2012年05月08日

ROBONESS (17/17)

いよいよ最終回となりました。
今回は「あとがき」です。私が、何を思ってこの『ROBONESS』を記したのか、ご理解いただければ幸いです。

ROBONESSあとがき

当社の『経営理念』は
 私たちは、ハーネス業界一の創造力をもち、感動を提供します
 私たちは、地域の仲間と共に、豊かさと感謝の心を広げます
 私たちは、向上意欲から生れる喜びによって、笑顔の和をつくります
です。

 『経営理念の中にのみ、当社の存在意義がある』ということを、どれだけの社員の皆さんが理解しているのだろうか?
そして『経営理念』を社内だけではなく、お客様やビジネスパートナーにもご理解をいただき、日々の行動に浸透させていくにはどうしたら良いのだろうか?という事から『ストーリービジョン』として表現してみました。

 当社は創業から二十三年が経過し、今期は第二十四期目となります。経営理念を持たなかった期間は、時代の波・景気の波に揺られ続け、企業経営として安定する事は無かったのですが、平成十六年に『経営指針書』を作成、成文化してからは、安定成長を続けることが出来ています。しかし、当社の運営が『経営理念を土台とした上で成り立っているのか?』と自問すれば、まだまだその域には達してはいないのです。
 これを機会に、より『経営理念』の理解を深め、理念経営に徹して活きたいと思います。

 当社の仕事は《ワイヤーハーネス製造業》でありますが、近年、特に国内ロボットメーカーを主力得意先として業績を拡大してきました。今回の『ストーリー』は、そんなロボットメーカーの一社をモデルとさせていただいておりますが、内容については、全てがフィクションであり全く他意はありません。執筆当初は、当社の全社員の名前を登場させようと意気込んではみましたが、自分にそれだけの文筆力も想像力も無いことに気付き、断念しました。登場した人物像に不満な部分も多々あるとは思いますが、ご勘弁いただければ幸いです。

 最後に社員の皆さんにお願いがあります。この物語はストーリー的に決して面白い内容ではありませんが、出来れば何度も読み返していただき、当社の『経営理念』と照らし合わせて『何が言いたいのか』を、汲み取っていただきたいのです。おそらく何度か読み返すうちに新しい発見が出てくるはずです。そして『その発見』が、当社の将来を創っていくのです。

平成二十年四月十八日  
株式会社 山形ハーネス      
代表取締役 大瀧 郁夫


17回に渡って掲載した『ROBONESS』。最後までお付き合いを頂き、ありがとうございました。


夢の架け橋
120428_平舘看板こんな構想があったのかと、現地に行って初めてわかる事があります。
なんと、津軽半島と下北半島を橋で繋ごうという構想です。地元の人たちは『夢』と言っていましたが、決して『夢』ではありません。日本の持つ、橋梁技術・トンネル技術は世界最高です。やると決定すれば、必ずやり遂げるでしょう。しかし、問題は政治。こうした事をやれる政治家がいないのです。自分達の利権の為なら犯罪でも何でもやる政治家たちが、地方の利益の為に動くことは考えられません。
橋の完成によって、本州最北の地が活性化していく姿を想像しながら撮影しました。ちなみに、この日の下北半島に渡る陸奥湾フェリーは満杯でした。ぎりぎり乗れて、ついていたなぁ〜。

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2012年05月07日

ROBONESS (16/17)

連休明けの早朝、さっさと第16回目を配信します。(次はラスト・・・ROBONESSの)


いよいよ、本文は今回で完結です。
タイトル『ROBONESS』とは何なのか?

ROBONESSROBONESS

 『生産功労表彰』が終わり、オリエンタル機械R6開発室室長 矢野と生田、購買の井出課長、そして山形ハーネスの大瀧・水口・諏訪の合計6人は『R6開発室』でスターパックスのラテを飲みながら雑談・・・いや、開発からの思い出話に花を咲かせていた。

 「・・・ところで、山形ハーネスさんには本当にお世話になりました。今回のロボット開発に当たっては山形ハーネスさんの協力を無くしては考えられませんでした。本当にありがとうございました。・・・しかし、開発が完了し、生産は韓国工場へと全面的に移管となった現在、山形ハーネスさんとの直接の関係が途切れることになるのは非常に寂しいことです。今後も関係を継続するように動いてはみますが、しばしお時間をいただければと思います」矢野は深々と頭を下げた。「いえいえ、そんな事はありません。我々に取りましても、今回、ロボットの開発段階からご協力をさせていただけました事は、社内的にも大変大きな財産となりました。ましてや矢野室長から継続での関係をご検討いただけるというお言葉をいただき、これ以上望むことなど・・・」と、大瀧がこれからの更なる関係の強化、受注の拡大をお願いしようとしているところへ、オリエンタル機械本社営業の岸本が大慌てで飛び込んできた。

 「矢野室長!あっ、井出課長と生田さんもいらっしゃいましたか。おっ、や、山形ハーネスのみな、ナミさんもご一緒でしたか。こ、これは丁度良かったぁ〜。み、皆さん、大、大ニュースですよぉ〜。お、落ち着いて聞いてくだ、くだせいよ」「岸本、お前の方が落ち着けよ!」井出課長があきれた様子で言うと、ラテを一口飲んだ。「ぼ、ボクにも一口コーヒーを!」と言うと、そばに置いてあったラテを一気に飲み干した。「あっ、それ俺のぉ」諏訪は岸本を睨みつけたのだが、すでに遅かった。

 「さて皆さん!ただいま当社社長の中島から重大な発表がありました。当社で生産するロボットに使用する《全てのハーネスは、山形ハーネスさんへお願いせよ》とのことです。これは単に生産会社を山形ハーネスに統一するという意味では無く、『山形ハーネスブランド』で納入してほしいとの事です」「全てのハーネスを『山形ハーネスブランド』で納入する?」一同は顔を見合わせた。

 「それともう一つ続きがあります。当社で製造販売するロボットには、一台一台に製品番号を明記した管理プレートがついていますが、それと並べて《Robot Harness By YAMAGATA HARNESS Co,LTD》の銘版を付けろとのことです」「なぁ〜、にぃ〜、山形ハーネスの社名をロボット本体に付けていただけるという事でありますかぁ〜?」水口部長の目がウロウロになってきた。「いやぁ〜、中島社長のあまりのご好意に言葉もありません」大瀧の大きな目が潤みはじめている。「当社社長の中島は、よほど山形ハーネスさんが気に入ったと見えますな。いやこれを《全面的信頼》と言うんでしょうね(いてっ)」矢野はしばらく忘れていたはずの癖が出始めたようである。

 「矢野室長、御社の製品全てに《Robot Harness By YAMAGATA HARNESS Co,LTD》の銘版を取り付けていただけるということは当社にとりまして光栄なことではありますが、これでは御社の製品が一気に《ダサく》なりはしませんかね?そこで提案ですが、《これ》を一言の『ロゴ』にまとめまして『ROBONESS(ロボネス)』で表現させていただければありがたいのですが」すでに大瀧は、頭の中で『ROBONESS』を、自社製品のブランドとして統一していくことを決めていた。

「社長、ひょっとしてそれは『松下がPANASONIC』に社名変更するように、当社の社名を『ROBONESS』に変更するということですか?」「それも有りえるということだな・・・わっはっはぁ〜」一同そろって「なぁ〜んだ、わっはっはぁ〜」「そりゃいいわ、わっはっはぁ〜」「わっはっはぁ〜(いてっ)」「わっはっはぁ〜、ゴクッ」「わっはっはぁ〜、は〜ぁ」ひと際大きな顔で笑っているのは、購買の井出課長であった「がっはっはぁ〜」・・・

 こうして単なる機能部品としてのワイヤーハーネスが、初めてその存在に命が吹き込まれ、製品に付いている『ロゴ』を見ただけでワイヤーハーネスの製造元、いやその『信頼性』が確認できる『山形ハーネスブランド』として確立したのである。
ワイヤーハーネスをブランド化した、日本、いや世界で初めての出来事であった。しかも、それは、『お客様が望んでくれたから』可能となったのである。
『ROBONESS』 ・・・・・・・・(完)


平舘灯台とペンション
120428_平舘灯台竜飛を出たのはすでに夕方。この日の宿泊地は、外ヶ浜町平舘にあるペンションに決めていた。ペンションと言うよりは「食堂旅館」といった雰囲気だったが、料理が実に美味かった。お刺身、カレイ焼きはもちろんだが、今が旬の「陸奥湾トゲクリ蟹」は絶品でした。あとは定番の「イカハンバーグ」、追加でオーダーした「イカ餃子」も美味かったし、青森銘酒「桃川」と、海の幸との相性は抜群でした。三合は飲みすぎか?日頃はいただかない朝食ですが、しっかりと頂きました。これまた「ホタテ稚貝の味噌汁」が抜群に美味しかった。
ここで出会った、滋賀県大津市からお越しの『異常に元気な老夫婦?』との会話も楽しかった。こんな老後も素敵だなぁと、感じました。

120428_下北半島ところで、翌朝目覚めると、対岸の下北半島から朝日が上っている。すぐさま飛び起きて海岸の散歩へと繰り出し、一時間のウォーキング。その頃、大津の夫婦も、浜辺の散歩で貝殻拾い。
ペンションの夫婦の素朴さに、もう一度訪れたい『ペンションだいば』でした。

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2012年05月02日

ROBONESS (15/17)

 さて、更新が途絶えてから三か月余が経過してしまった。
『ROBONESS』も、あと3回で完了するにもかかわらず、中断したままではどうにも半端臭くてしょうがないので、連休の谷間でもある事だし、再開してみる事にしました。

ROBONESS第5章 ブランド 
笑顔の和

 オリエンタル機械本社敷地内にある会議用講堂は、一千名を収容できる広さがある。
 今、ここに『液晶パネル組立ライン用モデル』に関係した人たちが一堂に集められていた。壇上には、オリエンタル機械社長中島をはじめとした役員が数名、開発責任者である矢野や生田、購買課長の井出や本社営業の岸本、他には韓国工場からも数名が登壇していた。社外からは、生産協力会社『ビジネスパートナー』として特に貢献度の高かった五社の代表者たちも壇上に登っていた。その中の一社である山形ハーネスでは、大瀧社長、水口営業部長、そして見事に韓国工場でハーネス生産を立ち上げる事に成功した諏訪課長の3名が席についていた。
 一方、講堂内は『液晶パネル組立ライン用モデル』に携わった人たちで、ほぼ満席であった。会場の中央部分には山形ハーネスの全社員20数名と山形ハーネスの『ビジネスパートナー』の面々、合わせておおよそ50数名が席についている。
 ステージ上には『R6液晶パネル組立ライン用ロボット開発祝典』の看板が大きく掲げられていた。

 緊張の中、オリエンタル機械中島社長の挨拶が始まった。
 「みなさん、お忙しいところお集まりいただきありがとうございます。また遠方よりご参席いただきました企業のみなさまにも御礼申し上げます。さて当社の新開発商品であります『液晶パネル組立ライン用ロボット』の販売は順調な伸びを見せ、当社の主力製品となろうとしております。これも偏に皆様からのご協力を頂きましたおかげと、あつく御礼を申し上げます。
 さて、本日皆様にはささやかではございますが『生産功労賞』の表彰をさせていただきたく、お集まりいただきました次第でございます。当社は社員数三千四百名を超える大企業とはなりましたが、開発・技術・生産・販売等、企業運営の要の全てが、個人レベルでの『向上意欲』と『自主自立』の精神に支えられている訳です。
 当社の社員のみならず、その多くは『ビジネスパートナー』すなわち皆様の企業の社員様の人間性によりまして、当社の製品が形作られている訳でございます。

 本日、この場で私が申し述べさせて頂きたいのは、壇上にお上がりいただきました企業の皆様のご協力に対します御礼でございます。私が当社の開発部門に出しました開発指示には、当初から相当な困難が予想されましたが、それを見事に解決し完成へと運ぶことが出来ました。
 開発部門からの報告では、何度も断念すべき葛藤があったと聞いておりますが、その都度都度に皆様からのご提案、ご努力、ご尽力をいただき、乗り越えることが出来、完成へとつながったとのことであります。

