薬師寺運動器クリニック院長のblog

栃木県下野市の日曜診療・祝日診療の整形外科・運動器リハビリ・スポーツクリニックである薬師寺運動器クリニックの院長がつづるブログです。 土曜日も月に2回程度の診療をして、週末に多く発生するスポーツやレジャーでの痛みに対してなるべくその日のうちに治療開始できるようにしています。 栃木県や茨城県西部の野球選手が数多く来院されます。 診療に関連して是非知っておいていただきたいことや、新たな情報を述べていきます。

2020年09月

 9/13日曜から9/27日曜まで、当院の休診日を利用して、秋季栃木県高等学校野球大会の医療サポートで大会本部に入らせていただきました。
 いつもであればどの大会も10試合以上にサポートで入るのですが、日程の関係もあり、今大会は7試合のサポートにとどまりました。
 幸い、サポートで入った日には大きなケガはありませんでしたが、別な日には選手ではなくスタンドでケガ人が出たようです。
 ケガ人が出た場合に備えて試験的にポケットエコー機器を貸し出していただいたのですが、使用する場面はなくて済みました。
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 当院での治療に関わってきた選手のいる高校の試合を観戦できるよう、サポートに入る球場も選択させていただきました。大会日程の影響もあって、7試合中3試合は当院の地元である下野市の石橋高校の試合を観戦させていただくこととなり、作新学院を破り関東大会出場を決めた試合も観ることができました。
写真は足利工との試合後です。
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 秋季大会も夏の交流大会に引き続き、感染予防として大会本部入口での体温測定と所属・氏名の記入、球場内でのアルコール消毒薬の配置が行われておりました。
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 感染予防に配慮しつつ、今後スタンドに入れる観客の人数を増やしていくことが予想されます。
 ここまでは県高野連の皆様のご尽力で感染が起こることなく大会が運営されてきました。
 他県では、感染者が出た高校が出場辞退という事例もあったようです。
 引き続き、観客の皆さんも含めて感染予防に努めて、栃木の高校野球が無事に続けられることを希望します。
 今年もあとは1年生大会を残すのみとなりました。
 今後の予定ははっきりしていませんが、県高野連とNPO法人野球医療サポート栃木が実施している野球肘検診についても、新型コロナウイルスの影響のもと実施するかどうかこれから協議されるものと思われます。

 当院は高校野球をはじめ、栃木県および茨城県西部の野球選手の治療や故障の予防に力を入れています。当院の理学療法士やアスレティックトレーナーの高校野球や中学野球の練習現場への派遣についてもお問い合わせください。
http://ymc.tochigi.jp/
 

 9/19土曜から4連休という方も相当いらっしゃると思われます。GO TOキャンペーンもあり、少し人の流れが増えているかもしれません。厳しい暑さも和らぎ、レジャーやスポーツには最適になってきたのではないでしょうか。
 田園地帯では稲穂が実り、稲刈りの季節になって、この連休中に稲刈りを行うという方も多いように思われます。
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 整形外科の扱う運動器疾患は、いつもとは違う動き・動作でがんばってしまったときに症状を引き起こすことが多く、平日よりも週末に発生しがちです。
 レジャーやスポーツ、慣れない農作業の手伝い、旅行でいつもよりも歩いたなどで痛みが出ることがあります。
 急な痛み・ケガなのですが、これを扱う整形外科が日曜・祝日は診療していないことがほとんどです。
 救急病院も、休日急患診療所も整形外科医が当番でいるとは限りません。
 応急的に痛み止めのくすりを処方されて、「様子を見て」とか「休み明けに整形外科に行って」といわれておしまいということも多いかと思います。
 せっかく休みで受診しやすいのに、肝心な医療機関がやってない、需要があるのに供給不足という状況が当たり前のように続いています。
 市役所・銀行・医療機関は週末にオープンしていてもいいのではないかと思いますが、なかなか変わりません。
 
