コロフェでの引き渡し式の伝統ダンスが引き続き行われている中、“次の案件”をアセスメントするためにハイラックスに飛び乗り、次の村、アイラリへ向かいます。

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アイラリは、コロフェから車で1時間半ほど行ったところで、途中道がなくなり、最後は車から降り“徒歩”で村の中心へ向かうことになります。

 

景色は終始熱帯雨林、力強い巨木と繁茂する葉緑体の中に、ところどころ人が顔を出すような感じ。他には何も見えません。

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最高に楽しいです。

心の底から癒されるのは美しい自然を見たときです。

また、マルー以外の土地へ車以外で出るということも何カ月ぶりかなので、移り行く景色が映画のように楽しみとして流れていきます。

生命線である車が通れるこの一本の道の最終地点まで向かいます。

 

山口さんと同行するのは、私以外に、ソロモン人の大使館アシスタントである山口さんの同僚一人と、運転手、アイラリに現在住んでいる案内人と関係者23人が後ろの荷台に乗ります。

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途中、ある港を視察しました。

その港は、次の案件である「病院建設」の際、荷物が到着する重要なポイントであり、荷物の積み降ろしの際には沢山の問題が発生するため入念にチェックする山口さんの姿がありました。

 

「日本の大切な税金を使っているんだから。」

「過去にあったような失敗はさせられない。」

「この事業には完成意外にない。」

そう常に口にします。

その眼差しには疲れを見せない厳しさが感じられます。

 

道が終わったところから、とんでもないジャングルの中の“獣道”を思わせるような道なき道をかき分け1時間ほど歩きます。
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人間が乱さない自然はきれいだ。
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川の水が気持ちいい。
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「えっ、こんなところに村があるの?」

 

どんな状況でも、山口さんは冷静です。

「ねーにっしー(私のこと)。病院建設の際は、村人がさっきの港からこの道を600袋以上の40キロのセメント袋を運ばないといけないだけど、行けると思う?」

 

「ん・・・・い・・・いけるんじゃないですか?」

 

正直“無理”だと思っていました。自分だったら・・・絶対に。

こんな急な坂道をジャングルをかき分けながら行けるのかな。

 

そこには山口さんの過去の“経験”がないと絶対に測れないものがあります。

「ソロモン人は意外に何でもやるからね~。すごく強いよ!」

経験則からしか分からない、こういった信じる対象が自分には全くないから答えられない。

 

月に23回色々な地域の色々な案件のために“現地に足を運び”危険を冒しながら、それでも冷静に調査する姿勢の蓄積がこの経験則を生み出します。

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現場では思わぬ困難が毎回あります。

今回であれば、途中一泊したホテルで、蚊なのか得体の知れない虫に1000か所以上刺された傷をニコニコ見せられ、思わず持っていた“きんかん”を渡すことしかできなかったです。過酷。本当に過酷な仕事です。

 

富士山の9.5号目を思い起こさせるような、一歩一歩の疲労感がどMの山口さんと僕にはたまりません。

やっとの思いで目的の村に着きます!

 

早速、始めてくる外国人にぞろぞろ人が集まってきます。

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生まれて初めて見る貝のオカリナ風の楽器の低音で村人をさらに呼び寄せます。

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「病院建設」について地域に対しての説明が今回の訪問の一番の目的です。

早速記者会見のような席が設けられスピーチします。(難しい英語がペラペラ出てくる!すげ~!)

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☆説明する山口さんの印象に残った要点を紹介します。

①地域の人々の参加が一番大切で、みんなが協力することで成し遂げられなければならない。地域の全ての人々にとって良いものになることが大切。

②作った後に、それをメンテナンスし、継続可能な施設の実現を目指している。

③お金がもらえることが良いことでは決してない。過去にお金のトラブルや一部の人だけにお金が流れたり、お金の行き先が分からなくなったりしたこともある。

④これからもっともっと詰めていく問題が沢山あり、それには時間がかかり、人々の“忍耐力”と“村を思う気持ち”が重要であり、それがあって初めて企画が進んでいくこと。

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村人は真剣に興味津々で聞いています。それだけニーズがあるのです。

 

それにしても、こうやって実際に村に足を運び、村人を地面に座らせ力強く思いを伝えていくその生き様に感動しっぱなしでした。ドキュメンタリーを見ているみたい。自分の中にある憧れがくすぐられます。現場主義人間!

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突然話を聞いているだけの自分に話が振られます!「むちゃぶり!」山口さんも笑います。

 

☆一応伝えた要点!

①この村に着いた時の感想。村人が快く歓迎してくれてすごくいい風を感じること。これから人々が協力できるような空気感を感じること。

②ここで話を聞いている一人一人に責任があり、このプロジェクトは現時点で進行していることを認識してほしい。

③私はソロモンに後1年以上いるので、村人の力でこの事業が完成できた際は、必ずお祝いに来るので頑張ってほしい。

※とにかくモチベーションを上げたいと思い、とっさにこういったことを言ったような。

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その後も、細かい部分を山口さんと村のリーダーが集まり会議を行います。疲れを見せず優しく大切な内容には厳しい意見をぶつける抜け目のない山口さんが目の前にいます。

細かい部分の例

・木を切る時のチェンソーの台数や借りるための代金。

・誰の土地か明確にし、問題が起きないように配慮すること。

・サインする契約者と村人との仲について注意を払うこと。

・どうやって港から運ぶか。

・港でもトラブルが内容にセキュリティーを強化すること。

・船のガソリンにはお金を出すが、エンジンにはお金を出さない。

・書類上の注意点Etc・・・

※話が円滑に進むよう、余計な話には「今はその話はやめましょう」と山口さんは切ります。

 

 

その様子を子どもたちが見ています。

どこに行っても子どもは元気です。子供は宝だと思います。

この子達が大人になった時のために病院を作る、という大人の思いを感じて育っています。

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夜は、豪華の料理をいただき、子どもたちと歌を歌います。

発見した壊れかけのギターで、壊れかけのラディオを歌うような。

自分にできることはこれくらいしかない。

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「病院ができて安心して生活できたらいいね。しっかり手伝うんだぞ!

 

この地に病院が建つ。
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壮大で世の中で生きていくために最も大切なもの。自分の小ささを感じます。

冷たいコンクリートを背中で感じながら、温かい未来を想像してその夜は全く寝られませんでした。隣で山口さんはぐっすり寝ています。きつい仕事だ。だからこそやりがいは計り知れないのだろう。

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