青年海外協力隊!ソロモン!教師!

青年海外協力隊平成27年度1次隊、理科教育でソロモンへ派遣されます、西山裕介です!理科教師として、ソロモンの中、高学校で働きます。ソロモンのマルーという田舎町ですが、人々との触れ合いを一番大切に考え、一生懸命頑張ります。

カテゴリ: 畑・養鶏場

(マルーのインターネット需要が少ないため、今までのネットスピードから、遅いものへと作り変えられてしまいました。このブログは、今後、文章、写真等を今までの半分以下にしていきます。)

 

養鶏場はマルーの人々の手によってしっかり運営されています。

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「昨日10羽の鶏を買っていった人がいたよ!」

 

そう嬉しそうに報告してくれるおばちゃんたち。

24時間体制での鶏の世話、監視がなされています。

 

深夜に泥棒が入ったり、犬や猫が食べないように絶対に誰かが見張っておく必要があります。また、夜も鶏は休むことなく食べ続けるのです。

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正直こんなに重労働とは予想していませんでした。

しかし、仕事が見つかった喜びが大きいため、苦労など吹っ飛んでしまうようです。

 

みんな、本当に良い表情をしています。

 

子どもたちは、小さな雛を触ったり、持ち上げたりして可愛がります。

生き物相手の仕事は、子どもたちにとって、好奇心を満たしてくれるようです。よしよし・・・

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昨日、畑仕事へ行ったときに、たまたま鶏を買いに来た若者に遭遇しました。

彼らは、2羽の鶏を、家族や親戚が集まって食べるのだと話していました。

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どうやって、鶏を捕まえ、養鶏場から持って帰るのか、興味津々で見ていました。

 

かなりアグレッシブに一番大きな鶏を捕まえ、すぐさま両足を片手で握りしめ逆さまにして持って帰っていきました。

 

たくましい!!!

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また、

誰かが亡くなったときや、生まれたときには親戚地域を挙げてお葬式やお祝いをします。

その時に欠かせないのが鶏です。そんな時は、一気に10羽ほどの鶏が売られてしまします。

 

可愛い雛たちが隣に育っているだけに、大きくなってこんなふうに売られていくのがかわいそうに思えるのは自分だけでしょうか。

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いずれにしても、

仕事場が増えることで、多くの人々が充実した生活を送れるようになりました。

現在200羽以上の鶏が売られ、マルーではあり得ないほどの経済効果を生んでいます。

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幸せそうな人々の顔を見るのが一番の幸せです。

畑へ行くのが毎日楽しみです。

率先して野菜に水をやっています!!

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「叶ったらそれでおしまいという程度の夢は、パワーをもたない。実現することで、長く誰かを幸せにするような夢なら、その夢を実現する力は大きなものになる。」(学問のすすめ:橋本武著)

 

子どもたちにとって、働く大人が幸せそうに見える場所となっているだろうか。

そうであれば、夢は実現されていると思います。

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「人生のビジョンは、小さい頃から感じていた問題点、怒り、悲しみ、喜び、夢に隠されている。『なぜ、人は、もっともっと動物を大切にできないのだろう?』と小さい頃に悲しんでいた人は、後に動物愛護の活動を生涯のライフワークに選んだりする。また、両親の夫婦関係にずっと怒っていた人は、パートナーシップのセラピストになったりするのだ。人生は世界が、『こうなったらいいのになぁ』というような漠然としたイメージ。それが、君たちの人生のビジョンになっていく。だから、普段ぼんやり感じたり、考えることを無視しないでほしい。それは、君たちの無意識からのメッセージなのだから。」(ユダヤ人大富豪の教えⅢ:本田健著)

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養鶏場へ足を運び、一緒に鶏へ餌をやったり、水をかえたりしています。

かわいいから、いくらでも鶏を見ていられます。子どもたちも面白いからやって来て見ています。

 

24時間、シフト制のフル回転で地域の人々が働いてくれています。

 

養鶏場の鶏は、朝から晩まで、餌を食べて水を飲み、お腹がいっぱいになると少し横になり、また、お腹が減ると餌を食べるハードワークを行っています。

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それによって、肉付きは最高!!

