東京や大阪などの大都市圏、あるいは地下鉄が走っていたりバスも利用しやすいような都市では考えにくいでしょうが、当院に通院される方のなかには、何年も電車もバスも乗ったことがないという人たちが少なからずいらっしゃいます。

 生まれて初めて電車に乗るのが小学校の修学旅行という子もいたりして、高校に入るまでに人生で数回しか電車に乗ったことがない子が、電車通学で高校に通い始めると、最初の1週間で今までの人生の電車に乗った回数を上回るという現象が起こります。
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 大人が歩かない・歩きたくないので、子どもをつれて車で出かけるのが当たり前になっています。
 中学は自転車通学という学校も多く、歩くのは小学生の登下校ぐらいと思っていたのですが、9月の学校再開の日に雨だったので車で小学校まで送ったというケースがありました。
 雨だから傘をさして歩くということも減ってきている印象です。

 高校生も電車通学かと思いきや、高校まで車で送迎という生徒もいて、歩くのは校門から下駄箱までという高校生もいたりします。

 生活の中では歩かない生徒がスポーツでケガをするのは予想されることで、防げるケガ・防げる故障という気がします。
 
 200mでも車に乗る、道路を挟んだ目の前の大型店どうしの移動も車に乗る、ゴミを出しに行くのも回覧板を回すのも車に乗る、これらは実例です。

 そういった大人の元で育てば、修学旅行で身体が痛い、ディズニーランドに行ったら「歩きすぎ」て痛い、学校の授業が3時間目で疲れる、テストの途中で集中できなくなるといったことが起こる生徒も出てきます。受験のためにリハビリで筋力強化をするという事例も出てきました。

 10分立ち続けると疲れるという生徒が、栃木から都内まで電車で通うとつらいということになって、都内でアパートを借りて駅から徒歩10分以内で物件を探そうと考えると、引越や家具を買うことまで含めれば数十万~100万近くかかりかねないので、そんなに金がかかるなら、栃木の大学に通えば車を買ってやるという話になり、都内の大学に進学するのはやめて、車で栃木の大学に通うという学生も多いわけです。
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 栃木の大学には栃木や周辺の県からの進学が多いので、やはり車社会の人が集まり、付き合う相手も栃木県出身で、結婚し栃木の会社で仕事をし続けると、歩かなくても困らない生活が待っています。
 そして次の世代も歩かない・・・ということが、来院されている方においては、繰り返されていることが多いように思われます。

 踵をつけてしゃがめない、前屈しても床に手が届かない、片足立ちが安定してできない、すぐに姿勢が悪くなる、すぐに疲れるという子が増えてきました。
 
 成長途中の子どもたちには、骨も筋肉も強くしていくような物理的な刺激が必要です。ダッシュやジャンプではなくてもよいので、長く立っていられる・歩き回れる・階段や坂道を上り下りできるような筋肉にしておくことが望ましいです。女子の場合は将来の骨粗鬆症の予防という意味でも重要です。
 学力はあるのに、筋肉の問題で志望校のレベルを下げるという事態が起こりつつあります。
 筋肉が将来を左右しかねない状況も考えられる時代になったかもしれません。
 是非生活の見直しをしましょう。