日本でも,ハローウィーンがすっかり広まった感があるが,仮装パーティーが中心で,"Trick or Treat"は,まだまだ一般的ではない気がする。"Trick or Treat"とは,ハローウィーンの晩に,仮装をした子供が,近所の家を訪問して,「お菓子をくれないと,いたずらするぞ」と言って,キャンディをもらうイベントである。
 
  カリフォルニア州では,この"Trick or Treat"が性犯罪を犯した仮釈放中の者には,なんとも憂鬱なイベントになっている。
  性犯罪者が子供と近づかないようにするため,オペレーション・ブー(Operarion Boo)と呼ばれるルールの下,仮釈放者には,ハローウィンの夜,以下の義務が課されるのだ。
  
  ・午後5時から翌朝5時までの外出禁止
  ・外灯はすべて消して留守を装うこと
  ・キャンディーを配ってはいけない。ハローウィンの装飾をしてもいけない。
  ・警察当局の訪問以外に家のドアを開けてはならない。

  米国では,確かに,一定の性犯罪者は警察当局によって登録され,その情報はインターネットに公開されている州もある。しかし,ハローウィンは近所ぐるみの一大イベントであり,この夜にことさら沈黙するとかえって目立ってしまうし,この家に性犯罪者が住んでいると宣伝するに等しくなってしまう。
"Trick or Treat"中は,親も子供に付き添っているし,ここまで警戒する必要があるのか,と疑問に思う。

参考記事:http://www.latimes.com/local/california/la-me-1018-offender-20151018-story.htmlFA681BA6D202DC960453A6BC0BF10A5B17257B7C



lethal_injection

     2015年6月29日、連邦最高裁は、メゾドラム(midazolam)を使用する新3種薬物による死刑執行方法は、残酷な刑罰を禁止する合衆国憲法修正第8条に違反しないとの判断をした(Glossip v. Gross)。

     州が死刑執行の際に使用する3種の薬物は、それぞれ役割を異にする。第1の薬物は、受刑者の意識をなくさせるため、第2の薬物は、受刑者を動けないようにするため、第3の薬物は、受刑者の心臓を止めるために投与される。第3の薬物の投与により、耐え難い身体的苦痛を引き起こすことは明らかで、第1の薬物を抜きにして執行すれば、憲法の禁止する残酷な刑罰に該当することは間違いない。

     メゾドラムは、これまで第1の薬物として死刑執行に使用されていた、チオペンタール(thiopental)やペントバルビタール(pentobarbital)よりも、効き目が弱い。実際に、受刑者が苦しむ様子が観察された死刑執行例もある。しかし、州がチオペンタールやペントバルビタールを使用することは今や事実上、不可能となっている。国内外の製薬会社が州に対して販売を拒否しているためだ。

     今回、最高裁は、Baze v. Rees, 553 U.S. 35 (2008) の規範が適用されるとした。つまり、ある執行方法が残酷な刑罰と判断されるためには、①当該薬物が耐え難い苦痛をひきおこす明確なおそれがあること、及び②他の代替方法と比べて、そのおそれが大きいことの立証が必要となる。そして、本件では、いずれの立証もなされていない、との判断となった。

      本判決は、5対4の僅差による。ソトマヨール(Sotomayor)判事は、反対意見で、多数意見が要求した②の要件は、不合理な結論につながると指摘し、また、ブレイヤー(Breyer)判事は、反対意見で、死刑制度そのものが違憲であると述べている。

参考にした記事
SCOUSBlog 06/30/15, Symposium: A major setback for the antidemocratic war of attrition against the death penalty
CNN 06/29/15, How the Supreme Court dodged the real issue of lethal injection
The New York Times 06/29/15, Supreme Court Allows Use of Execution Drug

2015年6月26日、連邦最高裁は、量刑を規定する条項が不明瞭であるとして、違憲の判断を下した(Johnson v. United States)。

武器の所持を禁止する連邦法(the Armed Career Criminal Act)は、「暴力的(violent)」犯罪の前科が3つある場合、違法な武器の所持に対する量刑を15年から無期懲役に引き上げることを規定している。
同法は、「暴力的(violent)」な犯罪として、強盗や放火などの例示に加え、その他、人を傷害する可能性が高い行為(otherwise involves conduct that presents a serious potential risk of physical injury to another)を含めている。近年、検察官は、その他の行為には、飲酒運転や懲役前科の不申告なども含まれると主張するようになっていた。Johnson では、検察官は、散弾銃の所持の前科が、暴力的な犯罪にあたると主張した。

今回、最高裁は、その他の行為を量刑加重の要件に含めた条項は、明確性を欠き、憲法の要請する適正手続に違反すると判断した。

現在、同法によって、量刑が加重された受刑者は、約7000人いる。このうち、今回違憲と判断された条項に基づいて加重されたケースを選び出し、再度、量刑を変更する手続きが今後必要になる。

参考にした記事
Vox 06/26/15, Johnson v. United States: part of Armed Career Criminal Act struck down by Supreme Court
THINKPROGRESS 06/26/15, Justice Scalia Just Took An Important Swing At Mandatory Minimums

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