青年海外協力隊!ソロモン!教師!

青年海外協力隊平成27年度1次隊、理科教育でソロモンへ派遣されます、西山裕介です!理科教師として、ソロモンの中、高学校で働きます。ソロモンのマルーという田舎町ですが、人々との触れ合いを一番大切に考え、一生懸命頑張ります。

2016年05月

「研究授業第2回」を開催しました。

 

色々学校のトラブルがり、先生方のスケジュールを変更することが容易ではなかったために、大きな研究授業とはなりませんでしたが、それでも、数名の先生方が来て下さり、授業を観察していただくことで意義あるものになったと実感しています。

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今回の研究授業の目的は、

①先生方に研究授業の意義を理解していただく。

 

・授業観察により、新しい手法が手に入り、自分の授業に生かせる、という意味に気づいていただくことです。

 

②研究授業をすることは、負担を感じるものではなく、むしろ、率先してやってよいものである、という感覚を植え付けること。

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・自分が授業を見てもらうことを嬉しい、楽しい、という雰囲気を醸し出します。また、生徒も多くの先生たちに見守られながら授業をすることで意欲が増すことから、お互いにとって良いものであることを感じていただきたいと思いました。

 

 

今回の研究授業のテーマは、

『タイムマネッジメント』

です。

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これは、日本の小学校、中学校などで多く実践されており、先生方が時間をタイマーで計ったりしながら、ある時間を設定することで、生徒が時間を感じながら授業に臨むというものです。

 

これは、いくつかの意味があると思います。

 

①「いつまでに」という時間が、「目標」になることで、子どもたちの意欲が向上すると共に、集中力へとつながっていく。

 

②時間を設定し、効率の良い学習をすることで、多くの知識技能を習得することができる。

 

③「生きる力」を大きな意味で考えたときに、世界では時間内に提出資料を作成したり、緊急時に素早く問題に対応していかなければならない場面で、必ず「時間厳守」という概念が重要になってくると考えたからです。

 

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特に③に関して、

 

ソロモンの人々の暮らし背景から、時間感覚が日本の時間厳守の国とは大きく違っていることが理解できました。

 

これは、良い、悪いという問題ではなく、この地の子どもたちの時間感覚を尊重しつつも、今後「生きていくため」に時間の感覚の違いを理解し、「少しでも」時間厳守の環境にも対応できる力を身につけておく必要があると思ったからです。

 

また、①②に関しては、

 

学校や学習の場に限って言えば、時間を「目標」とすることで、「集中力」が増し、「効率よく」知識やスキルを習得できることは、間違いなく意味あることです。

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誤解してはいけないと思うことがあります。

 

学校で「時間」を気にしながら行動することを教えることで、ソロモンの国を「時間厳守」の国にしたい、ということになってはいけないということです。

 

最近思うのは、

「時間厳守」は人々から窮屈でせっかちな感情を引き出したり、「おおらかさ」を失わせる原因になるのではないかということです。

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専門家ではありませんが、時間厳守の国から来て、ここに生きる一人の人間として、このことは大いに感じます。

これは、「本当の幸せ」という話にもつながってくるのではないかと感じています。

 

ソロモンの人々の「良さ」である時間感覚を崩そうという実践ではないことを理解しなければならないと思いました。文化に対抗しているわけではありません。

 

 

☆授業の目的、

「「時間」を目標とし、「効率よく」「集中力」を持ち、授業内容を理解すること。」

です。

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驚いたのが、

「来て下さる先生方には、生徒から大きな拍手が送られたことです!」

 

○授業の流れ

 

100マス計算という、前回も紹介した、計算表を利用したウォームアップを「3分」で行う。

 

これは、一ケタの数字から、一ケタの数字を引く、という物凄く簡単なものですが、問題数は81問あります。負の数になると少し時間を食います。

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3分間計りながら、どこまで計算を行うことができるか、自分への挑戦をするものです。普段の授業でも何回か挑戦しているので、要領はつかんでいます。

 

嬉しかったのが、授業研究に来てくれた先生方が、生徒と一緒に必死に問題にチャレンジしてくれていたことです。

それによって、子どもたちの感覚が先生たちにも理解できると考えます。

 