6週間も経つと、抱っこするのが困難なほどの体重が増えてきます。

 

その第一弾の鶏たち(50羽)が ON SAIL になったのは、2週間ほど前。

それから、3日ほどで、あっという間に半分ほど売れてしまいました。

 

一羽100ドル(1500円程)です。

現地の人々にとっては少し張り切った値段になりますが、食欲には負けて、お金を払ってしまう傾向があるので繁盛しています。

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何と、第一弾の鶏はめでたく売り切れてしまいました!やった!

今は、第2弾の鶏たちが売り出されている段階です。これも売れています!

 

「需要が一番予想しにくい」

という、マーケティングに詳しい隊員がおっしゃられていました。

需要はありました。よかった。

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小屋を完成させ、ヒヨコ仕入れてからは、村人の力を信じ、全てを任せきっています。

マーケティングに口出しできるような知識もありませんし、現地の状況を知るのは村人です。

村人たちの繋がりなしには、絶対に信頼して買ってもらうことはできないと考えています。

 

まだ、自分はここに生きている鶏は食べたことがないのですが、村人いわく、「むちゃくちゃうまい!!」とのことです!早く食べてみたい!

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○感動したエピソードがあります。

 

鶏小屋で働いていたおばあちゃんがいました。

そのおばあちゃんに、

「今日は、鶏は売れましたか?」

と尋ねると、

 

「今日は何人か来てくれました。」

と、おばあちゃんは答えました。

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「じゃあ、今日も何匹か売れたんですね!よかった!」

と、嬉しくなって答えました。しかし、

 

「いや、鶏は売っていませんよ。まだ、鶏たちは5週間が経った段階で、肉がまだまだこれからつくので、もうちょっと待って、大きくなった鶏を買った方がいいですよ、と言って売りませんでした。」

と、おばあちゃんは説明してくれました。

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ここで、ずる賢さがある自分は考えました。

5週間の少し小さい鶏でも買いたいという人がいたら、売った方が“得”ではないか。

5週間でも7週間でも値段は100ドルに設定しています。

待てば、5週間から7週間まで大きくするための飼料が必要になります。

 

だから、早い段階で売れるなら打った方が利益は上がります。(単純な数学的発想)

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しかし、おばあちゃんの気持ちを考えました。

 

「少しでも大きい鶏を買ってもらった方が、沢山の肉を家族で食べられて嬉しいだろう。」

「同じ100ドルを払うなら、大きいのを買ってもらわないとかわいそうだ。」

「頑張って大きくするから、もう少しだけ待ってください。きっとおいしいのを届けられます。」

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おばあちゃんの心からの村人に対する優しさです。

 

この時、考え直し、感動した自分は、おばあちゃんに、

「ありがとう。」

と、言わずにはいられませんでした。

 

「お客様を喜ばせる」

こういった企業理念をよく見かけます。

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このおばあちゃんは、商売についての本を読んだことも、勉強したこともありません。

誰かにそうしろ、と言われたことももちろんないでしょう。

 

本来人々には、学ばなくても、こういった心が身についているものなのだと気づかされます。

性善説というと正しいのでしょうか。

 

このおばあちゃんは、目の前の利益など見えていません。

たぶん、お金のために畑に来たり、お金のために生きているのではないのです。

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その目的は、おばあちゃんに聞いてみないと分かりませんが、「人を喜ばせたい」と思いながら日々生きてこられたのだと想像します。

 

おばあちゃんに限らず、この養鶏場で働く人々と話していると、全く欲がありません。

1時間5ドル。時給75円。(給料に関しても私は関わりません。村人の力で運営してほしい。)

 

でも、畑へ行くといつも嬉しそうにあいさつしてくれます。

みんな、本当に幸せな表情をしているのです。

 

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しかしながら、これから、人々の手に「お金」が入り始めたら、状況は変わっていくのかもしれません。

資本主義経済とはっきり言えるような状態ではありませんが、お金が入れば、それで「もの」が手に入ってしまいます。

 

「物欲」は人間の心には必ず備わっているものですから、どんどんお金が欲しくなってくるでしょう。

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もしかしたら村人の間でトラブルが起こるかもしれません。

お金で争いに発展するかもしれません。

 

