教員に対するプレゼンテーションを続けています。
この無謀な挑戦がいつまで続くのだろうか。
ソロモンでの人々への話の伝わり方の違いを、年齢別に考えてみると、年齢が低ければ低いほど自分の考えが伝わりやすい傾向にあります。
生まれつき持っている白キャンパスに、知識を蓄えていくとすると、もちろん、大人のほうが子どもに比べて、多くの絵が描かれ、白い部分が見えないくらいに、知識が蓄えられているのです。
一方で、子どもたちは、まだまだ白い部分が広くあり、そこに新たな知識を描いていくことができるのです。
日本であろうと、ソロモンであろうと、どんな国の子どもたちも、真っ白な土台から始まります。
そこに、家族や地域の環境、そして、学校の教育という鮮やかで様々な色彩が加わってくるのです。
上書き不可能な大人の狭いスペースを狙って伝えていくよりも、大きなキャンパスをめがけて、自分の思いを伝えていったほうが、絶対に伝わりやすいのです。
ソロモンで大学を出て、教師になる、というプロセス自体がこの国ではとてつもなくエリートの領域なのです。
そんな先生方にはもちろん、ソロモンの激戦を勝ち残ってきたプライドもありますし、教師としての築き上げてきたバックグラウンドもあります。
また、生きていく基盤である家族や地域を大切にし、養っていかなくてはならない大きな責任もあるのです。
そんな中で、日本で3年経験しただけの20代の教師が言うことを、普通に考えて素直に聞けるでしょうか。
子どもへのアプローチと違って、神経を使うのが、大人、同僚へのアプローチだと思います。
☆聞いていただくためのちょっとした作戦
1、全員にカレーをごちそうする。
学校終わりの職員室で行うプレゼンテーションに足を運んでいただくために、食事を用意します。腹が減っては戦ができぬ・・・
日本であれば、ミーティングがある、会議がある、ということが決定していたら、文句も言わず必ず行きますよね。
ソロモンでは、自分の気持ちが最優先であり、おなかが減ったとか、自分の仕事がしたい、と思った場合、そちらへ傾きます。
だから、何とか出席してもらうことが第一。
2、習字体験を用意する
ちょっとしたお楽しみが最後に控えていると、それだけで最後まで聞こうとするでしょう。
完全子どもだまし・・・・
☆テーマ
1、教員の指導方法の良い点の紹介(4名)
2、教師・学校の改善点。
偉そうに・・・本当に偉そうです・・・・
今回は頑張りました。
今まで、なかなか単刀直入に、学校の欠点だと思う部分、改善していける部分を強くいうことはありませんでした。
任期も後少し。ここら辺で伝えておかなければ・・・
先生たちの顔色もうかがいながらも、思い切って伝えます。
時間や、学習環境、教師の欠席などについての重い内容と共に、ソロモンの教育をどのようによくしていくことができるのか、日頃思っていることを“ずばっと”言わせていただきました。
これは、神経をすり減らしました。
苦しい・・・・
ソロモンの状況も、今まで一緒に生活をしてきて知っているだけに、先生方に同情する気持ちと、日本人として伝えなければならない使命感が葛藤を起こします。
いや~、難しい。
今までに色々な伝え方を試してきましたが、直接言い切ることが一番体力を使う。
先生方に負担を押し付けることになるのはわかっています。
やろうと思ってもできない環境にあるのもわかります。
やろうと思っても、なかなか一歩が踏み出せないのもわかります。
いつかどこかで、日本から来ていた男があんなことを言っていた、と思い出してくれたら、目的は達成されるかな・・・・
「教師という双方向のコミュニケーションのできる、せっかくの場を、一方的に先生の言うこと聞く場にしておくのは、もったいない限りです。いえ、知識は重要ですから、軽視するつもりはありません。ただ、それを自分で覚えるようにすればいい。皆が一緒にいる教室では、もっとファシリテーション的なものを取り入れ、インタラクティブに多様な見方を交換し、刺激し合う場にしていくべきだと思います。そうすることで、心の開いた議論の仕方を学ぶこともできると思います。日本人の強みであるグループの力をもっと発揮できるのではないかと思うのです。学校の先生がファシリテーターになる必要はありませんが、先ほどのリーダーの場合と同じで、ファシリタティブな先生となって、教室がもっとインタラクティブになるべきだと思いますね。」(ザ・ファシリテーター:森時彦著)
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