「終わったよ!」

 

と一番に知らせてくれたのは、先生でした。

その刺激を受けて、子どもたちもさらに必死になります。

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②薬品の名前を式に直す、という問題を5分間で行いました。

 

確実に「集中力」が高まっていくのが分かります。

 

日本の生徒が「テスト開始!」の合図で、一斉に鉛筆を持ちテストを解き始める姿に重なるものがあったのは確かです。

 

しかも多くの先生方に見られているから、がぜんやる気が増します。

 

34人グループになり、一人ずつ20秒で、前に示された化学式の薬品の性質について説明するというものです。

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例えば、前に“酸素”と表示されたら、グループの一人の生徒が、酸素について説明していきます。

もしも、アイデアがない場合は、周りの生徒がホローしていく、というものです。

 

これは、かなりの学力が要求されると感じていました。

これまでの学習到達度、人前での発表スキル、色々な要素で高いレベルにないと、人に説明していくことはできません。

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しかし・・・

「この子達は天才か」

と、びっくりするくらいにすらすらと行っていくのが見られました。

 

もっと困惑した状態になると予想していたのですが、この難問に“普段以上”の活気で臨んでいたのが嬉しかったです。決して優しい問題ではありません。

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④アンモニアの精製方法、等式、特徴について、書いて10分で説明する。

 

さらに、前回学んだアンモニアについて今度は、図や式などを書いて分かりやすく説明していきます。

自分のノートを参考にして良いものとしましたが、それぞれがオリジナルに、分かりやすく説明を加えながら行っていました。

 

10分」という「目標」が子どもたちにはありますから、頭の中は、「100%アンモニア」で埋め尽くされました。

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授業後には、先生方が沢山のコメントを下さいました。

「時間が目標になる」という概念に意義を感じてくださっていました。

 

「今後、時間を学校として真剣に考えましょう」とは言うつもりはありません。

これを見て、「取り入れよう」と感じてくれる先生が一人でもいてくれたら嬉しいです。

 

もしも、先生方に理解されなくても望みはあります。

なぜなら、少なくとも「目の前の子どもたち」には意義を感じさせることができていると強く感じるからです。

 

さあ、今学期も終わりが近い・・・・

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「夢の展示場」

 

がソロモンでついに完成しました。

 

 

思えば、ここマルーへ赴任した当初、子どもたちの「頑張る姿」を見てもらえる場面が少ないことが気になりました。

 

それは、勉強をしている姿や、サッカーをしている姿を直接見てもらうということもありますが、間接的に子どもたちの活動を届ける方法も少ないと感じました。

 

例えば、日本であれば「学級通信」や学校通信などが代表的です。

子どもの活動、頑張りを知ることで保護者、地域の人々の励みになります。

 

また、文化祭などで、子どもたちの美術や図工の作品、授業の成果を展示し、保護者に見てもらうこともできます。

よく、地域や機関がコンクールをし、受賞作品が町の会館などで展示されることがあります。

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子どもたちは自分の作品が展示されたり、大人の目で見られていることを感じて、自己肯定感が大いに高まります。

 

目立って嬉しいとか、人に勝ってうれしい、といった感情ではなく、「大人に関心を向けてもらえた」というのが一番の要因となるように思います。

 

これは、親子関係でも同じで、「関心を向ける」という表現が、その作品を見ている姿を子どもに見せることや、作品を見て子どもを褒めることで、子どもたちに“じわじわ”伝わっていくと信じます。

 

保護者はもちろんのこと、地域の大人は地域の子供に強い関心を持っておられるものです。

仕事が忙しくて、人のことをかまっていられない状況で、無関心な方もいらっしゃるとは思いますが。

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☆ソロモン、マルーの展示場!!

 

たまに食べ物を持って来てくれたり、家に食事に誘ってくれる、スモールマイケルの家の空いた倉庫を貸していただけたことで道は開けました。

 

この家族は大変教育に対して協力的です。

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マイケルのお父さんは、小さい小学生に対してサッカーを教えています。

中高生と小学生の大会をいつも一緒に開催している仲です。

 

お母さんは、教育ママで、2人の子どもが宿題を終えるまでは絶対に外へ遊びに行かせないほどです。

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息子のマイケルはサッカー大好き、元気者です!!

