薬師寺運動器クリニック院長のblog

栃木県下野市の日曜診療・祝日診療の整形外科・運動器リハビリ・スポーツクリニックである薬師寺運動器クリニックの院長がつづるブログです。 土曜日も月に2回程度の診療をして、週末に多く発生するスポーツやレジャーでの痛みに対してなるべくその日のうちに治療開始できるようにしています。 栃木県や茨城県西部の野球選手が数多く来院されます。 診療に関連して是非知っておいていただきたいことや、診療に限らず新たな情報を述べていきます。

2025年05月

 例年4~5月に小学校~高校では児童・生徒の検診が行われます。
 学校医には内科または小児科、眼科、耳鼻咽喉科の医師と、歯科医師が必要ですが、現在は整形外科医が必要とされていません。

 学校検診では、背骨が横に曲がってしまう側弯症の発見のためチェックを行いますが、なぜかこれを内がまたは小児科の医師が担当しているのが一般的です。

 整形外科のトレーニングを受けていない医師が側弯症のチェックを求められること自体が無理があると思われますが、この制度は当分の間変わることはなさそうです。

 ですから、迷ったら二次検診で整形外科受診をするようにと指示を出すはずなので、児童・生徒の皆さんが二次検診として来院されることがあります。

 全く何ともない・側弯が存在しないということも少なくありません。これは一安心と言うことになります。

 一方で、装具療法をした方がよいと思われ、専門的な治療を行う自治医大の小児整形外科に紹介をするケースもあります。

 手術が必要なケースがいきなり来院するということは、運動器の検診が定着してからはなくなっていますが、やはり前年度に側弯を発見されていなかったと思われるケースはあります。

 急激な成長をする時期でもあり難しいところです。

 ある学校の学校医を委託され、運動器に特化させていただくという条件で引き受けていただいていますが、「学校内科医」とされてしまっています。

 アイデンティティとしては内科医という表現に抵抗感のあるところです。

 運動器に特化しているため、学年によっては実際にしゃがみ込みとお辞儀で床に手が届くか、腰をそらして腰痛が誘発されないかを実際に確認しています。

 しゃがみ込みができない子は以前よりも減った印象を持ちますが、お辞儀をして床に全く手が届かない子は増えてきたように思っています。

 整形外科医を学校医に入れるという決まりになれば、大規模なデータがわかるのでしょうけれども、当分は制度が変わらないとすれば、印象としかいえないところです。

 通学と習い事としてのスポーツ以外は動かない子も多く、スポーツによって特定の動作を繰り返し行うことで身体を傷めることがある一方で、それ以外の身体機能は十分に育っていないというケースも多いように思われます。

 しゃがみ込みができないとか、扁平足であるとか、腹筋が弱くでいい姿勢で座っていられないとか、授業は2時間目ぐらいで疲れるといったりするのは、十分に運動器の機能が育っていないものと思われます。
 これらについては診察での評価のうえで、保険診療での運動器リハビリテーションと対応となることもありますので、ご相談下さい。

 急に背が伸びてしまうと、骨は先に成長するけれども筋肉が付いていけず硬くなってしまうと思われ、そこにさらに筋トレをする時代が重なると、高校生でも床に手が届かないままとなってしまうようです。

 ストレッチの指導だけでも来院していただいてOKです。
 自由診療としてのコンディショニングの扱いになる可能性もありますが、ケガの予防として重要と思われます。

 もちろん日常生活では通学以外にも歩く場面を増やし、立ったまま電車に乗るような場面も作り、安易に車に乗らないような生活習慣にすることも必要と考えます。

 当院まで電車で来院することも勧めることも多いです。

 1年後の学校検診で改善を確認できるよう、生活を変えてみましょう。
 

 ゴールデンウィークも終わり、中学3年生や高校3年生にとっては、引退となる最後のスポーツの大会まで、2か月を切った種目も多いのではないかと思います。

 6月中旬に中学の地区大会で県大会に行けるかどうかと頑張っている選手は、残り1か月あまりです。

 インターハイ予選で負けたらおしまいという高校3年生も1か月ちょっと、甲子園を目指す高校野球は、栃木県の選手権大会は7月10日木曜日の開幕です。

 高校のほとんど、一部の3学期制の中学は、5月中旬に中間テストが行われ、テスト期間中で部活動を中止することもあるかと思われますが、一方で夏の大会に向けて練習時間を短縮はするけれども、テスト期間中も継続という学校もあるようです。