「そういう形でお金をもらってしまうと、『お金』=『嫌な作業をするともらえるもの』という考えを持つようになります。しかも作業をする前からもらえる金額が決まっているので『いかに楽して作業を終わらせるか』ということばかり考える人になるでしょう。こうして子どもの頃にもらった『お駄賃』が、アルバイトの『時給』になり、会社の『給料』になります。すると給料の範囲内でしか仕事をしませんし、仕事をできるだけ減らそうと考えるので給料が増えることはありません。」(ガネーシャと貧乏神:水野敬也著)

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お金・・・・

怖いもの・・・

 

村人の手で運営される今、自分にできることは何か。

お金の社会、お金の失敗、お金の怖さを村人よりは理解している自分が、正しい価値観を伝えていかなければならないと考えます。

 

今、村人の心にある、間違っていない価値観を残していってほしい。

お金が少し入って来ても、その価値観を捨て去らないでほしい。

そう伝えていかないといけないと思います。

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「文明が崩壊する原因は、戦争でも病気でも食糧危機でもない。それは歴史が大きなターニングポイントに差し掛かった時に、「引き継ぐべき価値観」と「捨て去るべき価値観」を見極められたかどうかの違いだ。」(カリフォルニア大学ロサンジェルス校:ダイヤモンド教授:これから10年 神田昌典著より)

 

自分はどこへ人々を導いていこうとしているのか・・・

もっともっと勉強が必要です・・・

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奇跡の「養鶏場」は順調に運営されています。

 

実はこの養鶏場には裏話があります。

前回も少しお伝えしましたが、養鶏場の話が持ち上がった時に、JICAを通してお金をこの企画につけてもらおうと動いていました。企画書の作成から、調整員との相談など。

 

しかし、その企画書は却下されました。

その原因のほとんどは、企画書の書き方だったのかもしれません。

自信満々に、自分が現地で感じるままに書いていたのです。

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地域の人々は本当に良い人だ・・・

みんな一生懸命働くから信用できる・・・

養鶏場を回していくことも地域の力でできるでしょう・・・

そして、この養鶏場は学校とつながり、地域にとって欠かせないものとなるでしょう・・・

 

子どもが将来の夢を描くような書き方をしていたように思います。

一切理論的ではなかったことは確かです。

 

途上国を熟知されるJICA本部の方々からすると、

 

「そんな簡単にいくわけがない。途上国をなめるな!」(過剰に書いています)

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という思いもあったのではないかと思います。

ましてや、派遣されて⒈カ月もたっていなかった頃だったので仕方ありません。

 

しかし、この却下があったからこそ、自分に火がついたように思います。

 

「自分が住む地域の力をなめるなよ!」

 

そんな気持ちがあったのは確かです。

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お金などなくても、自分たちの力で地域を創り上げてみせる。

 

それからは、「一緒に頑張りましょう」と言いながら、地域の人々と毎日協力して、完全ボランティアで養鶏場を作り上げることができたのです。

だから、『奇跡』の養鶏場なのです。

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今は、JICA本部に心から感謝いたします。

もしかしたら、隊員の心を熟知されている本部の方々は“故意”に企画を退け、主体性を引き出されたのかもしれません。おそらくそうです!!

 

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今は、その奇跡の養鶏場に第2弾の鶏の雛が到着して元気に走り回っています。

1弾は、3週間目に入り、すくすくと大きくなっています。

 

まず、学べることは、鶏の成長するスピードです。速すぎます。昨日の体のサイズと、今日の体のサイズの違いが明らかに分かるのです。

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そら、食って、寝て、起きて、水飲んで、食って、寝て、を繰り返す鶏たちですから大きくなります。

 

第一弾は大きな囲いに移されて、第2弾が小さいスペースで暖を取りながら気持ちよさそうにお腹を満たして寝ています。

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そんな様子が面白いので、子どもたちが毎日のように見に来ています。

