2011年06月29日

極相林 渡海神社

 森林というものは、自然状態で長い長い年月を経て行くと究極の完成形・安定した姿に至るそうです。それを極相林といいます。日本全国にそうした森は数少なく、天然記念物に指定されていることが多いようです。
 
 ここ渡海(とかい)神社の境内も温暖性の樹木が作る極相林です。
 一度エントリーしてから、5年経ってしまいました。

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 まずは、境内の雰囲気は太平洋・黒潮に接した森を思わせます。

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 渡海神社境内のタブ、シイ、ツバキなど常緑広葉樹の極相林は県指定天然記念物で、似たような森は南房総の館山市州崎神社にあります。
 
 地球上の樹木は、陽樹と陰樹があるそうで、この森は高木層、低木層、草本層の3種がバランスよく混在しているという。
 よくよく見ると、なるほど・・・。

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 なお、時に掃除をするおじさんが居るくらいでいつも無人です。
 拝殿前に「渡海神社の極相林しおり」があり、30円です!

『 私たちの郷土銚子の渡海神社は今を去る約千参百年の昔・・略・・
 その証拠にはこの二千坪あまりの境内林は学術上希に見る貴重な文化財となる程尊い神の森として永い間犯されることなく大切にされて参りましたので去る三十四年春千葉県より特に指定の光栄に浴したものであります。
 極相林と申しますと一寸むずかしい名前でおわかりにくいようでございますが、県文化財専門委員の沼田真先生(千葉大学理学部教授)のお話を伺いますと、初め松林などから次第に発達して行き永い年月かかってその極(クライマックス)に達した姿になった林という意味です。後略 』

 全文は5倍程あり、『 ・・荒波育ちの銚子っ児がこういう変わった文化財を育ててきたことを、海辺で拾った貝殻と共にお忘れなく、いつの日かまたお越し下され折角御愛護を賜りますようお願いいたします。』で結んでいる。
 
 そえうた3首の一つ
 
 玉とみる 
 みさきが沖の 波間より 
 立出づる月の影のさやけき
    ***屏風ヶ浦を歌える  鴨 長明
 
 なおまた、タブノキの大木というのは風格があります。
 単独で立つ巨木も良いのですが、極相林としてのタブノキは魅力的です。

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 最後に、【ウィキペディア】の記事を拝借。
 *****
 極相(きょくそう、英語: climax)とは、生物群集の遷移の最終段階で見られる平衡状態のことをいう。

植物群集においては、遷移の過程にともない次第に複雑な植生が発達し、条件が良ければ森林が成立する。日本の森林では、一次遷移・二次遷移に関わらず最終的には暗い環境でも定着が可能な陰樹が徐々に優占するようになっていく。落葉樹林においてはミズナラ・ブナなどがこれにあたる。森林の樹木群集がほとんど陰樹で構成されるようになり、それ以降樹種の構成がさほど変化しない状態になったことを「極相に達した」といい、極相に達した森林を極相林という。また、主に極相林で生育する樹木種を極相種という。ただし、樹木の定着や成長は気候や土壌の状態などの環境にも影響されるため、必ず陰樹が優占するようになるわけではない。乾燥や低温などの条件が強ければ、草原が極相である場合もあり得る。気候帯によってどの様な植生が成立するかを説明する場合、その極相を以ていう。

同一の気候帯であれば、最終的には単一の極相に至る、という考えを単極相説、地形等の条件によって異なった植生が成立するのも極相と認める立場を多極相説という。極相に達した状態であっても、幹折れや倒木などで生じたギャップでは豊富な光量や地温などにより陽樹が侵入・定着することがある。したがって「動的な平衡状態」にあるという方がより適切であり、現在では森林のあり方を理解するために欠かせない視点のひとつとなっている。ギャップ形成やその影響も含めた森林動態のあり方をギャップダイナミクスという。

