薬師寺運動器クリニック院長のblog

栃木県下野市の日曜診療・祝日診療の整形外科・運動器リハビリ・スポーツクリニックである薬師寺運動器クリニックの院長がつづるブログです。 土曜日も月に2回程度の診療をして、週末に多く発生するスポーツやレジャーでの痛みに対してなるべくその日のうちに治療開始できるようにしています。 栃木県や茨城県西部の野球選手が数多く来院されます。 診療に関連して是非知っておいていただきたいことや、新たな情報を述べていきます。

2020年04月

 外出の自粛や学校の休校が続く状況で、テレワークやオンライン授業が広がりつつあります。
 座学が主の大学生は授業を前期はオンラインで行うというところもあるようです。
 中学3年、高校3年のいわゆる受験生は、授業が行われないまま進路への不安を感じているかもしれません。
 Zoomで同時に参加して講演を聴いたり会議をしたり、時には自宅でオンラインで飲みながら友人と話をするということも、今後ますます一般化していき、新型コロナウイルスの問題が終息してもこの流れは続くのかもしれないと思ったりもします。
 自宅に居ながらにして学んだり会議ができたりというのは便利な反面、出かける・移動するという動作が、気持ちの切り替えになっていたり、軽い運動になっていたり、ついでに地域の美味しいものを食べたり名所を見学したりというような付加価値も得られたのに、それらがないことで、何となくすっきりしないところもあります。
 個人的には、例年なら毎月のようにどこかの勉強会に出かけていたのに、今年は2月初めに奈良まで肘関節学会に行ったのが唯一の遠出で、新幹線にも飛行機にも乗ってない状況がつづいており、地元にいることで歩く時間・距離が減っています。
 
 大学の授業がない、スポーツ活動も禁止ということで栃木に帰省してきている大学生が何名か来院しています。逆に、自治医大の学生は医学部も看護学部も全国各地の地元に多くが帰っているようです。
 実習・実験はできないけれども、座学はオンラインで可能ということで、大学の授業がこれからオンラインで広く行われそうですし、高校や中学あるいは学習塾もオンラインで授業をはじめているようです。
 オンラインではないけれど、県内ではとちぎテレビを使って「授業」の試みもあるようです。多くの生徒が視聴して、反応・反響・効果が確認できるといいですが。
 勉強の時間が減っていることで、学力の低下も懸念されます。

 オンラインとは別に、学校から与えられた課題・宿題もあることも多いので、通院中の小学生~大学生に現在どのくらいの勉強時間かと尋ねると、下は全くしないから、上は4時間ぐらいという範囲でバラバラでした。
 勉強とは別に1~2時間ぐらいゲームをスマホやタブレットを使ってやっている小中学生も多い印象です。そのせいか、診察室でイスに座る小学生の姿勢がよくないことが増えた気がします。
 スマホやタブレットはもちろん、パソコンでも画面がテレビに比べれば小さく、細かい文字を中止しようとすれば、姿勢が悪くなりがちです。
 
 来院中の小学生~大学生については、近所で体を動かしている時間はある程度確保しているようなので、極端な運動不足とは言いがたいですが、それでも本来の運動量に比べれば激減していると思われます。
 スポーツの中止にともない、10代のスポーツによるケガや故障の症例が減っているということもあって、相対的に肩こりや腰痛での来院が目立っているのですが、そのなかに10代の症例も増えてきているように思います。
 運動不足・スマホやタブレットをみている時間の増加・通学がないことで歩行もほとんどないという理由が考えられます。
 今後、オンライン授業が増えれば、よくない姿勢で授業を聴講することでさらに肩こりや腰痛が増えることが懸念されます。
 学校によっては、過剰なまでに外出するなという指示を出している例もあるように思われ、教員が電話をかけたり、家庭訪問をしたりしているようです。
 一方で、教員の皆さんでバスケットやバドミントンを体育館でやって、体を傷めたというケースもありました。どうなんでしょうと思うところですが。
 首都圏ではなく、人混みのほとんどない栃木県では、数人で離れて行う運動については、もう少し認めてあげられないものかと思います。
 人目のつかないところで、ごく少人数で、相手と競わない、ソーシャルディスタンシングを保てる運動をうまくやっていただければと思います。