 特に声を高くして御礼を申し上げたいのは、・・・山形ハーネスさまの対応についてでございます。規模的には社員数20数名の弱小企業との印象は否めませんが、企業とは『社員数』『会社の規模』ではありませんことを、実証していただきました。『一人一人の社員の質』であると、改めまして教えていただいた次第であります。先に、個人レベルでの『向上意欲』と『自主自立』の精神に支えられていると申しましたが、正にこの事を実践されている企業であります。私からの細やかな気持ちと致しまして、本日この会場に山形ハーネスの全社員20数名の皆様と、『ビジネスパートナー』の皆様全員をご招待させていただきまして、私の御礼の言葉を直接にお受け取りいただきました次第でございます。お忙しい中、遠路足をお運びいただきまして、誠にありがとうございました。

 なお、皆様から開発提案をいただきました『超小型6軸住宅設備ロボットプロジェクト』の方も順調に開発が進み、試験的に都内の某病院に五百台ほどが設置され、すでに稼動致しております。入院患者さんを始めとして、医師の皆さん、看護師の皆さんからもご好評を得ていると聞いております。この結果を踏まえまして、さらに国内の病院5箇所にも設備されることが、先の国会予算委員会によりほぼ確定の運びとなっております。こうしまして当社が、産業機器の分野から一歩踏み出し、社会貢献分野への進出が出来ました事は、これもまた皆様のおかげと、合わせまして感謝の意を申し述べる次第であります。

 この中島、改めまして皆様方に御礼を申し上げます。今後とも益々のご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます」・・・会場内は、割れんばかりの拍手で沸き返った。

 社長の感激の挨拶が終わると『感謝状』と『記念品』と『金一封』が各社の社長に、中島社長から直接授与されたのである。そのトップをきって授与を受けたのは、当然のことながら数々の難問を克服した《ロボットハーネス》部門の山形ハーネスであった。

 『感謝状』の授与を受けながら、山形ハーネス社長の大瀧はこれまでのみんなの熱意と努力を思い、壇上にいる水口、諏訪のことは当然ながら、共に働く全社員と、全面的に協力を頂いた『ビジネスパートナー企業』の全社員・・・全ての人たちの『笑顔』を思い浮かべていた。
「ROBONESS」へつづく


竜飛から見る北海道
120428_北海道大型連休前半、ひたすら日本海側を北上して、津軽半島の突端である『竜飛岬』まで行ってきた。私が押す日本の名所である。この日は天気が最高で、対岸の下北半島はもちろん、北海道まで見渡すことが出来た。
こんな天気は、竜飛にしては珍しい事である。たいていは、強風と悪天候でそこに行ける事だけで満足している。前回は夏休みに来たのだが、半ズボン姿では寒くて震えていたこともあった。

日本の景気も、この日の天気のようにスカッと晴れ渡る事はないのだろうか?・・・いかん、いかん。全ては自己責任の世の中である。「晴れて良し、曇りても良し、富士の山」の精神でいかねば。

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2012年01月31日

ROBONESS (14/17)

ROBONESS喜び

 諏訪課長は「アニハセヨォ〜」と、オリエンタル機械韓国工場へやってきて早3ヶ月が経過した。この間の技術指導は思いの他順調に進んだ。会社命令での赴任と違って、自らが志願してやってきたのだ。技術改革での問題は何度も発生したのだが、自らが問題発生に対して積極的に取り組み、時には徹夜で作業し、時には韓国人技術者たちと口論し、時には北朝鮮まで横田めぐみさんを探しに行き(注:会社が休みの日に)、時には卓球を楽しみ(同)、オリエンタル機械本社、山形ハーネス本社工場からの技術的支援をふんだんに受け、時には自らが森井製造課長や渋谷品管課長にも韓国への出張の指示を出し、一つひとつの諸問題に対して解決をしていったのである。
 本社にいれば、こうは行かなかっただろう。どこかに会社や工場や先輩社員、そしてお客様に対しての甘えや依存心があり、自らが積極的に行動することが無かったからだ。

 韓国での《ロボットハーネス》の生産立ち上げ、技術移管もほぼ終了に近づいた頃、諏訪は自らの意思で韓国にやって来て思う事がある。

 「仕事の『喜び』とは『向上意欲』の中にあるのだろう。言われた事、やらなくてはならない事を日々こなしていく《従来のスタンス》の中には、ある意味の《達成感》を感じる事は出来たのだが、そこに『喜び』はなかった。自らの《考え》《計画》《行動》によって成された《結果》に対して、はじめて本当の『喜び』と『感動』が生まれるのだ。これは仕事上のことだけではない。日々の生活の中でも全く同じことなのだ。・・・本場のビビンバは超簡単で美味かった。ご飯と、もやしとほうれん草のおひたし、しいたけとぜんまいを水で戻したものが少量、あとはコチュジャンがあれば、かき回すだけで出来上がってしまうのだ。ごま油があれば仕上げに数滴垂らすだけで美味しさ倍増である。新横浜に帰ったら毎晩の自炊はビビンバにしよお〜っと」と思った。

第5章 ブランド 笑顔の和 へつづく


なまこ
なまこ「なまこ」・・・この不思議な食べ物に、いったい何時頃から病み付きになったのだろうか?
昔は、あまり好んで食べる事は無かったのだが、秋田にある道の駅「象潟・ねむの丘」の魚屋で食べたのが始まりか。確か1パック350円、3個で1,000円であった。あまりの美味しさにその場で1パックを食べつくしてしまった。その後、何度も足を運ぶのだが、当然のことながら、ある時と無い時がある。・・・
ある日、加工品ではなく「現物」が売られていた。店のお兄ちゃんに、その作り方を聴くと思いのほか簡単そうであった。ポイントは、柔らかさを出すための「お茶のくぐらせ方」にあった。この工程によって、「なまこ」は、石のように硬くも、デロッと軟体にもなる。味付けは「象潟・ねむの丘」で売られている『ゆずぽんず』だけでいい。鷹の爪を刻んで入れると、大人の味になる。
今では、わざわざ秋田まで行かなくても、近場の鮮魚センターで買える。年末にタイミングよく売られていたので大量に仕入れ、作り置きをして小瓶に分け冷凍してある。これを小出しにして、日本酒をチビリちびりやるのがたまらない。
先日、美食家の友人に振る舞ったところ、「ホントにお前が作ったのか?!」と、ビックリしていた。関東に住む倅に一ビン送ったら、一日で食ってしまったらしい。勿体ない話である。
特大の「赤ナマコ」。これが一番美味い。今度市場に並ぶのは、何時の事だろうか?

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2012年01月20日

ROBONESS (13/17)

ROBONESS第4章 向上意欲と笑顔
自主自立


 オリエンタル機械での『液晶パネル組立ライン用超小型六軸(垂直多関節型)ロボット』の量産生産がようやく軌道に乗りはじめた頃、社長の中島礼二(58)から新たな指令が飛んだ。ある程度の予測は出来たのだが「生産は一括して韓国に移行する」というものだった。韓国の液晶メーカー『SUMSANG』が月に六百台、年間では七千二百台。更には五年間の継続購入保証を入れたために、オリエンタル機械韓国工場での生産を決めたものだった。
 資材購買としては、韓国へ生産シフトが切り替わるのは一向に構わないのだが、特殊部品の調達、特に《ロボットハーネス》の調達ついては加工の特殊性から韓国調達への即時移行は困難ではないかと、購買課長の井出は考えていた。

 「水口部長、御社の量産生産体制へのご協力には非常に感謝しております・・・が、当社の社長の指令によりまして、生産が韓国工場へ移行されるという事がすでに決定しております。この情報はすでに水口部長のお耳にお達しの事とは存じますが、ここでも、御社からのご協力を願えないものかとご相談を申し上げる次第であります」井出が申し訳なさそうに切り出した。「現在御社から調達しております《ロボットハーネス》については、加工の特殊性から韓国企業からの調達は技術的に困難ではないかと思います。従いまして当面は御社で生産した《ロボットハーネス》を国内倉庫にプール致しまして、韓国工場へ支給するといった方法を取らざるを得ませんが、将来は韓国工場において現地生産する事になります。・・・そこでご相談なのですが、御社から技術者を派遣していただき《ロボットハーネス》の現地生産を立ち上げて頂きたいのです」井出にしてみれば、ケーブル仕様の決定の相談から始まり、急激な生産の立ち上げ依頼、そして今回は韓国への生産の移管に伴う技術指導のお願いであり、山形ハーネスからどのような回答をされるのか非常に不安な中の依頼であった。水口は即答した「本日中にご回答申し上げます。ご安心ください」

 関東営業所内で《セカンド向けの新規見積》をしていた諏訪課長は、オリエンタル機械から戻った水口部長から呼び出された。「おう、《ファーストさん》から紹介を受けた《セカンドさん》の方は旨くいっているのか?」「はい、ようやく新機種の見積依頼をいただきました。この機種を《手始め》にということで、今回の見積が通れば来週には本社工場の認定にご足労いただく事になっております」「そうか、いよいよ工場認定まで漕ぎ着けたか、ご苦労さん。ところで、オリエンタル機械の今後の動きの事なんだが・・・」水口部長は、オリエンタル機械購買井出課長からの依頼事項を本社へ相談する前に諏訪に話してみた。

 「水口部長!その話、私にやらせていただけませんか!」「なに、諏訪、お前が行きたいのか?・・・今も話したように、ようやく新規取引先も自力で対応が出来るようになり、営業に対しての自信がついてきたところだろう。」「はい、現在の仕事には『やりがい』を感じています。しかし海外、いや韓国で活躍出来るチャンスがあるとすれば話は別です。実はわたし、『韓国語』の勉強を独学でやっておりまして、SMAPの草よりは上手いと自負しております。鶴岡の《韓国pub》で鍛えてますから・・・おっと、こりゃ関係ないですね」「そうか、お前いつのまにか『韓国語』をマスターしていたのか。こりゃ我々もウカウカしておられないな」水口は多少の焦りの色を表情に表した。

 「水口部長、私は『韓国語』をマスターしましたが、森井課長は『北京語』、三浦課長は『ベトナム語』、早坂課長はなんと『フランス語』、渋谷課長にいたっては『田麦語』をマスターしていますよ。社長の『英語』に影響されて、みんな【E‐ON】に留学しています。駅前は潰れましたから」「へ〜!何時の間に若手社員たち・・・いや幹部社員たちは、こんなにも自主性が高まったのだろうか?昔は言われてもやらない事が多かったはずなのに。こんな事を知ればうちの社長の事だから《涙》流して喜ぶぞ、きっと。よし!諏訪、お前が会社を代表して『韓国』へ技術指導へ行け。『韓国が大っ嫌い』な社長の事は、俺がなんとしてでも納得させるから、お前は安心して『韓国』へ行ってこい!(帰ってくるなよ)」「カムサムニダ〜」

 「なぁにぃ〜、よりによって『韓国』だとぉ〜!俺は、許さんぞぉ〜、お〜っ!」と、吠えてはみても、自たちが進む方向を自分たちで決定している水口部長を始めとした幹部社員たちの『自主性』に《感涙》する大瀧であった。「行けぇ〜、行ってしまえ〜!もう帰ってこなくても良いぞぉ〜、諏訪ぁ〜!・・・責任はすべて俺が取ってやるぅ〜う〜」

「喜 び」へつづく


国鉄労組
国鉄労組先日、蒲田の駅を降りてガード下沿いに歩いていたら、妙な看板が目に付いた。
「国鉄労組横浜支部」の看板である。入り口には「国鉄労働組合神奈川地区本部」とある。
国鉄がJRとして分割民営化されてから、いったい何年が経ったのだろうか?それでも「国鉄労組」として、生き残っているのはすごい事だと思う反面、そもそも「分割民営化」しなければならなくなった原因の一つであったとも思う。
いまの時代、会社と社員の関係は「搾取」から「満足」へと変わっている。社員満足が得られない会社は、顧客からの指示も得られないのである。そんな時代にあって、いまだに残る「国鉄労組」の看板は、変化の出来ない大会社の象徴のような気がした。

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2012年01月09日

ROBONESS (12/17)