 当院は日曜と祝日に診療を行うようになって10年以上になります。
 片道1時間以上かけて来院される方もいらっしゃいます。
 休み明けに整形外科に行くのは困難ですし、行けても混んでいることが多いのではないでしょうか。
 だから休みのうちに受診したいという需要があるわけです。
 電車ならとんでもない時間がかかりそうなところからも、車社会の北関東は意外と早く来られることもあって、県内なら日光や大田原、烏山、那珂川町などから、県外なら埼玉県蓮田や幸手、群馬県館林、茨城県常陸大宮やつくば、最長は福島県南会津から日曜・祝日にお越しいただいたことがあります。
 それだけ困っているということではないかと思うのですが。
 敬老の日の9/21も日光市から強い腰痛でお越しいただきましたが、エコーを見ながらのトリガーポイント注射でその場で痛みがかなり取れました。
 単に痛み止めの内服と外用薬処方では申し訳ないので、注射を打たせていただきましたが、即効性が得られてよかったです。
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 学会・研究会が金曜・土曜に開かれることが大多数なので、金曜・土曜を休診として、日曜祝日に診療を行ってまいりましたが、新型コロナウイルスの影響で学会が軒並みオンラインでの開催になってきました。
 果たして今のままの診療でいいのかという考えもあり、今後試験的に土曜の診療も日曜と同じく午後に実施することを検討しています。さすがに毎週全ての土日というわけにはいかないので、不定期な休診を入れながら実施する方向で準備に入っています。逆に学会の場合は木金土日の4日間休診のこともあるかもしれません。
 改めてホームページなどでご案内いたしますので、しばらくお待ちください。

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 雨で1日開幕が遅れましたが9/13から栃木県高校野球の秋季大会が始まりました。
 早速、栃木市のとちぎ木の花スタジアムでの石橋高校対真岡工業の試合に入らせていただきました。
 日曜は午後から診療なので、11:30までの滞在で延長10回の表終了の時点で撤収せざるを得なかったのですが、両チームの選手への簡単な対応もありました。
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 感染予防で原則無観客で、これから気温がすこし下がっていけば、スタンドでの熱中症の発生はほとんどなくなると思われますし、選手の脚がつることも減ることが予想されます。
 心配なのは熱心なプレーのなかで、フライを捕ろうとして飛びついて手首から腕にかけてのケガをすることで、夏にも骨折の事例があったところでもあり、ケガの内容にプレーをしていただければと思います。
 今回はお世話になっている日本シグマックス(株)様のご協力で、現場に持ち歩けるエコー機器「miruco」のデモ機を試験的にお借りして、球場入りをしています。選手のケガに対して、どのくらい有用か、試合の現場で実際にどの程度使えるか、いろいろ考えてみようと思います。
 ケガ人が出ないことが第一ですが、万一の場合の心強いツールに期待もしています。
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 栃木の選手が活躍しやすい環境を医療側でサポートしたいと考えています。
 理学療法士の高校の練習現場への派遣にも取り組んでいこうと思っています。
 

 当院では受診された方のの来院時刻と会計終了時刻をデータとして残しており、待ち人数とともに混雑状況の確認のうえでの指標としております。
 ここ3か月(5/31~9/10)までのデータを整理し、日曜~木曜の曜日別で確認してみました。
 受付をしてから会計が終了するまでの時間の曜日毎の平均については、日曜1時間42分、月曜1時間14分、火曜・水曜が1時間11分、木曜1時間07分でした。
 滞在時間が1時間未満であった回数は日曜と月曜は0回、火曜1回、水曜2回、木曜4回でした。また日曜は平均して2時間を超えた日が2回ありました。
 これらは、薬の定期処方で数分で診察が終わる方も含めていますので、滞在時間が20分に満たないというケースもありますし、ケガのために開いた傷口を縫合するような方や、経過が長い痛みで話もじっくり聞いてエコー検査も行いリハビリもオーダーして・・・というような長い時間を要する方も混在しています。
 統計処理は行っていませんが、日曜が長めで週の後半になるに従って滞在時間が短くなる傾向がありそうです。
 実感として日曜は初診も多く、待ち時間が長くなる傾向で、火曜から木曜は比較的短いという印象はあるので、得られた数字は妥当なところかと思われます。
 なお、受付から会計までの時間というデータのため、待ち時間ではありませんので、あしからずご了承ください。

 

 また、診察終了時刻についてもここ3か月について調べてみたところ、曜日による差は明らかでなく平均して19時50分前後でした。10代の来院がとりわけ平日は夕方に偏るため、平日に早く終わるわけではないということが裏付けられた気がします。
 3か月の間で21時過ぎに終了した日は1日だけで、月曜日でした。20時過ぎの終了は各曜日とも5回程度ずつありました。
 
