薬師寺運動器クリニック院長のblog

栃木県下野市の日曜診療・祝日診療の整形外科・運動器リハビリ・スポーツクリニックである薬師寺運動器クリニックの院長がつづるブログです。 土曜日も月に2回程度の診療をして、週末に多く発生するスポーツやレジャーでの痛みに対してなるべくその日のうちに治療開始できるようにしています。 栃木県や茨城県西部の野球選手が数多く来院されます。 診療に関連して是非知っておいていただきたいことや、新たな情報を述べていきます。

2018年08月

交通事故でもネックカラーをつけている人を見かけなくなっていると思いませんか?年にひとり見かけるかどうかといったところではないでしょうか。交通事故が激減したということではないようですし、治療の考え方が安静より早期から動かすという考え方に変わっているためと思われます。


 栃木県には理学療法士を養成する学校が2校しかなく、関東ではいちばん少ない状況ですし、栃木県南部と医療圏が重なる茨城県西部の筑西・結城・古河・桜川市にも理学療法士養成校がないようです。

 そのためかどうかはわかりませんが、病院のリハビリは運動器であれば骨折や人工関節の手術後が大多数と思われ、腰痛や変形性膝関節症などの慢性疾患については運動器リハビリが十分に行われていないように思われます。

診療所においても、新しい情報を入手せず、エコーもリハビリも実施していない施設が少なくないので、痛みが強ければ安静・湿布・電気治療という古典的な治療をしているところも少なくありません。


 運動器のエコー診療が全国的にすごい勢いで広がりを見せているなかで、エコーを見ながら痛みの原因と思われる部位へ生理食塩水を中心とした注射を行うことで、積極的に痛みを減らし早くから動かせるようにするという考えも広まっていて、当院はすでに取り入れています。

どこをターゲットに注射を打つかについては診察をしてよく考えないといけないですが、注射を打ってその場で楽になる人もすくなくありません。百発百中ではないが試してみる価値はあると思います。


 一方で痛み止めの飲み薬や湿布だけ処方すると、痛みが和らぐまでの時間が何日かかかることが多く、生活動作に関連する痛みの場合は、使いながら治そうとなるために、余計に時間がかかる印象です。なので、その間は「おとなしくしていた方がよい」「無理をしないように」といった話になりがちでした。

その結果、痛いので動かしにくい、動かさないので硬くなったり出力が落ちたりして、痛みを繰り返しがちで、「腰痛持ち」という人になってしまうことがあります。

さっさと動かせるようにしてリハビリをどんどん行える方がいいと思いませんか?

注射を打ってでもリハビリを早く行えることが望ましいと当院は考えます。

リハビリには期限もありますし。 


 交通事故でも肩甲骨付近に注射を打って楽になっている人が当院では増えています。むしろ患者さんから打ちたいと言って来院します。

薬を使ってでも・注射を打ってでも早期にリハビリをすることが望ましいという流れをが来ているにもかかわらず、新しい情報を入手できない環境にいれば、早期のリハビリや頻回のリハビリを受け入れないという残念なことも起こるのでしょう。

 

運動器不安定症やロコモティブシンドロームという概念も提唱されて久しいですが、多くの方は、「自分は関係ない」と思われることが多いようです。自覚症状のないうちに啓発して、介護予防に役立てようということが目的になります。

気づいた時には変形が進んだ骨、動きの硬い関節、しびれがなかなかとれない下肢といった状態になるのですが、車社会では気づくのも遅れがちです。

気づくのが遅れるため、今まで通りの生活ができると思ってしまい、相対的なオーバーワークになっていることも多いです。

 

