薬師寺運動器クリニック院長のblog

栃木県下野市の日曜診療・祝日診療の整形外科・運動器リハビリ・スポーツクリニックである薬師寺運動器クリニックの院長がつづるブログです。 土曜日も月に2回程度の診療をして、週末に多く発生するスポーツやレジャーでの痛みに対してなるべくその日のうちに治療開始できるようにしています。 栃木県や茨城県西部の野球選手が数多く来院されます。 診療に関連して是非知っておいていただきたいことや、診療に限らず新たな情報を述べていきます。

2021年03月

首都圏や大阪周辺といった大都市付近の方からすると、信じられないことかもしれませんが、栃木県は相当な車社会なので、電車に何年も乗ったことがないという方が少なくとも当院に来院される方の中では多いです。
修学旅行で身体が痛いという小学生や中学生、ディズニーランドに行っても疲れたからパレードをみないで帰ってきたという高校生の実例も過去にはありました。

電車で職場や学校へ通う方々も、駅には車で送迎してもらうことも珍しくなく、そもそも電車が1時間に何本というレベルなので、電車の到着時刻にあわせて駅前ロータリーに出迎えの車が並ぶという光景は、日常的です。

ここ数年、特に10代が疲れやすくなっている印象です。
当院の最寄り駅は自治医大駅ですが、そこから宇都宮駅まではJRで16分程度なのですが、この時間を「長く電車に乗る」と表現されたこともあります。
日常診療では扁平足の10代も多く、足が疲れやすいのかもしれませんが、宇都宮に通学するのに、ひとつ手前の雀宮駅の時点で痛みが出るという高校生が出てくるようにもなりました。
高校まで保護者の車の送迎で、自分で1回も行ったことがないというケースもまれですが、実際に経験したことがあります。

そんなわけで、高校生の実力テストが試験時間が90分~120分、ときには180分というものもあるかと思うのですが、試験が途中で集中できなくなるという事態もあるようです。
学力ではなく、筋の持久力で学業の成績が左右されるとしたら、もったいない話です。

まもなく4月で高校に入学し、電車通学という高校1年生が増えるわけですが、5~6月に通学で疲れるという生徒が増えないことを希望します。
プライベートの時間にも、自分の足でしっかり歩いたり自転車を漕いだりしましょう。

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3/26の夜に栃木県野球協議会のオンラインの勉強会があり、学童野球や中学野球の指導者や保護者向けに野球による肘・肩・腰の障害やケガ・救急の話をさせていただきました。
トレーニングについてはエイジェック硬式野球部トレーナーで理学療法士の菅谷力也P先生にお願いして講演をしていただきました。
栃木県野球協議会は栃木県民球団、一般財団法人 栃木県野球連盟が中心となって活動し、さらにJABA栃木県野球連盟、栃木県高野連、県中体連野球専門部、中学硬式4団体(ボーイズ リトルシニア ポニー ヤング)とNPO法人野球医療サポート栃木が参加し計10の団体から構成され昨年12月に設立されました。
オンラインの勉強会は昨年から聴くことはかなり多かったですが、自分が発表するというのは初めてで、画像の共有もしたことがなかったので、戸惑うことばかりでした。
音声トラブルもあったようで、聴講された皆様にはご迷惑をおかけいたしました。
その結果、はじめの予定よりも時間が長くなってしまったのではないかと思います。

栃木の学童野球の選手が故障することなく、中学、高校、あるいはそれ以上のカテゴリーで野球が続けられるために、身体のことも考えていただくきっかけになれば幸いです。

今後、県内外から素晴らしい講師の皆さんをお招きできるようになれば私の出る幕もないかと思いますが、貴重な講演の機会をいただきありがとうございました。
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 まだまだコロナウイルスの感染を恐れて、外出を控える高齢者が多いです。
 自分の住む市・町からほぼ出ていないという高齢女性の来院も散見されます。
 受診しているから隣の町から下野市へ来たものの、普段は全然出ないということのようです。
 少なくとも当院周辺は、歩いている人の数よりも走っている車の台数が多く、人と人が1m以内にいることがあるとすれば、せいぜいスーパーやドラッグストアのレジ程度かと思われますが、「外に出るとコロナが怖い」と思い込んでしまっているようです。
 
