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山田宗樹の『乱心タウン』です。コメディの入った作品です。要所要所で笑いのセンスを感じたのですが、読んでいて少し飽きてしまいました。数の多い登場人物を上手く生かせきれなかった感じします。それでもそれなりに面白かったのですが、山田宗樹のそれまでの作品の「天使の代理人」や「聖者は海に還る」と比べちゃうとだいぶ劣ります。(ジャンルが違うからという訳ではないです)

物語的には、アメリカのゲーテット・コミュニティのような街の「マナトキオ」が舞台の物語。かつて大学のキャンパスのあった、約五十万平米、東京ドーム十一個分の広大の敷地の中にあるコミュニティで、勿論、大金持ちしか住む事が出来ないのですが、そこに住む住民がクセモノ揃い。

岩崎直次郎・・・バブル崩壊をうまく逃げ切る事が出来た不動産会社経営の大金持ち。マナトキオ管理組合の初代議長。

岩崎幸江・・・直次郎の30歳年下の妻。直次郎がくたばるのを待っている。

倉内岳彦・・・ベンチャー企業立ち上げ、上場させるまでにいたった社長。

倉内理伊那・・・岳彦の妻。元レースクィーン。

野原あゆみ・・・化粧品通販会社社長。最強のワンマン社長。

小野照夫・・・サッカーくじで5億2千万を当てた成金。エリートにコンプレックスを持っている。

小野和子・・・照夫の妻。夫に対して愛はなく金を踏んだくって別れたいと思っている。

西川政典・・・東大卒で、一流企業に働くエリート。

西川晴恵・・・政典の妻。現状に不満を持っている。

徳田一哉・・・一族で会社を経営。マナトキオでの家も親に買ってもらった。

徳田沙耶・・・極度の心配性。
 
砂原将・・・芸術家。謎の人物。

ざっとこんな感じのラインナップの住民に、このマナトキオの警備員、こちらに出入りしている清掃等を受け持っている「サカエ消毒」の社員が織りなす物語です。こんな大人数を動かすには、よっぽど大きな命題に向かわせるか(例えば、福井晴敏の「亡国のイージス」みたいな感じで)、それぞれの家族にゆっくりじっくりスポットを当てるかしないと(例えば、浅田次郎の「プリズンホテル」のように)難しいと思います。結構、薄っぺらな感じになってしまった。最後の締めもあまり良くなかった。このラインナップを見ると、もう少し面白く出来たのにと思ってしまいました。( -д-)ノ