薬師寺運動器クリニック院長のblog

栃木県下野市の日曜診療・祝日診療の整形外科・運動器リハビリ・スポーツクリニックである薬師寺運動器クリニックの院長がつづるブログです。 土曜日も月に2回程度の診療をして、週末に多く発生するスポーツやレジャーでの痛みに対してなるべくその日のうちに治療開始できるようにしています。 栃木県や茨城県西部の野球選手が数多く来院されます。 診療に関連して是非知っておいていただきたいことや、診療に限らず新たな情報を述べていきます。

2018年06月

 当院のある栃木県下野市は、乳児の股関節に特化した検診を行っているということで、全国的にもまれな自治体のようです。平成の大合併で、国分寺町・石橋町・南河内町が郡部の垣根を越えて合併し誕生した下野市ですが、旧国分寺町が行っていた股関節の検診を継承して、下野市全体として実施することにしたという歴史的経緯があるようです。石橋地区や南河内地区の市民にとっては、合併で得られた福音といえるでしょう。
 さて、少子化ということもありますが、当院で股関節の検診を行うのは1か月に10人前後です。
 混んでいる診察時間帯に赤ちゃんに負担をかけてはいけないので、診察時間外の14時30分から他の患者さんとほとんど一緒にならないように実施しています。
 当院ではまず全例を超音波を用いた検査を行い、異常が疑われればレントゲン撮影を引き続き行うという方針でいます。
 生まれた週数や体重は当然ながら様々ですし、検査日が生後3か月すぐということもあれば、ちょっと遅れて5か月目に実施するという場合もあり、蹴る力も個人差があります。また、超音波検査は台の上で横向き(側臥位)で行うので、これを嫌がる赤ちゃんもいれば、抵抗することなく淡々と検診を受ける赤ちゃんもいるし、むしろ喜んでいるような赤ちゃんもいて、生後3か月にして個性が出てきています。
 赤ちゃんの個性を楽しみながら検診をさせてもらっています。
 なお、超音波を用いた検査も診療時間外に時間的余裕がある中で行えるので、丹念に超音波検査も行っております。幸いここ1年以上は超音波像で異常を疑うケースに出くわしておらず、レントゲン撮影も行わないで済んでいるのが現状です。
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 6月に入り、来院される方の数が多く、また広範囲から来院されるようになっています。
 10代の来院がもともと多く、夏の大会に向けて混んでいく時期でもありますが、学校で授業が行われている時間帯の午前中に来院される人数が増えていることから、中高年の受診も増えていると考えられます。ご住所は遠くは那須町、茂木町、埼玉県久喜市や加須市という方も来られるようになりました。
 4月から新人理学療法士が3名と、中途採用のアスレチックトレーナーが入職しました。
 6月から新人の理学療法士も担当する症例が徐々に増えておりますが、まだまだ予約枠には余裕があります。担当の理学療法士のご希望がなければ、新人が担当することもご検討くださいますようお願いいたします。
 理学療法士は保険診療で運動器リハビリテーションを担当しますが、リハビリには期限があり、お忙しいなかの来院では1週間に1回実施できるかどうかという方も多く、十分な結果が出し切れないまま終了になることがあります。
 また、症状がかなり良くなったので、予防・機能維持として運動の仕方をしっかり学びたいという方には、アスレチックトレーナーの対応が有効です。治療というよりも予防ということなので、あくまで自由診療でご本人の意思でのご利用ということにはなりますが、きちんと機能の維持管理ができれば、保険診療を受ける必要性が減少し、検査や投薬が不要ということで医療費の削減にもつながることが期待されます。
 当院のアスレチックトレーナーは健康運動指導士でもあり、高齢者の転倒予防体操を前職でも担当していたことから、当院でも集団での体操を行っています。ご夫妻で通っている方もいらっしゃいます。
 お友達やご夫妻など最大3名までで実施可能です。ひとりでは通院が億劫だけど、誰かが一緒にいれば安心という高齢の方にもおすすめです。
 運動器医療を通じた地域貢献を当院の目標としております。IMG_9697