一緒に寝ている子どもたちもいます。

子どもたちの目は、「命」を見ている目をしています。

決して、2次元、3次元と言われる、バーチャルの世界を見てはいません。

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動物が必死にえさを取り合う姿、愛くるしい表情で寝る姿、水を一生懸命飲む姿。生きているものに共感する子どもたちの姿。少なくとも、生命に対する痛みや悲しみがしっかり理解できる人間へと成長するはずです。

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24時間体制で、地域の方々が、入れ替わり立ち代わりで順番に鶏の世話をしてくれています。

養鶏場へ行って、地域のおばちゃんやおじちゃんと話をするのは楽しいです。

鶏の気持ちになって話をしてくれるおばあちゃんは、言葉で表せないくらい可愛いです。

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毎日ありがとうございます。

 

そんな養鶏場がマルーに誕生した記事を、ソロモンスター(新聞社)の若い記者がまたもや取り上げてくれました。(彼とは、今度首都に上がった時に食事に行く約束をしています。)

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雛を地域に引き渡す時のセレモニーの様子が写真で大きく載っていました。恥ずかしい・・・

 

実は、マルーには新聞が来ないので、首都のJICA本部からメールで送ってもらうしかありませんでした。2週間遅れで、新聞記事を印刷して養鶏場のおばちゃんたちに見せると、心から嬉しい表情で喜んでくれました。

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鶏たちのおかげ。「命」に生かされる人間の姿。

先進国が、もしかしたら忘れかけていることかもしれません。

心から命に感謝する人々を見ていて、少しずつ忘れかけていたものが蘇ります。

 

「命」が地域を救い、励まし、「幸せ」を与えてくれる。

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話しは変わりますが、毎日ブログに書いて発信し続けています。

 

「情報を発信できる立場にあることを自覚し、見たものを皆さんに伝えられる人間になるのが、今の目標です。見逃してしまいそうなことに気づく感覚を磨くとともに、二度、三度と同じ場所に足を運び、現地の人と向き合うことはきっと重要です。そして、『自分にしか伝えられないもの』をこれからも世界に発信していきたいと思います。」(テレビ東京アナウンサー:秋元玲奈)

 

青年海外協力隊に求められる資質の中に、「発信力」が大きく挙げられています。

よっぽどのことがないと、その土地へ足を運ぶ日本人は協力隊以外にはいないでしょう。一人で孤独に現地の人々と生きている隊員も世界中にいます。

一人の人間が世界へあらゆる情報を発信できる素晴らしい環境が整う現代において、今目の前で起こる“現実”を日本や世界へ届ける義務があると私は思っています。

 

これからも、『自分にしか伝えられないもの』を世界に発信していきたいと思います。

 

☆今日は、先日のサッカー対外試合の写真をスライドショーにしたものを全校生徒に公開しました。

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理科室に詰めかけた多くのチームスーパースターのファンたちが、歓声を上げて写真見ていました。

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選手たちも学校を上げて応援してくれる力を感じながらさらに努力をすることでしょう。

☆広報

東京の市ヶ谷にある「JICA 地球ひろば」でイベントが開催されています。

 

今回は10周年企画で、「学び・未来・よりよい世界に」と題して様々な取り組みがなされています。

 

今回は教育がテーマということもあり、私も参加、協力させていただいています。広告には、ソロモン、マルーの子どもたちの勉強する様子が載っています!!

また、会場には大きな養鶏場のおばちゃんと写る写真が飾ってあったり、マルーの動画も流されているかもしれません。

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詳しくはホームページをご覧ください。行動力のある方は、一度足を運んでみてください!

http://www.jica.go.jp/hiroba/

地球ひろば↑

 

「世界で学校に通えない子どもは、2000年には約1億人いました。その後、様々な取り組みや支援によって、2013年には5,900万人までに改善しました。しかし、教育に関する課題はまだ多く残されています。学校に通っていても基礎的な読み書きや計算ができない子どもや、紛争や災害の影響により学校に通うことができない子どもも数多くいます。また、教育を受けても知識・技術・技能不足などの理由から仕事に就くことができないという問題も見られます。今、こうした多様な課題にどのように応えることができるか、国際社会の支援の在り方が問われています。「学び」の実現は、貧困、保健、紛争やジェンダー問題など、世界のあらゆる問題につながる大切なもの。この企画展を通じて、私たち一人ひとりが世界の学びの実現に向けてできることを考えるきっかけにしていただきたいと思います。」(広告より)

