薬師寺運動器クリニック院長のblog

栃木県下野市の日曜診療・祝日診療の整形外科・運動器リハビリ・スポーツクリニックである薬師寺運動器クリニックの院長がつづるブログです。 土曜日も月に2回程度の診療をして、週末に多く発生するスポーツやレジャーでの痛みに対してなるべくその日のうちに治療開始できるようにしています。 栃木県や茨城県西部の野球選手が数多く来院されます。 診療に関連して是非知っておいていただきたいことや、診療に限らず新たな情報を述べていきます。

2025年09月

当院は救急病院ではないので、立ち上がることのできないような大腿骨や下腿の骨折の方が来院することはほぼありませんが、上腕骨近位・鎖骨・橈骨遠位端・足趾の骨折や、胸椎・腰椎の圧迫骨折の方が来院されることはあります。

自宅内や庭先でつまずいたとか、バランスを崩したなど、比較的弱い力で骨折してしまうケースや、転倒して手をつき手首の骨折を受傷するか、尻餅をついて背骨の圧迫骨折が生じるというケースが比較的多いです。

足趾の骨折は急いで動いていてドアやテーブルの脚にぶつけてしまい発生することが多いようです。

これらの骨折は、高齢の女性に多い印象があります。

多くの方は、骨折する以前に骨密度検査を受けたことがないので、骨折をしたことをきっかけに骨密度検査を強くおすすめして検査してみると、骨粗鬆症が発覚することが少なくありません。

ご自身は骨粗鬆症ではないと思っていた、自信を持っていたという方も多く、また自治体で行っている踵の骨での骨粗鬆症の検査で大丈夫だったから自分は骨粗鬆症ではないと認識していたという方も多いです。

本来は骨折をする前に骨粗鬆症を見つけ、治療を開始していれば骨折をリスクを減らせたかもしれないのですが、整形外科に受診するのはケガをしてからという方が多いので後手後手に回ることが多いのが現実です。

自治体で行っている踵の骨での検査は医療機関で行う大腿骨頸部や腰椎での骨密度検査に比べると信頼性が高くないといわれています。

一度骨折をすると次の骨折をしてしまうことにつながりやすく、その名も「ドミノ骨折」と呼ばれますが、これを予防するという意味では、骨折をしてしまってからの骨粗鬆症治療の開始であっても注射または内服での治療が大変重要です。

そしてロコモの有無の確認として片脚起立テストを行い、骨折の治療と平行して転倒予防のバランス訓練や筋力強化も行っています。

なかには骨折を繰り返している方もいて、手術に追い込まれることもあります。

骨折の種類と手術の内容によっては、大変高額な医療費がかかることがありますので、次の骨折を防ぐために運動療法を行っておくことは医療費の節約になるという見方もあります。

インフルエンザの予防接種や帯状疱疹のワクチン接種が健康保険で実施できないように、骨折を予防し、手術を予防し、介護を予防するための運動も健康保険ではなく、自由診療で行っています。

筋肉・関節の状態を少しでもよい状態にしておく、バランス能力を保ち転倒しづらい上京にしておくということで、コンディショニングと当院では呼んでいる運動療法を受けることができます。

自由診療と健康保険の治療を同日には行えないため、コンディショニングに来院した日には骨粗鬆症の治療薬の処方はできません。

薬の追加に来院した日に、コンディショニングもついでに受けたいと思っても実施することができません。

健康保険での運動器リハビリテーションは発症から150日という期限がありますが、骨粗鬆症の治療は年単位で続きますし、筋力やバランス保持能力は年齢が上がると共に低下するはずなので、コンディショニングも年単位で継続しておくとよいと考えられます。

理学療法士が運動の指導の際にいろいろなアドバイスをさせていただきます。
身体の状態を評価し、予備知識としての運動器についてのお話をして、自主トレーニングの課題を提示し、次回の来院の際に再度確認をしていくという作業を繰り返します。


骨折をしてから治療を受けるのではなく、骨折をしないための対応を骨粗鬆症の薬に加えて運動をしておくことの重要性が広く認識される必要があります。

介護保険制度は今後運用が厳しくなることも予想され、保険料を納め続けているのにご自身が高齢になったときにはサービスが受けられないかもしれないなどと想定しておくべきでしょう。

車の運転も免許返納をするとできなくなるわけで、免許返納後の生活も想定しておく必要があります。

内科と整形外科への受診は80代以降も必要になるはずなので、自力で受診できるよう対策を考えておくべきですし、電車・バス・タクシーを利用してひとりで出かけられる運動能力や判断力を維持しておかなければなりません。