ROBONESS仲間たち

 そんなやり取りを会議テーブルの後ろでうろつきながら聞いていた社長の大瀧郁夫は、うろつくのを止め窓際に立つと言った。「今日の月山は、また一段と綺麗だなぁ。鳥海山の山景も見事なもんだ。会社を三階建てにして本当に良かった。こんな景色を見ながら弁当を食べられるんだから・・・さて、皆さんの意見が分かれているようだけれども『会社』っていったい何かな?この『会社』は私たちだけの物なのかな。我々はこの地域に会社を構えて『ワイヤーハーネス業』を生業としている訳だけれども、我々だけの力で生きている訳じゃないよね。言ってみれば『会社』は周りの人達の『おかげ』で生かされているんじゃないのかな。君たち一人ひとりだってそうだ。何かの『ご縁』があってこの会社に入り、一緒に働いている訳だ。・・・今、急激な生産力の増強を迫られている事実は何を言おうと変わらない。佐藤専務や木野常務が言うように、我々は『お客様の立場』に立って物事を考え、進んで行かなければならない。やるべき事が明確になっているんだからこんなにやり易い事は無いじゃないか。さっき言った『会社って何か』を、もう一度考えてごらんよ。答えがあるから」と言うと、大瀧はチーンと鼻をかんでから部屋を出て行った。「天気良いさけ、鳥海山さドライブさ行こ」

 「今の社長の話、分かったか?」「あんまり分からねっけ」「すんげぇ《哲学的》だっけの」「会社って何や?」「生業って何や?漢字読まえねっけ」「社長や自分ばっか、すんげぇ良い役やってんのぉ」「んだんだ」「水口も良い役やってっけのぉ」「俺なの、あんま出番ね〜ぜ」「おめは台詞言うの苦手だろぜぇ〜」「んだかもの」そこにいつの間に戻ったのか水口部長と諏訪課長の姿もあった。「今回はオラがたの出番ねっけのぉ〜」

 「社長が言いたかったのは『地域の仲間』ってことだろう。『会社』って言うのは単独では生きて行けないし、社員や仕入先、協力をしてくれる『ビジネスパートナー』がいてくれて初めて成り立っていけるという事を言いたかったんだと思う。つまり、今、抱えている問題も『地域の仲間』と共に考えていけば、解決方法を見つけることが出来る。ということだろう。そして、みんなが一緒に豊かになっていくことが『会社』に求められているんだと言ったんじゃないのかな」今度は自分に《良い台詞》を言う役回りがきたものだと佐藤専務は喜んだ。「そうか『ビジネスパートナー』と共に考えると言うことか。それなら何とかなる・・・いや、何とかしなければならないな」と森井課長、諏訪課長、三浦課長、渋谷課長は思った。「ひょっとすると『ビジネスパートナー』って、協力工場さんのことかな?であるとすれば、外注管理課の俺が一番忙しくなるのかなぁ?やんだなぁ」ひとり早坂は下を向いていた。「俺は何しさ本社に戻ってきたわけ?」と水口は思い、「俺は今日もまた出番がねっけぇ〜」と、平親部長は複雑な心境でいた。

 こうしたやり取りの後、『ビジネスパートナー』たちとの生産会議を何度も開催し、材料については、八洲器材が全責任を持って調達する事となり、生産工程については本社工場および『ビジネスパートナー企業』3社が、立ち上げに当たって人的協力のもと、交代勤務制にて生産能力の増強を図ることで解決へ向けてのスタートを切ったのである。
 全ては『ビジネスパートナー』・・・つまり『仲間』との関係があって生産が成り立つのである。

 オリエンタル機械購買の井出課長は山形ハーネス水口営業部長から「発注数量の3倍増、何ら問題なし!」の回答を受け「またもや山形ハーネスさんの凄さを思い知らされたぁ〜」と大きな顔、いや、目から溢れ出る《感謝の涙》をこらえていた。「本社営業の岸本君、どんどん受注を取ってこい!購買部には山形ハーネスさんがついているんだぁ〜!山形ハーネスという『ビジネスパートナー』がいるんだぁ〜!」と、一人騒いでいた。

第4章 向上意欲と笑顔 「自主自立」へつづく


スチームモップ
スチームモップ私のいる部屋の床は絨毯カーペットなのだが、20年も経っているとかなりの汚れが目立つ。そんな時に目にしたのがTV通販「スチームモップ」である。シューっという蒸気の中で汚れがみるみる落ちていく。
「絨毯床掃除は、これしかない!」と思っていたら、新聞広告に出ているではないか。早速、年末の大掃除に備えて、新聞通販で「スチームモップ」を買ってみた。

実際に使ってみて、「アゼーン」としてしまった。何の、何の変化も起こらないのである。「スチームモップ」の能力がないのか?絨毯が汚れすぎているのか?原因は定かではないのだが、何の変化も起こらない、その気配も無いのである。期待に胸を膨らませて、開封し、組み立て、密かにみるみる汚れが落ちていく場面を想像していたのだが、見事に期待は裏切られてしまった。

しかし、救いの手はあった。「30日間、返品保障」が付いていたのだ。正月明けに、即、返品をさせて頂いた。自分としては、一度使ってしまったものを返品した経験を持たないのだが、「甘い夢を見て、買った自分が悪かった」と決め込まずに、返品できる今の時代に感謝である。

それにしても、絨毯の汚れをみるみる落とす「スチームモップ」は無いのかなぁ?

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2012年01月06日

ROBONESS (11/17)

2012年も6日が過ぎ、年始のご挨拶には遅い気もしますが、「皆様、新年あけましておめでとうございます」
本年も「ROBONESS」を引き続きお楽しみ(?)いただけますようお願い申し上げます。
それでは、本年の第一回目の配信スタートです。


ROBONESS量産体制

 オリエンタル機械購買課長 井出彰(42)は、営業から回ってきた生産フォーキャストを見てうなり声をあげた「うげぇ〜っぷ」。たしかに昨日の晩は深酒をした。ロボット開発室の矢野と生田を誘って久々ぶりの美酒に酔った。『超小型6軸(垂直多関節型)ロボット』開発開始から八ヶ月。ようやく大量の注文が入ったのだ。しかも海外からの大量受注である。井出は矢野と生田の頑張りを労う意味においても『お祝い』をしたかったのだ。しかし、しかしだ。大量受注の情報は事前に受けてはいたが、それにしても数量が多すぎる。本社営業の岸本吉弘(29)から聞いていた台数の3倍だ。井出はすぐに岸本に電話をした。「岸本君、何なんだ!この受注台数は」「井出課長、ありがとうございます。やりましたよボク。すごいっしょ。今期の営業成績が一躍トップになりましたよ。思えば、意に反して新型ロボットの営業担当にまわされ、何時になったら実績が出来ることやらと・・・」「うるせ〜!何がすごいっしょだ。このうすらバカヤロ〜。取りゃ良いってもんじゃねぇだろがぁ〜!現場にゃ現場の《掟》ってものがあるんだぁ〜」「えっ、ボク何か悪いことやりましたかぁ〜?」「良いも悪いもねぇ!何でいきなり数量が3倍になるんだ。工場をもう一棟建てろってのか?人を3倍に増やせってのか?」「でも、ボク何も悪いことなんかやってない・・・」ガチャッと電話が切れた。井出が受話器を投げつけたのだった。「本社の営業にも困ったもんだ。受注を取れば良いってもんじゃないんだ現場は。・・・さて、取りあえずは山形ハーネスさんにこの情報、いや、注文書を流しておかなきゃならんだろう。こんなものを前触れもなしに流したら、水口部長、もしかすると大瀧社長が飛んでくるかも知れないな。も〜、俺は知らんぞ」井出はFAXへと向かった。

カタカタカタ・ピー(FAX受信音)
 「な、なんだこの数量は!」オリエンタル機械からの注文書のFAXを受け取った森井亮 製造課長(29)は叫んだ。「水口営業部長との生産打ち合わせで、そろそろ量産の注文書が入るとは聞いてはいたが、発注数量が生産フォーキャストと全然違うじゃないか。3倍になってるぜ」「なにとぉ〜。それじゃ八洲器材さ内示しておいた部品の数量では全くたらわねぞ」三浦拓也 生産管理課長(27)は頭を抱えた。「しかもこの納期、なんだや。こいだば出来ねぜ」「んだのぉ〜、こいだば出来ね。水口部長さ連絡さねばねぇ〜のぉ〜」「ま、幹部のしょださ集まってもらって、生産会議さねばね。拓也、幹部のしょだ呼ばってこいっちゃ。そいからみなして社長室さ、いご」
 緊急会議に集まったメンバーは専務の佐藤嘉博(54)を中心として常務の木野徹(53)製造部長 平親清喜(51)製造課長 森井亮(29)生産管理課長 三浦拓也(27)品質管理課長 渋谷正規(26)外注管理課長 早坂勇一(25)であるが、営業部長 水口啓一(44)と関東営業所課長 諏訪雅一(28)も、急遽本社に戻ってくるように連絡が入れられた。
 「さて、営業からの《生産フォーキャスト》に基づいて社内でも生産計画が立てられ、いよいよ生産開始という所で本日正式注文書をいただいたという訳だ。ところが、実際の発注数量が《生産フォーキャスト》の3倍であったということだな。しかも納期は変わらずということで」事前に森井製造課長と三浦生産管理課長からおおよその経緯を聞いていた佐藤専務が口火を切った。「問題は・・・」と言いかけたところで「無理っすよ」「出来るわけ無い」「不可能っしょ」「話にならない」「予定と違う」「人がいない」「部品が間に合わない」「場所が無い」「金が無い」「彼女がほしい」「・・・・・」

 「お前らいいかげんにしろ!」さすがに《ネガティブさ》が蔓延する言葉の飛び交いに呆れた木野常務が怒鳴り声を上げた。「出来る、出来ないじゃないだろ!・・・やるんだよ。やる為にどうするかを考えるために、集まっているんだろ」「やるためには、何がネックになるんだろう?人か?場所か?設備か?能力か?金か?それを全部書き出して、みんなで一つ一つ解決策を見つけていこうじゃないか」佐藤専務も木野常務に同意したのだが・・・「でも、所詮無理だってこともあるんじゃないですか?」三浦生産管理課長が反論する。「現状が空いている生産ラインの中に組み込むわけじゃないんです。今も100%稼動で生産している状況です。その中に先日《オリエンタル機械ロボット生産ライン》を組み込む打ち合わせをしたばかりじゃないですか。あれでもギリギリだった訳ですが、生産数量が3倍となると、不可能と言わざるをえません」森井製造課長が真剣な眼差しで続いた。「品質管理の立場からも発言をさせていただきたいのですが、検査能力から考えても処理できません」渋谷品質管理課長も続ける。「私も《同じ意見》です専務」「何がどう同じなんだ!早坂外注管理課長」「う〜ん、なんとなくですが3倍は無理なんじゃないですか?2倍ぐらいならまだしも・・・」「2倍・・・?」森井・三浦・渋谷は一斉に早坂を睨みつけた。「みんなで睨まなくたって良いじゃないですかぁ〜」早坂は心の中で思ったが口には出さなかった。

「仲間たち」へつづく


山本五十六
山本五十六2012年元旦に映画山本五十六を観て参りました。
原作が半藤一利という事で、あまり行く気はしなかったのですが、割と評判が良かったので行ってみました。
人間としての山本五十六に対しては、素晴らしい人間性が上手く描かれていますが、聯合艦隊最高司令長官として捉えると、「?」の場面がいたる所で見受けられました。
要所要所におけるトップとしての判断は正しかったのか?部下に任せるということはどういう事なのか?何のために自分が最高司令長官を仰せつかっているのか?危機管理とは何か?自らやるべき事は?・・・
その判断一つが変わっていたなら、全く違った戦況・戦後を迎えていたかもしれない。色々と考えさせられる映画でした。

しかし、映画を観終わって「ぞ〜っ」とした事があります。
それは、新聞・マスコミの存在です。売らんが為に国民・大衆を煽り続け、それが民意となっていく。結果、あの悲惨な終結へとマスコミが先導していくのです。しかも、戦後は全くシラ〜っとして、180度方向転換し、国家をバカ扱いしていく。
「正に、現在と同じではないか!」この警鐘こそ、この映画の主題だったのか。だとしたら半藤さん、思わぬ副産物を生みだした?

