「研究授業第2回」を開催しました。
色々学校のトラブルがり、先生方のスケジュールを変更することが容易ではなかったために、大きな研究授業とはなりませんでしたが、それでも、数名の先生方が来て下さり、授業を観察していただくことで意義あるものになったと実感しています。
今回の研究授業の目的は、
①先生方に研究授業の意義を理解していただく。
・授業観察により、新しい手法が手に入り、自分の授業に生かせる、という意味に気づいていただくことです。
②研究授業をすることは、負担を感じるものではなく、むしろ、率先してやってよいものである、という感覚を植え付けること。
・自分が授業を見てもらうことを嬉しい、楽しい、という雰囲気を醸し出します。また、生徒も多くの先生たちに見守られながら授業をすることで意欲が増すことから、お互いにとって良いものであることを感じていただきたいと思いました。
今回の研究授業のテーマは、
『タイムマネッジメント』
です。
これは、日本の小学校、中学校などで多く実践されており、先生方が時間をタイマーで計ったりしながら、ある時間を設定することで、生徒が時間を感じながら授業に臨むというものです。
これは、いくつかの意味があると思います。
①「いつまでに」という時間が、「目標」になることで、子どもたちの意欲が向上すると共に、集中力へとつながっていく。
②時間を設定し、効率の良い学習をすることで、多くの知識技能を習得することができる。
③「生きる力」を大きな意味で考えたときに、世界では時間内に提出資料を作成したり、緊急時に素早く問題に対応していかなければならない場面で、必ず「時間厳守」という概念が重要になってくると考えたからです。
特に③に関して、
ソロモンの人々の暮らし背景から、時間感覚が日本の時間厳守の国とは大きく違っていることが理解できました。
これは、良い、悪いという問題ではなく、この地の子どもたちの時間感覚を尊重しつつも、今後「生きていくため」に時間の感覚の違いを理解し、「少しでも」時間厳守の環境にも対応できる力を身につけておく必要があると思ったからです。
また、①②に関しては、
学校や学習の場に限って言えば、時間を「目標」とすることで、「集中力」が増し、「効率よく」知識やスキルを習得できることは、間違いなく意味あることです。
誤解してはいけないと思うことがあります。
学校で「時間」を気にしながら行動することを教えることで、ソロモンの国を「時間厳守」の国にしたい、ということになってはいけないということです。
最近思うのは、
「時間厳守」は人々から窮屈でせっかちな感情を引き出したり、「おおらかさ」を失わせる原因になるのではないかということです。
専門家ではありませんが、時間厳守の国から来て、ここに生きる一人の人間として、このことは大いに感じます。
これは、「本当の幸せ」という話にもつながってくるのではないかと感じています。
ソロモンの人々の「良さ」である時間感覚を崩そうという実践ではないことを理解しなければならないと思いました。文化に対抗しているわけではありません。
☆授業の目的、
「「時間」を目標とし、「効率よく」「集中力」を持ち、授業内容を理解すること。」
です。
驚いたのが、
「来て下さる先生方には、生徒から大きな拍手が送られたことです!」
○授業の流れ
①100マス計算という、前回も紹介した、計算表を利用したウォームアップを「3分」で行う。
これは、一ケタの数字から、一ケタの数字を引く、という物凄く簡単なものですが、問題数は81問あります。負の数になると少し時間を食います。
3分間計りながら、どこまで計算を行うことができるか、自分への挑戦をするものです。普段の授業でも何回か挑戦しているので、要領はつかんでいます。
嬉しかったのが、授業研究に来てくれた先生方が、生徒と一緒に必死に問題にチャレンジしてくれていたことです。
それによって、子どもたちの感覚が先生たちにも理解できると考えます。
「終わったよ!」
と一番に知らせてくれたのは、先生でした。
その刺激を受けて、子どもたちもさらに必死になります。
②薬品の名前を式に直す、という問題を5分間で行いました。
確実に「集中力」が高まっていくのが分かります。
日本の生徒が「テスト開始!」の合図で、一斉に鉛筆を持ちテストを解き始める姿に重なるものがあったのは確かです。
しかも多くの先生方に見られているから、がぜんやる気が増します。
③3~4人グループになり、一人ずつ20秒で、前に示された化学式の薬品の性質について説明するというものです。
例えば、前に“酸素”と表示されたら、グループの一人の生徒が、酸素について説明していきます。
もしも、アイデアがない場合は、周りの生徒がホローしていく、というものです。
これは、かなりの学力が要求されると感じていました。
これまでの学習到達度、人前での発表スキル、色々な要素で高いレベルにないと、人に説明していくことはできません。
しかし・・・
「この子達は天才か」
と、びっくりするくらいにすらすらと行っていくのが見られました。
もっと困惑した状態になると予想していたのですが、この難問に“普段以上”の活気で臨んでいたのが嬉しかったです。決して優しい問題ではありません。
④アンモニアの精製方法、等式、特徴について、書いて10分で説明する。
さらに、前回学んだアンモニアについて今度は、図や式などを書いて分かりやすく説明していきます。
自分のノートを参考にして良いものとしましたが、それぞれがオリジナルに、分かりやすく説明を加えながら行っていました。
「10分」という「目標」が子どもたちにはありますから、頭の中は、「100%アンモニア」で埋め尽くされました。
授業後には、先生方が沢山のコメントを下さいました。
「時間が目標になる」という概念に意義を感じてくださっていました。
「今後、時間を学校として真剣に考えましょう」とは言うつもりはありません。
これを見て、「取り入れよう」と感じてくれる先生が一人でもいてくれたら嬉しいです。
もしも、先生方に理解されなくても望みはあります。
なぜなら、少なくとも「目の前の子どもたち」には意義を感じさせることができていると強く感じるからです。
さあ、今学期も終わりが近い・・・・
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