青年海外協力隊!ソロモン!教師!

青年海外協力隊平成27年度1次隊、理科教育でソロモンへ派遣されます、西山裕介です!理科教師として、ソロモンの中、高学校で働きます。ソロモンのマルーという田舎町ですが、人々との触れ合いを一番大切に考え、一生懸命頑張ります。

2016年08月

日本人2人がマルーを訪れてくださいました。

 

ソロモンの首都、ホニアラで協力隊員として活動されるゆみさんと、さやかさんです。

 

たまたま、マルーの近くを旅されるということで、マルーも見て行ってもらえるように無理を言うと、快く受け入れてくださいました。

 

ゆみさんもさやかさんも以前のブログで詳しく紹介させていただいていいます。

 

ゆみさんはパソコンインストラクタ-。

さやかさんはマラリア関係の仕事をされています。

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ゆみさんは初めてのマルー。

さやかさんは2回目のマルーでした。

 

せっかく来ていただくのだから、

 

「子どもたちとの触れ合い」

 

を楽しんでもらいと無理矢理に色々企画しました。

 

☆まずは、ホームステイ。

今回は、1人ずつ、別々の家族とのホームステイをしていただきました。

ソロモンの人々は、日本人がマルーに来るとなると、取り合いになるくらい、自分たちの家に呼びたがります。こちらとしては有難い限り。

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だから、一か所ではなく、少しでも多くの家庭で、日本の方と触れ合ってほしいと考えたのです。

 

どの家庭にも、沢山の子どもたちがいます。

小さい子どもたちは、母性愛を感じるのか、2人の隊員にすぐになつきます。

手をつながれたり、抱っこされても、何も抵抗しないソロモンの子どもたち。

 

少しジェラスを感じずにはいられません。

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☆学校・クラス訪問

 

せっかく、平日の学校がある時間に来ていただいたので、先生方に紹介し、そして、子どもたちの勉強する姿も見てもらいたいと思いました。

 

一通り先生方に紹介し、子どもたちが勉強する教室を2人で回っていただきました。

日本人女性2人の訪問に、飛び切りの笑顔で興味を示す子どもたち。

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生徒たちの前で、自己紹介をしていただきます。

 

そこから、お決まりの、

 

「質問タイム!」

 

これが、面白い!

 

「日本女性にいきなりそんな質問するかっ??」

 

という、子どもたちから放たれる、興味の塊の質問は教室を爆笑の渦にしてしまいます。

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各教室での“定番”の質問。

 

5位・・・ソロモンにどれくらいいるのか?(ソロモンに長く住まれていることを知ると嬉しそう)

4位・・・兄弟、姉妹は何人いる?(家族の話は大好き)

3位・・・日本ではどこに住んでいるのか?(東京以外はほぼ分からない)

3位・・・何歳か?(親切に気を使って、本当の年齢を言っていただきました)

1位・・・結婚しているのか?

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栄えある1位に輝いた質問から、ソロモンの文化が現れています。

 

子どもたちに限らず、ソロモンの全ての人々にとって、最大の興味・関心があるのが結婚の話です。

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確かに、日本でも人生において大きな出来事と考えられています。

ソロモンでは、生きていく中で最も大切なイベント。

誰しもが結婚することを前提に生きています。

 

これが、この地の生き方です。

もちろん、結婚をしない生き方も尊重します。

自分の命、人生です。

その人が、人生で大切にしたい、と思う素直な心に従って生きていけばいいと思います。

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文化が、この質問に思いっきり現れているのです。

全ての教室で聞かれるプライベートな質問に、笑顔で親切に面白おかしく答えてくださるお二人に助けられました。

むしろ、大盛り上がり。

 

事前に子どもたちが書いていた寄せ書きも無事に渡すことができました。

 

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☆キャッチボール

 

小学校の休み時間は、一緒に小学生とキャッチボールをして、野球を普及させようと活動しています。

 

ゆみさんは、元ソフトボール部!

少し“ノーコントロール”ではありますが、マルーの小学生たちと、楽しくキャッチボールしていただけました。

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さやかさんは、全く初めての経験!