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2011年12月26日

ROBONESS (10/17)

ROBONESSロボットコンセプト(後編)

 「いくら超小型とはいっても高さ1.5m・幅1.0m・奥行1.0m・重量は350kgもあるし、これを自走型とすれば高さが2mを有に超える。一般家庭の中では使用方法は限定されるかもしれないなぁ」「そうですねHONDAさんの《アシモ》や、SONYさんの《アイボ》のようなコンパクトさが有れば軽作業用途に使えるんだろうけど、これだけ大きいとちょっと厄介ですね」「やっぱり製造現場の自動作業型ロボットとして使うべきですかね」「おいおい、それじゃ何のための開発だったんだ。中島社長からカミナリが落ちるぞ」矢野と生田がいつものようにロボットの使用目的の論争しているところに、山形ハーネスの水口営業部長がやってきた。

 「こんにちは。先日、矢野室長からメールを頂きました《ロボットの使用コンセプト依頼の件》につきまして、本社からのレポートがまとまりましたのでお持ちいたしました」と言うと、水口はA4判に統一されたレポート用紙の束をカバンから取り出し、矢野室長と生田の間に《ドサッ》と置いた。「うっへぇ〜、こんなに・・・」「ここには、ざっと二百案ありますが、本社からは五百を超える提案がありました。何でも『ロボットコンセプト検討委員会』なるものを立ち上げ、社員全員から募集したとのことです。うちの社長が1案について50円支払らったとの噂もありますが」「そこまでやって頂けた訳ですね。いや〜、ありがたい。いつも山形ハーネスさんには驚かされる。さて、内容をとくと見せていただきますか」矢野はレポート用紙の束を丁寧にめくり始めた。

 「これは凄いですね。いろんな分野での活用案が網羅されてますが、多いのは住宅関連と福祉関連への活用ですかね。高齢者介護の問題が盛んに取沙汰されている時代ですから、少しでもそちらの分野に貢献が出来ればという考えが強くなりますね。いや〜、山形ハーネスさんからの提案はどれを取っても、素晴らしいご提案だと思います」「当社の幹部社員達も、それぞれが親の介護の問題に直面しているので他人事では無いと思います。実際私も父親の介護の問題を抱えているわけで、そこにある介護関連のロボットコンセプトが御社のお力によって実用化された暁には、真っ先に購入を検討するかもしれませんよ。もっとも値段の問題もありますがね」「水口さんには当社の社員価格で提供させていただきますから、お安くしておきますよ」「矢野さん、ありがとうございます!」

 「特に《この案》は凄いですね。建物とロボットの一体化ですか。寝室には《ロボットベッド》。もちろん《ロボット浴槽》に《ロボット便座》。《ロボットテーブル》では食事の補助ですか。リハビリルームには各種の《ロボット健康機器》ですね。・・・我々が開発したロボットが建物の中に組み込まれ、一体化している。これは個人用住宅には限定されずに、病院や公共施設、介護施設や老人ホームまですべての・・・まてよ、介護という概念に固執しなければ、全ての施設に応用ができますね。オリンピック強化選手の育成とか・・・」「矢野さん、それはちょっと行き過ぎでは・・・」「そうですね。ロボット単体での使用コンセプトばかりを考えていましたが、こうしてロボットを組み合わせて考えると使える可能性は無限大ですね。私なりに案を整理をしてみて、中島社長に具申してみます」

 こうしてオリエンタル機械で開発された『超小型6軸(垂直多関節型)ロボット』は住宅設備メーカーとの共同で、使用用途開発が進められる事になったのである。
 一方では、『液晶パネル組立ライン用』に特別仕様で開発されたモデルが発表され、このモデルのケーブルハーネスは、開発の経緯から、山形ハーネスで一括受注することが決定していた。『液晶パネル組立ライン用モデル』はプレス発表と同時に、特徴である超小型機能性が評判を集め、海外某メーカーから一括大量発注を受け量産体制へと進んでいたのだが・・・。

【量産体制】へつづく


十善戒【不邪見】
不邪見先日、真言宗のお寺に行ったら、気になるポスターが貼ってあった。【不邪見】である。説明には「間違った考え方をしない」とある。
良く見ると、『十善戒(十の善き戒め)』・・・【不殺生】【不悪口】【不偸盗】【不両舌】【不邪淫】【不慳貪】【不妄語】【不真恚】【不綺語】そして【不邪見】が説かれている。
私は、釈迦の教えとして『八正道(八つの正しい行い)』・・・【正見】【正思】【正語】【正業】【正命】【正精進】【正念】【正定】を習っているが、教えている事は、ほぼ同じである。
こうして『戒め』や『正しい行い』が明確になっていると理解しやすいが、はたして自分の行いは、どうなのか振り返らなければならないだろう。(もっとも、当たり前の事だけなのだが・・・)

さて、こうして『ROBONESS』を公開してきましたが、年内はここまでで終了といたします。続きは年明け(1月5日以降)から再開する予定です。
お読みいただきまして、ありがとうございました。

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2011年12月20日

ROBONESS (9/17)

ROBONESS第3章 地域と感謝
ロボットコンセプト(前編)


 オリエンタル機械ロボット開発室室長矢野文久(36)は、朝から妙にいらついていた。『超小型6軸ロボット』の開発に入ってから5ヶ月が経過し、設計のネックとなっていたハーネス破損問題も山形ハーネスの協力によって解決した後は順調に開発は進み、いよいよ完成間近となっていたのだが・・・

 「中島社長も今頃になってずいぶんやっかいな課題を持ち込んでくれたものだよな。我々は『超小型6軸ロボット本体の基礎部分』つまり《ハード》の開発設計を任されていた。もちろんこの仕事は我々の本業である訳だし、得意分野だから一所懸命に今日までやってきたわけだ。ロボット基礎部分の開発が完了すれば、量産体制に向けての《製造仕様書》と《品質管理仕様書》を作り、後は製造部へと移管し、我々の仕事は終了という訳だ。ま、設計バグが出れば手直しをしなきゃならんけど。あとは出来上がったロボットをどう使うかは《購入するお客さん》と《営業部》そして《SE開発》の管轄だし、向こうには《スカラ》で貯めこんだ使い方ノウハウが沢山あるし専門家だから《ロボットの使い方》を考えるのはお手の物だろう。
 しかし、今回は《ロボットの使い方》・・・つまり《ソフト》の部分まで我々開発室の人間に考えろという命令だ」「私は『スカラ』の開発を得意としていましたから《ロボットの使い方》を考えるのは得意かも知れませんよ〜」と、ロボット設計生田正樹(35)が「私に任せなさい」という口調で答えようとしたところ「何を言ってるんだ!」と矢野の罵声と唾が飛んだ。「生田、『スカラ』と『6軸』は全く違う用途だっていう事は以前に教えたはずだぞ。設計コンセプトが全く違うんだよ!」「そうでしたっけ?ずいぶん前の話だから忘れちゃいましたよ」「いいか生田、『スカラ』はどちらかと言うと《XY2軸ロボット》の延長線上に有ると考えて良い。しかし『6軸』は取り付けるオプションによって《2足歩行型ロボット》に分類される事もある。鉄人28号の原型は《6軸ロボット》という訳だ」「げげっ、鉄人28号すか?矢野さんもそうとう古いっすねぇ」「そう、親父から初めて買ってもらったプラモデルが鉄人28号だったなぁ。他にブリキの鉄人28号も持っていたなぁ。あれを今でも持ってりゃ50万円ぐらいでは売れたかも・・・おっと関係ない話に走ってしまった。さて、いま開発しているロボットの《ソフト》をどう考えたらいいかなぁ?おそらく中島社長の考えも、今の《SE開発》に《ロボットの使い方》を考えさせたら《スカラの延長》程度の発想しか提案できないだろうから、我々に《ソフト》の部分まで考えろと言ったんじゃないのかなぁ」

 「ロボットの使用コンセプトを考える・・・なんか夢がありますね。そうだ!《ロボットの使用コンセプト》を社内から公募してみたらどうでしょうか?もちろん我々も考えますけど、今回お世話になった山形ハーネスさんからも募集してみましょうよ」「おう、生田君なかなかの名案だ。早速連絡をしてみよう」矢野は上着のポケットから《SoftBank携帯》を取り出すと器用に左手親指を動かしスライドさせた・・・携帯の待ち受け画面は娘の写真だったようで、携帯電話を手にするたび矢野の顔はニンマリする。(いてっ)

 ロボットには、製造現場に見られる『自動作業型ロボット』と、主に人間を相手にした『生活用ロボット』に区分される。従来私たちが係わっているロボットは、自動作業型ロボットの分野であり『XY2軸型(搬送用)ロボット』『水平多間接型(スカラ)ロボット』『6軸(垂直多関節型)ロボット』等があり、機械や物の搬送・自動組立・自動作業に使用されている。オリエンタル機械が最も得意としている『水平多間接型(スカラ)ロボット』も当然自動作業型ロボットなのであるが、今回中島社長が開発を命じたのは『超小型6軸(垂直多関節型)ロボット』であり、その小型性能から用途は製造現場に限定される事は無く、組み合わせによっては生活用ロボットへの応用も十分に可能な構造となっているのである。そこでオリエンタル機械ロボット開発室室長矢野文久はこの『超小型6軸(垂直多関節型)ロボット』の使用方法を広く公募した上で、全く新しいコンセプトを持って世に提示しようと考えたのであるが・・・。

ロボットコンセプト(後編)へつづく



ランチバイキング
ランチバイキング某ホテルで開催されている『成長塾』。開始は、午前9時30分。お昼はホテルの弁当をいただき、午後は12時50分から17時30分まで、少々の休憩をはさみながら、丸1日缶詰状態で奮闘する。
短い昼休み時間に、疲れた頭で廊下を歩くと、なにやら騒々しい。
原因は下のフロアーにあった。
このホテルで行われている「ランチバイキング(食べ放題?)」であった。高級ホテルに集ってのお食事中は、95%が女性でありました。こういう人達が日本の経済(消費)を支えているのか?
仕事に追われ、300円以内で昼食を摂っているご主人たちとって、知らない世界がここにありました。

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2011年12月13日

ROBONESS (8/17)

ROBONESS創造力(後編)

 大瀧の言う『これ』とは?
ロボットアームの角度αに対して、ロボットハーネスの配線位置はアーム回転の中心から【r/3】の位置にあり、『U25回路』の配線はその接線上に位置している。つまり、『U25回路』の動きはアーム制御角度βの動きに同調する関係となり、アーム回転数γによって【γ/2βθ】だけ偏芯するのだ。これにより、長時間アームの動きが繰り返されることによって、電線被覆に裂け目が発生し、いずれ断線してしまうのだ。わかりやすく例えれば《キンク:ヨジレ》のような状態である。肉眼では見えないのだが、40倍に拡大することによって《キンク特有の傷》を発見したという事である。これはαβγ値によって条件付けされるため、仮に『U25回路』の位置を若干移動させたとしても、別回路に於いて新たな『U25回路』と同じ障害が発生するという事であり、位置やスペースの問題では解決出来なかったのである。ロボット構造の基本部分での設計変更以外には、この問題を解決する方法は見当たらないのではないかと誰もが思った。

 みんなが同様に押し黙っている中で水口部長が口火を切った「さて、どうしましょうかね?確かに障害の原因を追究することも今回の目的であった訳で、この目的は先程解決した訳ですが、我々はハーネスのプロとして、この問題の解決策まで提案すべきだと思います。・・この場で一番若い早坂課長、君の考えは?」突然自分に振られた早坂外注管理課長は「ち、ちょっと待ってくださいよ。え〜、こ、この問題は、ロボットの設計上の問題であって私たちハーネス加工屋の関知する問題ではないと思いますよ。もともと私たちは、メーカー側が用意した仕様書に対していかに忠実に物作りをするのかが・・・」「ちょっと待てよ早坂!まだそんな事を言っているのか。もうそんな『下請け根性』で生き残っていける時代は終わったんだぞ。(まだ分からないなら前項の水口の演説《P19『プロ意識』とは何か》をもう一度戻って読め!)これからは『創造力』を持つ企業のみが生き残れるんだ。我々にとって、正に今がチャンスなのではないか!『創造力』とは何かをみんなでもう一度考えてみようじゃないか」早坂の言葉を遮った森井製造課長が珍しく演説した。「森井さん格好良すぎぃ〜(嫁さんでも貰うんですか?)、俺にも、もっと良い役くれよな〜」と早坂は思ったが口には出さなかった。

 「さあ、もう一度問題を整理してみようじゃないか。『U25回路』の破損は磨耗や外部からの要因では無く、ロボットの構造に問題があったという事がはっきりした訳だが、ロボットの構造の設計変更は今の段階では不可能であると仮定しよう。では、どういう改善によって問題の解決が可能なのかを考えてみようじゃないか」佐藤専務が議長役となって検討会議が再開された。

