蕎麦とラーメン食べ歩き と読書のブログ

蕎麦とラーメンの食べ歩きと読書のブログです。蕎麦は、結構詳しいので、蕎麦の評価は信用出来ると思います。ラーメンは、素人です。読書傾向は偏りがちです。

 お薦めの本を紹介してください!  コメント欄ではちょっと・・・。という方は、メールください。生意気言ってすみませんが、「恋愛もの」以外でお願いします。     

黒川博行(読書関係)

泥濘(黒川博行)4

泥濘
黒川博行の『泥濘(ぬかるみ)』です。待望の【疫病神シリーズ】の第7弾です。シリーズものとしましては、僕が一番好きなシリーズです。今回の作品は、前作よりも面白かったですね。思わず笑ってしまう場面が満載でした。このシリーズだけで僕的に順位を付けますと、

1位 国境
2位 暗礁
3位破門
4位 疫病神
5位 螻蛄
6位 泥濘
7位 喧嘩


といった感じです。順位は付けましたがどれも面白いです。この作品の帯は、

待たんかい。
わしが躾をするのは、極道と半グレと、
性根の腐った堅気だけやぞ。

老人ホームにオレオレ詐欺。老人を食い物にする警察官OBグループのシノギを、二蝶会へ復帰が叶った桑原と二宮の疫病神コンビはマトニにかける。しかし、二宮は拉致され桑原は銃撃を受け心配停止に。予測不能なドンデン返しにつぐドンデン返し。絶体絶命の二人を待つ運命は?

こんな感じです。今回の帯は65点という感じですね。僕の勝手な妄想ですと、黒川博行は先ずはテーマから入ったんだと思います。

ニュース1
ニュース2














こんな感じのニュースを見て、この腐敗した警察官OBの事件を扱った作品を描いてみたいと・・・。(あくまで僕の妄想です) そしてテーマが決まると、次は主人公はどうしようか考えた訳です。【勁草(けいそう)】の様に、新しいコンビを登場させようか、それとも、既存のコンビを登場させようか(あくまでも僕の妄想です)テーマからすると、堀内と伊達のコンビがピッタリだなぁなんて考えたりもしたんでしょうけど、

やっぱり、人気のあのコンビでいくか!

なんて事で、疫病神シリーズの連載に、このテーマを当ててきたと妄想しました。今回は、桑原が二宮の事務所にやって来まして、新聞の切り抜きを見せるんですね。

≪歯科診療報酬、不正受給疑い、警察OB、経営関与か
≪大阪府警OBや歯科医院理事長ら11人に逮捕状 診療報酬不正受給容疑
≪大阪の診療報酬詐欺 歯科医院理事長、府警OBに解決金名目で5000万円
≪診療報酬詐取容疑 歯科医院理事長に複数警官紹介か 逮捕の元警部補ら

この事件で不起訴となった「飯沢」という男から桑原に情報提供があったんですね。新聞では、この不正受給額は一千万円となっているが、実は不正受給額は二億円で、不起訴になった、警察OBで作るNPO法人の「警滋会」の代表やメンバーの司法書士やなどが、その金を手に入れたと・・・・。つまり、その金を掻っ攫おうという話だったんです。飯沢は、この事件のバックにいる暴力団や「警滋会」を相手にするヤバすぎるシノギは、数多いる極道の知り合いの中でも、二蝶会の桑原しかいないと判断して、桑原に持ち込んだんですね。桑原は先ず、この事件に絡んでいる「白姚会」の若頭の木崎に話を聞こうとするのですが、その伝手がない。そこで「白姚会」をサバキに使っている二宮に、この木崎を紹介してもらう目的で二宮を訪ねるんです。そして、話を聞きに行った「白姚会」でいきなり乱闘となりまして、二宮だけ捕まり監禁される事となりまして・・・・。

もう最初のスタート辺りでこんな状況となりまして、そこからラストまで一気に駆け抜ける内容となっております。桑原が的にかけるのは、警察官OBです。桑原と二宮のコンビに感情移入してしまっているので「黒川博行もハードル高い所を持ってきたなぁ」なんて思いながら読み始めた訳ですが、相手は腐っても警察OBな訳です。それも警察OBで組織されたNPO法人の「警滋会」と、そのバックには桑原と同じ神戸川坂会系の「白姚会」までいるんです。そこを相手に桑原と二宮が挑むんですから、当たり前の様に命のやり取りとなる訳です。アツい場面が繰り返し襲ってきまして満足感ありました。( ´∀`)つ


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果鋭(黒川博行)4

果鋭
黒川博行の『果鋭』です。「悪果」、「繚乱」に次ぐ、堀内と伊達のコンビモノの第三弾です。前作の「繚乱」を超える面白さでした。堀内と伊達の軽快な面白トークがパワーアップしてますし、この二人のワルぶりや緊迫場面もパワーアップしまして、本物のワルになりましたね。現実の世界ならそろそろ殺される頃という感じのワルぶりでした。帯も良いですね。この帯のおかげで、この作品から読んでも楽しめる様になっております。

