今から35年程前、西ドイツに行った。初めての空の旅である。当時アンカレッッジ経由の22時間という
今思うと気の遠くなる長旅だった。フランクフルト空港に近づき。飛行機の窓からかいま見た緑に映えた家々の色彩の美しさが鮮明に記憶の中にある。
日本に自然食運動というものが広がり始めたころ、へそ曲がりのわたしは建築の学校を出ながら興味をもちその仕事に就いていた時に西ドイツの自然食関係の視察にいった時ことである。
≪レフォルムアカデミー≫
西ドイツは国家的に食の安全に大変厳しく、日本で云う自然食品店「向こうではレフォルムハウス(改造の家の意味)」や自然食レストランが普通に町に存在しており、また「レフォルムアカデミー」という、確か国営の食の安全を中心にした専門学校まであるのです。そこでライセンスを取得した者がいないと、レフォルムハウスや自然食レストランは開けないシステムにまでなっていたようです。
≪ドイツ人気質≫
ドイツの主婦は大変働き者できれい好きであり、日本の大掃除に近いことを毎日する(当時は)と聞き、是非一般家庭を訪問してみたいということになり、視察中一緒だったバスの運転手さんが自宅を案内してくれた。お昼近くだったが話の通り奥様が汗だくで掃除中だった。ヨーロッパの建物は窓が小さく、
室内はあまり明るくないため、その綺麗さはわからないが、とにかく調度品など見事に整頓されていた。
今思うと妻をつれていって見せるべきだったと思う。
≪乾杯≫
先ほどのバスの運転手さん。視察中お昼はほぼ一緒にごちそうをしていたことで、ある夜返礼を受けた。
われわれツアーの皆にビールをごちそうしたいというので、とある瀟洒なレストランに案内してくれた。
仕事中はジャンバー姿でぶこつなその運転手さん、なんと紺のブレザーに深紅のネクタイ姿で、しかも
しっかり紳士ではないか。
いったいどこで着替えたのかと尋ねたら、ツアーバスだけに簡易ベッドとクローゼットが備えてあるというのでさすがだと思った。
そしてレストランに入ると、そこはお城の中の広いダイニングのようなところで、奥の個室で全員スーツ姿の男子の団体がちょうど会食をしていたがまことに静かで、どこかの国の団体とは違うなと思った。
そして我々も注文ということになり、まずビールが出てきて、運転手さんにお礼を云い乾杯をした。
さてここからが日本と違うのである。
日本人がよくやる一気飲み、これがない。皆けっこうちびちび、しかも温くなっても平気。
さて料理はと待っていたら、ポテトチップが出てきた。で次は、、、次は無くこれがメインディッシュ
でした。そしてフルコースと同じ時間を過ごす。この間本当によく話しをする運転手さんでした。
そう、おそらく次ぎの機会がないであろうこの運転手さんとの楽しい会話。楽しいひととき、
ごちそうでした。
今あの国の気質はどんなであろう。