 最後の大会は少しでもいい運動器のコンディションで参加していただきたく、運動器リハビリテーションを実施する側としても、テスト期間中もリハビリの継続をお願いしたいと考えています。

 練習をしなかったり短縮することで、運動器への負担が減るぶん、痛みを初めとする自覚症状がなくなったように思われることがありますが、テスト後に再開すると何もよくなっていないということも想定されます。

 そして、テストが修了すれば、特にスポーツで進学を考える選手の場合は、大会での活躍が針路に影響をすることも想定されるため、朝の授業を遅刻してでもリハビリを実施するかどうかご検討下さい。

 朝のうちにリハビリを行うことで、夕方の練習は少し実施しやすいコンディションになっている場合もあります。

 スポーツ推薦による進学は、スポーツ競技が受験科目のようなものなので、競技と並行して身体のケアを行っておく必要があります。夕方はリハビリの予約が入りにくいですし、練習があって来院できないと言われるケースも多く、中途半端な対応で大会になってしまうことも懸念されます。

 単なる痛み止めを内服しても、遅くまでやっている施設で電気治療をしても改善は期待しづらいところです。

 午前中の受診については大きな病院であれば当然のように求められることでもあり、症状があるのであれば、医療機関の受診は正当であって、咳やのどの痛みで内科受診をしてから登校することがOKとされる一方で、運動器の症状で遅刻をすると冷ややかな目で見られる可能性もあり、病状には優劣があるのが現実です。

 まだまだ「骨折がなければ大したことない」という風潮は残っており、診断を受けずに湿布で様子を見ているという選手も多いものと思われます。
 
  その後の進路を決めるかもしれない大事な試合となる最後の大会は、是非いい治療を受けて臨んでいただきたいところです。
  
 当院の診療を受けていただければ幸いです。

今年のゴールデンウィークが終わりました。
当院は金曜日が定休のため、また当院の診療カレンダーとして5月3日~5日は休みと定めておりますので、今年は5月2日から4連休となりました。

診療のある日は院内に留まっている時間がとても長くて歩行時間は短いので、休みの日は車に乗らない外出も意識をしています。

趣味のひとつとしての博物館・美術館での見学のため、5月2日は土砂降りの雨の中、まずは上野の東京国立博物館平成館で開催中の「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」の特別展へ出かけました。

今年の大河ドラマとリンクした展覧会のため、またゴールデンウィーク中のため、大変混雑するという前提で、オープンと同時に入ることを考えて、9時前には到着して雨の中傘を差して並びました。

北斎や写楽という名前は聞いたことがあっても、昨年までは蔦屋重三郎という名前は不勉強で知らなかったのですが、現在短期集中で学ばせていただいています。

調べてみると書籍やDVDなどを扱うTSUTAYAと蔦屋重三郎は直接は関係ないようではありますが、ドラマ中に出てくる須原屋市兵衛は浦和にある書店の須原屋の先祖ということのようです。

浦和に住んでいた時期がありますので、須原屋にはときどき行くことがありました。いまもさいたま市民特に浦和区の方にはなじみのある書店ではないかと思われます。

今回の東京国立博物館の展示はNHKも関与しているので、映像を利用した展示もあり、特別展だけでも3時間近くかけて見学し、さらに常設展示も一部見て回ると4時間以上かかりました。

ここ数年は博物館・美術館への外国人旅行客の多さに驚きます。
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その後、どこを巡るか迷ったのですが、土砂降りなので上野動物園のパンダは諦めて、蔦屋重三郎つながりで浅草へ銀座線で移動し、台東区が運営している「べらぼう江戸たいとう大河ドラマ館」へ行ってみました。