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『地域の大プロジェクト!!』がついに完成されました。

 

それは、「養鶏場」の建設です。

今日、そのオープニングセレモニーが行われました。

 

思えば、昨年の7月にソロモン、マルーに協力隊員として派遣され、着いた次の日くらいから、なぜか毎日のように地域の畑へ足を運ぶようになっていました。

 

日本での学校の離任前に行われた教員による送別会の席で、

「地域の人々と一緒に働きます!」

と力強く突拍子もない宣言をしたのを覚えています。

 

どこかで宣言したことは、体が覚えているものです。その通り、勝手に地域の畑の情報を聞いただけで、そこへ向かう自分がいました。

 

そこで出会う人々と日々水やりをしたり、土を耕したり、草引きをしたり、木を切ったり・・・

ある日、自分は鶏が好きだ、という話から養鶏場建設の企画が立ち上がったのです。

 

裏話ですが、実は、この養鶏場建設についての企画書を作成しJICA本部へ売り込み、まとまったお金を支援してもらおうと試みていました。その企画書では、日本の厳しい審査をクリアし、JICAによる国の税金を使わせていただくことはできなかったのです。(失敗)

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しかし、地域の力があれば、先進国のような立派な養鶏場でなくても“手作り”の味のある養鶏場は作れると信じて、「前向き」に村人と共に計画、行動していきました。

 

「毎日」通うことで、人々の心が変化していったのを感じました。

「本気だ」「地域のためだ」「一緒にやろう」といった思いは、毎日の塵で山をつくる地道な行動によって少しずつ伝わっていきました。

 

提案をし始めて数日後には、地域の人々が40度を超える中、木を切ったり、運んだり、穴を掘る姿が見られたのです。

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そんな、地域の人々の姿に心を打たれたのは私自信だったように思います。

自分が畑にいるときは、

「ゆっくりやりましょう。私も手伝いますよ。」

というのが口癖でした。

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人々と一緒に釘を売ったり木を切ったりするのが心から面白く思え、地域の一員として働くことで、承認される喜びを与えてもらっていました。

 

地域の人々による完全ボランティアで一切お金をかけないという、考えられない取り組みを一緒に完成させることができたのです。

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後は鶏を注文することでしたが、ここに来て村人が苦しんでいたので、ソロモンのマーケットで働く協力隊員の坂本さんに連絡をとり、色々情報を得る中でやっと注文することができました。ありがとうございます。

 

☆オープニングセレモニー

 

どんよりとした天気の中、朝9時ごろから畑に人が集まり始め、そこへ私も招待されました。

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畑へ行ってすぐに気づいたのは、

「ぴよぴよぴよ!」

という、どこか懐かしい鳥の鳴き声でした。

 

そこには一つの段ボール箱があり、無数に空く小さな穴から口ばしを出して元気いっぱいに鳴いている雛たちがいたのです。

それを見たときに、「あー、やってよかった。もう、これで十分だ。」と思えたほど、何か安心感を覚えました。

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日頃から畑で働く人々、その息子や孫たちが養鶏場を囲みます。

植物の花や葉でカスタム風に、きれいに、丁寧に飾り付けされた養鶏場がありました。

きれいな机が畑に運び込まれ、記者会見でも行われる勢い。本格的です・・・

そして、私にも首飾りがいただけました。(そんなたいそうに・・・)

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まず、畑のリーダーである、シャーラスから言葉がありました。

次に、畑の最年長であるスウィーティ―からも言葉がありました。

周りの人々もその言葉に耳を傾けていました。

 

その一言一言が、感謝の言葉で溢れており、何度も何度も私に対して「ありがとう。」と伝えてくれるのです。

ものすごく“申し訳ない”気持ちが自然とこみ上げてくるのが分かりました。

(私じゃないです。村人たちが作ったんですよ・・・)

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そして、私も一言、話をさせていただくことができました。

次のようなことを話しました。

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・子どもたちと一緒に料理を作り、一緒にご飯を食べ、村人たちと一緒に働き、親切な人々に囲まれて、こんな風に暮らせていることが本当に幸せである。

