薬師寺運動器クリニック院長のblog

栃木県下野市の日曜診療・祝日診療の整形外科・運動器リハビリ・スポーツクリニックである薬師寺運動器クリニックの院長がつづるブログです。 土曜日も月に2回程度の診療をして、週末に多く発生するスポーツやレジャーでの痛みに対してなるべくその日のうちに治療開始できるようにしています。 栃木県や茨城県西部の野球選手が数多く来院されます。 診療に関連して是非知っておいていただきたいことや、新たな情報を述べていきます。

2019年05月

 急なケガや病気で学校を休む、あるいは医療機関に受診するので遅刻する、ということは珍しいことではないように思います。
 中高年に多い高血圧・高脂血症・糖尿病などで定期的に薬を追加する方は急な病気ではなく、慢性的な病気ですが、くすりの追加はどうされているでしょうか。多くの方が土曜・日曜が休みかもしれませんが、土曜午後・日曜は医療機関も休診ということが多く、所用もあれば受診できるとは限らないような気がしますがいかがでしょう。なかには受診のために半日とか有給休暇を取って受診をすることもあるでしょうか。
 同様に、スポーツやレジャーでケガや故障をして、痛みがあったり、スポーツのパフォーマンスがよくない場合に、医療を受けてから登校をすることはいかがでしょうか。それが初診の診断だけでなく、リハビリテーションだったらどうでしょうか。学校が終わってから、会社が終わってから、と整形外科の疾患は考えられがちなので、夕方17時以降に多くの方が集中して来院されます。
 したがって、リハビリテーションの空きがほとんどなくなり、予約が入らないという事態になっています。スポーツで高校や大学に進学するという方は、最後の夏の大会の成績あるいはその大会でのパフォーマンスが人生を左右する、いわば受験に近いといえないでしょうか。
 7月中旬の大会ということになれば、もはや2ヶ月を切っており、週に1回のリハビリでは5-6回やれればいいほう、ということになりそうです。予約枠に余裕のある午前中にリハビリを受けて遅刻して登校し、夕方の練習も継続できるということも、進学に関わる選手では「あり」かもしれません。
 現在のところ、午前と15時台を合わせて10-15枠の空きがある日が多いです。こちらをうまく活用すれば週2回以上のリハビリを行える可能性もあります。
 注射を打つだけではパフォーマンス向上には限界があり、リハビリテーションをどうやって受けるかが重要なカギになると思います。
 中学受験の前は小学校を休んで受験勉強に専念するという小学生もいる時代です。
 中間テストが終わったいま、夏の大会に向けた対応を強化することも一部の選手では考慮すべきという気もしますが、いかがでしょうか。
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 今年も当院はささやかな栃木ゴールデンブレーブスのスポンサーとして、ボールボーイorガールのユニフォームの胸側に「薬師寺運動器クリニック」と入れさせていただいております。
 休診日の定期的な打ち合わせの後に久しぶりに空きがあったので、小山市運動公園の野球場で開催された茨城アストロプラネッツとの試合を観戦しました。
 1週間前に甲子園で阪神対広島を観戦したばかりで、当然ながら観客の人数の差は大きいのですが、いろいろなイベントで楽しめました。
 女子野球を盛り上げる企画として、当院も応援しているエイジェック女子硬式野球部の選手が集まり、入場時の出迎えやチラシの配布、写真撮影、ホームラン競争、監督同士の1球対決、さらに試合中はボールガールとしても参加していました。
 試合では飯原選手の2打席連続ホームランや、昨年まで阪神にいた西岡選手のダブルプレーの送球、さらにドジャースとマイナー契約をした北方投手の160km/hの速球など見どころが多かったです。
 治療に関わった選手もいたりして今後も日程が合えば試合を見に行きたいと思います。
 交通の便の問題でどうしても車で出かけざるを得ないため、ビールが飲めないのは残念ですが。