早く気づいて、早く痛みを抑えて、早くリハビリを開始し、短期集中で行うことで、悪化を防げる可能性があります。

まだまだ啓発が必要です。IMG_0436


 整形外科の扱う運動器(筋肉・靭帯・関節・神経・骨など)の疾患ははじめは痛くないことがほとんどで、健康診断の対象でもなく、体が硬いとか筋肉が弱いといったことは年齢とともに起こるのだからしょうがないと思って放置され、動き始めや立ち上がりの際に瞬間的に痛い程度なので、「病気」として認識されていないことがほとんどです。
 中高年以上で痛みの部位が変わるのも筋肉のコンディション不良なのですが、「痛みが動く」と表現されることが多く、痛みを感じた場所全てがすでに機能低下を起こしていると考えるべきでしょう。
 内科の病気は痛くなくても治療としての内服を熱心に続けますが、整形外科の問題は痛くなければ放置、痛くなっても湿布を貼るか痛み止めを内服する程度で、痛くなくなると「治った」と誤解をされます。
 弱った筋肉、硬くなった関節に対して、湿布や痛み止めの内服で強くなったり柔らかくなったりしないのは、冷静に考えれば当たり前だと思うのですが、医療従事者の多くでさえ、湿布と痛み止めの内服処方を漫然と行っています。
 弱っていれば強化、硬ければストレッチ、時間の経過で運動能力の低下が予想される世代には転倒予防のためにバランス保持訓練、自分の運動能力の現状を知ってもらうなどの対応が必要ですが、痛みがあれば、さっさと注射を打ってでも早めに痛みを抑えてリハビリを実施すべきと考えます。
 どこが弱く、どこが硬く、どの程度の運動能力なのかを知らずに、自己流で運動をしてもピント外れになることも多いです。「ジムに通っている」という人もいますが、目的の違う運動をしていることも多く、そういう場合は結果を得られていません。 
 体のコンディションは変化していくわけですから、何か月も前に教わった運動を続けているだけでいいわけではなく、変化に対応して次々と対策をとる必要があります。
 痛みの変化があれば、即効性があるのがハイドロリリースと呼ばれる生理食塩水を中心とした注射であって、エコー像を見ながら痛みの原因と思われる部位に針を進めて注射を打ち、そこが原因としてヒットすると、その場で痛みが取れることがあります。「くすりで様子を見る」などと言っていると時間が余計にかかることもあります。特に早期の社会復帰、スポーツ現場への復帰などを希望される方や早く痛みを取りたい方は、針を刺される痛みも少し伴いますが、注射を打ってでもリハビリを行うべきです。
 今どきは交通事故の頸椎捻挫(いわゆるむちうち)でもネックカラーをすることはほぼなくなっており、1年の間にネックカラーをしている人を見かけなくなったと思わないでしょうか?
 安静よりも早く動かせるようにするのが当たり前になってきています。注射を打っていったん10分の2~3ぐらいまで痛みが軽減したのであれば、そこが痛みの原因の可能性が高いです。その近くが再度痛くなれば再度注射を打ってリハビリを進めていくべきでしょう。
 自己流の考え方を解剖学的な裏付けもなくしてしまうと、なかなか良くならないことも容易に予想されます。運動器疾患は生命には関係ないので、ただちに困らないと思われるでしょうが、将来の介護の問題に直結していくことも多いです。痛くないからとリハビリから脱落する中高年も多いです。
 学生・生徒の皆さんの運動器疾患も痛みが取れても問題が残っていることも少なくないのですが、実習とかテストがあるという理由で通院をやめてしまう人もいます。もったいないので病状についての理解を深めていただくように説明はしているつもりですが、自分の考えを持ってしまうとなかなか聞き入れてもらえないことも多いですね。
 リハビリを行っている施設がまだまだ少ないので、脱落すると戻ってきても予約を入れにくいことがあります。
 ご自身の運動器に起こっている状況の仮説を理解できるかどうか、受け入れられるかどうかが治療のうえで大切なことです。痛みが取れてからが重要です。CIMG1867

 

 休診日を利用して、8/15と17に甲子園で高校野球を観戦しました。3年連続3回目の夏の高校野球観戦です。
 お盆休みの時期でもあり混雑は覚悟していましたが、案の定チケットは簡単に手に入らず、売り切れ状態で、外野席>アルプス席>内野特別自由席の順で入手できる可能性が下がっていくようでした。
 100回記念大会ということや大阪桐蔭の春夏連覇がかかっていること、関西地区の高校が4校残っていたということもあってか、一昨年の作新優勝の年や昨年よりも入場が大変でした。
 子供たちの野球離れが叫ばれていますが、甲子園の野球観戦はまだまだものすごい人気です。
 すでに作新学院は敗れて栃木に帰ってきた後でしたが、横浜高校のバッテリーが栃木県出身で、投手の板川くんが野木町出身で野木中軟式野球部から、キャッチャーの角田くんが上三川町出身で当院のある下野市の栃木下野リトルシニアから、それぞれ横浜高校に進学したということで、観戦に出かけた次第です。
 栃木の大会も準決勝や決勝は盛り上がりますが、やはり甲子園で全国大会を体感すると全然違うわけで、猛暑の中で多くの球数を投げることについては議論はいろいろありますが、一度は現場で実際に観戦してみてもよいのではないかと思います。
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 栃木県の南部は茨城にも群馬にも近いので、他県の学童野球の情報も少しずつですが入ってきます。
 茨城県西部の筑西市と結城市は医療圏としては栃木県南部と重なるため、選手やその家族も多数来院しています。そこで気づくのは、茨城県西部では練習が土日だけの学童野球チームが珍しくないということです。週2回の練習なのに故障をして受診をする選手もいるということでもあります。
 
 茨城といえば、県西部ではないけれど筑波大学がある県でもあります。
 筑波大野球部の川村監督さんは大学の教授でもあって、大学院生に研究の一部として学童野球チームの運営もさせているそうで、週1回の練習でもつくば市で上位に進出できることを実際に示しています。
 学童野球においては週に何回も長い時間練習をする必要がない、ということを実証していることになりそうです。
 