 新型コロナウイルス感染症の拡がりで学校は臨時休校がおそらく5/6以降も続くと想定されますし、テレワークだったり休業要請のために、外出をしない方も多いことと思います。
有給休暇消化も推奨され、すでにゴールデンウィークを絡めて5/10までの大型連休に入った方もいるかもしれません。

 医療については、診療の継続が要請されており、ゴールデンウィークまでは診療が行われると思われますが、5/2土曜の午後から5/6までは連続して休みとなる医療機関が大変多いのではないでしょうか。
なお、口腔内を扱う歯科・口腔外科や耳鼻咽喉科の診療、あるいは手術における全身麻酔については受けづらくなる可能性もあるようです。

 診療所は木曜休診というところも多く、5/2午後から5/7まで休診が続くところもあるでしょう。
当院は金曜・土曜が休診で、原則は祝日はその曜日に準じて診療なのですが、例外として5/3-5と元旦を含む正月、夏の盆休みがあります。
ということで、5/3憲法記念日から5/5のこどもの日までは毎年連休で、今年については5/1-2が金曜・土曜のため連続して5/1-5が休みとなります。

 今年は新型コロナウイルス感染症の対応に救急病院は追われていて、特に高度の医療を行う施設は新型コロナウイルス感染症以外の受け入れが困難であると考えられます。
心筋梗塞・脳出血・脳梗塞や災害医療、交通事故、重度の骨折などは救急車がどこに搬送するか病院の選定に手間取ることも想定されます。
小山地区夜間休日急患診療所は通常の診療所レベルでの診療も行えず、ケガの処置も十分に行えません。
 
 毎年ゴールデンウィークと正月休みは医療が十分に受けられないということを当院のSNSやホームページで発信したり、診察室で述べているのですが、今年は例年に増して医療が受けられない可能性があります。
 4/29と5/6の当院の祝日診療をご活用下さい。
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 外出自粛でケガをしない、事故に遭わないかと思いきや、家の中や周囲の掃除、洗車やタイヤ交換、早いところでは田植えもするでしょうか、こういった家の周りの作業での腰痛や肉離れ、骨折のリスクは懸念されます。
 救急で受診した際に37.5℃以上の発熱があれば、すぐに新型コロナウイルスの感染を疑われます。発熱がなくても咳・喉の痛みでも診察室に入れてもらえない可能性があります。
体調管理にはくれぐれもご注意いただき、久しぶりにやるような作業は30分程度で1回は休憩し、全く体の使い方の異なる作業を組み合わせて、数時間後にまたもとの作業に戻るなどの工夫をして、ひとつの作業を根詰めて行わないようにご注意下さい。
 どうか安全なゴールデンウィークをお過ごし下さい。

 外出自粛は新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐうえでとても大切ですが、一歩も外に出てはいけないということではなく、人混みがなく、人と会話するような状況がなければ、散歩やジョギングなどはOKとされています。
 首都圏や県庁所在地の宇都宮市中心部と異なり、当院は住宅街と農村の境界にあり、数分も歩けば農地が広がった光景を目にすることができます。天気がよければ、作物や木々によって異なる緑色のグラデーションを楽しむこともできますし、鳥の鳴き声も聞こえるようになってきて、春らしくなってきました。
 薬師寺という地域は、奈良時代に奈良の東大寺、筑前の観世音寺とともに三戒壇とされる下野薬師寺が建立され、東山道も通っていたた古くからある土地です。
 江戸時代には西側に日光街道があり、薬師寺地区の中心を日光東往還が通っていたということで、江戸時代の石仏が残っていたりします。
 そんなわけで、歴史を感じられる地域の散歩をしてみました。
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薬師寺城跡は、当院の北東のローソンから北へ向かったところにあり、当院から徒歩10分ぐらいでしょうか。ひっそりと看板が立っていました。今は雑木林と草が生い茂った状態で、城跡としては見る影もありませんが、わずかに堀の名残があるようです。