外出が多ければ、歩行時間も確保できることにつながります。
リハビリあるいはコンディショニングだけでは運動量が多いとは言えませんので、どんどん用事を作って出かける場面を確保しましょう。

近所ではなく、宇都宮でも都内でも、周りに歩いている人が多くいるところに出かけてみると、自分の歩く速さと周囲の人の歩く速さの違いに気づけるかもしれません。

車ばかり利用している人と、車に乗らず電車利用の人では筋肉の疲れやすさに差があるかもしれません。

治療のための医療費よりも予防につながるかもしれない交通費を払うほうが有意義です。

運悪くケガをしてしまったら、次のケガ・骨折を予防する動機づけになると前向きに捉えて、介護予防の運動を意識しましょう。


毎月第2水曜日は診療時間を短縮して小山地区医師会の定例理事会に出席をしています。

毎月の協議事項の討議や報告事項の伝達が主で、小山地区を構成する小山市、下野市、上三川町、野木町の2市2町の理事が参加する会議です。

基本的には内科の先生方が中心の会なので、整形外科医の関わるところはほとんどないのですが、下野市では持ち回りで理事となるため、現在は理事を拝命していろいろと学んでいるところです。

その他には、学校医、介護認定審査会、夜間休日急患診療所の当番医、地域保健活動推進委員としての懇談会出席、医師会の下野支部の理事会の会への出席が医師会の会員としての自分の仕事です。


学校医としては春の運動器検診と、秋の就学時検診があります。
また学校給食保健委員会が最近あり、学校医・学校歯科医・学校薬剤師の他に小中学校の養護教諭、PTA、学校の先生方、児童の委員で会議が行われました。

学校医の仕事は休診日の金曜日であったり、木曜日の昼休みの時間帯に行われます。



夜間休日急患診療所の当番は数ヶ月に1回担当します。当院は日曜と祝日を診療しているため、土曜に割り当てられます。

土曜は19時から22時までの当番で、ほとんどが発熱で、コロナなのかインフルエンザなのかの検査をして、対症療法的に解熱剤・消炎鎮痛剤を処方するかどうか判断するという形です。


週末だけの外科系の当番でもケガの処置をすることはまずないですし、十分な器具もなければレントゲン撮影もできないので、ケガでは受診しないことがよいように思います。

月に2回は土曜診療をやるようにしているので、夜間休日急患診療所の当番のない週に診療をしています。

土曜診療のある週や日曜・祝日は当院を利用いただくことをおすすめします。



下野市の介護認定審査会の委員も十数年続けており、合議体のひとつを担当していますが、認定がだんだん厳しくなってきているような気もしています。

そもそも介護認定は、介護する側の手間の評価なので、介護される側の希望とはかけ離れることもあります。

これから少子高齢化が進むと、ますます介護サービスの維持が困難になることも想定されます。
下野市の介護認定審査会は火曜日と木曜日に開催されており、1~2か月に1回程度担当の回がありますが、昼休みの13時30分から14時ぐらいの時間で実施です。

だいたい26例の割り当てがあり、26例分の資料が1週間前に送られてきて、睡眠時間を削ったり、出張の際は電車や飛行機の移動時間で書類に目を通すということをしてきました。

現在は貸し出されているiPadで資料に目を通し、ペーパーレスで事前の意見を送付する仕組みになりました。時間を掛けて調査書類を読むのですが、主治医の意見書や調査員の書類の記載が二次判定の際の重要な手がかりになります。特に主治医意見書を何科の医師が記載するのかによって、意見書の内容が変わってくると思われます。主治医選びもかなり大切なように思われます。


医師会と行政の協力については、「小山地区の医療を考える懇談会」という会合もあり、これは医師会と自治体だけでなく、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、助産師会、新小山市民病院、小山市と石橋地区の消防本部、県南福祉センターの各団体が関わる大きな会合です。

こちらの会議では、このところ災害対策の話が行われています。
水害や大地震を想定した対応が検討されており、避難所が設置される場合には医師会の医師が派遣される取り決めになっています。


このように、診療所の医師は診療以外の業務も多く、休憩時間や休診日に活動をしなければいけないことがほとんどで、当直こそないものの、勤務医時代と比べて休みは少ない気がします。