しかし、投げるのも捕るのも初めてとは思えないような器用さで、子どもたちと途切れることなくキャッチボールしていただきました。

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2人の周りは常に人だかり。

日本の女性が楽しむ野球を、ソロモンの女の子が好きにならないわけがありません。

これこそが普及活動で大切なことだと感じました。

 

ただただ、そのスポーツを楽しそうにするのを見て、子どもたちは興味を惹かれるのです。

 

キャッチボールが終わってからも、芸能人の握手会のごとく、多くの小学生が取り囲み、話しかけたり、髪の毛に触ったり、質問したりしていました。

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優しいオーラのお二人に何の警戒心もなく近寄っていく・・・

いつも、よい光景だと思って微笑ましく見ています・・・

 

(その後、日本の伝統的なアレを子どもたちの前で紹介してくださいました。)明日

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(日本人2人がマルーを訪れてくださいました。明日紹介します。)

 

その前に、サッカーのトレーニングの話。

 

「相撲」は日本の国技として昔から愛されているスポーツです。

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相撲の起源は大変古く、古墳時代の埴輪や須恵器などにもその様子が描かれているほど。

 

相撲は日本固有の宗教である神道に基づいた神事であり、祭りとしての「奉納相撲」が地域住民によって現在も行われています。

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健全な男性が、神の前で敬意と感謝を尽くす行為として、裸で組み合い、押し合い、投げ合うのが相撲です。

 

海外では、相撲に対する興味は大きいです。

 

マルーの小学生に対して、日本の文化紹介をした際にも、相撲の写真を見た子どもたちの歓声はこちらが驚くほどでした。

 

力士がまわし一つで力を尽くす様子が大変滑稽なのかもしれません。

 

何といっても、ルールが簡単に理解できることは、多くの人、国で知られる要因です。

土俵から押し出されるか、倒されるかしたら負け。

 

世界では「Sumoレスリング」と呼ばれ、格闘技として普及しています。

 

 

☆ここソロモン、マルーで「相撲」トレーニングの実践

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毎日のサッカー指導の中で、幅広い運動メニューを取り入れようとしています。

サッカーを「ツール」として、「運動機会」「人間性を磨く機会」の提供が大きな目的だと思っています。

 

それに加え、日本の文化紹介ができ、日本のことをもっと好きになってくれることが期待できます。

 

○準備物

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・ナイロンの紐を三つ編みして作った、半径2メートルほどの輪のみ。

 

「はっけよーい、のこった」

が、レディーゴーの合図だと教えればすぐに子どもたちは取っ組み合いを始めます。

 

ソロモンの子どもたちにも、全く難しくないシンプルすぎるルールに、幅広い年齢層の子どもたちがためらいなく参加していきます。

 

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◎驚いたこと

 

日本であれば事前に組み合う相手を指定したり、順番に並べたりして、機械的に試合を行っていくと思います。

 

しかし、ソロモンマルーの子どもたちは全く違います。

 

友達同士で、やりたい相手を自分たちで見つけます。

前の試合が終わったら、タイミングよく、その自分たちで決めたパートナーと土俵の中に入り、勝手に始めていくのです。

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同じ相手と2回目の試合を組むこともなく、「アイコンタクト」で相手を見つけ、お互い合意した上で、笑顔で押し合い投げ合いを始めます。

相手がいなくて相撲ができない、という状態は絶対生まれません。

 

「誰とでも、体が触れ合うことを拒みません。何の抵抗もなく相手を見つけパートナーを受け入れること。勝っても負けてもニコニコしていること。こかされても、押し出されても、ニコニコできること。」

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凄い能力だと思って見ています。

日本のように、人間関係について指導したり、親が心配して学校に相談に来るような環境が、今は想像し難いものとなっています。

 

相撲一つするのに、あらゆる手立てが本当は必要になるのだと思うのですが、この地では、何もせず安心して子どもたちを見ることができます。

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「いじめがない社会」

 

ここに存在しますよ!!

 

この謎を解明するのが私の最終課題のような気がします。

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なぜだろう。

日本はいじめで溢れる社会。

日々、いじめが世間をにぎわす社会。

「いじめは絶対になくならない」と諦めを前提として話し合う社会。

 

いじめのない世界のヒント、キーワードは次の二つがぼやっと浮かび上がっています。

 

「文化」

「愛」

 

抽象的すぎる二つの言葉。

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まだまだ、「学びの途上」。学ばせていただきます。

 

 

☆相撲意外の子どもたちに人気のトレーニング。

 

どんなものが人気なのか。

 

・協力型トレーニングが一番です。

 

人と触れ合うことが大好きな子どもたちは、友達と一緒にやることが大好き。

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1、馬跳び

2、手押し車

32人で手をつないで走るジグザグリレー

4、前の人の肩を持って列車の形になるジグザグ走

5、手をつないで円になった形のトレーニング

6、みんなでウェーブ

 

最後まで全力で駆け抜けたい!

