2回にわたって「大使館草の根事業」について伝えました。

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最後は、感謝の意味も込めて山口さん自身について書きたいと思います。

尊敬する師匠としてしっかりその考え方を吸収したい。

もと協力隊員であり、先輩として憧れの存在であるから。

山口さんにも了解していただいています。

 

山口さんは、石川県金沢市出身であり、自分では“田舎もんだよ”っていつも言っています。

しかし、私の住む京都の田舎に比べると間違いなく都会ですよ。

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高校時代まで全く勉強をしなかったと自分では言っておられます。それを今でも後悔していると。そういった後悔に今の原動力があるのかもしれないと感じます。

そういうわけで、高卒という学歴を持ち、少しの間ニートを経験された後、社会で勤められます。その時は、働く一方で“何か違う”と感じながら日々生活をされていたそうです。自分もそういった時期があっただけに、すごく共感できます。

クラシックが好きな山口さんは、金沢で働きながら音楽サークルに入り活動されます。今もサックスを演奏されているようなので、ホニアラに行ったときは聞いてみたい。

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その音楽サークルで出会った友達が山口さんの人生を変えます。

その友達が青年海外協力隊員として海外へ行くことになり、その話を聞かされる中で、自分もその友達のような経験がしてみたいと思うようになり、協力隊に応募されます。

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20代半ばで隊員としてベリーズに派遣されます。教員ではなかったのですが、子どもが好きで子供と関われる職種を選択されます。

ベリーズでは公用語は英語とされていますが、日常生活ではスペイン語を話す人が多かったそうです。

そこで、高校時代英語を全く勉強せずに来た自分の後悔をバネにして、この2年間で英語の実力を上げるために真剣に言語に向き合おう、そう決意されたそうです。

それが、今の山口さんの英語力を形作っており、有言実行で大変感心する部分です。


隊員時代は、色々な国を旅して、人々と英語でコミュニケーションをとるという実践を通して着実に実力をつけられます。

アメリカのラスベガスに行った際は、スカイダイビングを経験されたり、グランドキャニオンに足を運んだりと、大変活動家であったと思われます。

その行動力は、今の仕事の中でも生かされているのではないでしょうか。

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隊員を終え、その後、協力隊OBと教育現場をつなぐ仕事を経験されたりしながら、ソロモン日本大使館の仕事との出会いを果たされ今に至ります。

 

JICAボランティアというのは周りから“たたかれやすい”。なぜなら、周りの人々は、ボランティアとは現地に何か貢献したり、変化や物を与えたり、何らかのものを作り上げたりすることが目的と思われているから。でも、そうじゃなくて、本当の目的は隊員が日本とかけ離れた環境の現地に行き、そこで長い間地域の人々と生活を共にする中で、多様な価値観や考え方を“学ぶ”こと、人々の優しさや醜さに触れ“自分を磨く”ことだ。」と言われます。

その学びによって成長した人々が日本や世界で活躍することが一番の目的なのです。

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また、「“現地の人々になりきる”ということを目指し、現地の人々により近づき入り込めたことに満足してしまい、大事な目的を忘れるのはよくない。」とも言われます。

自分はそういう部分があったと反省します。

現地の人々の優しさに甘え、一緒に楽しく過ごせて幸せを感じたとか、親切な心に感動したとか言っていますが、そこで終わってはいけないのです。これらの体験を日本や世界にどう自分が貢献できるものにつなげていけるかが一番大切だということです。まさにそれを実践され、そういった生き方を示してくださっているのだと思います。

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そして、「英語が大切だ!」と言い切られます。「現地語も大切であるが、日常生活のたわいもない会話でコミュニケーションがとれたように感じて喜んでいるようでは不十分。その次のステップに大切な心の関わりがあると言われます。言葉を選びながら、深い内容を、深い感情を伝えられるからこそ、本当の意思疎通が実現できるのです。」言葉を知ること、伝え方を学ぶこと、そういった努力を惜しまないことを教えていただきました。

日本語も英語も、言語に対して軽く考えている自分には突き刺さる言葉でした。

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最後に、「大使館の仕事もずっとは続けられるかは分からない。もし、この仕事ができなくなったら、次はもう一度大学に行きたいな。」

学ぶことの意味を知っています。

山口さんは将来について誰よりも真剣に考えている。

具体的に東南アジアにいいなぁって思う大学があるようです。

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そんな話と”彼女とのの苦い経験”も交えながら優しく話をしてくださいます。

別れ際、見知らぬソロモン人が寄って来て

「日本大使館の山口さんですか。今からこの町の重役が話をしたいと言っているので、時間を作っていただけないですか。」

車に5時間揺られ、疲れ切って宿舎でさあ寝ようと言うときに、仕事が舞い込みます。

「にっし~ごめん、仕事が入ったわ。先に帰ってて!また年末に会おう!」

 

この人は動き続ける人だ。学び続ける人だ。止まらない。

2日間本当に貴重な体験をありがとうございました。この経験が活かせるよう今後努力をしていきたいと思います。

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