畑を耕すのを手伝ってくれたり、苗を一緒に植えてくれたり、何でも人に貢献しようとします。

この間、一緒に学校へ設置するゴミ箱を作ったのもこのマイケルが中心の子どもたちです。

 

娘のサンテラは、中学校1年生で、私もたまに授業を持つクラスです。

英語と理科が大好きなサンテラは、将来は医者になるんだと張り切っています。

日本の学校にも奨学金をもらって行ってみたいと夢を語ってくれます!

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サンテラは毎日のように展示場建設を手伝ってくれました。

嫌な顔一つせず、いつもニコニコ、歌を歌いながら陽気に作業をするので、こちらも嬉しくなり、やる気が増しました。

 

作業の中での二人の良いアイデアは即採用。

 

マイケルにサンテラ。

どうやって育てたらこんな献身的な子どもへ成長するのだろう・・・・

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その他にも、いつも近所の子どもたちが匂いを嗅ぎつけ、手伝いに来てくれていました。

 

だから、この展示場は、私の思いよりも、子どもたちの思いが強く表れているのです。

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その証拠に、写真が時々反対になっていたり、種類の全く違ったものが入り込んでいたり・・・・

 

子どもたちの味が出ていて嬉しい!!

 

自分の感想ですが、実は結構しんどいプロジェクトでした。

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写真プリントから、ラミネート、マルーまでの輸送、場所探し、貼り付け作業等。

簡単に思えるものが、“やってみると”以外に難しく、途中で問題が続出し、難航していたのも事実です。

 

あ~しんどかった。

完成したときに思ったのは自分だけだったかもしれません。

(子どもたちは完全に楽しんでいました。)

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良い流れもありました。

写真の枚数も、家の大きさも全く計ってはいませんでしたが、完全に適した枚数、大きさだったのです。

 

そして、『子どもたちと一緒に作れた』ということ。

 

ソロモンは奇跡が起こる国だ!!

 

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興味のある方は、日本からでも、是非この展示場を訪れてください!

 

入った瞬間に、

 

「うわっ!!」

 

と、驚きを隠せなくなるのは間違いありません。

 

自分も作ってみて、この展示場の“迫力”に圧倒されるのが分かりました。

 

ソロモンの人々はみんな楽しみにされています。

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写真に載っているのは子どもたちだけではありません。

畑で働く人々、学校の先生、建設現場で働く大人、家でのんびりする家族風景などなど。

 

写真が、一番分かりやすい、人々の「生きる姿」を写し出すものです。

 

『地域を励ます』

 

そんな展示場になることを願っています。

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今週水曜日に学校の行事としてのバザーが開催されるので、その時にオープニングをしたいと思います。

運営方法はマイケルの家と相談しながらやります。

 

 

また一つマルーで創り上げました!

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「外交人労働問題」

Discrimination, segregation (差別)という言葉を、プレゼン前に知っているかどうか聞いてみると、ほとんどの生徒が知らない状況。

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「寝た子を起こす」

のかもしれません。起こすべきだと思います。世界で生きる人間が考えていかなければならない大切な問題です。

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☆一つ目の手作り教材の目的は、

「世界の現実問題を直視することで、その問題に対して自分が何を思うかを客観的に理解することができる」

というものです。

 

内容は、日本で起こっている外国人労働問題について、“そのまま”を書きました。

 

そういった現実を教師が告げるときには、教育的操作にならないよう、その現実がどれくらい信じられるものか、についても言及する必要があると思います。

 

もし、その情報がほんの一握りの人から発せられたものであれば、統計的に信憑性に欠けます。

また、その事実を見て、「全て日本人が」そうである、というような誤った認識になり、逆に差別や偏見を植え付けてしまわぬよう配慮しました。

 