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『ミニサイエンスショー』第3回を、小学4年生対象に行いました。

 

この3週間で、6年生、5年生、4年生で出前授業をさせていただきました。

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目的は

 

「サイエンスショーの意義を見出すこと」

 

これは、前回から書いていることです。

ソロモンで理科を普及させるためのサイエンスショーはどんな意味があるのか。それを見つけていくために、継続しています。

 

それに加えて、もう一つの目的があります。

 

それは、「自分のため」です。

 

日本人的感覚ですが、「自分の鍛錬」として考えています。

 

何もしない時間があると、焦燥感が湧き上がってきます。

 

このソロモンで、自分をもっと磨きたいという思いを少しでも実行へ移していきたい。

 

どちらの目的にも近づいてけるならこんな効率のいいことはありません。

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一応、今回で、今学期の出前授業としてのサイエンスショーは終わります。

(中高生へは授業の導入などで取り入れていきます。)

 

 

☆サイエンスショーの意味

 

一番は、これです。

 

「楽しい」

 

と子どもたちが感じること。

 

「すごい!やってみたい!」

 

という、興味を持つことです。

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こんなことは、言わなくても誰しもがわかることだと思います。

この目的は揺るぎないと思います。

評価をし、再考し、目的を変化させていくことは難しいと思います。

 

楽しませること。

興味関心を惹くこと。

これにつきます。それ以外に特にないように思います。

 

では、具体的にどんなことを考えて実験するのか。

 

○どんな実験?

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・見やすい実験

・参加型実験

・音が出る実験

・色が変わる実験

・においがある実験

・触感を伴う実験

・マジックのように、驚きを伴う実験

 

まず、見やすいというのは大前提です。

子どもたちが視覚的に理解し、惹きつけられるように持っていく必要があります。

 

視覚的な魅力の上を行くのが体験的魅力です。

だから、子どもたちを必ず、舞台へ呼び、体験させていくことで、見ている子どもにも、体験する子どもにも、さらに関心を持たせることができるのです。

 

その為に、「全ての実験」で、1名~5名の子どもを前に来させ、一緒に実験を楽しめるよう考えました。

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後は、「五感」を大いに刺激する実験を取り入れるべきです。

子どもたちの驚きが大きい順に並べると、

 

1、音(聴覚)

2、色(視覚)

3、におい(嗅覚)

4、触覚(熱いとか、冷たいとか。ぬるぬるとか、ざらざらと。)

5、味(安全を確かめる。化学薬品を扱う際は適しない。)

 

実際に表情を見ながら、何に子どもたちが驚き、感動し、興味を示すのか判断していく必要があります。

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ソロモンの子どもたちであれば、日本の子どもたちの倍くらい実験に対する驚きや感動を表現してくれます。

(実験になれているかどうか、ということが大きく関わるように思います。)

(もともと、何に対しても大きなリアクションをとる文化、性格でもあります。)

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実験の種類や方法は、本やネットなどを見れば、いくらでも見つけることができます。

簡単な実験から高度な実験まで様々です。

 

その中から、そのショーの目的に合致するものを選択していくのです。

 

「ソロモンのように、十分な物が揃わない中でも、子どもたちの興味を惹き満足させることは可能だということが分かりました。」

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『何も、「難しい、高度な実験」は必要ありません。』

 

これを結論にすると、反感を買うかもしれません。

 

「高度」というのは、現象や説明が高度で子どもたちにとって、「五感」によって即行で感じ取ることが難しい実験のことです。

 

要するに「伝わりにくい」実験。

これが、最低な実験です。

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確かに、現象自体を科学的に説明しようと思うと、物凄く難しいですが、五感で感じるだけなら簡単なものがあります。

 

「なんか面白いことが起こっている・・・」と。

 

例えば、ブーメランを科学的に説明するのは小学生には難しいです。

しかし、感じることはできます。そして、宙に浮かぶものに興味を持つことでしょう。それでいいのだと思います。

 

サイエンスショーの目的を達成するならば、

 

実験の、分野、種類、数、難易度などの概念を取り除くことだと思います。

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液体窒素で風船を収縮させる実験も、風船をつけたペットボトルに熱湯をかけて膨らませる実験も、子どもたちの「心」の中には同じように記憶されるのかもしれません。

 

 

以上のようなことを、考える機会になりました。

(帰国までにまたチャレンジするかは今後の状況を見て判断します)

 

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「教員研修第4回」

 

毎週火曜日は学校終わりに、先生たちに対してのプレゼンを行っています。

 

 

今回のメニュー

 

1、日本の文化

 

寺、神社、などの写真を用いて、歴史や宗教について説明。

サムライ、城、着物などの写真を見せながら、昔の人々の暮らしや外国人が興味を持つ戦国時代の話。

 

2、日本のスポーツ

 

