青狼記








楡周平の「青狼記」です。楡周平、初の歴史小説です。男性向けの作品という感じがしますが、どちらかというと女性向けな作品という感じです。歴史モノという概念を捨てれば、女性の方が楽しめそうです。逆に歴史ものが好きな人が期待して読むと、少しがっかりすると思います。

ストーリー的には、大陸が、湖朝・宋北・華感・奉金・楽天の5国に別れ、それぞれ小競り合いを繰り広げる中、1番の小国の楽天に、1番の大国の奉金より、講和盟約を結びたいとの話がくる。湖朝と宋国と華漢の3国が密かに盟約を結ぶ気配があるとの理由なのですが、奉金は、盟約の証として、奉金の宝と呼ばれ、諸国に名の轟いた軍師の「春申」を差し出すと言ってきた。楽天の王、伯夷帝は、講和盟約を結ぶ決意をする。そして、楽天側の人質としては、楽天の宝と謳われた軍師の「荘忠英」を差し出す事にした。伯夷帝は、「忠英」が、国民の尊敬を一身に集める存在になっている事を面白くないと感じていた。「この国に、民衆の尊敬を受ける者は、2人といらない。それは、帝である自分1人だ。」と思っていたので、この人質の交換は、喜ぶべき事だった。しかし、「忠英」の後を嗣いだ忠英の第一子の「趙浚」が、次第に民衆の尊敬を集める様になり、しかも、伯夷帝の第一子の「元コウ」よりも文武とも優れていたので、伯夷帝は、様々な手段を用いて、「趙浚」を陥れようとするというストーリーです。

この作品を面白いか面白くないかは、主人公の「趙浚」に、感情移入出来るか出来ないかで、別れる所だと思います。僕は、ダメでした。伯夷帝に、酷い仕打ちを受けても、ひたむきに、純真に接する態度が、僕には、バカに見えてきてしまった。とにかく、1度読んでみてください。感情移入出来れば、非常にいい作品だと思います。