・人々が親切であるから、いつも畑に来たかった。そして、そんな優しい人々へ何かしたいと心から思っていた。

・日本の大都市から来たのではなく小さな村から来たという話。昔、家で鶏を飼っており、マルーにいる鶏を見たときに大変懐かしく感じた話。そこから、養鶏場建設を思いつき、計画を立てたこと。

・正直、本当にできるとは思っていなかったが、村人たちが動き始めたことに刺激され、励まされ、自分も貢献したいと思い、最後まで粘り強く計画が実行できた。

・これは、村人の作り上げたもので、私はそれを応援したかっただけ。村人たちに心から感謝したい。

・数年後、この地を再び訪れることがあっても、この養鶏場は残っているだろう。これによって地域の人々が少しでも豊かな生活が営めていることを願う。

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そんなことを言っていたようにおもいます。

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そして、雛をシャーラスに手渡し、2人でテープカットを行い、オープニングを告げさせていただきました。

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また、以前から作成していた、デクラレーション(宣言書)に一緒にサインし、約束を村人に共有していただきました。

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この宣言書には、要するに、地域全体の努力でつくられたこの養鶏場は、個人の物ではなく地域の物であり、個人が働くのではなく、地域の人々が協力して、地域のために継続していく物である、というようなことを書いています。

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しかし、そんなことをいちいち言わなくても、すでに協力する文化が根付いていると思われます。

だから、後は、村人を「信じて、任せる」だけ。

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早速、雛を養鶏場へ放してやりました。

それらを群がるように見つめる子どもたちの姿がありました!

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この姿を一番望んでいました。

何分も、何時間も、ずっと子どもたちは可愛い雛たちを眺めていました。

寒そうにする雛を一生懸命温めてやる子どもたちの姿もありました。

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この姿だ・・・

命を感じている・・・

同じ生き物としての命と命がつながる瞬間です・・・

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作成した宣言書に、もう一つ書いたことがあります。

それは、

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「“子どもたち”がつながることのできる養鶏場にすること」

 

小さい頃の思い出が、雛を大切に抱きかかえる子どもたちの姿と重なるのは気のせいでしょうか。

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50鶏の命が地域を励ましてくれる。地域が変われば、子どもたちの目はさらに輝くはずだ!いつもクリック↓していただきありがとうございます!

 

また、畑に行くのが楽しみになりました。

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高校、大学時代の部活動合宿のしんどい経験は自分の人生で立ちはだかる色々な困難を乗り越える糧となっています。

修羅場だったと言っても言い過ぎではないと思います。

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まだまだ軍隊野球の流れがあり、水は飲めたものの、厳しい規律の中、激しん練習で精神、肉体共にとことん追い込んでいただいた記憶があります。

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合宿には色々な目的があるとは思います。

特に団体競技であれば、仲間と生活を共にし、一緒にいる時間が長い分、仲間との「関係性」を生かした、より高度な戦術を試合で使えるものにしたり、仲間の刺激(他律)によっていつも以上に自分を追い込むこと、があるのではないかと思います。

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「仲間と共にする」というところに大きな魅力があると思います。

 

今は一人の時間がほしい人が増えているのでしょうか。(想像ですが)

自分はそうでもないように思います。

たまに、狭いコミュニティーでしんどくないか?とか、生徒がいつもそばにいて一人の時間がほしくないか?という質問をされますが、全くそんなことはないのが本音です。

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むしろ、家に人が入ってきたり、料理を一緒に作ったり一緒に食べたりするのが好きです。慣れているといった方が良いかもしれません。

 

それは、高校時代の寮生活、大学時代の下宿などで“プライベート”の時間はほぼ皆無だったことも大きく関係しているかもしれません。

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前置きが長くなりましたが、ここ、マルーでは、毎日が『合宿』のような感覚があります。

目の前が学校で、生徒はいつでも私の家に遊びに来て、家の前でサッカーを毎日し、夜は隣の校長先生の家で子どもたちと時間を共にするのです。

 

絶対に日本ではあり得ない、「毎日が合宿」の環境を武器に、日本や世界から一歩リードしようと考えております。

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昨日の夜は、チームスーパースターの“首脳陣”による、戦略、戦術会議、並びに、対外試合に向けたメンバーの選出会議を行いました。

(たいそうな名前ですが、ただの雑談です。)

 

この集まりを持ちかけてきたのは、もちろん子どもたちでした。

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「今日の夜は、ミルクティーを飲みながら作戦会議だ。何人か校長先生の家に集まるから、ユウスケも参加してくれ。」

(校長先生の家は、事情があり、フォーム4のデイクリスが一人で住んでいる状態。)

 

もちろん参加します!

