薬師寺運動器クリニック院長のblog

栃木県下野市の日曜診療・祝日診療の整形外科・運動器リハビリ・スポーツクリニックである薬師寺運動器クリニックの院長がつづるブログです。 土曜日も月に2回程度の診療をして、週末に多く発生するスポーツやレジャーでの痛みに対してなるべくその日のうちに治療開始できるようにしています。 栃木県や茨城県西部の野球選手が数多く来院されます。 診療に関連して是非知っておいていただきたいことや、新たな情報を述べていきます。

2019年11月

 いつも薬師寺運動器クリニックをご利用いただきありがとうございます。
 11月28日の診療は夕方に混雑し、待ち時間が大変長くなってしまいまして申し訳ありませんでした。
 月末の最終診療が木曜日というときは混雑することは多くないのですが、天候をはじめ何らかの要因によっては例外が生じることもあり、今回はそれに該当したものと思われます。
 当院に来院される方のなかには、他の施設での診察を受けたうえでよくならなかったとか、セカンドオピニオン的なコメントを求めて来院したなど、経過が長い疾患のケースも少なからず存在しています。
 他院では触診もせずレントゲンだけで診断をしたということも多く、診断結果が異なることも珍しくありません。さらにエコー検査やそこにハイドロリリース注射などを併用したり、リハビリの申し込みをしたりなど、ひとりあたりの診察時間が長くなる傾向があります。
 来院される年齢層は10代が多いので、学校が終わった時間帯に来院をされることがほとんどです。
 確実に待ち時間を短くされたい場合は、火曜日・水曜日の午前中にお願いできれば幸いです。
 通勤時間帯の電車が混雑するように、夕方は下校した生徒、早く勤務が終わる勤労者の皆様が来院されるので、混雑すると1~3時間の待ち時間になることがあります。
 当院では受付時間と会計の時間をデータとして収集しており、11/28については最長で2時間54分の滞在でした。
 遠くは那須塩原、埼玉県幸手市、大田原、茂木などからも来院をいただいており、簡単に出直すことができない方もいらっしゃいますので、診察時間が長めになることについてご理解をいただければ幸いです。
 現在は完全予約制ではありませんが、段階的に初診の完全予約、再診の予約制、曜日や時間帯によってはパート医師もお願いして医師2名体制などを導入できればと思います。
 また、待ち時間の短縮のためには診察時間も短縮することを視野に入れることになります。
 病院を受診されるのと同じように、平日の午前の受診もご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
 皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
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 当院は10代の受診が多いので、学校が終わった後の時間帯である17時頃からの来院が多くなります。
 当然、大人も会社が終わった時間帯に来院したいという方が多くなりますので、夕方は待ち時間が長くなることになります。
 診療所ではなく、入院や手術を行うような病院では、午前中に一般診療だけ行い、午後に診療を行うとしても、16時か17時ぐらいまでの特別外来などが行われるということが多いように思います。
 高齢者が受診することが多い診療所では朝から混雑するのかもしれませんが、当院のように夕方が混雑する施設は、午前の診察が待ち時間が少なく狙い目です。
 治療もくすりよりリハビリを重視していますので、夕方はリハビリの予約が入りづらく、午前と15時台に空きが多くできます。空きがいっぱいあれば、週2回以上のリハビリもOKとしていますので、積極的に予約をいれてもらって、早期に治療が終了できるようにしましょう。
 リハビリの当日の空きはLINEかTwitterでお知らせしています。日曜は12時半頃、月~木曜は8時半頃に発信しますので、時間が合うようであれば、リハビリ予約カードに記載の番号にお電話をいただけば予約の追加ができる可能性が高いです。LINEのQR コードとTwitterのURLは下記の通りです。
https://twitter.com/ymctochigi

当院ラインQRコード
 病院に受診して待ち時間が長くなり、また病院では外来通院のリハビリをほとんど行えないという現実もあります。病院によっては、専門性が高くなってしまうと関節や脊椎の部位ごとに担当医師が異なる場合があり、受診する曜日も限定されてしまうことがあります。
 国の医療政策の方向性からも、まずは診療所を受診して、必要があれば病院へ紹介してもらうことが推奨されます。
 一方で、診療所は第一線で診療に当たるので、守備範囲が広くなります。
 長年にわたり大学病院などで専門的な疾患ばかり診療をしてきた先生ですと、自分の専門領域以外は意外と詳しくないということも起こっている印象もあります。たとえば、膝専門だった先生が開業されて腰の患者さんが来ると、多くの方に対して椎間板ヘルニアと診断されているケースが多かったりという話も聞いたことがあります。
 医療の場合は誰が診察しても診察料は一緒と決められていますので、同じ料金なら問診・視診・触診と画像診断をきちんと行う医師が理想ということになります。
 初診には時間をかけないとこれらを行うことが困難になります。限られた時間で人数をこなさないといけないという現実も一方であり、事実上くすりの追加だけのような方は短時間の問診のみになることも多いです。
 できるだけ診察に時間をかけるとすれば、空いている時間・曜日に受診をしていただくのがいちばんで、そのため当院では平日の午前中の受診をおすすめしています。
 空いていれば待ち時間も少なく、受付から会計までの時間も短くなります。
 大病院に受診するのに午前だけというのと同じように、当院にも午前中の受診をご検討いただくとリハビリもすぐに開始できることが多く、何かと便利かと思います。
 待ち人数は当院ホームページから確認できますし、初診のネット予約もホームページから可能ですので、ご覧いただければ幸いです。
http://ymc.tochigi.jp/