 以上のことから、あくまで現在のところは、木曜の来院がおすすめということになってきたようです。
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 長いこと下野市の介護審査会の仕事を続けていますが、新型コロナの影響で申請が減ったのか、自分の当番の日はしばらく審査会そのものがありませんでした。
 9月に久しぶりの審査会となり、1週間前に届く審査会の資料に目を通すこととなりました。
 なかには、新型コロナのためにデイケアが中止になっていたとか、高齢者サロンが開催中止になっていたという記述もありました。
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 新型コロナウイルスに関連して、テレワークとか在宅勤務と呼ばれる働き方も出てきましたし、学会や勉強会もオンライン開催が増えています。
 下野市では市役所で審査会が行われてきましたが、今後はオンラインでの介護審査会の実施も検討しているようです。 
 移動の手間が省けるという意味では便利なように思える一方、移動をすることが減れば、運動量が減ることも明らかで、違う問題が生じてくる可能性も考慮する必要があります。
 個人的には、当院から市役所まで歩くいい機会だと思っているので、審査会が市役所で開催されるのはOKなのですが。

 緊急事態が解除され、学校が再開され、事実上の新学期が6月から始まったころは、学校の授業の3時間目で腰が痛いという小学生がいたり、電車通学をはじめた高校1年生が電車で十数分立って乗っているだけで痛むという事例がありました。
 子どもたちの場合は一過性で済むのですが、高齢者は筋力低下で疲労しやすくなり、移動・運動の意欲低下となり、さらに過剰なまでの新型コロナウイルスの感染への警戒で、極端に外に出なくなっている人がいると思われます。

 栃木県でいえば宇都宮市の中心部の通勤・通学の時間帯でもなければ、いわゆる3密のうちの密集は生じることはほとんどないと思われます。
 自宅の敷地から出ないとか、近所をひとまわり歩く程度では筋力低下が進行することが強く懸念されます。
 もはや新型コロナウイルスの感染は家族から生じることも多くなっていますし、東京消防庁の救急出動のデータによれば、転倒するのは道路よりも自宅内が多いとされています。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/201509/kkhansoudeta.html
 
 新型コロナウイルスは感染するから怖い、ワクチンがまだ実用化されてないから怖いということになるかと思いますが、感染する人数は栃木県においては1日に多くて数人レベルに落ち着きつつあります。
 転倒骨折の人数も、新型コロナウイルスの感染と同様に、今日は何人でしたとお知らせすると少しは警戒をしていただけるのかもしれません。
 お正月にはニュースで餅をのどに詰まらせて救急車で運ばれた人数を伝えることがありますので、できないことはないような気がします。
 大腿骨頸部骨折は手術が必要なことがきわめて多いです。
 手術後には早めの退院が求められますし、大きな病院ほど外来でのリハビリが十分に行えない可能性もあります。
 短期間のうちに再度の転倒によりさまざまな部位の骨折を起こすこともあります。
 結果として活動レベルの低下や認知機能の低下を招き、介護保険サービス導入になり、その後の生命予後を悪化させる可能性があります。
https://www.minnanokaigo.com/guide/disease/fracture-of-femur/

 人から人への感染はしないけれども、高齢者はいったん転倒による骨折をすると、骨折の連鎖を起こすことがあります。そういう意味では大腿骨頸部骨折はもっと警戒していただきたいところです。
 感染予防に手洗い・アルコール消毒・マスクをするように、転倒予防で運動療法が必要です。骨折予防には骨粗鬆症の検査と治療も強くおすすめします。

 転倒予防の運動はまず整形外科で診察を受けていただき、「運動器不安定症」という病名に該当するかどうか診断してもらう必要があります。その場合は、健康保険の適応で運動器リハビリテーションを行うことが可能です。
 運動器不安定症ではないものの、いわば予備軍としてのロコモティブシンドロームであれば、転倒予防教室のような体操指導をすることも、当院では可能です。
 高齢者は多くの方が内科疾患があり、内科に受診していることが多いのですが、安易に「高齢だから仕方がない」とされないように、整形外科への受診をしてください。
 整形外科でも運動器リハビリを実施していない施設も少なくありません。
 見極めはホームページがあるかどうか、そこで理学療法士がリハビリをやっていると記載されているかどうかであろうかと思います。
 運動器リハビリは、あくまで運動療法であって、電気治療ではありません。転倒予防であれば筋力強化やバランス訓練、歩行訓練などが該当し、下肢だけでなく体幹も含めて対応する必要があります。
 お近くの施設で運動器リハビリが受けられない方は、栃木県や茨城県西部からであれば当院への受診もご検討下さい。
 初診はネット予約もできます。
 どうぞご利用ください。
 http://ymc.tochigi.jp/

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