読み聞かせの後には、

「この労働問題は現実に起こっている問題ではあるが、それは一部の企業や経営者にすぎないこと」

「しかしながら、世界中で労働問題は起こっているのは事実である。君たちはその現実を知ったとき、どんな気持ちになるかに気づいてほしい。」

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○子どもたちの言葉より(いくつか)

 

・私がこの問題を絶対になくしたい。このように困っている労働者を救いたい。

 

・私は自分の偏見に触れました。私は豊かな国に憧れます。豊かな国が好きです。この気持ちから、この物語に出てくる貧しい女の人に物凄く申し訳なく思います。

 

・彼女は家族のことを考えるあまり、この状況を打開できなかったのだろうと想像します。もっとお金が欲しい、もっと幸せになりたいという欲求がそうさせたのだと思います。

 

・私はこの問題を解決できません。こんな状況になるのが嫌だから、ただただ平和な国を目指したいです。

 

・私が彼女なら、死にたいと思います。

 

・私はこの問題と戦います。この経営者と喧嘩してでも、絶対に問題を解決して見せます。

 

・彼女はもともとの国で働くべきだったのです。海外へ出て働くことは避けて、苦しくても自分の国で働くべきです。

 

・このオーナーを痛めつけるべきです。

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などなど

 

子どもたちの多くは、この物語の主人公に感情移入し、過酷な労働環境で働く人に申し訳なさを感じていました。

 

優しい性格の子どもたちですが、数名は、徹底的にこの問題を解決するために、オーナーと戦う、という積極的な態度に出ようとする者もいました。

 

それぞれの気持ちから、将来どんどん行動していってほしい。

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☆二つ目の教材の目的は、

「自分の差別意識に気づき、自己批判能力が大切であることを理解する。」

です。

 

この物語は、マルーで共に生活し、「地域観、生徒観」という文化を理解したからこそ、子どもたちの「差別意識」を引き出してやろうと考えました。

 

自分たちの中にも、自然と湧き上がってくる差別意識に気づくことで、自分に常に目を向けながら生きていく態度を育てたいと思いました。

 

いくら、宗教を重んじても、勉強をしても、人間の心に備わる「醜さ」「嫌悪」「嫉妬」はなくなることはありません。

 

その心に気づき、意識してひっこめたり、少しでもそういった心が表に出ることを抑える努力をしていかなければならないのが人間だと思います。

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○仕掛け

 

まず、マルーを舞台に物語に入っていきやすくしました。

ソロモンで現在起こっている問題とリンクさせながら、現実味を帯びたものにしました。

 

マルーの人々が受け入れることに少しだけ努力を要するものを入れました。

 

キリスト教ではなく、全く違う宗教観を持っていること。

お酒を普段から大量に飲み、酔っ払った姿を見せること。

村人に何もシェアをしないということ。

一人勝ちになっている状況をつくる。

女性と一緒にお酒を飲み楽しむ姿を見せる。

 

こういった内容に対して、子どもたちは何を感じるのか。

 

もちろん、この主人公に対して批判的になることは分かります。

その解決策を考えるのではなく、「その人に対する自分の気持ち」に目を向けさせるのです。

 

『自己批判精神』

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○子どもたちの言葉より(いくつか)

 

・彼はマルーの人々を差別している。だから、私は悲しい。でも、私は彼を差別しようとしています。でも、それが正しいと思います。

 

・もちろん私は彼を差別します。そんな汚いゲームをしに私の村に入って来てほしくない。この気持ちになるのは当然です。

 

・私は間違いなく彼を痛めつけたくなります。彼は私たちのことを愛していない。村人が貧しくなっても全く気にしていない。私のこういった気持ちは間違っているのでしょうか。

 

・私は彼が違う国から来ているから嫌いです。どうしていいか分かりません。

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・彼は高い位にいる人だから、低い位の人々のことに気づかなければならない。彼を低い位にして見下された気持ちを知らせるべきです。自分なそんなことはされたくないですが。

 

・他の人を差別する人を、私たちは差別しなくてはならないと思います。それは間違っていないと思うのですが。

 

・彼はマルーのことを理解していない。その理解を促すために私たちは差別意識を必ず持たなければならないと思います。

 

