政との関係のあり方についての質問がもう少しあったらよかったのになぁ、と思いました。次の全員協議会でこういう質問が出てくることを期待したいと思います。

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