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5月18日に休診日を利用して、奈良県香芝市の永野整形外科クリニックで開催された運動器エコーの勉強会に参加してきました。
奈良県は奈良医大を研鑽をされた開業の先生方の運動器エコーに対する熱意が素晴らしく、栃木県ではなかなか学ぶことができない内容を、実際の手技を体験するハンズオン形式で教えていただきました。
運動器エコーは関西や中京地区が先進的であり、整形外科医師だけでなく理学療法士の先生方も、もともと触診に長けていますので、運動器エコーに対して研究や報告をされる方が多くなっています。
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今回も、触診やエコーを使った観察で本を執筆されている工藤慎太郎先生のレクチャーを聴くことができました。当院の診療でも関わることの多い肩~肩甲帯の観察についての話が中心でしたので、日常診療に役立ててまいります。
和歌山からも参加された先生もいらっしゃって、関西地区の先生方と知り合うことが増えてきました。

5月19日は朝いちばんの新幹線で大阪を発ち、午後から診療を行いました。
金曜・土曜が休診で日曜が午後から診療ということで勉強に出かけて全国の先生と知り合うことが可能になっています。

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 5/9木曜に臨時休診をいただき、横浜市で開催された日本整形外科学会学術集会に参加してきました。
 多くの学会は金曜・土曜にからめて開催されますので、学会に参加しやすいよう、当院は金曜・土曜が休診となっています。
 整形外科に限らず、専門医の資格を維持するためには、学会などの勉強会に参加して資格維持のための「単位」を取得するシステムになっていると思われます。
 整形外科は頚部から下の内臓を除く広い部分の運動器を担当し、さらに骨粗鬆症や関節リウマチ、痛風など薬が主体の疾患も扱うという、かなり守備範囲の広い診療科ではないかと考えます。
 専門医として求められる分野も当然ながら広範にわたるため、いろいろな分野の講演を聴けるという意味で、日本整形外科学会学術集会が重要と考えております。
 大切なことは学び続けることであって、「単位」さえとればいいという考えではありません。
 大学の研究者の先生方とは異なり、日常の診療に役立てられる新しい知見や手技を学ぶことで、よりよい診療を提供できるようにしたいと考えております。
 日本整形外科学会学術集会は1年のうちでいちばん大きな整形外科領域の学会ということになり、日本中に2万人以上いる整形外科の医師が、初日だけで7000人以上集まったそうです。木曜から日曜にかけて開催で、土日だけ参加という先生もいたはずで、日本の整形外科医の半数近くが参加したのかもしれません。今年も前の職場の先輩医師にも、全国のお世話になっている先生にも、挨拶程度ですが会うことができました。
 そして、普段は聴くことのできないような分野の勉強もできました。当院では治療を行うことのない小児の感染の話、関節リウマチの生物学的製剤の話、病院でなければ行えないような治療の話、さらに行政や男女共同参画に関わる社会医学的なお話などです。
 学会に行かない残りの半数近くの先生方のなかには、たまたま今年は行けなかったという先生もいるでしょう。
 一方で、もはや何年もあらゆる学会に行くこともなく、古い知識のまま診療をしている医師もいるかもしれません。病院は医師が複数名いるので、交代で学会にいくことで診療は継続しているはずですが、診療所は医師が1名ということも多いです。
 いつも金曜・土曜に診療をしている、代わりの先生が来るわけでもない、何十年もそこで診療を同じ先生が行っているとなると、もしかして全く学会には行かないという施設もあるのかもしれません。
 まず栃木県で大きな整形外科領域の学会が行われることはないはずです。
 日進月歩の世界で、いつまでも数十年前の知識や技術のままの診療を行っていることが、患者さんにとって、いいのかどうか。
 いつも待ち時間が少なく、同じ患者さんが何年も週に何回も電気治療を受けに集まってきて、湿布処方ばかりしているという施設がまだまだあるのかもしれません。

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