防衛医大を卒業して医者になる道
防衛医大の正式名称は、防衛医科大学校です。
通常、大学は、文部科学省が管轄する学術研究および教育の最高機関で、学校教育法に基づき設置されますが、大学校は学校教育法とは異なる教育訓練施設などの名称として用いられています。
つまり、防衛医科大は、防衛省が設置した大学校となります。
防衛医大に入学した学生は自衛隊員(特別職国家公務員)となるので、大学校の入学金と授業料は無料で、医学生には、毎月の給与と年2回の賞与および被服が支給されます。
つまり、防衛医大は、通常の医科大学でかかる入学金、授業料は無料の上、給料、ボーナスも支給されつつ、医者になれるというコースです。
しかし、無料で医者になれるという見返りに、卒業後は必ず医科幹部候補生として陸上・海上・航空の各幹部候補生学校で約6週間の教育訓練を受け、医師国家試験に合格後、幹部自衛官(2等陸・海・空尉)に任官しなければなりません。
そして、2年間の初任実務研修(防衛医科大学校と自衛隊中央病院で臨床研修)を受けたあと、7年間、自衛隊病院や部隊などで勤務します。
医学科卒業生で、9年以内に自衛隊を退官する場合は、大学校卒業までの経費(最高5,021万円)を国に払い戻さなければなりません。
支払う金額は、退官する年限が遅くなるほど、低減していきます。
実際、防衛医大を卒業して医者になったとしても、自衛官としての勤務がいやだったり、働く場所が自衛隊病院ばかりで、一般の病院より症例が少なかったり様々な臨床経験を十分に積めないからということで、9年を待たずに自衛隊を辞めていく医者も多いと聞いています。
その場合、残った年限に従って、経費を国に戻さなくてはなりませんが、医官としての給料を貯めたり、他の医療機関への転職に際しての支度金等で支払うケースも多いようです。
医者になりたいという動機は、人によって様々です。
親が医者で開業しているので跡を継ぐため、医者になって病気の人を救いたいので、医者は社会的評価も高く開業すればとても儲かる商売だなどなど・・・・。
一般の医科大学に比べて、自衛隊の訓練や、寮生活などいろいろと制約は多いけれど、お金の心配なしに医者になれるのは、特筆すべき施設だと思います。
なお、応募資格は、日本国籍を有する者、入校年度の4月1日時点で18歳以上21歳未満であることが条件です。
一次試験は択一式(国語・数学・英語)と記述式(国語、外国語、物理・化学・生物から2科目選択の理科、数学)二次試験は、口述試験と小論文試験、及び身体検査があります。
また、学校説明会もありますので、参加して、実際の学生さんからどのような寮生活をするのか、自由度なども見て、聞いて、確かめて、これなら大丈夫そうだと思えたら受験をしてみるのがよさそうに思われます。
以上
幼児教室パスポート・芳崎教育研究所