骨の記憶







楡周平の「骨の記憶」です。たった今、読み終わった所なので、いまいち感想を上手く纏められないのですが、なかなか面白かったです。しかし、帯には、

「著書の最高傑作誕生」

とありますが、最高傑作ではないですね。楡周平作品では、真ん中のちょい下位の位置にあると僕は思います。帯では、

没落した東北の旧家の娘のもとに届いた宅配便は51年前に失踪した父の頭蓋骨だった。差出人は、中学卒業後、集団就職で町を出てその翌年に火事に遭って死んだはずの同級生。いったい誰が何のために。隠されていた過去が、昭和の記憶とともに今、明らかになる。人生の光と影を余すところなく描いた力作長編。

という説明です。僕が帯を書くなら、

失踪した父の頭蓋骨が51年を経た今、娘の「清枝」の元に届く。差出人は、47年も前に死んだはずの同級生だった。そこに書かれていた手紙には、父の失踪には、「清枝」の夫が係っていたと記されていた

と感じで書きますね。まぁ、僕のもたいした事ないのは承知してますが、書いてみたかったです(笑) 内容的には、長年連れ添った【清枝】の夫の「弘明」が、末期癌で余命が2ヶ月で、夫の看病に明け暮れる場面から始まります。そこに、先出の「頭蓋骨」が宅配便で届きます。そこには、清枝の父の頭蓋骨と共に手紙が入っているんですね。差出人は、先程言った様に、中学を卒業して集団就職で東京に働きに出て、その翌年の16歳の時に火事で亡くなったはずの同級生。内容的には、清枝の父が失踪した経緯が書かれていたんですね。この場面では、僕等読者には失踪した理由が分からないのですが、『章』が変って、場面が51年前に遡ります。そして、失踪の理由がだんだん明らかになっていって、どうして今頃、頭蓋骨を送ってきたかの経緯が描かれていきます。この「経緯」がなかなか面白いんですね。この経緯だけで、イッキに宅配便が送られてきた時代にまで行ってしまいます。(つまり、この本の構成の大半は、この「経緯」の説明です)時代がいったりきたりはしないので、分かり易いといえば分かり易い。その「経緯」は、面白いけど、後半は人間の心理をあまり上手く描けてない気がしますね。(主人公の後半の態度と清枝の夫にたいする感情が)僕的には、別の方向性に持っていって欲しかったです。この本の後半からは、色々なパターンに持っていけると思います。(ネタバレしないように、例を出すと、主人公が騙されて、破産するとか)後半が少し感情移入出来なかったです。

しかし、読み始めたら止まらなくなったので、面白い作品だとは思います。それにしても楡周平は、運送関係の事を書くのが好きだなと思いました。( ´∀`)つ