クラッシュ






楡周平の「クラッシュ」です。これは、川瀬雅彦シリーズの第二弾です。僕的には、この作品が楡周平作品の中で1番好きかもです。

前作の「クーデター」で龍陽教のクーデターを阻止した後の話です。川瀬は、由紀という最愛の女性を失い、カメラマンを辞め、取材記者としてやっていく事になるんですね。そんな川瀬が最初に取り組んだテーマは「インターネットに潜む危険な罠」というモノだったんです。その事からまた大事件に係っていく感じです。

現在の航空機は、コンピューター化が進んでいる。極端に言うと、パイロットの仕事は、予めコンピューターにインプットされたデータベースの中から、出発する空港と目的の空港を、そしてルートを選択する。地上滑走を行い飛行機が地上を離れたところで脚を上げ、そして目的空港の滑走路に進入を開始したところで脚を降ろしてやる。その程度のことしかしないところまできている。全てをコンピューターが管理する環境にある。(それを可能にしたのは、FMSとIRSという装置です)そのフライトコントロールシステムに、そのシステムを作ったキャサリンが、(復讐の為に)システムを改竄してコントロール出来なくさせるウィルスを仕掛ける。その事がキャサリンの想像をはるかに超えた大事件に発展していくというストーリーです。そうした中で、再び川瀬達が活躍していく感じです。

 もう簡単に書きすぎだけど、600ページにも渡る大作で、川瀬の章とキャサリンの章とウィルスに犯された航空機のパイロットの章と航空機会社の章と代わる代わる進んでいって、僕を飽きさせなくてすごく興味深いものでした。航空機の事などもすごく詳細に説明されていて勉強にもなりました。かなりお薦めです。


 

またまた余談ですが、航空機のストーリーなので、それに関連した件を少しだけ書きます。僕は、飛行機が怖くて、もう20年以上乗ってないです。その原因といのは、1985年の「日航機墜落事故」です。あの8月12日は、僕も母の田舎に帰る為に別の飛行機に乗ってました。出発時間もあまり差がないくらいだったと思います。熊本に到着した位に大騒ぎになっていて、まだ小学生だった僕はその当時、恐怖を覚えた記憶があります。それから飛行機が駄目になりましたね。熊本からの帰りは、絶対に飛行機は嫌だと言ったのですが、父から、「飛行機が墜落してばかりだから、航空会社も十分気をつけてるから当分は大丈夫だよ」とか説得されて、帰りは飛行機で帰りましたが、その帰りの飛行機が僕が乗った最後の飛行機です。歴史の本とかを読んでいて、僕が常に思うのは、「死を前にして決してろたえてはいけない」と思ってます。病気などで余命を宣告されても、決して、うろたえないでいようと常に思ってますが(これは、吉田松陰や坂本龍馬の死生観を読んだりしてとか、歴史上の偉人は、最期は潔いのが好きだからです)墜落死だけは、何か嫌だな〜と思っていたら、何か飛行機に乗らないで済んできました。

さすがに、もう乗ってもいいと思ってますが、いつになるかは分かりません。少し前に、墜落した日航機のボイスレコーダーが公開されて、特集とかやっていましたが、この「クラッシュ」に、

「スコーク7700」、「日本語にて申し上げます」 

という同じセリフがあって、何か響くものがありました。ボイスレコーダーでは、機長の、「山にぶつかるぞ」とか「がんばれ〜」とか「どーんといこう」という言葉が残っていて、何か衝撃をうけました。