12月になり、各カテゴリーの野球は試合を行わない時期となり、全国で学童や中学生を対象に野球肘検診が行われるのではないかと思われます。

栃木県では、栃木県高等学校野球連盟とNPO法人野球医療サポート栃木が協力して、広域野球肘検診を毎年12月の第1~3日曜に県央・県南・県北の3地区で実施しています。


12月14日には、佐野市の佐野日大短大で県南地区の検診が行われました。
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当院は午後から診療のため、午前中の2時間だけ開場に顔を出してきました。

開講式では栃木県高等学校野球連盟理事長の神部先生が挨拶を行いました。
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身体所見の確認と医師によるエコー検査と並行して、NPO法人野球医療サポート栃木理事長の自治医大中島先生による保護者・指導者向けの講演も行われました。
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NPO法人野球医療サポート栃木については私も設立段階から関わってきましたし、「野球医療サポート栃木」という名称も私が名付け親です。

全国の先生にお世話になりながら、野球肘検診のシステムを立ち上げ12年ぐらい経過しているかと思われます。

検診も新潟市・長岡市・館林市・徳島市で見学しましたし、栃木県高等学校野球連盟や野球医療サポート栃木のホームページで公開している野球手帳をつくるうえでも、他道県の手帳を参考にさせていただきました。

野球肘検診のパイオニアである徳島大で、現在の野球肘検診を中心的に指導されている松浦先生によれば、外側の野球肘(上腕骨小頭離断性骨軟骨炎)を見つけるための野球肘検診は、小学4年生以上の選手を対象とすべきであるとのことです。

栃木の野球肘検診の受診状況や、当院を受診する学童野球選手に聞くところからは、野球肘検診の受診率はそれほど高いとは言えないように思われます。

検診の日程と他のイベントの日程がかぶっていたりするほか、そもそも検診を受ける意思のないチームがあったりするようでもあって、検診を受けられていない選手が多数いるものと考えます。

チームとしては検診を受けていないけれども、個人的に検診を受けたいという選手もいるはずで、そういった要望にも当院はお応えします。

検診は治療ではないので、健康保険は使えず自費診療になります。

検診で骨に異常が見つかれば、病名が付いて保険診療の扱いになります。

栃木県高等学校野球連盟とNPO法人野球医療サポート栃木の行う広域野球肘検診は、現在は無料で実施していますが、実際には検査機器のレンタルや会場の確保、当日のスタッフの確保、スタッフへの弁当の提供など費用はかかっています。

これらは栃木県高等学校野球連盟が負担をしていただいているわけで、個別で当院で行う場合は検診の技術料としての料金をいただく形になります。

それでも保険診療で同じことをするよりも格安です。

個別で検診を受ける場合は、予約をうまく組めれば、診療の時間内に実施することができます。

一方、チーム単位で野球肘検診を実施したいという場合には、日程の調整が必要になりますので、ご相談ください。

野球肘検診はエコーによる骨の評価とそれに対する私からのコメントのみというコースもあれば、理学療法士のストレッチなどの指導も含めたコースもあります。

また、野球肘検診ではなく、野球に関連して身体機能の確認を理学療法士が行う野球検診もあります。

名称が紛らわしいのですが、野球肘検診はエコーによる骨の確認を必ず行い、野球検診はエコー検査はなく、肩・肘・股関節周囲~下肢の柔軟性や筋力などの評価を行うものです。

野球で進学をしたいというような選手は、将来への投資と考えて、自費診療ではありますが検診を受けていただくことをおすすめしています。

詳しくはお問い合わせください。

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野球人口が減少しているなか、野球を始めるにあたってはチーム選びも大事になってくる時代と思われ、ケガや故障を予防することを考えているチームと、勝つことだけを重視しているチームでは選手の集まり方も差が出てくる可能性があります。

指導者の意識も変わらないと選手が集まらないチームになっていくことも想定され、身体のケアにも配慮しているチームに選手が集まっていく可能性もあります。

強豪の高校で野球をやるとなると、故障を抱えているとベンチに入るチャンスもなくなるため、故障をさせないで高校に送り出す必要があります。

そのためには中学で故障をしていないことが求められ、そのためには学童で故障をしていないことが必要と考えて、指導方針で学童チームを選ぶ保護者も出てきています。

そのためにも野球肘検診を受けていることが求められます。

保護者も指導者も野球肘検診の重要性を認識いただき、栃木の子どもたちが活躍できる環境をつくっていきましょう。