 とはいえ、会議は妙案が出ないままに時間ばかりが経過し、それぞれの表情には焦りの色が現われ始めていた。そんな時に、会議テーブルから若干離れたところにある自分の机に向かってパソコンを操作していた大瀧が一言発した。「みんな、三百万回曲げても切れないケーブルが有ることを事を知っているかな?」
「え?三百万回ですか?三百万回屈曲しても切れないケーブル?確か、オリエンタル機械では百万回で満足だと言っていたはずだ」そんなケーブルが世の中にあるとすれば、全ての問題は一挙に解決である。「そんなバカな!」一同は目を丸くして顔を見合った。
「社長!そんなケーブルが世の中にあるんですか?」
「ウフフ、詳しくは知らんけども探してみる価値はあるのじゃないかな。で、仮にいくら探してみても無ければ・・・そう、この世に存在していなくても『創れ』ばいいじゃないか」
大瀧は《ニッ》っと笑って、みんなに向かってピースサインを出した。

 「そうか切れないケーブルを探し出せば良いんだ。そしてこの世に存在していなければ『創り』だせばいいんだ。こんな簡単なことに、何故気付かなかったんだろう。我々は『ハーネス屋』だ。電線ケーブルメーカーにとっては、客先であると共に『最も重要な情報源』なんだ。我々がロボットメーカーと直接情報交換をして、必要な情報を電線ケーブルメーカーに渡して『新型ケーブルを創造』する。存在していない物を生み出す考え方。無いことを嘆くのではなく、無いからこそ新しいものを創り出す。これを『創造力』と言うのだ。出来る出来ないを言う前に、まずチャレンジしてみようじゃないか。我々はその最先端の分野を担っているのだ!」またいつもの《感動のスピーチ》が水口部長の口から滝のように溢れだした。

 そして、ここからの行動は早かった。本社からの電線メーカーへのアプローチ。直接の取引先である電線メーカーからの情報の収集。電線販売商社への問い合わせ。関東営業所では諏訪課長をトップとして、情報入手体制を整え協力工場からの情報の入手。少しでも取り扱いの可能性の有りそうな電線メーカーには、水口部長が直接飛んで交渉を重ねた。日が暮れたころにはインターネットをフル活用した情報の入手を中心とする事になったが、総力をあげて『切れないケーブル』の情報を収集したのである。そして夜を徹して探し回った結果、暫定的にではあったが使用可能な『切れないケーブル』を探し出すことに成功したのである。

「いがったぁ〜、これで矢野室長との約束が守れるぅ〜」こっちの方が水口部長の本音だったのかもしれない。

 この報告を受けたオリエンタル機械ロボット開発室室長 矢野とロボット設計生田は驚きを隠せなかった。自分たちが3ヶ月間に渡って悩み続けていた『ハーネス破損問題』の原因がロボットの構造ではなく、ケーブルそのものの素材、我々が選定したケーブルその物に問題が有ったということ・・・それをたった2日間という条件の中で、見事に解析し、しかもそれに対応できるケーブルを探し出してきたという山形ハーネスの実行力。ハッキリ言って期待以上・・・いや、遥かに期待を超える結果をもたらしてくれたのである。矢野は心底思った「自分たち開発者にとって、何が一番重要なのだろう・・・それは信頼の置ける『ビジネスパートナー』と組むことだ」と。

 後日談であるが、出来合いのケーブル仕様では満足できなかったオリエンタル機械は、山形ハーネスの全面的協力のもと、『切れないケーブル』を自社開発し、自社製品に組み込むと共に【ROY-cable:ロボット用(R)/オリエンタル機械(O)/山形ハーネス(Y)-cable】として、ロボットハーネス向けに一般市販を始めた。もちろん【ROY-cable】の総販売元は山形ハーネスである。

 ところでこの【ROY-cable】を多量に購入しているのは『FUNAC』だという噂であるが、情報源は定かではない。

第3章 地域と感謝 「ロボットコンセプト」へつづく


長野 善光寺
長野善光寺雪の降った土曜日、早朝から一路名古屋へ向かい、雪の山形・新潟を通過すると長野は晴天、あまりの気持ち良さに途中「善光寺」へ寄ってみました。
「牛に引かれて善光寺」という言葉は知っていたのですが、訪れるのは初めて。噂に違わず立派なお寺でした。
珍しかったのは「お戒壇巡り」。本堂の地下を巡るというものです。全くの真っ暗闇の回廊を手探りだけで一回り。初めての経験・・・事前の知識0でのチャレンジでしたが、もっと違った楽しみ方があったようで、何か勿体ない500円でした。

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2011年12月05日

ROBONESS (7/17)

ROBONESS創造力(前篇)

 翌朝、一番の飛行機で庄内空港へと着いた水口は駐車場に泊めておいた自分の車BMWに乗り込むと、まっすぐに本社工場へと向かった。
 山形ハーネス本社工場は大山工業団地に鶴岡市が山形ハーネス向けに、敷地面積千坪、建屋総面積三百坪の三階建てで新築した物件を借り受け、移転したばかりである。《フラッシュグリーン(パッと目を引く印象的な薄緑色)》で統一された建屋は、周囲の田園風景に程よく溶け込んではいるものの、かなり遠くからでも目立つ外観となっている。もちろん土台コンクリートには《EMセラミックス》が多量に使用されると共に、各所に《EM処理》《FUF処理》等が処方され、敷地内は十分に《埋炭》されているので完全な《イヤシロチ構造》となっている。本社工場の新築は、何年来かの社員の夢であったが、現実には、鶴岡市の物件を借り受ける形で昨年秋にようやく現実のものとなったのだ。

 水口は電線の束を担いだまま三階にある社長室兼会議室兼応接室へと飛び込んだ。この社長室は試作・研究室もかねているのか、小型旋盤やフライス盤、ボール盤、各種計測機器類等も置かれている。すでに山形ハーネス社長である大瀧郁夫(54)は、本社幹部社員と各部署の責任者達全員を集めて水口の帰りを待っていた。
 山形ハーネスの主要メンバーは社長の大瀧の他、専務の佐藤嘉博(54)、常務の木野徹(53)、製造部長 平親清喜(51)、製造課長 森井亮(29)、生産管理課長 三浦拓也(27)、品質管理課長 渋谷正規(26)、外注管理課長 早坂勇一(25)。幹部以外の実務責任者達はみんな若い。他に現場を任せられている技術担当者達も、技術系専門学校あるいは工業高校からの採用が数年前から再開されており、生産メンバーは一様に若い。こうして経営幹部をはじめとした責任者たちが一同に顔を揃えると怱々たるものである。大瀧は「この会社も頼もしく成長したものだ」とあらためて感じていた。

 「ご苦労様です!」誰からともなく、戻った水口営業部長に対する労いの声がかかった。そんな声を聞くともなく水口は口火を切った。「昨日、急遽オリエンタル機械に呼び出しを受けた訳で、その概略は昨日のうちにメールを入れておきました通りですが、再度確認をさせていたたきます。ここにありますロボットハーネスには『重大な欠陥』が有り、現状では使用に耐えません。ロボットの配線部分の詳細は昨日メールに添付しました《PDPファイル》にあります写真と図面を参考にしていただきたいのですが、現状では『U25回路』のみが著しく破損する状況です。この原因が未だ究明出来ず、ロボットの開発が休止している状態となっております。当社に対しまして、この原因の究明と対策を依頼してきたという訳です。皆さんの協力のもと、なんとしてもやり遂げましょう」水口が状況を簡単に説明した。

 「このハーネスには、保護対策は取られていないのか?例えば《ケーブルカバー》とか《フレキ》とか・・・」まずはじめに一番妥当といえる質問をしたのは木野常務である。「現物を確認しましたが、全くそのスペースがない構造です。せめて《シース付のケーブル》にしたら、いかがなものかと提案したのですが、そのスペースすら確保は難しいとの事です」「スペースに問題がある事が明確となっているのであれば、スペースを広げれは良いだけだよね。躯体を俺が削ろうか?上手だよ」こうした楽観的な考え方をするのはたいていの場合、平親部長である。「おいおい、そんなに簡単な事じゃないだろう。スペースを広げられるんだったら、とっくの昔にオリエンタル機械でもやっているはずだろう」「もっと《コア径の細いケーブル》を使ったらどんなもんですかね」「いや、もっと弱くなっちゃうよな」「その場所ならフラットケーブルでも良いんじゃないですかね」「バンド止めの位置をずらして、この部分にゆとりを持たせたら収まりが良くならないかな」「いや問題はそこじゃなくて、こっち側に《Rを付けてフォーミング》をしたらスッキリするかもしれない」「フォーミングするならこっち側だろ」「おい、引っ張るなよ!切れちゃうよ」「いてて、俺の背中を押すなよ!」「俺の足踏んでるのは誰だよ?」「誰か、酒臭い奴がいるぜ。平親部長か?昨日飲み過ぎだろ」「いや、酒コップ五杯だけだ」「それが飲み過ぎだって言うの、臭っせぇ〜!」「誰だ!屁したの?」「俺じゃねえよ。早坂じゃねえか?」「やんや渋谷さん、おめえだ!」「ボクでネ〜ゾ」「おめえだ拓也」「なにぃ〜!」・・・・・ケンケン・ガクガク・ポカポカ・(プゥ〜)・「くっせぇ〜!」

 そんな様子を後ろから見ていた大瀧は、揉めている《人だまり》の中に割って入った。「おい、おい、ちょっと待てよみんな!それぞれが勝手な意見や考えをギャーギャー言い合ったところで、まとまらないだろう(なんだ、このにおいは?)。問題をもう一度初めから考えてみようぜ。そもそも『U25回路』部分の破損と、その周りの収まりの問題だろう。この破損の状況から察すると《X軸方向》での磨耗がひどいようだ。・・・ん、ちょっと待てよ。佐藤専務『40倍の拡大鏡』を持ってきてよ・・・な〜るほど、やっぱりそうか。この破損は磨耗によるものではないな。佐藤専務、拡大鏡を覗いてごらんよ」佐藤が拡大鏡を覗く「こ、これは・・・(わからね)」「そう、おそらくオリエンタル機械でも『これ』には気づいていないだろうな。『これ』は磨耗や破損と違って、ちょっと厄介な事になったようだな」大瀧は天井を見上げると大きなため息をついた。ようやく落ち着きを取り戻し始めた幹部・管理社員たちも順を追って拡大鏡を覗くと、それぞれが一様に納得した表情をうかべた。「そ、そういう事だったのか」「(オレはわからね)」

創造力(後編)へつづく


高野山紀行
信長墓碑先日、高野山へ参って来ました。
曼荼羅にはまっている身としては、当然訪れるべき所です。
それにしても、場所の持つ荘厳さはすごかった。昨年伊勢や熊野にも参って来たのですが、感じるものはそれ以上か?
20万基に及ぶお墓と慰霊碑は、空海の下で眠りたい、眠らせたいという信仰の強さか。写真は織田信長ですが、近くに豊臣秀吉やら、石田三成、武田信玄。他宗派の親鸞上人や法然和尚も眠っているというから凄い。「庄内藩主酒井家墓所」まである。(見つけて、びっくりしたぁ〜!)
名だたる企業の慰霊塔まで沢山あって、いつの日か当社の“やつ”も建立したいものです。

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2011年11月30日

ROBONESS (6/17)

ROBONESSプロ意識(後編)

 生田が『電線の束』を抱えて戻ってきた。
目の前に置かれた『電線の束』を見て水口は即座に思った「この構造からして『スカラロボット用』のものでは無い。明らかに『6軸ロボット用』の構造だ。しかも、かなり小型だ。そうか、さっき工場内を通過した時に気になった『奥の作業』はこれの事か・・・まてよ、オリエンタル機械ではスカラロボットしか生産していないはずだから、オリエンタル機械の中で『6軸ロボット製造プロジェクト』が極秘で進んでいるということか。我々が急遽ここに呼ばれたという事は・・・大きなチャンスかもしれない!」あんぐり開いた口から溢れ出そうになったヨダレを寸前ですすり上げた「ズ、ズ〜ッ〜」
「水口さん!」矢野に声を掛けられ、その瞬間水口は我に返った。「ズッ」
「すでにお見通しだとは思いますが、当社では現在極秘に『超小型6軸ロボット』の開発に着手しております。ロボット自体の設計は80%程度終わっているのですが『ハーネスの構造』がネックとなっており、現状では足踏み状態となっているところです。何とか山形ハーネスさんのお力をお貸し頂ければありがたいのですが」と言うと、矢野は深々と頭を下げた。その後、生田のほうから現在に至るまでの問題点が延々と説明された。「・・・以上が当社での『超小型6軸ロボット開発』に関しましてのハーネスの問題点となっております。特にロングアーム手前での《U25回路の断線》については原因の究明、対処方法等全くの未知の分野となっており、どうにも手が付けられない状況です」