 また、群馬県は館林市に慶友整形外科病院があって、プロ野球選手をはじめとても多くの野球選手が治療を受ける病院として有名で、日本の肘の手術の重鎮である伊藤先生や、野球選手の治療や野球肘の予防で意見を数多く発信されている古島先生には当院もお世話になっています。さらに、年末に野球に関連した勉強会を開催されており、日程が合えば参加させていただいています。この勉強会は群馬県の野球指導者、特に学童や中学の指導者も数多く参加されていて、全国の著名な野球関係者や整形外科医師の講演が行われています。昨年は北海道日本ハムファイターズの大渕スカウト部長さんや、メジャーリーグでも投手としてプレーした斎藤隆さんの講演がありました。
 群馬県は学童野球の指導者のライセンス制度が動いていますし、古島先生はドミニカの少年野球の視察にも行かれていて、日本の学童野球の現状を改善させるべく行動も発言もされています。 
 
 北海道日本ハムの大渕スカウト部長さんは、FacebookでPlayers' future-first Cub を主宰されていて、全国の野球も医療も現場レベルの方々の意見交換の場を作られています。
 個人的には、新潟県の「新潟メソッド」の活動を率いている新潟リハビリテーション病院の山本先生にもお世話になってきましたし、今年からですが、青森県弘前で子どもたちの野球の普及活動や障害予防活動に熱く取り組まれている弘前学院聖愛高校(2018年夏の青森大会準優勝)の原田監督さんや弘前市役所に勤務されている元日本ハム投手の今関さんともつながりができました。
 徐々に全国で学童野球をはじめとして、選手の障害予防の活動が静かに確実に広がりはじめています。 
 
 翻って栃木県ですが、私も主要メンバーとして参加しているNPO法人野球医療サポート栃木という団体では、県高野連と協力して野球手帳を作成したことと、栃木県内での広域野球肘検診を行っていますが、それ以上の活動がまだこれからという状況です。学術的には自治医大や独協医大の先生が全国に向けて発信をしてくださっていますが、野球の現場に向けた活動は、次の一歩を踏み出す時期になってきたかなと思っています。
 
 来院する学童野球の指導者によって、野球や選手への思いは様々ですが、県内のあるチームには医療機関への受診を良しとしない指導者が一部いると聞いています。ベテランで何年も指導をしてきたということで自己流の考え方に凝り固まってしまい、選手をつぶしてしまっているようですが、正しい医療知識は持っていないため、問題の認識ができないようだということです。
 野球は子どもたちのためにあるのであって、旧態依然とした理解しかできない指導者のためにあるのではありませんね。検診を受けない・受けさせないという指導者がいれば、いくら野球肘検診を行ってもそのチームの故障は発見できないことになります。
 群馬では、指導者のライセンスを取得するための講習を受けない監督がいる学童野球チームは出場できないというように聞いています。ダメな指導者は淘汰される時代がすぐそこに迫っているということかと思われ、群馬の状況が耳に入りやすい両毛地区あたりから栃木の指導者もどんどん気づき、学び始め、指導内容を変えるかもしれません。
 栃木県高野連の皆さんとは大会での医療サポート活動を通じて、お互いの顔が見える関係を構築できつつあるのですが、これからは医療側と学童や中学の指導者の連携も必要な時期に入ってきたかなと考えています。
 栃木県の野球の強さあるいは栃木出身の野球選手の活躍がいろいろな形で見られるようになり喜ばしいことですが、一方では将来の栃木を担う貴重な人材が、指導者の問題でつぶされてしまうことを避けなければいけませんね。

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 お盆休みになり、会社が休みとなったせいか朝の通勤時間帯の道路が空いているような印象です。
 仕事が休みの方は早い時間に来院できるので、18時台の来院が少なくなり、来院人数は大きく変わらないものの19時過ぎに診察が終わることもあります。
 お盆明けの時期は、中学生・高校生のスポーツ大会が始まり、お盆休みの間に受診をしなかった・できなかった新たなケガや故障での来院が増える見込みです。
 たまっていた宿題に慌てて取り組む小学生もちらほらと見受けられるようになりました。スポーツをいったん引退した中学3年生が受験生として塾に何時間も通い、休み明けの実力テストに挑むという話も聞かれています。
 栃木県は8月の最終週に学校が始まるところも高校を中心に少なくないので、夕方に10代が集中するようになります。
 勉強時間が増えて肩がこるという中学生・高校生もこれから増える見込みです。
 そろそろ秋を見据えた動きが出ています。
8/15水曜~16木曜の休診日をいただいて、8/19日曜から秋モードの診療に徐々に移り変わっていくものと思われます。
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