そこからまた10分ぐらい歩くと、奈良時代の下野薬師寺史跡と、足利尊氏の頃に薬師寺から安國寺と名前を変え、再び下野薬師寺と変更したお寺に着きます。1月末に見学した薬師寺資料館は緊急事態宣言で閉館中のようです。
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六角堂と復元回廊の手前に鑑真大和上宝塔が造られていました。
境内にはこの地域で多くみられる十九夜塔がありました。よく見ると、道標も兼ねているようで、「右 かミのかハ 左 うつのミや」と刻まれているようです。
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安國寺を出て東側に進むと、奈良時代の薬師寺の塔跡があり、それを過ぎると薬師寺八幡宮です。
2月に学会で奈良に行ったときに、奈良の薬師寺も拝観したのですが、そこにも隣接して神社があって不思議だなと思っていたのですが、下野の薬師寺八幡宮も同じような役回りなのでしょうか。
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全く人のいない神社の参道を抜けて、県道を越えて今度は龍興寺へ。
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金剛力士像のいる門から境内を抜けて東側で坂を下り、行ったことのなかった吉田ヶ池へ。
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反対側では新4号に面するところまで龍興寺が障害者の施設を造っているようで、大きな岩がたくさん置かれています。
薬師寺小学校はかつては龍興寺の境内だったそうですし、参道は今の南河内中ぐらいまでつづいていたそうで、どれほど大きな寺だったのでしょうか。
下野薬師寺~龍興寺が昔のまま残っていたら、世界遺産だったかもと想像をしてしまいます。
薬師寺小を回り込むように進み、かつての日光東往還の県道を超えて西側に入ると、今度は龍興寺の二月堂があります。
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二月堂があるのは奈良東大寺と下野の龍興寺だけだそうです。
県道に戻り、薬師寺郵便局の隣の家の前に昔の薬師寺村の道路元標の一部が見えている箇所があって、古い商家と思われる建物もあり、このあたりが薬師寺村の中心だったと思われます。そのまま南下して、右に一旦折れてから左に進む道が江戸時代からの日光東往還らしく、一旦県道に合流したあとには、新4号国道のできる前の県道の痕跡があって、追い越し禁止のセンターラインが一部残っていました。新4号の薬師寺南立体交差で県道は不自然な形になっていますが、そのそばには薬師寺南遺跡の看板が立っています。

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奈良から連れてこられてしまった人たちも多くいたのかもしれず、都落ちはさぞや寂しかったのではないかと想像します。
当院を建てるに当たり、このあたりの土地は開発をすると、遺跡が見つかることがあると言われたの思い出しました。当院は西側に外れていたこともあり、何も出てきませんでしたが、東山道が近くに通っていたようですし、奈良時代の人がこの地を選ぶ理由が何かあったのでしょう。
などといろいろと思いを巡らせながら2時間ぐらいかけた休診日の散歩でした。
なんだかんだで16000歩ぐらい歩きました。
すれ違う人もほとんどなく、静かな散歩でした。
外出自粛が続きますが、適度な運動をしましょう。