・私は差別しません。彼はいい人だと信じられます。必ず、彼はどこかで変わってくれると信じています。

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予想通り、一人を除いてすべての生徒が、主人公の他の国から来た男の人に対して差別意識を持ちました。

 

これは、単なる「批判」であったり、「教育」と言う言葉で言い換えられるかもしれません。

批判や教育の中には少なからず愛情があると思うのです。

無意識に心の底からその人や集団に対して嫌な気持ちが芽生えたとき、それは偏見に成長していくのです。

 

次の時間でもう少し、この意味を深く説明しようと思います。

その気持ちがいけないのではなく、その気持ちと向き合い、自分を批判的に捉えながら行動していくことが大切だということに気づかせたいと思います。

 

賛否両論ある難しいテーマです。

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「差別教育」

日本では慎重に取り扱われる内容です。

 

ソロモンで慎重に扱う必要がないわけではありませんが、純水にソロモンの子どもたちのニーズを“感覚的”に感じたので実践しました。

 

また、国際社会の中で今後生きていくための力として、必ず必要になってくると感じました。

 

ソロモンの純粋な子どもたちの心が世界に良い影響を与えると信じています。

世界に向けて発信しても恥ずかしくない「生き方」がここにはあります。

国際社会で意見を言えば必ず参考になるはずです。

だからこそ、差別教育について考え、世界の波が来た時に、こちらから相手へアプローチしていける力をつける一歩にしてほしいと考えました。

 

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☆実践

(これだけ、参考文系を荒く読み、偉そうに言っておきながら、プレゼンはいたってシンプル。何のトリックもありませんのでご了承ください。)

 

大きな流れ。

 

①読み物資料1(教師の読み聞かせ)10

②書き物(生徒が記入)5

③読み物資料2(教師の読み聞かせ)10

④書き物(生徒が記入)5

 

○読み物資料1

 

内容は「外国人労働差別」でした。

 

(全て日本語に訳して書くと長いため、大分省略し要点のみにします。内容が少し淡白で深みが全くありませんがご了承ください。)

 

・ある時Bという国があり、工業は全く発展していないが、農業が主体であり、物凄く人々も幸せそうに暮らしていた。そこに、主人公(ミカ)は家族も子どももおり、幸せな生活をしていた。

 

・また、Aという国があった。そこは、工業が発展し、食べ物が豊富にあり、お店が充実しており、車なども沢山走っていた。人々は夜の町を楽しんだり、お酒を飲んだりしていた。

 

・ある日、B国は災害で経済危機に陥り、大変苦しい生活になった。ミカは家族のためにお金が必要になった。

 

・そんな中、ある広告を持って訪れた同じ国の男にこういわれた。「A国は裕福で沢山働くところもあり、お金を稼ぐには良い場所だ。行ってみないか。」ミカは、このままでは家族が大変な生活を強いられると思い、その誘いにのりました。もちろん、家族のことは気がかりでした。

 

A国に到着し、ある農場にやとわれることになりました。そこには、優しそうなオーナーが居ました。これから、沢山お金が稼げると思っていました。

 

・しかし、最初に住む家に連れていかれた時に、その家が想像していたよりも劣悪な環境で戸惑うことになります。でも、それを受け入れ生活が始まりました。

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・仕事も始まり、朝から晩まで大変な仕事を粘り強く行いました。ミカは給料が楽しみでした。祖国の子どもたちの喜ぶ顔が浮かびました。

 

・ですが、最初の給料を受け取った時に愕然とします。A国での平均給料が10,000ドルのところが、たったの200ドルだったのです。ミカは、あれだけ働いてのこの給料が納得できませんでした。

 

・彼女はオーナーに給料について尋ねてみました。すると、「給料について君が要求できる立場ではない。君はB国の貧しい国から来ているんだろ。この給料が君には合っているんだ。今度聞きに来たら、祖国へ強制的に送り返すぞ!」

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・彼女は、すごく悲しい気持ちになりました。子どもや家族の顔を浮かびました。どうすればいいのか分からないまま、毎日働くしかありませんでした。水も来ない、電気も来ない、冬は凍えるように寒い環境で毎日過ごすしかありませんでした。

 