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 11月最後~12月はじめの週は3学期制の学校では期末テストということが多いようです。
 下野市の小中学校は2学期制のようですが、周辺地域からの来院も多く、また高校は知っている範囲では3学期制のようなので、16時台からの来院が若干減っているかもしれません。
 そのためか、リハビリの予約に余裕が出ているようです。火曜日は特にその傾向があります。
 
 リハビリについてですが、痛みの有無だけで終了するか判断するのはもったいないですし、リハビリの期限までは継続する権利もあるのですが、日常生活に困っていないから中止とされる方がいます。
 いつもの生活は困らなくても、すこしいつもと違うことをすると痛むという可能性があります。
 運動器に余裕を持たせることなくギリギリのところで使っていると、たとえばこれからであれば、年末の大掃除で痛む、正月の準備の買い物で痛む、タイヤ交換で痛むなどの問題が生じることがあります。
 旅行に出かけたら体が痛いというのもよくある話で、車に乗っている限りは気づかない筋力低下なども忍び寄っていたりします。
 大人が歩かないためにその子ども世代も歩くことが少なく、中学の修学旅行で痛い、小学校の卒業式の練習で痛いという実例が今年数名来院しています。
 高齢化とともにロコモティブシンドロームとか運動器不安定症という考え方が作られました。
 痛くはないけど運動機能が実は低下していて介護予備軍なのだという啓発で、運動器不安定症は病名として認められたものです。
 「ロコテスト」とよばれるチェック方法で運動器の機能低下を指摘したり、片脚で40cm程度のイスから起立ができるか確認すると、いやな顔をされたり、なかには不機嫌になる方もいるのですが、現実問題としては運動機能の低下の理解と受け入れ、そして対策について考えてもらう必要があります。 
 「高齢だから仕方がない」「気をつけるから平気」というだけではよろしくないのですが、「痛くないし困ってないのだからいいだろう」という考えがまだまだ主流で、将来の介護予防という点では心配なケースが多いのも事実です。
 このへんの説明の難しさがあり、特にご自身の考えをお持ちの方に対しては、中長期的には結果を出しづらい可能性があります。

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 11/16-17に横浜市で開催された日本臨床スポーツ医学会に参加しました。
 11/17は日曜診療を臨時休診にさせていただき、ありがとうございました。
 学会の多くは金曜・土曜の開催なのですが、一部木曜や日曜にかかるものがあります。また、最近はテーマを絞ったセミナーが日曜に開催されることもあって、これからも1年に何回は日曜あるいは木曜に臨時休診をいただくことがあります。
 スポーツ系の学会では、特別講演として元日本代表選手とか、かつてプロで活躍した選手が講演をすることがあります。
 テレビのスポーツ番組で解説だったりコメンテーターだったりする元アスリートはしゃべり慣れているし、きっと講演の機会も多いと思われて、全く原稿もなくよどみなく、大きなホールの聴衆の前で1時間しゃべり続けることができてしまうのはすごいと思います。
 今回の学会では陸上のハードルのメダリストである為末大さんの講演と、市民公開講座では陸上のリレーのメダリストである朝原宣治さんの講演を聴くことができました。
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 直接医学的な話ではないのですが、トップレベルの選手が現役当時に考えていたことを知るチャンスですし、今回は特に次の世代へのメッセージの意味合いもある講演でしたので、横浜市の事業として中学生や高校生が聴講されていたようです。朝原宣治さんの講演のあとは、招かれていた生徒たちがステージに呼ばれて記念撮影をされていました。
 これまでにもプロ野球、柔道、スケート、ボクシングのOB・OGや現役選手の講演を聴いたことがあります。時に満員で立ち見の出る講演もあります。
 今回の為末さんの講演にからめて、書籍展示では著書も販売されていたようで、本を買ってサインをもらい記念撮影をされた方もいました。
 間近でトップレベルのアスリートを見られるのは、スポーツ好きが多い整形外科医師にとっては、テンションの上がる場面のはずです。
 自分も野球指導者講習会でソフトバンクの工藤監督から著書にサインをもらったのを思い出しました。
 日本を熱狂させたアスリートには特別な力があるなと改めて思った次第です。

 11/9に自治医大で第6回 とちぎ野球障害研究会が開催されました。
 NPO法人野球医療サポート栃木が開催する勉強会で、野球に関連した症例報告と前年の野球肘検診の報告に加えて、野球選手の医療に造詣の深い先生を講師に招いての講演をいただくというものです。
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 今年は横浜桐蔭大学の教授で横浜総合病院スポーツ整形外科部長でもある河崎賢三先生のご講演でした。
 河崎先生とは栃木が野球肘検診を始めた頃に、当時東京厚生年金病院で診療をされていた柏口信二先生や野球共育塾の能勢康史さんを通じてご紹介をいただいたのがきっかけで、お世話になっております。
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はじめてお目にかかったのは見学に行った青森県八戸市のなかざわスポーツクリニックで、その後も野球肘研究会や、JNOS日本整形内科研究会などの勉強会でご一緒させていただいています。
 また、横浜市青葉区の野球肘検診を長く運営されており、先生の作られた青葉区の野球手帳を参考にさせていただき、われわれは栃木の野球手帳を作りました。

 野球とエコーも関わりが深くなっており、今回のご講演は胸郭出口症候群に関連してエコーを用いて診療を行うことについてのお話でした。

私以外にも当院から理学療法士とアスレチックトレーナーが参加してまいりました。

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