 「矢野室長、生田さん、状況は把握いたしました。我々も小さいながらも『ロボットハーネス』でご飯を食べさせていただいております。従来『ハーネス加工屋』と言われる業界は100%『下請け加工業』と位置付けられており、得意先様からお借りした図面に基づいて、《忠実に》《正確に》《安く》作り上げる事が仕事となっておりました。であるから得意先様からは仕事を与えられる見返りとして『D:デリバリー(納期)』『Q:クオリティー(品質)』『C:コスト(価格)』のみを要求されてきたわけです。しかし、私どもはロボットハーネスのプロ集団です。『プロ意識』を持つという事は『D:デリバリー』『Q:クオリティー』『C:コスト』に加えて『B:ベネフィット』が必要なのです。『ベネフィット』とは一般にお客様にお与えする『ご利益(りやく)』と言われていますが、ある部分では『問題点の共有』であり、ある時は『共同開発』であり、全てはお客様に対しましての『メリット』そして『お客様の感動』なのだと思います。当社の『プロ意識』を持ちましてこの問題に取り組ませていただきます。何が何でも問題を解決をさせていただきます」
 ようやく熱のこもった水口の演説が終わった。諏訪は思った「なんだかうちの社長の《受け売り》じゃないか・・・でも、旨い演説だったなぁ〜、俺も見習わなきゃな」「とりあえず本日のところはこの『電線の束』を持ち帰らせて頂き、本社にて《分析》をさせて頂きたいと考えますが、宜しいでしょうか」水口はさっきまでの演説の余韻がまだ残っている口調で訊いた。
 「そうですね〜2日以内に結論を出して頂けるのなら・・・」すらっと矢野が答えた。
「2日以内?ちょっと無理じゃね」とは思ったのだが、心とは裏腹に「了解いたしました。明後日には何らかの回答をさせて頂きます!本日は貴重なご相談をいただきまして、誠にありがとうございました」と回答した水口と、『電線の束』を風呂敷で包み首に抱えた諏訪の二人は深々と頭を下げて退室し、オリエンタル機械を後にした。時間はすでに8時を廻っており、満天の星が夜空に広がっていた。「おい諏訪、沼津港で寿司でも食っていくか?(ただし割勘だぞ)」「いいすね(とうぜん水口部長の驕りでしょ)」その後の支払がどうなったかは不明である。
 「生田、山形ハーネスの印象はどんな感じだった?期待出来そうかな?」「そうですね期待以上には、やりそうですね。水口部長の最後の演説『プロ意識』を聞いていたら私、若干目が潤んできましたよ。ああいうのを『感動』っていうんですかね?」「いやぁ〜、本当の意味での『感動』は、我々の抱えている問題が彼らの協力によって解決できた時なんじゃないかな」
 生田が帰宅した後で矢野はつぶやいた。「今朝と同様《たかだか社員数20数名の『田舎のハーネス屋』にいったい何が出来るのか?》不安ではあったが、会って話してみるものだなぁ。決して今日の時間は無駄ではなかったし、生田の言うように予想以上に期待をしても良いのかもしれない。これからは『社員数』や『所在地』は俺の思考回路から切り離さないといけないなぁ」矢野の頬は緩みっぱなしであった。「(いてっ)」

創造力(前篇)へつづく


私の改善発表会
111126改善発表会26日の土曜日に開催された「私の改善発表会」。
地元の企業8社の取り組みが発表されました。当社も出場しました。
こういう場での発表は、コンセプトの明確さが一番。如何に分かりやすく伝えるかがポイントです。私の個人的な評価では、当社の出来は、8チーム中3番目の出来でした。
さすが、OMチームは出来が違いました。すぐにでも役立ちそうなヒントが満載。
来年も出場できるように頑張ろう!

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2011年11月28日

ROBONESS (5/17)

ROBONESSプロ意識(前篇)

 本社からの連絡を受けた山形ハーネス営業部長 水口啓一(44)は、早速携帯電話でオリエンタル機械ロボット開発室室長 矢野文久(36)に連絡を入れた。矢野からの電話を受けた当日、タイミング良く水口は関東営業所駐在 営業課長諏訪雅一(28)を伴って、沼津方面への営業活動が予定に組み込まれていたので、《予定された会社》への訪問が終了する夕刻5時に、オリエンタル機械への初回訪問が決まったのだ。
 オリエンタル機械の矢野にしても、昨夜の『山形ハーネスホームページ』の閲覧の翌日に、『山形ハーネス』の営業責任者と直接の面談をする事になろうとは夢にも考えていない展開だったから、両社を結ぶ赤い糸『ある種の運命的なもの』を感じざるを得なかった。

 オリエンタル機械を訪れた水口と諏訪は、守衛室で来場者プレートを胸に付け、守衛から指示された道順の通りに工場内を進むと、どこか見慣れた光景が目の前に飛び込んできた。スカラロボットの製造ラインである。ラインの上にはやや小型のパレットが整然と並べられ、1個1個のパレットにはスカラロボットが1台づつ載せられている。このパレットが1サイクルずつ進み1サイクル毎に1工程が加えられ、30サイクル、つまりラインを1周すると1台が完成する仕組みだ。ここを訪問する前にさっきまで工程打ち合わせで訪問していた《ロボットメーカーIWI社》とまったく同じ製造光景が目の前で展開しているのだった。この光景を目にしただけで水口は「スカラロボットだけを追いかけていたのでは、営業的、特に価格的にはすでに頭打ちかもしれないな」と感じていた。すると「水口さん、ここのスカラロボットの生産量はすごいですね。受注出来るように頑張りましょうよ」と、水口のやや後ろを歩いていた諏訪が耳打ちをした。「諏訪は営業マンとしてのセンスは、まだまだだな。さて、諏訪に営業マンとしてのカン所を教えるには何から進めようか?」と水口は瞬間思ったのだが口にはしなかった。ふと、スカラロボットラインの奥に目をやると周りの風景には馴染まない形状の《小型ロボットらしきもの》が数台置かれ、ある物は停止し、ある物は分解され、ある物はひたすら同じ動きを繰り返している。水口はその光景を見ると「あそこの方が面白そうだ」なんとなくそう感じさせる一角であった。

 工場内のロボット製造区画を通り過ぎるとすぐの所に『R6開発室』というルームプレートが掛けてある部屋あった。水口と諏訪はドアの前で立ち止まり、どちらとも無く時計を見ると約束の時間である5時に5分前であった。「ちょ〜どよし」二人は目をあわせて頷き、大きく息を吸い込むとドアをノックした。

 「株式会社山形ハーネスで営業をしております水口と申します」「同じく関東営業所の諏訪と申します」「オリエンタル機械ロボット開発室室長の矢野と申します」「ロボット技術の生田です」

 たわいも無い挨拶から始まった会話は、両社の紹介、昨夜から今朝に掛けての矢野の思い。そして『山形ハーネスホームページ』を読んでみての感想が主な話題となって進んでいった。生田も矢野の指示によって『山形ハーネスホームページ』を今朝から一通り読んでいたので会話の進行から外される事は無かった。

 「ところで・・・」と話の方向転換を謀ったのはやはり矢野であった。
「御社は『ロボットハーネス』に於ける《オーソリティ》と伺っておりますが・・・」
「矢野室長、弊社は《オーソリティ》といったような大げさな立場では無く、単に場数を踏んでいるという事だと思います。決して驕るつもりはございませんが、弊社の営業の流れと致しましてのロボットハーネス分野に於ける《経験》は、産業機器分野の延長として始まっておりますので、簡単な『XYコントロール2軸ロボット』から『多関節知能ロボット』の分野まで広い経験を有しており、更には、すでに20数年来ロボット製造分野に於けるケーブルハーネス業界での実績を持っているということです」「なるほど他社より広い分野と、長い経験ですか」矢野は大きく頷くと共に、まぶたを閉じた。

 「矢野さん、そろそろ《例の物》を持ってきましょうか?昨夜のうちに本体から取り外しておきましたが・・・」と、生田が矢野と水口の会話に割り込みを入れると「そうだな、頼む。・・・水口さん諏訪さん、この辺でちょっと一服しましょうか」と矢野は席を立ち、生田が気を利かしてスターパックスからポット買いをしておいた《レギュラーコーヒー》をコーヒーカップと共に運んできた。
 「ところでお二人は、煙草は?」「私たちは煙草は吸いません。ま、禁煙のキッカケは妻や小さな娘に対する健康への気遣いなんですけれど、一方で社内経営品質活動の一環として全社禁煙を目指した運動をしているところです・・・もっとも、ごく最近の話ですがね」凛として応対している水口の横顔を、諏訪は横上目使いで見つめた。諏訪は未だに煙草を止めてはいないのだった。「水口部長だって煙草を止めて、まだたったの1週間じゃないですか!いったい、いつまで続くことやら?」口には出さずに唾と一緒に言葉を飲み込み「矢野室長は吸われるのですか?」と、わずかな期待を持って質問を返した。
 「私ですか?そうですねぇ、大変なヘビースモーカー・・・で、した。設計者に《くわえ煙草》は付き物ですからね。ところが止める気など全く無かったんですが《読んだ本》がきっかけで突然止める事になってしまって・・・言ってみれば、私にとっての禁煙は《事故》みたいなものですかね。あれからもう6年が経ちましたよ」
 水口は「あれっ?この話どこかで聞いた様な気が・・・?」諏訪と、またしても目が合ってしまった。

プロ意識(後編)へつづく


経営集会先日開催された「経営研究集会」
山形県中小企業家同友会の面々とは何年ぶりかの再会でした。「社員教育部会」では、弊社の専務が社員教育に関する取り組みを発表し、賞賛を得ていました。ところどころに社長である自分も登場するのでヒヤヒヤものです。しかし、この発表で感じたのが私と専務との間にある『距離感』。社長の思いを100%共有することの難しさでした。
これを機会として、もっと幹部間の『思いの共有』を図って行かなければならないと認識しました。

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2011年11月21日

ROBONESS (4/17)

ROBONESS第2章 創造力と感動
感 動

 プ・ルルル〜 プ・ルルル〜
 「おはようございます。山形ハーネスでございます」

 耳に入った第一声は、多少年齢を感じさせる声ではあったが、同時に多少の爽やかさも感じることが出来た矢野は、電話応対の第一印象として『合格点』を付けた。「オリエンタル機械の矢野と申します。御社へは本日初めてお電話をさせていただいております。当社は静岡県沼津市に本社がございますロボット製作のメーカーでございますが、当社で使用いたしますロボットハーネスの件につきまして、御社にご相談申し上げたいことがございまして連絡をさせていただきました。つきましては営業もしくは製造関係のご担当者がいらっしゃいましたらお電話口までお願い申し上げたいのですが、宜しいでしょうか?」矢野は一気に用件のみを述べた。

 「はい、オリエンタル機械の矢野さまでございますね。お電話ありがとうございます。ご用件は確かに承りました。あいにくですが、ただいま製造責任者は外出を致しております。営業担当の方は本日弊社関東営業所のほうに出張いたしておりますので、営業担当の方に、至急、矢野様からのご用件を伝えまして、折り返し営業担当のほうから矢野様へ直接連絡を入れるよう申し伝えますので、矢野様のご連絡先をお教えいただけましたら幸いでございますが、よろしいでございましょうか?・・・それでは復唱をさせていただきます。・・・で、間違いございませんでしょうか?ありがとうございます。早朝からのご連絡ですのでお急ぎのことと存じます。至急にご連絡を入れさせていただきますので、少々お時間を頂けますよう宜しくお願い申し上げます。私、山形ハーネスの帯谷と申します。お電話ありがとうございました。」

 受話器を置いた矢野の顔が思わず綻んだ。電話を掛ける前は、たかだか社員数20数名の『田舎のハーネス屋』との侮りがあったのだが、今の『電話応対』から、大企業いや当社の本社ベテラン事務員以上の感触を受けたのだ。今、『電話を掛けたこの会社』とは今まで全く接触も無く、人も工場も技術も何も知らず、全てはこれから始まろうとしている関係の中で、すでに『何らかの信頼感』を感じ始めている自分が不思議であった。『電話応対』ひとつ・・・全く期待をしていないところに『小さな感動』があったような気がしたのだった。「この会社なら、我々の悩みを解決してくれるかもしれない」そんな期待感が、一本の『電話応対』から芽生えたのだった。