 栃木県は日にもよりますが、1日に新たに新型コロナウイルスに感染した人数は、10名を下回る日も増えてきました。
 ニュースでは1日あたりの転倒・骨折で受診した高齢者の人数を発表はしませんので、推測でしかありませんが、栃木県全体で1日に数名しか骨折しないということはないのではないかと思うところです。

 いちばんの遠出が当院という高齢者も珍しくなく、趣味・買い物・習い事で定期的に外出をする元気な高齢者との二極分化が起こりつつあるような気もします。
 1年以上受診していなかった方が来院することもあり、受診をしなかった理由を聞くと、「コロナが怖くて」という回答になりがちです。とは言いつつも、内科には受診を継続して薬はしっかり処方をしてもらっていたりします。
 内科には通院、整形外科は中止というパターンも珍しくなく、気がつくと内科で湿布や骨粗鬆症の薬を処方されていたりします。
 筋力低下があることを理解せずに今まで通りに作業・動作をしようとして相対的なオーバーワークになり、容易に筋疲労が生じて筋肉痛になると想定されます。
 こんな状況に対して、湿布を貼って次の痛みを防げるとは到底思えないのですが、昭和30年代頃からのあるのではないかと思われる、言わば湿布信仰のようなものが根強く残っていて、つまるところは、風呂上がり・寝る前に湿布を貼ると気持ちいいという考えのようです。
 予防につなげようとすれば、なぜ痛くなるのか考えていただく必要があるのですが、どうもそこは考えようとしない方が少なくありません。
 
 コロナを恐れて外出をしないことで、筋力低下が進んでしまう状況が高齢者はもちろん、30~40代でも拡がっているように思います。
 ロコモティブシンドローム(ロコモ)やフレイルという考え方がコロナウイルスの感染拡大で広まっていくかもしれないのですが、5月に行われる日本整形外科学会でもこのあたりの話題が議論されるようでもあります。

 コロナを恐れて受診を控えることで、コロナ以外の病気が進行することになりかねません。
 介護審査が件数が増えて大変になってきていると思われ、ついに介護認定期間が最大48か月になるらしいです。
 介護サービスが満足に受けられないような、大変な時代がやってくることが懸念されます。
 思い込みを排除していただけるよう説明をしようと思うのですが、それを説教と思われてしまうこともあり、患者さんがほしいと言えば、だまって湿布を処方するのがはたしていい医者なのでしょうか?
 電気治療や湿布でお茶を濁すような治療はすでに時代遅れになっていますが。
 転びたくなかったら運動、骨を弱くしたくなかったら運動です。運動の内容については理学療法士や整形外科医が考えていきます。
 70代は運動器リハビリが当たり前、80代でも全身状態に問題なければ運動器リハビリを試してみる価値があります。
 どうぞご相談下さい。