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ここはドラマで使用した衣装や小道具とやはりNHKの映像を利用した展示があります。


台東区はべらぼうの最初の舞台となった吉原や蔦屋重三郎の菩提寺、平賀源内の墓もあるため、今年は刊行に力を入れており、バスで巡ることもできるようです。

この日は土砂降りの雨のうえに上野からの移動で夕方になっていたこともあり、これらの場所には日を改めて行こうと思います。

この日は浅草から東武線を利用して久喜まで特急、久喜からJRで帰宅しました。

東武の特急料金は久喜まで500円で、JRのグリーン車の半額以下ということが判明。浅草からなら東武で帰ることもありですね。

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5月3日は栃木の高校野球の準決勝で清原球場までJRとLRTで出かけました。
高校野球の栃木県の大会は休診日を利用して医療サポートに入らせていただいています。
清原球場は駐車場が離れており、LRTが開通してからはなるべく宇都宮駅までJRで行き、LRTに乗り換えて出かけることにしています。
この日は前日と打って変わって気持ちよく晴れて、暑すぎることもなく爽やかな日でした。

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途中鬼怒川を渡るあたりの田んぼでは田植えが始まっていました。

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宇都宮東口のLRT乗り場の前ではキッチンカーがたくさん出ていました。
駅の近くでビールを飲んで帰ることができるのが電車で観戦に行ったときのメリットでもあります。
この日はクラフトビールを1杯だけ飲んで帰り、当院に戻ってからたまっていた雑用を行いました。


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5月4日は神宮球場へ出かけました。千駄ヶ谷駅で降りて神宮球場へ行くときには、国立競技場の敷地にある学徒出陣の碑を通るのですが、平和のありがたさとか、学業やスポーツを中断して戦地へ赴いた先人に思いを巡らせ、感謝をするところです。

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この日は東京六大学野球の東大と慶應大、早稲田大と立教大の試合を観戦しました。
東京六大学野球は応援団もすごいので、在校生や卒業生は応援団席で応援をすると盛り上がるのでしょうが、当然ながら部外者なので一般の内野席で観戦しました。
攻撃中も守備の間も応援団の応援が両チーム側から聞こえてくるのは少々驚きです。
六大学には栃木県関係の選手や指導者がいることについて、下野新聞の5月7日の「雷鳴抄」に書かれていましたが、東大には宇都宮高校出身の選手が2名ベンチ入りしていて、中山選手は先発メンバーで3安打と活躍されていました。

野球選手の治療に長年関わると、学童野球から中学、高校、大学、社会人、さらにはプロへと進む選手が出てくるようになり、かつて関わった選手をスタンドで見られるのはうれしく思います。

この日は天気がよかったので、信濃町の駅から浅草橋まで総武線で移動し、小伝馬町まで歩いて蔦屋重三郎関連の中央区のスポットを歩いてみました。

ドラマ「べらぼう」でも平賀源内が牢に入れられた回が放送された後でもあり、伝馬町牢屋敷跡やそこからほど近い蔦屋重三郎の開いた耕書堂の跡地には、同様にドラマ関連のスポットを巡っている人たちがいました。
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そしてこの耕書堂のあった道は日光道中でもあるようです。
江戸時代の面影はない道ではありますが、歴史の積み重なりが東京には幾重にもあるのだなと思うところです。

まだまだ大河ドラマは続きますので、また時間が作れれば関連スポットを巡ってみたいと思います。

この3日間で4万歩程度歩いたことになりました。


5月5日は高校野球の練習試合を少しだけ観戦してから、車でなければ行けない場所ですが、日本遺産の大谷石を巡るスポットに紹介されている宇都宮市の郊外の3地区を見て回り、帰りに白沢宿に立ちよってみました。
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車で移動すると当然ながら歩数は増えず、この日は5000歩程度しか歩きませんでした。

栃木でも歴史を感じる場所へ出かける機会を増やしたいと思います。
昭和までの古い建物が残っていることも多いので、栃木県内の街歩きも興味深いです。

貴重な連休をいただき、リフレッシュさせていただきました。
ありがとうございました。

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