・オーナーが怖くて、来る日も来る日も厳しい環境で働きました。オーナーはとても裕福そうに見えました。沢山休日がありました。

 

・ミカは、A国の最先端技術や文化、言葉を学びたいと思ってB国に来たのもありましたが、全く休みももらえず、ただただ畑しか知ることはできませんでした。

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・他の人に相談しようとしました。労働組合に入ってみようとも思いました。しかし、そんな時、オーナーに脅されるのです。家族のこと、子どものことを思うと、オーナーに従うしかなかったのです。

 

・「お前へBの国から来たんだろ。何も言う資格はない。給料をもらえているだけでいいと思え。今度聞いたら、給料は0だ。」

 

※この話を聞いてどう感じた?

※この状況であなたは第3者として何をする?

 

という問いに対して、子どもたちは思い思いに書き込みました。

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○読み物資料2

 

・マルーという町がありました。そこで人々は大変幸せな生活を送っていました。食べ物も空気もおいしく、子どもたちもサッカーをしたり毎日を楽しんでいました。そこには、沢山の地域のお店もあり、にぎわっていました。

 

・ある日、他の国から、一人の男(ユウジロウ)がマルーにやってきました。彼はとても好青年に見えました。

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・彼はマルーに住み始め、人々と仲良くなり、自分でお店を出したいと言い始めました。彼はお金を稼ぐために、自分の店を必要としました。

 

・親切なマルーの人々は彼がお店を出すのを手伝いました。

 

・彼は物凄く経済の知識があり、お店を繁盛させるテクニックも持っていたために、彼のお店に沢山のお客さんが訪れるようになりました。お店はだんだんを大きくなり、彼のお店だけにお客さんが行くようになりました。

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・もともと、マルーの人々が経営していたいくつかのお店はお客さんが来ずに、だんだんと潰れていってしまいました。その人たちはユウジロウをにらむような眼で見るのが分かりました。

 

・村の人々の中には働くところがなくなってしまった人たちもいました。

 

・ユウジロウはお金を稼ぎ、家が新しくなり、服や車も手に入れていきました。毎日お酒を飲むのが好きで、たまに酔っ払う姿を村の人々は見ていました。女性を招いて飲むこともありました。

 

・彼は、全く違う宗教だったために、日曜日にも教会へ通うことはありませんでした。

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・彼は店を大きくしても、自分のA国から人を招いて、お店で働かせました。マルーの人々は一人もそのお店で働くことはありませんでした。また、マルーの人々にお金で貢献することは全くなかったのです。

 

・村の人々は少しずつ貧しくなりました。生活に必要なお店を開くができなくなったからです。

 

・少しだけ彼の目は初めの頃と違って見えました。彼が村の人を見る目は少しだけ冷たく感じたのです。

 

※あなたはこの状況に何を感じますか。

※あなたは、彼を差別したい気持ちになりましたか。

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長々とすみません。なんじゃ、この種も仕掛けもない文章は、と思われて仕方ないと思います。

明日、話の意図を書きます。

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(差別教育の授業については明日書きます。)

 

 

サッカーを毎日続けること。

スポーツの技術を上げたいと思い、毎日努力し続けること。

雨の日も風の日も、関係なく続けていくこと。

 

これは、日本の根性論なのでしょうか。

その精神を海外で実践することに意味はあるのでしょうか。

 

 

サッカースーパースターのメンバーのやる気に物凄く敏感になる自分がいます。

 

今年に入ってから、日本の方が大会の来賓として来て下さったり、対外試合を企画したりと、目標に飢えていた子どもたちを目覚めさせ、モチベーションを大きくあげることができていました。

 

ソロモンの文化からも、「続ける」ということは難しいことは分かります。

人間ですから、休みたい時もあるでしょう。

友達とゆっくり過ごす時間も大切でしょう。

家で働く時間はもっと大切です。

 

理解しています!

