自宅内や庭先でつまずいたとか、バランスを崩したなど、比較的弱い力で骨折してしまうケースや、転倒して手をつき手首の骨折を受傷するか、尻餅をついて背骨の圧迫骨折が生じるというケースが比較的多いです。
足趾の骨折は急いで動いていてドアやテーブルの脚にぶつけてしまい発生することが多いようです。
これらの骨折は、高齢の女性に多い印象があります。
多くの方は、骨折する以前に骨密度検査を受けたことがないので、骨折をしたことをきっかけに骨密度検査を強くおすすめして検査してみると、骨粗鬆症が発覚することが少なくありません。
ご自身は骨粗鬆症ではないと思っていた、自信を持っていたという方も多く、また自治体で行っている踵の骨での骨粗鬆症の検査で大丈夫だったから自分は骨粗鬆症ではないと認識していたという方も多いです。
本来は骨折をする前に骨粗鬆症を見つけ、治療を開始していれば骨折をリスクを減らせたかもしれないのですが、整形外科に受診するのはケガをしてからという方が多いので後手後手に回ることが多いのが現実です。
自治体で行っている踵の骨での検査は医療機関で行う大腿骨頸部や腰椎での骨密度検査に比べると信頼性が高くないといわれています。
一度骨折をすると次の骨折をしてしまうことにつながりやすく、その名も「ドミノ骨折」と呼ばれますが、これを予防するという意味では、骨折をしてしまってからの骨粗鬆症治療の開始であっても注射または内服での治療が大変重要です。
そしてロコモの有無の確認として片脚起立テストを行い、骨折の治療と平行して転倒予防のバランス訓練や筋力強化も行っています。
なかには骨折を繰り返している方もいて、手術に追い込まれることもあります。
骨折の種類と手術の内容によっては、大変高額な医療費がかかることがありますので、次の骨折を防ぐために運動療法を行っておくことは医療費の節約になるという見方もあります。
インフルエンザの予防接種や帯状疱疹のワクチン接種が健康保険で実施できないように、骨折を予防し、手術を予防し、介護を予防するための運動も健康保険ではなく、自由診療で行っています。
筋肉・関節の状態を少しでもよい状態にしておく、バランス能力を保ち転倒しづらい上京にしておくということで、コンディショニングと当院では呼んでいる運動療法を受けることができます。
自由診療と健康保険の治療を同日には行えないため、コンディショニングに来院した日には骨粗鬆症の治療薬の処方はできません。
薬の追加に来院した日に、コンディショニングもついでに受けたいと思っても実施することができません。
健康保険での運動器リハビリテーションは発症から150日という期限がありますが、骨粗鬆症の治療は年単位で続きますし、筋力やバランス保持能力は年齢が上がると共に低下するはずなので、コンディショニングも年単位で継続しておくとよいと考えられます。
理学療法士が運動の指導の際にいろいろなアドバイスをさせていただきます。
身体の状態を評価し、予備知識としての運動器についてのお話をして、自主トレーニングの課題を提示し、次回の来院の際に再度確認をしていくという作業を繰り返します。
骨折をしてから治療を受けるのではなく、骨折をしないための対応を骨粗鬆症の薬に加えて運動をしておくことの重要性が広く認識される必要があります。
介護保険制度は今後運用が厳しくなることも予想され、保険料を納め続けているのにご自身が高齢になったときにはサービスが受けられないかもしれないなどと想定しておくべきでしょう。
車の運転も免許返納をするとできなくなるわけで、免許返納後の生活も想定しておく必要があります。
内科と整形外科への受診は80代以降も必要になるはずなので、自力で受診できるよう対策を考えておくべきですし、電車・バス・タクシーを利用してひとりで出かけられる運動能力や判断力を維持しておかなければなりません。
外出が多ければ、歩行時間も確保できることにつながります。
リハビリあるいはコンディショニングだけでは運動量が多いとは言えませんので、どんどん用事を作って出かける場面を確保しましょう。
近所ではなく、宇都宮でも都内でも、周りに歩いている人が多くいるところに出かけてみると、自分の歩く速さと周囲の人の歩く速さの違いに気づけるかもしれません。
車ばかり利用している人と、車に乗らず電車利用の人では筋肉の疲れやすさに差があるかもしれません。
治療のための医療費よりも予防につながるかもしれない交通費を払うほうが有意義です。
運悪くケガをしてしまったら、次のケガ・骨折を予防する動機づけになると前向きに捉えて、介護予防の運動を意識しましょう。