治療や研究に専念できる病院や大学の先生方とは異なり、診療以外にも予防活動、行政との連携活動などで時間をとられますが、ささやかな地域への貢献にもなっているのかなと考えています。

地域の医師会のなかでも私のような末端の理事とは違って、幹部の先生方は、県や国の医師会とのパイプ役も含めて献身的に活躍をされています。

個人的には、診療に役立てるためにもっと勉強をする時間が欲しいと思うところもあって、なかなか悩ましいのが医師会関連の活動です。



 整形外科のトピックスのひとつに、ハイドロリリースの注射があります。
 これはエコー像を見ながら神経の周囲や筋腱の周囲などに生理食塩水を中心とした注射を行うことで、症状を改善させるもので、その場で効果を実感されることもあります。

 ほとんど薬物の入っていない注射で楽になることが学問的にわかってきています。
 運動器エコーの進歩に伴い、狙った場所に注射を打てるようになったことから、急激にハイドロリリースの注射が拡がりを見せています。

 「ハイドロリリース」で検索をしていただくと、いろいろな情報を得ることができます。

 当院でも連日注射をしており、多い場合はひとりで7~8本、1日にいろいろな人に合計数十本打つこともあり、ハイドロリリースの注射のために1時間以上かけて来院される方もいます。

 注射を打つ場合は、皮膚の状態がよくないと感染のリスクもでてくるので、傷のあるような場所ではハイドロリリースの注射を行いません。

 昭和の時代からメントールの匂いの強い湿布を日本人は使ってきたわけで、昔はテレビのCMや番組提供のスポンサーとして、トクホン、パテックス、サロンパスといった商品名をよく耳にしました。

 現在70代以上の方は湿布を好む傾向があります。そして下の世代に伝えてきてしまっています。

 当院でハイドロリリースや関節内注射も想定して、特に注射を打つ可能性のある方には湿布の処方を回避しています。

 多くの日本人は痛い場所に湿布を貼るというイメージが刷り込まれてきたわけで、肩も腰も膝も痛いという高齢者は1回に6枚も湿布を貼ってしまうことがあります。
 1割負担で支払いの少ない高齢者は多くの湿布を処方してもら右ことが多いでしょうが、1日に2回貼っていたら12枚も使うから足りないと思っているケースもあるようです。
 国は医療費の圧縮を念頭に1回の処方で63枚までと制限をしています。

 湿布は1枚あたりの経皮吸収率がいいとは言えないのですが、1回に1袋使うと急激にくすりが身体に取り込まれてしまうことになりかねません。


 最近は痛いところに貼るのではなく、大腿部などに貼って吸収させる痛み止めとしてのテープ剤が出てきています。

 注射を打つ部分に湿布を貼ってかぶれてくる人がいて、かぶれがある場合は、そこからは注射を打たなようにしているので、かぶれの程度や拡がりによっては注射を1回キャンセルすることにもなります。

 当院は痛み止めのくすりは内服も湿布も塗り薬もあまり使わないので、処方箋が多くないことから、隣接して薬局がありません。

 一般的な痛み止めのくすりは、使用上の注意に「対症療法であり症状が改善しない場合は漫然とつかわないように」といった趣旨の記載があるはずです。

 湿布や塗布のくすりの使用上の注意には「傷のある場所には使わないように」といった趣旨の記載もあるはずです。

 対症療法とは、痛みの原因を取り除く効果がないということです。
 
 よく「痛み止めを飲んでも効かない」という人がいますが、原因がある以上は根本的に効くわけがありません。
 何ヶ月も、場合によっては何年も痛み止めを処方されてきた方が来院されることがあります。

 雨が降っているという原因に対して、ワイパーを掛けるという対症療法をしているようなもので、漫然とくすりを使うのは「ワイパーを掛けているのにフロントガラスが濡れ続ける」というのと同じです。
 雨の降っていない状況にならなければ、いつまでもワイパーのスイッチを切れないことになります。
 
 ハイドロリリースはくすりとしての効果を期待できるわけがなく、生理食塩水が入ることで神経や筋腱の動きがスムーズになる、突っ張っている組織の緊張を緩める、注射した部位での神経の刺激が軽減するなどの効果が考えられます。

 これは一時的ではありますが、痛みの原因を取り除いている可能性があります。
 
 そして一時的に取り除けている状況で理学療法士の指導のもと、運動器リハビリテーションをやっていただくことで、いい状態を長くつづけていけるようにしていくという流れです。

