薬師寺運動器クリニック院長のblog

栃木県下野市の日曜診療・祝日診療の整形外科・運動器リハビリ・スポーツクリニックである薬師寺運動器クリニックの院長がつづるブログです。 土曜日も月に2回程度の診療をして、週末に多く発生するスポーツやレジャーでの痛みに対してなるべくその日のうちに治療開始できるようにしています。 栃木県や茨城県西部の野球選手が数多く来院されます。 診療に関連して是非知っておいていただきたいことや、診療に限らず新たな情報を述べていきます。

2019年04月

 池袋で大変悲しい交通事故のニュースがありました。
 栃木は全国的にも車の保有率が高く、何年も電車に乗ったことがないという方が来院しますし、全国でも有数の車社会かもしれません。
 当院に来院される方でも80代で車を運転している方は珍しくなく、自分の親も80代でまだ運転していて、考えさせられることが多くなりました。
 運動器不安定症という病名があります。
 ひとつの基準は「腰に手を当てて片脚立ちで15秒安定して立っていられるか」ですが、これができなくても、危機感を抱いてくれる高齢者は少なく、年だから仕方ないという雰囲気で笑っている方がほとんどです。
 運動器不安定症であっても車の運転が一応できてしまうことも多く、結果として自分の足で歩かないことをさらに助長することにもつながります。車に乗るから交通機関を全く利用しない⇒歩く場面が少ない⇒歩かないことで筋肉が弱る⇒ますます車を利用して楽に移動しようとする⇒さらに歩かなくなり筋肉が痩せ細る・・・といった負のスパイラルに入っていくことが予想されます。
 いままでに何回も骨折をして、手術も何回も受けているのに、つかまらずに歩いていたり、外は杖を使うけど中は壁や家具に捕まるから大丈夫と思い込んでいる方も多いです。
 家の周りを10-15分程度歩いているとか、3000歩歩いているので自分は他の人よりも運動をしていると思っている方も多いです。実際には街へ出て買い物して帰ってくるよりも負荷が少ないのですが、近所の方はもっと歩かないことも多いので、自分はよく動いているという錯覚に陥りがちです。
 「転ばないように気をつける」という発言は多いのですが、具体的に「気をつける」とは何か訪ねると、「転ばないようにする」と言われることも多く、「では転ばないようにどうするか」と再度質問すると「気をつける」と元にもどってしまい、これを繰り返し話すだけという場面もよくあります。
 杖を使ってまで歩きたくないと言う方もいます。「普通にしていれば痛くない」という発言もよく耳にします。「普通」とは何か、つまるところはイスに座っていることのように思われます。
 関節が変形していても、首都圏に住んでいる方ほどは歩かず、家族の車で外出をするためか、痛みを強く感じることも少ないようです。
 都内の病院勤務当時なら人工関節の手術を勧めたような画像であっても、痛くないし出かけないから困らないというケースも多いです。
 実は筋力低下も進んでいて、片脚立ちも数秒もできないけどそれなりに作業をしているという高齢者も多く、転倒のリスクについてはなかなか受け入れてもらえない傾向にあります。
 運動器の傷みは「発作」のように考えて、痛みがなくなっても治っていないと思っていただいた方がよいでしょう。喘息の発作が治まっても喘息予防の薬を内服したり、胸の痛みがなくても狭心症として通院をするようなものです。痛くないときも筋力の低下は残っているし、負荷をかければふらつくことが再現できることも多いです。運動器の領域は薬で根本的な解決にはならず、適切な治療のための体操をしていただくことが重要です。
 痛くないからと放置しておいて、いよいよ体中が弱ってきて痛くなり来院したときには、運動器リハビリの実施が困難な年齢・状態と想定され、介護サービスの導入を提案せざるを得ない場合もあります。
 高齢化の進行とともに、車の事故の問題の増加が懸念されます。
 高齢者の頚部や腰部の動きの低下は左右や後方の確認に制限を加えるかもしれないし、肩の痛みや動きの低下はハンドル操作に支障を来すかもしれません。膝や足の痛みはペダル操作に影響を及ぼすのかどうか。
 当院周辺は歩行者の数より車の数が圧倒的に多いので、人がはねられるのは首都圏よりも少ないのかもしれません。しかし、店に突っ込んでしまうとか、前の車に追突するとか、対向車線に飛び出すとか、そういった問題は増えていくのかもしれず、過信と自信の区別が難しいところです。