合宿ですから監督が顔を出さないと始まらない!

 

夜、家へ行ってみると、すでにチームを決め、あーやこーや話し合っていました。

3つのチームを均等の強さにするべきか、優れている順にメンバーを決めていくかなど・・・

もちろん私も、そのチームはないだろう、偏りすぎだろ、といった意見を言います。

 

トレーニング方法や戦術は、オーストラリアで買った本を参考に、みんなが使えるものを抽出しています。本が一冊あれば、子どもたちは自分で学びます。

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そして、話はどんどん進み、隣町との対外試合の計画も勝手に立て始めたのです。

おい・・・待て待て、それは私の仕事だ・・・私にやらせてくれ・・・本当はものすごく嬉しいのですが、大会企画は自分の趣味でもあるので申し訳ないですがリードさせていただきました。

まだまだ、君たちは任せられないぞ!(と言いながら子どもたちのアイデアはどんどん取り入れていきますが・・・)

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しかし、その話をしながら少し気になることが頭をよぎっていました。

 

それは、もともと対外試合を予定していた26日は、イースターホリデーと言って、クリスチャンにとって神聖な休日期間になるということ。頭に全くなかった・・・

 

トラックを手配することができるだろうか。

最悪歩きか。片道3時間を歩くか・・・とうこと。

 

隣町のコーチとの連絡が取れなくなっているのも気になります。(電波が入らなかったり、バッテリーが切れていたり。本当にいつかけてもつながらない。よくある。)

 

ソロモンの人にとって人を集めるなど、段取りすること自体がものすごい負担になることは理解できます。もしかして電話がつながらないのは故意か・・・

しかし、信じて、信じて、信じて、信じ切って、裏切られたらそれでいいです。

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こんな前向きな子どもたちを目の前にしていると、ものすごい責任を感じずにはいられません。

 

約束を果たすために必死になります。

今学期前半の最大のチャレンジだと思っています。

正直焦っています。

 

だから、今週、隣町の学校へ自力で行こうと思います。

もう一度直接会って、しっかり練り直すしかない。ソロモンの交渉の仕方はそれしかない。

最悪歩いて行くしかない・・・

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いずれにしても、そんな裏事情は子どもたちには関係のないこと。

「試合は近いぞ!しっかり戦術を練っとけよ!」

と、檄を飛ばすばかりです。

 

さあ、どうなる・・・

 

☆チームノートより

 

チームノートの内容は日に日に気持ちや思いが強く入り込み、かつ、論理的な文章になってきています。

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印象的なのが、多くの子どもたちの内容が、

「僕はプロのサッカー選手になれるとは思いませんが・・・・」

という、文から始まることです。

謙虚なのは良いことですが、これに対してどう返答したらよいものか迷います。

夢はあったとしても、ソロモンではその過程、ステップが見えないのが現実であり、子どもたちの目は大人に近づくにしたがって死んでいく・・・悔しくて仕方ありません。だから、せめて一回でも勝った喜びを学生時代に味わわせてやりたい。一回でも。

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☆野菜で生きる力を蓄える

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今日、キャベツの発芽した苗を、大きな畑へ植え替えました。

子どもたちには、「こんな暑い朝っぱらに植え替えるものじゃないんだよ!」と怒られながらも、みんな手伝ってくれました。一緒にやる・・・

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さあ、子どもたちが植えたキャベツを、また、お世話になって人々へ届けることができるだろうか・・・

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苗を植え、水をやり、成長を見ることで、生きる力を蓄えているマルーの子どもたちの姿があります。

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