なお、原生林とは、極相に達した後にある程度以上の期間にわたって人の撹乱を受けていないものをさす。極相林の植物が出そろった後も、樹木は大きくなり、大径木でなければ生息不可能な動物も存在する。その他の点でも、ゆっくりとではあるが森林内の環境は変化するものと考えられる。また、原始林というのは、ほとんど有史以来、人の撹乱を受けていないような森林をさす言葉である。
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Posted by nakamura at 05:14│Comments(12)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
> 渡海神社は今を去る約千参百年の昔・・略・・
うう、略とは残念!
といいますのは、「補陀落渡海(ふだらくとかい)」となにか因縁があるのかなぁ 思ったからでした
「極相」「渡海」なんか通底するものを感じたのでした(笑い)
Posted by こんの at 2011年06月30日 06:26
こんにちわ

私も林は好きですがここはまた素晴らしいですね。
確かに極相林は素晴らしいですね。
Posted by hirugao at 2011年06月30日 10:40
nakamuraさま〜こんにちは〜♪

アートを想わせる景色に圧倒されてしまいました。
極相林・・・聞き慣れない言葉でしたが、
素晴らしい自然界の仕組みや不思議な営みに感動しました。
いつもお勉強になります〜♪
先日、青木ヶ原樹海の前を通りましたが、
その森林も極相林ですね? 親しみが湧いてきました。。。
Posted by 紗真紗 at 2011年06月30日 18:36
極相林の意味は理解しました。
ああ、でも…、イメージで言うと、先日「夢の島植物園」で見た熱帯のマングローブのイメージが近いように見えます。
森の本体はずっと上のほうへ移動してしまっていて、人間は下のほうをうろうろして、驚いている感じですね。
渡海神社、一度行ってみたいです。

ところで、今晩の「ディックの花通信」では、ブログ開設以来初めての場面に挑戦してみました。
Posted by ディック at 2011年06月30日 20:41
おはようございます。

極相林。いいですね。日本のような所では
森林と言いましても、人の手が入って自然
のなすままと言う風景が見がたいものと思
います。
また、里近くの山でなくとも、古来から杉
などの植林が入った地も多いでしょうから
貴重なんだろうなぁと思います。
良いものを見させていただきました。
Posted by 地理佐渡.... at 2011年07月01日 06:16
すっごく良い物を見せて頂きました。

なんか心が洗われました…
Posted by 渋谷優介 at 2011年07月01日 18:13
こんのさん、こんばんは。

>「極相」「渡海」なんか通底するものを感じたのでした(笑い)

深い話ですね〜、30円のしおりはなくしてしまいました。
今度また・・・(笑い)。
コメントありがとうございます。
Posted by nakamura at 2011年07月01日 22:34
hirugaoさん、こんばんは。

>確かに極相林は素晴らしいですね。

ははは・・・、人の手が入らないという条件はなかなかそろいませんね。ここはお気に入りなのですが、ベンチもありません。時に、遠方から観光客が来ているようです。
コメントありがとうございます。
Posted by nakamura at 2011年07月01日 22:38
紗真紗さん、こんばんは。

>先日、青木ヶ原樹海の前を通りましたが、
その森林も極相林ですね? 親しみが湧いてきました。。。

うらやましいドライブですね。
なお、青木ヶ原は原生林ですが、まだ若く、極相林には至っていないと思います。いろいろな樹種が多いですから・・・。
コメントありがとうございます。
Posted by nakamura at 2011年07月01日 22:46
ディックさん、こんばんは。

>初めての・・

ははは・・・、年齢が行ってからの博打、酒、○にはお気を付けください。お元気ですから・・・(笑い)。

なお、熱帯ジャングルも立体ですものね・・。
コメントありがとうございます。
Posted by nakamura at 2011年07月01日 22:49
渋谷優介さん、こんばんは。

うれしいコメントをありがとうございます。
励みにして、さらによい記事を・・・これがまた難しいです(笑い)。
Posted by nakamura at 2011年07月01日 22:51
かんりにんさん、こんばんは。

>貴重なんだろうなぁと思います。

こういう場所をたくさん残して行きたいですね。
コメントありがとうございます。
Posted by nakamura at 2011年07月01日 23:25