 世代別では10代がいちばん多く来院する施設なものですから、小学生~高校生と診療の際に話をすることも多く、4月に中3と高3になった人たちからもいろいろとお話をお聞きします。
学校の授業が3月からなく、なかには塾の授業も中止になってオンライン授業だけという中3、最後の大会ができないまま部活動が引退になるのかと心配な中3や高3が来院していて、彼らはすでに受験も心配していたりします。
 5月6日まで休校といっていますが、正直なところそれで済むとは思えないような状況で、いわゆる1学期がどうなのだろうと不安に思うのはもっともなところです。
 誰も経験のしたことのない事態なので、受験のことはまだ大人が考える余裕がないと思われ、とても心配なのはわかるのですが、それよりも今は自分が感染しないこと、人を感染させないことが、重要な課題です。
 「私たちはコロナ世代と呼ばれるのかなぁ」と高3女子がつぶやいていたのが印象的でした。
 長期化は必至な状況ですが、私たちは栃木や茨城でじっとしていることで、感染を拡大させないようにするしかありません。
 首都圏のような人口密度ではないので、3密を容易に避けることができます。
 場所を選び、適度な運動をしておくことも可能です。
 心身ともにストレスになりがちですが、SNSで他の人とのつながりは作れます。
 地元の新鮮な食材も手に入れやすいです。
 家族の絆も深まることが期待されます。
 何かいいことを考えてプラス思考で取り組んでいきましょう。

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 新型コロナウイルスの感染者数が大都市ではどんどん増えていくような状況で、東京や埼玉に比較的近い栃木県でも、学校の再開が延期になりました。
 近くの小学校は始業式を屋外で行い、学校検診も延期となりました。
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 ただし、宇都宮の中心地区をのぞけば、栃木県では人口密度が高い場所はそれほどないと思われます。
 緊急事態宣言の出た地域はもちろん、宇都宮の市街地に行くことも回避すべきなのかもしれません。一方で、近所で散歩やジョギングなどの適度な運動をすることは緊急事態宣言の出た地域でも認められています。
 学校が再開延期になり、学校によっては外出しないようにとの指示をされていることもあるようです。
 大都市であれば、一歩外へ出れば人がたくさんいるのが当たり前の光景です。
 外出自粛によって人が減ったという都内の光景は、当院周辺の日常よりも人が多いです。
 当院周辺で言えば私は歩いて通勤していますが、人とすれ違わないこともあるし、すれ違ってもひとりぐらいです。

 本来ならば、全国へ学会や勉強会で出かけることが多いのですが、今年は2月初めに奈良に学会に行ったのみで、現在は栃木から出ることが月に1回の埼玉での外来診療のみとなりました。
 それも従来は一旦池袋に出てから東武東上線に乗り換えていたのですが、先月からは大宮で乗り換えて川越で乗り換えてという形に変更しましたので、1か月以上都内に足を踏み入れていない状態です。

 明らかな運動不足で、休診日の夜に当院周辺を1時間以上歩いたりしています。
 日頃歩かない道も歩いてみたら、JRの電車の基地にたどり着きました。
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 1時間の間にジョギングをしている方が数名、歩行者とすれ違うのも数名でした。
 新型コロナウィルス感染症が問題となる前から、車社会の当院周辺は歩いている方は少なく、歩行者が減った感じも車が減った感じもしないのが個人的な感想です。
 
 当院の施設内では、感染予防対策を一段階進めて対応をはじめます。家族以外と2m以内の距離で一緒にいる時間を減らすことが求められています。ソーシャルディスタンシングというまだ十分になじんでない言葉ですが、これを意識することとして、診察室のイスの配置を見直しました。
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 運動器リハビリはもちろん、初診で診断をするうえで触診をしなければいけないこともあります。
 栃木でも感染者数が増えてきているため、受診される方もマスク装着をお願いいたします。
 また、リハビリを2単位40分での実施を原則としていましたが、希望者には1単位20分での実施もOKといたします。ただし、その場合は週に2~3回の来院が運動指導の立場では望ましいようにも思います。
 感染予防と適度な運動の両方を求めないといけないのですが、人との接触を避けての短時間の運動はなんとか続けていただきたいと思います。
 そして何といっても手洗いでしょう。家の外の物を触ったらこまめに手洗いまたはアルコール消毒が必要です。
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 本来皮膚を守るうえで必要な脂分も除去しすぎると肌荒れ・かゆみの原因にもなりかねないので、ときどきハンドクリームなども必要かもしれません。
 まだまだ長期戦の様相です。めげずに頑張りましょう。

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