ラストワンマイル







楡周平の「ラストワンマイル」です。これもなかなか面白かったです。最後のクロージングの仕方が少し納得出来ませんでしたが、なかなかの作品に仕上がってます。楡周平の「再生巨流」に続く経済小説という感じです。経済小説と言っても、そこら辺のジャンルが苦手な人にも楽しめると思います。

ストーリー的には、業界最大手の1つの「暁星(ぎょうせい)運輸」は、最大顧客である、コンビニの2社を郵政によって奪われしまう。そして更に、ネットショッピング大手の「蚤の市」に、従量料金(売り上げの額)3%を課せられしまう。(約8億7千万)それにより暁星運輸は、危機的状況に陥ってしまうんですね。暁星運輸本社営業本部広域営業部の横沢は、この状況を打開する為に「ネットショッピングサイト」の立ち上げを企画する。下請けという感じの立場ではなくて、自分達が主役となってネットショッピングを運営していき、そこで取引される物の配送を独占すれば、損失を補うだけの利益が得られるのではないかと考える・・・・。

説明が下手すぎますが、こんな感じで話が進んでいきます。「蚤の市」の武沢社長は、さらなる野望の為に、「極東テレビ」の買収に打って出るのですが、このいざこざを利用して、横沢は「極東テレビ」と組んで、ネットショッピングサイト立ち上げを具現化していき、「蚤の市」に一泡吹かせようとします。日本人は、こういう弱者が強者に立ち向かって、勝利を収める的な話が好きなので、誰が読んでも楽しめるのではないでしょうか?しかも、内容が本当にあった、ヤマト運輸と郵政のコンビニを巡る戦いや、ライブドアや楽天のテレビ局買収の出来事を参考に書かれているので、更に身近な話に感じられるので、主婦の方でも楽しめます。

「下請けに過ぎないと思われていた物流業が、実は全ての産業の生命線を握っている。まさにラストワンマイルを握っている者こそが絶対的な力を発揮することを世に知らしめる絶好の機会を目の前にしてるんです」

これは、暁星運輸の横沢が「ネットショッピングサイト」の企画を部長に承認してもらう為に言った、キラートークです。楡周平は、この作品でここの部分を1番主張したかったのではないかと思います。楡周平は、「再生巨流」といい、今回の作品といい、物流業界に思い入れがあるみたいですね。ただどうせなら、ついでに事実上、契約を打ち切られたコンビニ業界にも言及して、大手コンビニをギャフンと言わすストーリーも書いてもらいたかったですね。

余談ですが、僕は、前の会社にいる時に、僕の担当しておりました、今回の作品では「弱者」である「暁星運輸」にあたる会社の関連会社に契約を打ち切られて、かなり悔しい思いをしたので、あまり感情移入が出来ませんでした。(;´д`)  ついでに言えば、この会社をギャフンと言わす小説を書いてみようかと思っているくらいです。(-。-)y-~まぁ、とにかく読んでみてください。