 一方、電話を受けた帯谷寿子(?)は大騒ぎである。
「水口部長さ、電話さねばねぇ〜!阿部はんや、水口部長、事務所さいたやのぉ〜?・・・もしもしぃ〜、部長ですか?スワ?・・・おめでね。はやぐ部長さ変わってくれぇ〜!・・・部長!あののぉ、オ、オ、オリエンタルモーター・・・んでね、オリエンタル機械の矢野さんって人から電話でのぉ〜、折り返し電話くれって事でのぉ〜、すぐに電話してやってくれのぉ〜!」「帯谷さんや、して用件はぁ?」「あど忘れたぁ〜・・・までよ、なんだか『ロボットの歯がね〜えす』とか喋ったっけのぉ〜」「何やそれ、あど分かったてばや!電話せば、いいなんろぉ〜。(ガチャ)」「なんだや〜、いきなり電話切らねくたっていがろに。
しても、このめ『ビジネス電話の応対の仕方』の本、読んでおいていがったなやぁ〜」ホッと胸をなでおろした帯谷であった。

 先の『感動を与える電話応対』の後で、山形ハーネス社内ではこんなやり取りが有った事は、沼津で『小さな感動』に浸っている矢野さんは、知る由も無いのであった。

プロ意識(前半)へつづく


111121hotel先日泊まったホテルでの一コマ。
チェックイン時に「お客様のご予約プランより、広めのお部屋をご用意いたしました」と言われ、期待して入った部屋は、なんとツインルームのシングルユース。更には、写真のようなウェルカムプレゼントがあったりで、感動してしまいました。しかも、名前まで入っている・・・これは効きますね。
最近のビジネスホテルは、価格やサービスだけではなく、『感動』が必要なのですね。

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2011年11月16日

ROBONESS (3/17)

ROBONESS検索No.1企業
 二人がそんな会話をしているところに部品調達の責任者である購買課長 井出彰(42)がやってきた。この男、身長に対してやけに顔が大きいのが特徴である。「よう、お二人さん。連日連夜の残業ご苦労様です。社長直々の命令とはいえ、短時間で新型ロボットの開発とは酷な話よねぇ。ところで、コクはコクでもコクのある・・・山形は大山の地酒を資材調達という役得で入手いたしましたので、おすそ分けにと参上いたしました。ま、山形の地酒でも傾けながら《凄いロボット》を開発してくださいましぃ〜よ」と酔ってもいないのに、すでに酔いが回ったような言い回しである。
 「おっと、これは何時も陽気な《部品買いの魔術師》井出さんではあ〜りませんかぁ〜。差し入れごっっつぁんです。ところで井出ちゃんさぁ〜、購買の顔の大きさ・・・おっと顔の広さでさぁ〜、どこかで『絶対に切れないハーネス』っての売っていないかなぁ〜?」井出のノリに合わせて矢野が聞くと・・・

 「なんと『絶対に切れないハーネス』ですかぁ?いくら私の顔が大きい、いや広いからと言って難問ですなぁ・・・おっと、ちょいと待っておくんなさい。そういや以前に風の噂に聴いた『ロボットハーネス専門の加工屋さん』が東北のほうにいるとかいないとか・・・え〜、え〜と、や、やま、やまのあなた(違う!)山・・・そうそう、この地酒と同じ『山形』ハーネスって会社があるんだってさ。なんでも例の『FUNACさん』がNC制御から知能ロボット分野へ進出したときに『九崎総業さん』と組んで、ロボットケーブルの加工は相当やっていたらしいよ。その後は『FUNAC・九崎総業連合』には苛められて、最後には斬られちゃったらしいけど、聴くところによると『ロボットハーネス』は、今でも相当やっているという話だ。こりゃ今日の差し入れは《山形は大山の地酒》だったはずだけど『山形のハーネス屋さん』の方が大きな顔・・・いや大きな《差し入れ情報》となりましたなぁ〜」井出は自らがしゃべり終わると、自ら持参した『大山の地酒』の栓を開け、場所も時間もわきまえずに勝手に一杯やり始めたのだった。「うい〜っ、うめぇ〜、ぷっはぁ〜」

 一方、「そうか『ロボットハーネスの専門屋』に相談するという方法があったんだ!」「そうですね。『餅は餅屋』ということですか!」今まで悩んでいた二人に、少〜しではあるが明るい日差しが差し込んだような気がした。突然「いてっ、いてっ!」矢野は一気に2本抜いたようだった。その隣で「ズゥ〜、ズゥ〜ッ」っと、生田はとっくの昔に空になった《ラテ》をすすっていた。「最近、中身の量が少なくなってきたのかな?」

 その晩、矢野は井出から差し入れてもらった『特選大山』を飲みながら、自宅のパソコンの電源を入れた。「さっき井出が言っていた『ロボットハーネス専門の加工屋』がどこにあるのか。ちょっと調べてみよう」パソコンが立ち上がったところで、まず《ロボットハーネス》をキーワードとして検索を掛けてみると、全18件のヒットがあり、その1番目に《山形ハーネス:ワイヤーハーネス加工・電線加工の営業案内》というページがヒットした。「おお、これは井出が言っていた『山形ハーネス』が1番初めに出てきたぞ。ん?これは『山形ハーネスのホームページの中の営業案内のページ』ということか。それにしても《ロボットハーネス》の検索結果が全部で18件のヒットと言うのは少ないな。《ロボットハーネス》は、メジャーな《キーワード》では無いのかもしれないな。・・・よし《この》キーワードでもう一度検索をしてみるか」矢野は《ロボットハーネス》というキーワードが一般化されていない現状を知り、多少の不愉快さはあったが《次のキーワード》を入力すると《Enterキー》を叩いた。
 その瞬間、正確には0.02秒後に、六百四十万件がヒットしたのである。「お〜!さすがに《ハーネス》で検索するとすごい数だな。なに?ここでも六百四十万件の1番目は『山形ハーネスのホームページ』か!《ワイヤーハーネス設計製造販売and電線加工の未来を考える 山形ハーネス》・・・よし、この際ホームページをちょっとのぞいてみようか」とつぶやきながら矢野は『山形ハーネスのホームページ』へアクセスをした。・・・「ふ〜ん『このホームページ』は素人が作成したのかな?随分ダサイなぁ」頬を歪めながら『特選大山』を一口流し込むと、矢野の《眼》は19インチワイドディスプレィの中に引き込まれていった。・・・この時矢野は、なぜか無精ひげは抜かなかった。

 参考までにキーワードを《ワイヤーハーネス》で検索すると四十一万四千件中・・・第1位であり、《ハーネス加工》では百十一万件中・・・第1位。多少分野の違う《ロボットケーブル》ではさすがに番外であるが、これが《ロボットケーブル加工》となると四十五万件中・・・第3位となっている。《ワイヤーハーネス設計製造販売and電線加工の未来を考える 山形ハーネス》(2008/02/28Yahoo!調べ)

 酔いがだいぶ廻りつつも『山形ハーネスのホームページ』を出来うる限り隅々まで熟読した矢野は、頬の歪みも取れ、なんとなく心の片隅に小さな明かりが灯るとともに、明朝『山形ハーネス』に直接コンタクトを取ってみようと心に決めた。「(いてっ!)」

第2章創造力と感動 「感動」へつづく


最乗寺茶屋大雄山 最乗寺で行われる『禅寺特訓道場』へ若手リーダーを、順次派遣しています。内容についてはリンク先を参照していただくとして、ここでは、バスを降りて、最乗寺駐車場で目にした光景の一コマ。
「茶屋」が地面にめり込んでいる?思わずそう思えるようなスナップでした。
『禅寺特訓道場』とは何の関係もありませんが・・・とにかくバスを降りてから、本堂までの上りがきつい。ただそれだけの事でした。

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2011年11月14日

ROBONESS (2/17)

ROBONESS第1章 序 章
開発担当者の苦悩

 「社長の思いつきの一言で『超小型6軸ロボット』の開発かぁ〜。そりゃさ、技術屋としては、やり甲斐があるとは思うけど・・・あの開発期間ではちょっと無理なんと違うか
なぁ〜」6軸ロボット開発室の責任者となった矢野文久(36)は無精ひげを撫でながら独り言のように言った。その隣の席に座っていた、スカラロボットの設計者である生田正樹(35)は、あまり美味いとは思えないスターパックスのラテMサイズをすすりながら「矢野さん、他社が製造しているロボットを参考にすることはままならんという社長の指示はきついですよね。一から自社で開発・・・というより私に開発しなさいと言ったって、原理も部品も全てをオリエンタル機械ブランドで統一するなんてこと・・・出来やしないと思いますよ。もしかして社長は『4軸スカラ』に単純に《間接を二つ》プラスすれば『6軸ロボット』が出来上がると考えているんですかね。しかも超小型ときた・・・それにしてもこのラテは甘すぎるなぁ」同期入社でもある矢野は、生田をなだめるように「もう少し開発期間さえ長くくれればなぁ・・・天下の《FUNAC様》以上の性能を持つ『6軸ロボット』ぐらい作ってみせてやるんだがなぁ。ま、何とかしようじゃないの生田君。開発期間の延長は、なんとか僕の方からもう一度かけ合ってみるよ」「そうですね矢野さん。始める前からウダウダ言ってみても進みませんからね!」生田は、甘すぎるラテを一気に飲み干した。

 二人は大企業の社員には珍しく『ポジティブ(積極)思考』の持ち主であった。そしてこの思考の柔軟さが将来大いに役立つことになる。二人は数人の技術者たちと共に、この日から『超小型6軸ロボット』の開発に取り組む事になった・・・

 開発を始めて早3ヶ月が経過し、ようやく『超小型6軸ロボット』は、ロボットとしての体(てい)を成してきたのだが・・・形が完成に近づいていくのと同時に機能上の問題点も多く露呈してくる。一番のネックとなっている部分が、ロボットの血管であり神経である『ロボットハーネス』にあったのだ。血管つまり電力の供給回路は何とかうまくいっているのだが、神経つまり情報信号伝達回路に問題が発生していたのだ。『4軸ロボット』と違って『6軸ロボット』の動きは単なる軸数の違いとは大きく異なり、開発者の予測を大きく超えて複雑になっていった。アーム内部の中枢部分を通り、複雑に組み込まれた『ロボットハーネス』に掛かる負荷は、その動きに比例して大きくなる。複雑に組み込まれた『情報信号伝達回路』の中の1本、いや1芯にでも断線や不具合が発生すれば、人間の腕にたとえると1本の神経の断絶によって指の動きが緩慢になるのと同様に、ロボットはその機能を失うのだ。当初は簡単に考えていた『ハーネス回路設計』であったが、構造が単純であるが故に、そこに発生する問題点は大きなものとなっていった。
 生田は試作現場から開発室へとややうな垂れながら駆け込むと「矢野さんやっぱり・・・何度やってもロングアームの手前で《断線》が発生します。昨夜は五千七百回転で断線が発生したので、今日は配線順序を入れ替えて再トライしてみたんですが六千三百回で断線しちゃいました」と言うと自分の椅子にどっぷりと腰を落とし、とっくの昔に冷めているスターパックスのラテLサイズを一気に飲み干した「あ、甘えぇ〜!」
 「そうかぁ、あの部分は一度組み込むと補修が効かない場所だからなぁ。線が切れるにしてもロボットの寿命と同じく、百万回転ぐらいは耐えてくれないとなぁ・・・(いてっ)」矢野は無意識に無精ひげを抜いた。この行動は矢野の癖なのである。
 突然、生田は何か閃いたのか矢野のほうへ振り返えると「現状じゃボツですね。あのハーネスの構造では・・・い、いっそのこと『FUNAC』のハーネス技術を使ってみたらどうでしょうか?」「おいおい生田、『FUNAC』のハーネス技術だって?盗むのか?・・・おっと、あそこの部分の接続技術は『FUNAC』に《特許》で押さえられているんだぞ。使うにしたって使用料を払わなきゃなんないだろう。うちの中島社長がそんな提案を許可する訳ないだろう・・・(いてっ)」相も変わらず矢野は無意識に無精ひげを抜いている。
検索No.1企業 へつづく