(理解しているつもりなのでしょう。)

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勝手に日本からやって来た人間が、“エゴ”をむき出しにして、進めている部活動。

努力する人間を見るのに快感を覚える差別意識。

自分が鍛えたと思いこんでいる子どもたちが勝っていくことへの慢心。

 

そんなことも分かっていたとしても、自分が今まで身につけた「感覚」がどうしても前面へ出てきてしまいます。

心をコントロールしようとしても、その自分の中から出てくるものが、顔にも、態度にも、言葉にも出てきてしまう・・・

 

「子どもたちは自分の鏡」

冷静になって考えると、今、子どもたちは必死に教えてくれているのでしょう。

 

でも、そんな冷静に、落ち着いて、頭で考えて、行動することができない。

自分の未熟さを感じます。

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もう一つ、モチベーションが感じられない。

もう一つ、覇気が感じられない。

もう一つ、次の目標に進もうという気持ちが感じられない。

 

「お前らは、本当はサッカーが好きじゃないんだ!」

「サッカーより寝る方が好きなんだろ!だったらずっと寝てろ!」

「もうこれ以上は試合は組まない。お前らの様子を見てると、相手チームに申し訳ない!」

「すぐ怠惰な生活に戻る馬鹿野郎どもが!」

 

言葉を並べると、ただの暴力です。ただの体罰です。

(ちょっと前の日本なら当たり前だったかもしれませんが・・・)

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昨日は、こんな言葉を並べ、ミーティングでもボロカスに言ってしまい、キレた感じで帰っていきました。未熟・・・

 

ソロモンの素直すぎる子どもたちは、すぐに謝りにくるのです・・・

それが腹立たしさでもあり、悔しさでもあり、切なさでもあります・・・

 

「ただの慢心野郎は自分だ・・・・」

 

自分の何を子どもたちは写し出しているのだろう・・・・

考えても、考えても分からない・・・

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答えは出ないけれど、「グラウンドに行かない」、という行動だけは自分が築いてきた「感覚」が許さないので、絶対に行きます。

 

でも、また罵声を浴びせてしまうかもしれない。

また、脅し教育をしてしまうかもしれない。

何をするべきか・・・・

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冷静に話しもできないほど、今週の怠惰な様子は目に余るようなものです。

 

勝負時のような気もします。

 

長いスパンで見ると“こういう時期もある”と楽観的に見ることもできます。

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正面からもう一度ぶつかるか。

子どもたちの流れに身を任せ入っていくか。

ミーティングで話し込むか。

ゴミを拾いながら外から見守るか。

 

今日は、衝動的にこんな行動に出てしまいました。

 

「黙々とグランドを走る」

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この悪い波の中でどうすることもできない悔しさを噛みしめるため。

 

黙々と走っていました。

 

子どもたちが私のことを気にしていたかは知りません。

気にかけてほしいというような思いもありませんでした。

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とにかく自分に腹が立ちました。

 

子どもたちは普段通り、仲間を集め、サッカーを楽しんでいました。

悔しい・・・

 

学校現場の諸問題と比べたら、問題の“も”にもならないようなことです。

 

そんなことに物凄く悩むのも情けない・・・

 

 

自分のやりたいこと。

子どもたちがやりたいこと。

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いつも練習に来て、一緒に指導してくれる小学校の先生たちとも話してみます。

「子どもたちは教育とは何か分かっていないのだろう。授業を受けて、先生の話を聞いてノートをとることが勉強だと思っている。でも、ユウスケが思う教育はスポーツでも、外の仕事でも全て勉強だ、というものだろう。子どもたちは、もしかしたらサッカーという遊びをして、勝って楽しかった。他の学校より練習して勝てて良かった。というくらいでしか思っていないのかもしれないな。」

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質の高い教育に教室は必要ない、なんて生意気な言葉を使って、気持ち良く語っていたのは誰だ。

子どもたちが思うように動いてくれ有頂天になっていたのは誰だ。

ゴミ拾いをちょっとして、教育した気になっていたのは誰だ。

 

 

子どもたちは何かを教えてくれようとしています。

子どもたちは必死に何かを伝えてくれています。

 

ソロモンの子どもたちも、日本の子どもたちも、どこの子どもたちも同じです。

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目の前の人間の姿を写し出してくれている。

 

変わる時か。

 

とにかく何でもいいから行動してみよう。

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