 皮膚をいい状態で保つことが整形外科の治療に役立つものと考えていただき、1週間経っても続くような痛みが運動器にあれば、どうぞ当院へお越し下さい。

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猛暑が続いています。

気象庁が6~8月全国の平均気温が1898年以降で最も暑かったと発表したようです。

9月に入りましたがまだまだ暑さはつづくようで、9月下旬もしくは10月初めまでは30℃近くまで気温が上がるかもしれません。


「涼しくなるまで出かけない」と言っていると、どんどん筋力が落ちていくことが懸念されます。

夏こそフレイルに注意しましょうという趣旨の記事がネット上には多くみられます。

「猛暑フレイル」といった言葉も聞かれました。

暑いという理由で外出を減らし、筋肉が衰え、夏バテ気味で食欲も低下して栄養も不十分、だるい・疲れやすいということで様々な活動の意欲も低下し、メンタルも落ちていくような状況に陥ることにつながりかねません。

介護保険サービス導入のきっかけになった疾患のなかには、認知症も挙げられているのですが、そこにはフレイルの存在が考えられ、フレイルはロコモの進んだパターンと考えれば、介護保険サービス導入には整形外科の扱う運動器の問題がかなりのウェイトを占めています。

「暑いから出かけられない」と言いつつも、当院へ通院している方はいるわけで、あるいは「初盆で線香を上げに何軒か回った」ということもできるわけですから、用事があれば外出はする人がほとんどです。

高齢者であってもご自身の趣味があれば、真夏でもひとりで出かけている方も多く、芸術系の趣味、たとえば美術館で絵画や工芸を鑑賞する方は上野へ、落語を聞きたければ浅草や新宿へ、歌舞伎を見たければ東銀座へ、都内で宝塚を見たければ有楽町へ出かけているという方は当院に通院中です。

映画鑑賞で小山や宇都宮のシネコンに行くという方もいます。

高齢者でも当たり前のように電車に乗って出かけています。

あるいは奥日光、那須、尾瀬、上高地へ出かけたという方も通院しています。出かけた先は下界ほどは暑くなかったはずです。

70代以上でももちろん仕事のある人は、暑くても仕事をします。

趣味・楽しみ・勤労などで猛暑でも外には出られるということになります。


一方、日頃全く交通機関を利用しないという方も大変多い地域で、高校卒業後数十年電車に乗っていないという方も通院中です。

通院中の方の中でも、80代でも電車や飛行機に乗って他都道府県まで出かける方と、栃木県からほぼ出ない方、一部茨城県西部の方もいるので茨城西部+栃木県だけで生活している方に分けられます。

仕事も引退して車で買い物に行って歩くのは店舗の敷地内のみ、駐車場と店内の売り場だけというケースも多いです。


後期高齢者のカートを押すような方には、家族と大きなショッピングモールへ行って、店内を見て回ることも勧めています。疲れたらフードコートで休憩をして軽い飲食をしていただき、そのあと更に売り場を見て回っていただけるといいと思います。

数時間の外出ができるかどうか、運動量の確保だけでなく、買い物をすることで商品を選ぶ、支払いをするという作業も加わり、フレイルの予防になるとよいと考えます。

転倒骨折は外出先よりも自宅のなか、それもリビングや寝室が多いと思われ、起立・着座動作の際に両手でつかまっていないときに発生する可能性が高いです。

カートを使っている場面では、カートをうまく利用して起立できると転倒のリスクは軽減すると思われます。

ご自宅での体操だけでは限界があるので、外出の時間をどう作っていくかがカギを握ります。

趣味や楽しみをもち出かけている人と、用事がないし暑いから出かけないという人の差がだんだん拡がっていくと同じ年齢でも、見た目・外見だけでなく、生活の質の差も大きくなっていくことが懸念されます。

転倒・骨折・手術・介護・フレイル・認知症の発症・更に介護度の上昇となってしまうことを思えば、多少の交通費を払ってでも出かける方が得策と考えます。

外出の際は、少なくとも1箇所のエアコンはつけたままにして、無人であっても家が暑くなりすぎないようにしましょう。

冷蔵庫の電源を外出時に抜かないのと同じと考えていただき、暑すぎない温度を保持していただくようおすすめしています。

室外機がまわっていることは防犯上もよいと考えられます。


当院周辺の下野市からなら、宇都宮のベルモールに出かけることも勧めています。

電車であればJR宇都宮線はエレベーターがあり、カートのままでも乗車可能です。

宇都宮からはLRTも利用して出かけてみましょう。

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