 6月も間もなく終了し、いよいよ夏がやってきます。小学生~高校生の皆さんが大会のシーズンを迎えスポーツに励んでおり、一部の方が残念ながらケガをしたり故障をして来院されます。高校生の競技種目によっては、すでに3年生が引退し、大会もしばらくないということですが、一大イベントである高校野球の予選が組み合わせも決定し、これから開幕します。
 高校3年生の野球選手は、ベンチに入れるかどうか背番号がいくつか、気になるところでしょうし、ベンチに入れないということが決まれば、そこで公式戦は引退ということになり、厳しい現実を突き付けられることになります。
 選手が悔いのないように治療できることが当院の願いですが、思うようにいかないこともあります。この時期はやむを得ず関節内の注射やエコーを見ながらのハイドロリリース注射を併用するなどして、なんとか試合の時に痛みを減らす・薄める・なくすことができればと思います。
 大会という期限が迫っているなかでの治療は難しいものがありますが、精一杯のチャレンジをしてまいります。
 
 県内各地から多様なスポーツ競技の選手が来院されます。
 遠くは那須町から、県外なら埼玉県北東部の久喜や加須から。人数の増加としては茂木からの来院も増えた印象です。
 種目では弓道、ハンドボールが今年に入って増加傾向です。トライアスロンの高いレベルの選手も来院されることがあります。
 そんなこともあってか、6月に入り来院される患者さんの人数が多くなっています。お待たせをすることもありますが、他とは違う治療ができるよう努力しておりますので、どうかご了解ください。IMG_9706

6/14木曜~16土曜まで、福岡市で開催された日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)に参加してまいりました。
まずは6/14木曜に臨時休診としましたことをお詫び申し上げます。
学会には院長とアスレチックトレーナーの2名が参加し、それ以外のスタッフは14日に院内研修を実施しておりましたので、休診と知らずに来院された方が多かったと報告を受け、急遽当日にもSNSで休診のお知らせを追加の発信をしました。
事前に院内掲示やSNSでの発信を行っておりますが、ご迷惑をおかけいたしました。
当院は、原則として臨時休診をしないで学会に行けるよう、学会の開催されることの多い金曜・土曜を休診としています。例外としてこのJOSKASの他に、日本整形外科学会学術総会、日本足の外科学会、日本整形外科超音波学会 などが木曜や日曜を絡めて開催されることがあります。学会の内容によっては、これらの会にも参加する可能性もあり、今年も7/7土曜~8日曜に開催される日本整形外科超音波学会には日曜を休診として参加させていただく予定です。
こちらについてもご理解をいただきますようお願い申し上げます。


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 整形外科領域の運動器エコーを用いた診断や注射などの治療がものすごい勢いで広まっています。
 画像がとてもきれいになり、細い神経も描出できることも多くなって、今や注射の狙い打ちの効果が期待できる時代です。
 自分も運動器のエコーは十数年前から取り組んでいたつもりですが、どんどん機器も診断技術も進歩し多くの先生方が研究発表をされるようになって、運動器エコーを用いた自分の診療は遅れが生じていることを実感しています。
 運動器エコーの黎明期から、京都・大阪・愛知の先生方が先進的な取り組みをされてきたのですが、最近は奈良の先生方も運動器エコーに熱心に取り組まれており、いろいろなご縁で、奈良県の先生方と知り合うきっかけをいただき、奈良まで勉強に行ったり、奈良の先生がSNSで投稿されている画像を拝見したりしています。
 6月9日も奈良エコー勉強会が香芝市の永野整形外科で開催され、学んでまいりました。 
 開業の先生方が多い会でこれほど高いレベルの勉強会は、関東ではほとんどないのではないかと思います。
 栃木でのエコー診療のレベルアップをはかるべく研鑽をつんでまいります。
nagano

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