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 このゴールデンウィーク中に平成が終わり、令和の時代を迎えます。
 年末年始よりも長い10連休ということで、物流や銀行ATMに加え、医療もストップすることから新聞記事でも心配されているようです。給料日も重なり、すでに郵便局や銀行のATM周囲は少し行列が長いような印象です。
 整形外科の扱う領域は、平日よりも週末や祝日に問題発生が起こることが多いため、連休中は注意が必要です。
 スポーツ、レジャー、家の内外の各種作業などで思わぬケガをすることがあり、これらは開始直後よりも、少々疲労が出てきたり作業に慣れてきてやや油断気味の時間帯に生じる可能性が高いと考えられます。
 またお出かけによる交通事故の可能性もあります。
 したがって本来整形外科は週末や祝日が忙しく、実際当院は日曜や祝日午後の診療に多くの方が初診という形で来院されます。
 今年のゴールデンウィークは休みが長いことから、医療がストップする時間も長く、スポーツ、レジャー、作業、交通事故で発生したケガに対して十分に初期対応ができない可能性があります。 
 救急病院は、整形外科の扱う疾患よりも生命に関わるリスクの高い頭部・心臓・肺・腹部の疾患を優先します。骨折であっても後回しになる可能性が十分にあります。優先順位の高いものから治療を行うと予想されますので、仮に整形外科的なケガで先に病院に到着しても、重症の方を優先しますから、後回しになることがあってもおかしくなく、診察の順番を巡ってトラブルになることもあり得る話です。
 当院は、基本的には日曜午後と祝日は診療なのですが、例外的に年末年始と5/3-5と8月の夏休みをいただき、また学会や勉強会に参加のために年に何回か日曜や木曜に休診をいただくことがあります。 
 今年の4/30-5/1については、平成から令和に変わるという数十年に1回の改元のため、特別に休診とさせていただきます。
 ということで、4/28-29と5/2 5/6は平常通りの診療です。 
 待ち時間がとても長くなる可能性もありますし、診療終了が21時過ぎになる可能性もありますが、整形外科領域の疾患だけですが、診療を行います。待ち時間についてはどうかご理解ください。
 連休中は医療が十分に受けられないと考えていただき、防げるケガは防ぎましょう。安全に連休をお過ごしください。

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 平成最後の診療もカウントダウンとなってきました。世の中では10連休ということで、旅行やレジャーなどの計画を立てられている方も多いことと思います。
 医療機関の対応も様々のようで、10連休という診療所もあれば、部分的に診療を行うという病院もあるようです。
 当院もゴールデンウィーク中の臨時休診を4月30日火曜日~5月1日水曜日にいただきます。
 大晦日~正月のような特別番組も多数放送され、おめでたい雰囲気になるだろうと予想され、しかも数十年に1回のイベントであることから、休診とさせていただくことにしました。
 当院の休診は原則として金曜・土曜でそれ以外に正月、5月3日~5日、夏休みと決めております。
 また、日曜は午後から、祝日は曜日に準じて診療というのも原則です。
 ということで、4月28日~29日と5月2日、5月6日は平常通りの診療です。また5月3日~5日は例年通りの当院の休診日です。よろしくお願いいたします。
 一方、連休明けに日本整形外科学会学術集会が横浜市で5月9日から開催されます。
整形外科の扱う広い領域を網羅した学会で、日頃学べない分野の講演を聴くことができるため、誠に勝手ながら5月9日木曜日も休診とさせていただきます。
 皆様のご理解を賜りますようお願い申し上げます。
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 硬式野球チームの上三川ボーイズさんの中学1年の新入団選手の検診を休診日を利用し、4/20土曜に当院で行いました。
 小学部の選手が、先日全国優勝したばかりでもあり、ここ数年は作新学院をはじめとして県内の強豪高校に選手を送り出していることもあって、少子化・野球人口の低下というなかで、選手の人数が多いチームです。今回の検診も中1だけで26名の実施となりました。
 学童野球の頃から通院していた選手もいますし、東京周辺と比べれば転居をすることも少ない地域ですので、このまま高校卒業までときどき受診をしていただくことで成長を見届けられるのが、栃木はいいところではないかと思っています。長ければ10年ぐらいの成長を追いかけられるので、選手の身体の評価を経時的にできるというのは貴重なデータになります。理学療法士も私も勉強をさせていただけることにもなります。
 幸い大きな問題は見つかりませんでしたので、これからの活躍と次のステージへの飛躍を期待しています。
 https://www.netto.jp/kaminokawa-boys/

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 新学期が始まり、学校では身体測定や内科検診・運動器検診・歯科検診などが行われる時期になりました。大人も職場から健康診断を受けましょうとお知らせが来る時期かと思います。当院もスタッフに健康診断の案内を配布したところで、いろいろ気になる世代のスタッフにはオプション検査も追加できるようにしています。
 もう少しすると、市役所からもがん検診の案内のハガキが来るはずです。
 
 医療に求められるのは治療だけではなく、予防あるいは啓発も重要な役割です。
 予防といえば、病気にならないようにするために予防接種が子どもから高齢者までいろいろと行われています。
 当院も医療機関の端くれとして、乳児股関節検診、学校運動器検診、野球肘検診にかかわったりしています。
 運動器の医療でくすり以上に運動療法が大切であるように、運動器の障害予防のためにも運動が必要です。
 予防の運動を進めていくのには、アスレチックトレーナーが重要な役渡りを果たすと当院では考えています。
 予防接種や健康診断が健康保険が適応されないように、予防のための運動も健康保険でなく自由診療としてアスレチックトレーナーが実施しています。
 転倒予防教室・ロコモティブシンドローム予防・スポーツ障害予防・スポーツでのパフォーマンス向上などのメニューがありますので、高齢者から10代のスポーツ選手まで、治療を必要とするような痛みやしびれなどが出現しないように運動をしておきたいという方は、どうぞご利用ください。
 保険診療ではないため、診察料や検査料などは発生せず、30分で2500円程度の料金で実施しています。
 アスレチックトレーナーのメニューも予約制です。診療時間内の全ての時間帯で対応しますので、夕方の会社帰りや学校帰りにも実施可能です。
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