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 緊急事態宣言が最後まで残っていた首都圏は1都3県とされたわけで、栃木・茨城・群馬の北関東は首都圏ではないと考えておくべきでしょう。
 北関東は首都圏と比べて交通機関が発達しておらず、1本電車を乗り遅れると数分で次の電車が来るわけではありません。
 そこですぐに車に頼ってしまうのはわからなくもないのですが、中学生・高校生の通学を保護者が車で送迎をしなければいけないかというと、そうでもないように思います。
 兄弟姉妹が多くないので、歩いて通うのが前提の小学生をのぞけば、保護者が子どもを学校まで送迎をすることもそれほど難しくなくなったということでしょうか。
 雨だから車・電車に乗り遅れたから車・暗くて危ないから車というケースはよく耳にするところで、北関東であっても、ベビーブーム世代だったら学校まで送迎・してもらえるということはなかったのかもしれないですが、少子化のためか自転車で通学は危ないと心配し(しすぎ)て、車に乗せてしまう保護者が増えてきたようです。
 3年間1回も自分の足で高校に行ったことがないという女子生徒がときに見受けられます。
 いちばん長く歩くのが校門から下駄箱までという生徒もいるのかもしれません。
 将来の骨粗鬆症を予防する意味では骨の物理的な刺激を加える場面が多い方がよいのですが、通学で小学生よりも歩かないのはうまくないように思われます。
 本来なら自転車で来院できる距離なのに車で来院するケースも多く、歩くのが面倒と考える傾向が小学生からはじまっています。
 
 通院も高校生であっても保護者が付き添うことが多く、子ども医療をのぞけば支払いがあるのは当たり前なのですが、「支払いがあるから親が付き添う」ので、通院の頻度は本人よりも保護者都合になるケースがあります。
  
 どう親離れをしていくか・子離れをしていくかという時代が高校~大学ぐらいの時期かと思われます。高校卒業後就職する方は社会にもまれて、経済的にも徐々に自立していくので早く大人になるのかもしれません。
 本当は中学生ぐらいからひとりで来院し、病状の説明などで必要なときだけ保護者の方に来ていただくのがよいのかもしれません。
 受診の時間に間に合うには何時に家を出る・どこの道を通る・電車を利用するなら何時の電車に乗る・電車の料金がいくらかかるなどを自分で考えることが大人へのステップのひとつであると思われます。
 全て親任せで、「行くよ」と言われて車に乗り、なかではウトウトとしてどこの道路を通ったかも知らず、呼ばれたところに行き、治療を受けて「帰るよ」と言われて帰る中学生・高校生が少なくありません。
 薬が必要かどうか尋ねても保護者の顔を見る中学生・高校生も多いし、定期テストの日程や終業式がいつかをわかっていなくて、保護者が答えるというケースも多いです。
 自分で考えて動けることは、いろいろな場面で求められるはずです。
 中学生以上は大人として意思を尊重したいと思っています。
 きちんと自分で考えて治療を受けている中学生・高校生もちろん多いのですが、そうでない人も増えてきたのが気になります。
  春休みを有効に活用するためにも、自分で考えて保護者に頼らず来院することをご検討下さい。

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 月に2回程度で恐縮ですが、土曜診療を午後1時から行っています。
 土曜は午前中や午後3時ぐらいまでの診療を行っている施設は多いのですが、夕方に実施している施設は少なくなります。
 変則的な診療で、検索サイトでも当院は土曜が休診とされているため、土曜はまだまだ初診の方は少なく、診療に余裕のある状態です。
 土曜の診療日は当院のホームページやSNS各種でお知らせしています。
 
 土曜は学校や会社が休みで、朝からレジャーで出かけたり、スポーツの試合や練習で長時間身体を動かしていると、疲労・痛みが生じたり、ケガをしやすくなる可能性があります。
 新たな痛み・ケガが生じた場合に、外出先では受診しづらく、帰ってきてその日のうちに受診できる環境があると便利なはずと考えて、午後1時から7時までの診療を行っています。
 
 ただし、医師が私1名のため、毎週の診療が行えていないのが申し訳ないところでもあります。
 単に医師を増やせばいいかというとそうでもなくて、同じようにエコー像をみて診断や注射を行ってくれる医師でないと、診療の内容が大きく変わってしまいます。いちばんつまらないのは、「骨は異常ありません、湿布処方します」というパターンです。
 現在は若い先生たちが運動器エコーに興味を持ちどんどん新しい手技を身につけていく時代になっていますので、いずれ非常勤の医師が勤務して土曜も毎週診療ができるとよいと考えています。
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