CSR藤尾株式会社アイ・タックルが贈る第4回CSRフォーラム
致知出版社社長 藤尾 秀昭氏講演会 『出逢いの人間学』
当社のメンバー17名で、参加してきました。
藤尾社長の体から発せられるパワーに、会場は熱気ムンムン。緊張感あり、笑いあり、感動と涙ありで、1時間半が「あっ」っという間に過ぎてしまいました。こういう機会を経験することの少ないメンバー各自が、何か一つでも掴んでくれれば幸いです。CSRメモ
私はというと、最前列で「ピンボケ写真」を撮りながら一生懸命にメモを取っていたのですが、中々読めないメモは、取らないのと同じか?ってところです。

こういう企画をして頂いた株式会社アイ・タックル様に感謝です。水沢社長、ありがとうございました。

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2011年11月11日

ROBONESS (1/17)

ROBONESSまえがき 
静岡県沼津市に本社を置く工作機械メーカー『オルエンタル機械』は、資本金百二十億、年間売り上げ千六百億円(連結ベース)社員数三千四百名を超える総合機械メーカーである。主な事業内容として、射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機、印刷機械、精密機器、油圧機器、電子制御装置、鋳物、工作機械、半導体製造装置などの製造・販売を手がけているが、唯一のウィークポイントがロボット事業部であった。比較的構造が容易な『スカラロボット(肩と肘に関節を持つ水平多関節ロボット)』の開発と製造を得意としているものの、この分野は新規参入メーカーが多くコスト競争に陥っていた。

 『オリエンタル機械』社長の中島礼二(58)は、小型でより機能的な『6軸ロボット(垂直多関節型ロボット)』分野への進出が、ロボット事業躍進の鍵を握るものとして『超小型6軸ロボットアクションプラン』の立ち上げを命じた。
 しかし『スカラロボット』の構造は基本的に4軸構造である。この4軸構造技術から6軸構造技術への切り替えはそう簡単な事ではない。そもそもロボットの使用目的、あるいは使用分野が全く異なっているのである。このロボットの『使用コンセプト』から検討していかなければならない問題なのだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 このストーリーは、大手メーカーであるがゆえに安易な開発手法をとる事が許されない『ロボット開発技術者たち』と、その開発の一番のネックとなった『ロボットハーネス部品』の開発を通じて関係を持つことになった『ロボットハーネス供給業者(山形ハーネス)』との連携による、『超小型6軸ロボット』の開発ストーリーであり、このストーリーを通して「開発とは?」「プロ意識とは?」「創造とは?」「感動とは?」「お客様との係り方とは?」「会社・社員との係り方とは?」「ブランドとは?」等々から、『自社の経営ビジョン』を描き出すものである。

 尚、ストーリー展開に当たっての登場人物の固有名称・年齢等は全て架空のものであり、現実とは一切かかわりの無いことを明言しておきます。
では、ごゆっくりお楽しみ?ください。
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第1章 序章 「開発担当者の苦悩」 へつづく

さて、昨日は山形テルサで開催された「社長が期待する20代30代の若手社員がリーダーに飛躍するための10の基本」というセミナーに、若手社員と共に行ってきました。
とは言っても、私が受講するわけではなく、当社の若手リーダーが受講するのですが、その場に『見学者』としてお誘いを受けたのです。総勢33名の若手受講者数でしたが、社長の参加は私を含めて5名でした。
こういうセミナーに、社長が見学者として招待される意味とは?

会場の一番後ろの席に数名の社長たちが陣取っている・・・この効果は素晴らしいものがありました。セミナー会場の空気がビシッと引き締まるのです。自社の社長ではなくとも全員に緊張感が走るのです。当然、居眠りなど出来るわけがありません。午前10時から始まったセミナーは、終了の午後5時まで全く緩むことなく、終始緊張の中で行われました。
「中々やるもんだなぁ〜」と、主催者に対して感心させられました。

しかし、受講者も疲れたかもしれませんが、我々も、居眠りも出来ずに疲れ果てました。

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2011年11月09日

ROBONESS執筆秘話

ROBONESSさて、ブログ復帰第一号としては、これしかないでしょう「ROBONESS」です。

3年9ヶ月前に、何故このブログを中断せねばならなかったのか?
実は、この「ROBONESS」を執筆しなければならなかったからです。

平成20年の年頭の社長あいさつで「来期の経営計画発表会(4/18)までに、自社のビジョンをストリー化して、近未来小説として発表します」と言ってしまったのが始まりでした。(参照:ストーリービジョン
しかし、すでに2月だというのに、何の構想もストーリーも出来ていない。「こんな状況の中で、ブログなんか書いている暇は無い!」という事で止めちゃった(書けなくなった)訳です。
でも、ブログを止めたは良いけど、ストーリーは浮かびません。焦りだけがつのります。挙句の果てには、夢にまで出てきます。「所詮おまえには、小説など書ける訳がない」と・・・。

ところが不思議なことがあるものです。とにかく書き始めようと、人物設定やストーリーの組立を思いつくままに羅列し始めると、不思議と書けるものなのです。頭の中で組み立てようとしても何も浮かばないのですが、キーボードをたたき始めると、次から次と指が動き始めるのでした。これが「行動する」という事なのだと実感しました。
24時間、この作業に向かうことは出来ませんが、少しでも時間がある時は、執筆にむかい、出張中は携帯電話に書き込み、ほぼ1ヶ月間で書き上げたのが「ROBONESS」なのです。

kanbanそして現在、とうとう「会社の看板」としてその存在感をアピールしています。
この経緯を知らない人は、「なんでこんな看板が建ってるの?」と、疑問に思っているでしょうね。

さていよいよ本題ですが、これから数回に分けまして「ROBONESS」を全面公開して行こうと思います。これから自社の「ストーリービジョン」を作成しようと考えている人には、多少なりとも参考になればと思います。
社員向けに書いたので、飽きさせないように多少のユーモアを入れて、ドタバタ調の展開にしております。専門的な部分は、ほとんどが真実ではなく適当なので、深く追求しないで下さい。社員に伝えたい思いだけを読み取って頂ければ幸いです。

第一回目となる今回は、「目次と構成」を公開いたします。

  まえがき
  第1章 序章        開発担当者の苦悩
                  検索NO.1企業
  第2章 創造力と感動   感 動
                  プロ意識
                  創造力
  第3章 地域と感謝    ロボットコンセプト
                  量産体制
                  仲間たち
  第4章 向上意欲と笑顔 自主自立
                  喜 び
  第5章 ブランド      笑顔の和
                  ROBONESS
  あとがき

以上のようになります。

さて、読んでいただけるのかなぁ?ま、気楽に行きましょうか。

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2011年11月08日

七億円の扇子

111108壱億円思わず買ってしまった扇子。
よ〜く見ると、100000000、壱億円の札束、偽物銀行券、NISE4649、諭吉さんの鼻毛・・・よ〜く考えて作られています。
今の時代、バカ売れするかも?



さて、3年9か月の間放っておいた当ブログ「Two Big Eyes.」ですが、Facebookミス投稿のおかげで復活させる事に致しました。
中断してしまった理由はいろいろあるのですが、・・・まあそんな事はさておいて、お暇な方は過去にさかのぼってお読みいただければ幸いです。


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               (この間、3年9ヶ月です)
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2008年02月06日

寒鱈(ドンガラ)汁

すでに寒の時期も終り、立春も過ぎ、これからは春に向かってまっしぐら?なら良いですがまだまだシバレますね。さて当地にあって、この“寒の時期”の味覚は何と言っても『寒鱈』です。すでに寒の時期は終わったので、今期の『寒鱈紀行(総集編)』をいってみたいと思います。

これが本場のドンガラ汁なのだ!当家の『寒鱈』の“お食い始め”は1月16日に、隣家に住む母親からのお裾分け『寒鱈(ドンガラ)汁』から始まりました。「う〜ん、初物は美味い!」
次に嫁さんの実家との共同で購入した『寒鱈』で、今期2杯目、嫁さんの手作り『寒鱈(ドンガラ)汁』をいただきました。当家の『寒鱈(ドンガラ)汁』はドンガラと岩のり、あとは銀杏切した大根だけを入れたものです。「お〜、やっぱり我が家の『寒鱈(ドンガラ)汁』は美味いねぇ〜」
20日の日曜日は『鶴岡寒鱈祭り』が開催され、今期3杯目となる1杯500円の『寒鱈(ドンガラ)汁』をいただいてきました。出店にはいろんな鍋がありますが、魚屋さんの作る『寒鱈(ドンガラ)汁』が一番美味い!美味い鍋には長蛇の行列が。この時の『寒鱈(ドンガラ)汁』はどの鍋もドンガラと岩のり、そして刻みネギが入っていました。(ちょっとネギは邪魔かも・・・)
翌21日は大寒です。いよいよ寒鱈が一番美味しくなる時期です。24日には隣家との合同会食が企画され、朝取り地物“寒鱈”を1本仕入れてきての本格的『寒鱈(ドンガラ)汁』を腹一杯いただきました。「さすがに本場地物の『寒鱈』。美味いねぇ〜・・・今期4杯目」

ここまで食べれば満足しそうなのですが・・・、今年の寒鱈はちょっともの足りない?脂ののりがイマイチかも・・・、しかも“脂わた(肝臓)”が小さいなぁ・・・

ということで、26日の土曜日は酒田で開催されている『日本海寒鱈祭り』に出かけて今期5杯目の『寒鱈(ドンガラ)汁』1杯500円をいただきましたが・・・これは最悪!こんなに不味いのありか?・・・(こんな鍋を出していると“庄内名物の『寒鱈(ドンガラ)汁』ブランド”に傷がつく?・・・来年からの来客数がとっても不安)ま、ここ(酒田)の『寒鱈(ドンガラ)汁』は食べなかった事にして・・・
本来、ネギは入らない?翌27日の日曜日は、由良の『寒鱈祭り』にお出かけ。前評判では庄内一の『寒鱈(ドンガラ)汁』なのですが、残念ながら天気が悪く漁に出れないため地物の寒鱈は使えずに近隣の寒鱈での対応でしたが、さすがに『由良の寒鱈(ドンガラ)汁』のブランド化を目指すだけ有って「美味い!」由良の寒鱈(ドンガラ)汁は、寒鱈(ドンガラ)と岩のり以外は入れません・・・今期6杯目はなんとか合格点。
帰りには、ショッピングセンター内で『鍋祭り』というのをやっていたので、ちょこっと寄ってみて、今期7杯目、本日2杯目の『寒鱈(ドンガラ)汁』400円也をいただきましたが・・・「う〜ん、やっぱり今年の『寒鱈(ドンガラ)汁』はイマイチ満足出来無いなぁ〜」

節分を迎えれば寒鱈シーズンも終る・・・焦り?を感じた私の最後の砦は・・・
そう、行き付けのお寿司屋さん『彦右エ門』に今期最後の望みを託して、かみさんを連れて週末の金曜日に突撃すると・・・
「おう、ひさしぶりぃ〜・・・寒鱈あっか?」
「あっぜぇ〜、今朝、いい鱈へえったもの〜」
「しゃあ、タツ(白子)あっかやぁ〜?」
「おう、あっぜ」
「よっしゃ、寒鱈のフルコースでたのむぜのぉ〜」
「まかせれっちゃ」

ということで『寒鱈フルコース』・・・
本生!タツ(白子)のさしみ・・・絶品!寒鱈のさしみ(これは超超めずらしい。普通は有って昆布〆)・タツ(白子)のさしみ(これを食わずにいられない)・鱈子の醤油付け(これをご飯に目一杯かけてバクバク食う。今日はイカとの和え物)・粕漬け鱈の焼き物(丁度いい漬かり具合)・鱈の煮付け(これまた美味い)・・・そしてメインの『寒鱈(ドンガラ)汁』で大締め。そこに寒平目のさしみのおまけまで付きまして・・・お酒は“ふぐのヒレ酒”で合わせまして、目一杯堪能いたしました。ようやく今期8杯目にして大満足の『寒鱈(ドンガラ)汁』でした。

我ら東北の日本海沿岸に住む者にとって、この『寒鱈(ドンガラ)汁』があるから生きていけるのです。そして“寒鱈のさしみ”は、ここに住む者にしか食べる事は出来ません。

そう、この時期は雪に埋もれながら、うめぇ〜もの食ってるわけよ。我々は・・・それにしても何だかんだと言いながら良く食ったのぉ〜『寒鱈(ドンガラ)汁』




yharness at 07:45|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!opinion