学校の部活動で行うスポーツの紹介と活動の映像を見せる。

日本の文化的スポーツである、柔道、剣道、空手や相撲などを説明。

 

3、先生の授業紹介。

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赴任当初から、全ての先生方の授業を観察してきたからこそ、「良い点」と「少しの改善点(意見)」をみんなで共有していこうと思っています。

 

 

子どもたちへのプレゼンテーションを行っていますが、先生方も日本についてもっと知りたいと思っておられるのは感じていました。

 

子どもたちが優先、という自分の勝手な方針があったために、この時期の日本文化紹介となっています。

 

 

日々、学校生活が送れているのは、先生方に親切にしてもらっているからです。

 

朝学校へ行くと、生徒はもちろんのこと、先生方の温かい挨拶で一日を頑張れます。

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話に耳を傾けてくれます。

 

自分の企画に対して、積極的に力を貸そうとしてくれます。(物理的、体力的に不可能なことはできませんが)

 

何といっても、寛容。

受け入れて、与えることがモットー。

 

こんな優しい先生に囲まれた環境に感謝しかありません。

好き勝手に活動させていただき、本当にありがとうございます。

 

日本人としての恩を返していきたいです。

 

 

☆先生紹介(プレゼンでみんなに紹介します。日本であれば失礼極まりないですかね。)

 

○若い数学教師、優しさの塊、アマリン!

 

・字が大きくて読みやすいのは、一回見れば分かります。

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・子どもたちの座席の横に行き、丁寧にノートを見ながら教える姿からは、やっぱり優しい心が現れています。

 

・アドバイスとして、毎日、練習問題を解く習慣をつけたほうがよいのでは、ということを言わせていただきました。理科の理解力にも関わる。

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○超ベテラン教師アンドゥルー(75歳)校長まで歴任。

 

・いつも、マルーの子どもたちへの対応、授業法を学ばせていただいています。

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・英語や社会の深い知識に魅了されます。歴史を語らせたら、一日中目の前に座っていても聞き飽きない。日本のことについては、私も良く質問を受けます。逆に、ソロモンのことについてよく話を聞かせていただいています。

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・何といっても、「教師であることに誇りを持っておられる」。教育が好き。っでなければ、こんな年齢まで教師をしていない。

その気持ちが、子どもたちに伝わっている。

 

○イケメン、オーウェン

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・ジョークの天才オーウェンの授業は、常に爆笑の渦に巻き込まれる。

ジョークが多い気はしますが、それが一番の魅力!(個人的には好きな授業・・・)

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・陽気な先生も絶対必要。その個性を生かしながら、授業力を向上させるために、専門知識を高め、問いを使った考えさせる授業を展開してほしい。

 

 

○熱い数学教師、バッドリー

 

・生徒とアイコンタクトをとりながら、理解度をはかっているのがすごい。

子どもたちの表情によって、教え方を変化させていく。

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・熱心に教えることで、生徒を惹きつけているのが一目瞭然。

一生懸命な先生に子どもたちも応えようとしているのが教室にいても分かります。

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こんな風に、偉そうなことを言っています。

 

しかし、プレゼンをしている時の先生方は微笑みながら聞いてくれています。

 

「えらそうなことを言うな」

「自分はどうなんだ」

 

そんな反応は、一切ないことが分かるから、安心して話ができる・・

 

本当は私が自分のためにやっていることも、先生方は分かってくださっている。

包み込まれているのは私です。

 

こんな温かい先生方が「有る」とうことは、当たり前なことではなく、本当に「難しい」こと。

 

有難し。

 

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「ヘレンケラーは久子さんにこう言いました。『あなたは私より不幸な人、そして、私より偉大な人』そして、こんな言葉を残しています。『世の中は辛いことに満ちているが、それに打ち克つことにも充ちている。こつこつと気長に取り組めば、どのような望みでも実現できる。』」(中村久子物語より)

 

「彼女は幸せだと思いますか?」

今回はこの大きな問いを子どもたちに乱暴に与えることになりました。

 

「心に迫りたい」

しょうがいしゃ教育。

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目的

 

「「真剣に」学ぶべきことである、ということを態度や雰囲気で伝える。」

 

また、わけのわからない目的だと、呆れられそうです。

 

この数十分の時間で、何が伝えられるのか。

19カ月しかない協力隊期間。

目の前の子どもたちには日本に帰ってから二度と会えない可能性は高いです。

 

しょうがいしゃ教育を受ける機会もソロモンではまずないと思われます。

この、「人生の一回」で何が伝えられるか。

 

系統的でもなく、継続性もない、「一発勝負」。

 

少しでも心を動かし、子どもたちの中に残ってほしい。

 

『まず、自分が「真剣に」その一時間に取り組む』

そういった本気の気持ちがありました。

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☆展開

 

1、スライドで身体しょうがいしゃの方の写真を写し出す。(乙武さんの写真やパラリンピックの様子)

 

問・・・『彼は幸せだと思いますか?』

 

2、中村久子さんの人生を短い「読み物教材」(物語)として伝える。

 

(ポイントだけ)

100年以上前に手足を病気で失うことになった日本人、中村久子さんの紹介。

 

・手足を切ってしまう時の、本人と両親の様子を伝える。

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・母の愛情、献身的な姿を思い描かせる。

 

・学校へ本当は行きたいが、家にひきこもって、学校に行く子を羨ましく見ている様子を伝える。

 

・あからさまないじめに苦しむ姿をイメージさせる。

 

・母親が耐え兼ねて、久子さんと一緒に川に飛び込んで死のうとする場面を想像させる。

 

・困難を乗り越えようと決心する彼女の気持ちを想像させる。

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・手足がなくとも、全て自分の力で乗り越えていこうとする強い心を感じさせる。

 

・見世物屋という完全人権侵害の職で生きる久子さんを伝える。

 

・しょうがいだけでなく、家族の不幸なども受け入れ、乗り越えて生きて来た久子さんをイメージさせる。

 

・講演会やしょうがいしゃ団体立ち上げなどで、人々を励まし、元気づける立場として人生を全うしていく久子さんを考える。

 

問・・・『彼女は幸せだと思いますか?』

 

3、実践で感じる

 

・目隠しでご飯を食べてみる実践。

 

・手足を縛った状態で、ご飯を食べたり、ジュースを飲んでみる実践。

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問・・・『あなたは幸せになれますか?』

 

4、障害の種類について(少しだけ。メインではありません。)

 

・身体障害

・精神障害

・知的障害

・発達障害

 

についての知識を身につけさせる。

 

 

○山場

 

写真を見て笑う子どもたち。

久子さんの話を聞いて、へらへらしている子どもたちに対して。

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初めから、「心のコップを上向きに」するため、「真剣な雰囲気」を出し、真面目に考えるべきだということは伝えてはいたものの、やはり、この地の子どもたちには全く理解されていない、と感じました。

 

目的を達成するための一番の指導のチャンス。

 

声を荒げる場面もありました。

笑っているのは、恥ずかしいこと、理解していないこと、教育を受けていないことを周りに知らせていること。だから、世界中の誰からも信頼されないということ。

 

みんなは、自分たちが普通で、しょうがいを持つ人を普通でないと思っている。だから、彼らは幸せでないと思える。

生きるために生まれて来た、同じ命だ。何も彼らの気持ちを分かっていない。

 

君たちの前に姿を現すことは怖いことだ。なぜなら、笑われるから。いじめられそうで安心できないから。

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彼らは幸せだ。しょうがいしゃに対する知識、理解に欠け、人を傷つけながら生きて、信頼されない君たちより、彼らはよっぽど幸せだ。

 

それは、なぜか。

辛い人生を乗り越えて、人の苦しみが分かるからだと思う。

人への思いやりが君たちと比べ物にならないくらいある。人を励ますことができる。人を元気づけることができる。人を救うことができるからだ。

 

(ちょうど足を怪我している生徒に対して)

きみをお見舞いに来てくれた人は、きみを笑いものにしていたか?

「していた」と答える。

その笑いは君を苦しめたか?それとも、温かい笑い、愛情がある笑いか?

「愛情がある」と答える。

 

今の君たちの笑いは決して愛情は感じられない。

本気で、面白いと持っているし、軽視しているし、見下しているからだ。最低な笑いだ。

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(手を縛って口でジュースを飲む生徒がこぼしたとき)

今ジュースがこぼれたことに対して笑っているよな。

 

毎日苦労してご飯を食べ、毎日、毎食こうやってジュースをこぼしそうになりながら生きている人がいる。

ご飯を食べるだけでも、毎日、毎食、こうやって苦労している人がそんなに面白か。

 

君たちはどのように生きるべきか?

しょうがいしゃの方々から学ばなければならない。君たちが一番学ばなければならない!

 

 

分かっています。

優しい子どもたち。親切な子どもたち。

実際、本気でいじめる子どもなどこの地には存在しません。

 

分かっているだけに、その素晴らしい心で、ソロモンをしょうがいしゃと共に生きるより良い社会にしてほしいと願います。

この子達なら、正しく理解し、優しく温かい社会を築いていけるはず。

そう信じているからこそ。

 

誰しもが幸せを見出せることは、この地の子どもたちが一番分かっているから・・・

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