右も左も腐れか狸や。
元刑事の名コンビがマトにかけたのはパチンコ業界。
出玉の遠隔操作、極道顔負けの集金力、警察との癒着……。
我欲にまみれた20兆円産業の闇を突く。


堀内信也、40歳。元々は大阪府警の刑事だが、恐喝が監察にばれて依願退職。不動産業界に拾われるも、暴力団と揉めて腹と尻を刺され、生死の境をさまよった。左下肢の障害が残り、歩行に杖が欠かせなくなる。シノギはなくなり、女にも逃げられる……。救ったのは府警時代の相棒、伊達誠一。伊達は脅迫を受けたパチンコホールのオーナーを助けるため、堀内に協力を求めてきた。パチンコ業界――。そこには暴力団、警察も入り乱れ、私腹を肥やそうとする輩がうごめいていた。堀内は己の再生も賭け、伊達とともに危険に身をさらしながら切り込んでいく。
ワルでタフなふたりが
クズどもを蹴散らす痛快悪漢小説!


という感じです。脚が不自由になって不遇を囲っている堀内の元に警察官時代からの相棒の伊達がやってくるんですね。
「生野のおっさんの知り合いに堺のパチンコ屋がおる。七十すぎの爺や。その爺が半グレに脅迫されてる。なんとかしてやれ、とおっさんに頼まれた」
「な、堀やん。一枚、噛んでみいへんか。こいつは金になりそうな気がするんや」


なんて感じで堀内・伊達コンビがまたまた動き出します。このパチンコ屋のオーナーは新井という爺さんで、この新井を脅したのは大山という男なのですが、(帯にもありました様に)「大山」がクズなら、「新井」も狸オヤジなんですね。この「大山」と「新井」を起点として、パチンコ業界に潜む沢山の「クズ」や「狸」が登場してきまして、堀内・伊達のコンビと対決する事になるんですね。この対決が凄く深みがある内容で、毎回毎回緊迫感が凄くあって楽しめました。

次郎的「黒川博行作品」ランキングにもランクインしました。( ´∀`)つ


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次郎的黒川博行作品ランキング

 
 1位「国境」
 2位「悪果」
 3位「麻雀放蕩記」
 4位「文福茶釜」
 5位「暗礁」
 6位「破門」
 7位「果鋭」
 8位「疫病神」
 9位「落英」
 10位「繚乱」
 11位「てとろどきしん」
 12位「左手首」
1薫漫幄渇屐
 
 

 僕的には、こんな感じです。1位の「国境」は、2位に大差をつけての断トツの1位ですね。笑いあり、緊張感あり、感動ありで、何回読んでも楽しめます。この「国境」を越える作品が出るのを信じて、毎回、黒川作品を購入しているのですが、まだ出てこないですね。2位〜5位は、どれも大差ない。そして、「繚乱」がランクインしました。「繚乱」も面白かったです。

※ 「落英」が7位にランクインしました。ストーリーを楽しむというより、文章が読むのが楽しいという感じでした。このコンビが1回きりというのはもったないですね。何かこじつけてコラボして欲しいです。

※ 「破門」がランクインしました。【疫病神シリーズ】の桑原と二宮のコンビには、既に感情移入してしまっているので、もう必ずと言っていい程ランクインしてきます。(●´ω`●) 今回の二宮は、修羅場を経験してきたおかげか、逞しくなってますね。

※2017年4月9日 「果鋭」が7位にランクインしました。緊迫感ある場面が沢山あったのと、笑いも前作よりも増えて何も言う事ないです。

喧嘩〜すてごろ〜(黒川博行)3

すてごろ
黒川博行の『喧嘩(すてごろ)』です。【厄病神シリーズ】の第6弾です。シリーズの中では、一番地味なのですが、前作の【破門】から桑原のその後の進退が気になりまくっていたので楽しめました。今回は大した波がないのですが、相変わらず、桑原と二宮のコンビが面白くて電車の中でニヤニヤしてしまいました。(マスクしてて良かった)勿論、おススメ出来ます。( ´∀`)つ

二宮は、議員秘書をしている高校時代の同級生の【長原】から相談を受けたんですね。北茨木市選挙区で大阪府議会議員の補欠選挙があり、票の取り纏めをヤクザ(麒林会)に依頼し、僅差でその同級生の【長原】が推した人物が勝利したのですが、その票の取り纏めの報酬額でヤクザと揉めたんですね。報酬は200万円を予定していたのですが、そのヤクザ(麒林会)は、1,000万円寄越せと言ってきたんです。やがてそのトラブルが元で、議員秘書をしている【長原】の議員事務所に火炎瓶が投げ込まれたんです。困った長原は、

「これも仕事やと思て、麒林会と話をしてくれへんか。もちろん、二宮にはコンサルタント料を払う」

という事で、ここ最近は大した仕事もなくジリ貧の二宮は、この依頼を受けるんですね。しかし、この「麒林会」は、神戸川坂会の直系で、組員が百人あまりいる【鳴友会】の枝だという事が分かり、二宮の知り合いのヤクザに悉く断られてしまうんです。困った二宮は、背に腹は替えられないという事で、破門されて堅気となってしまった桑原に連絡するんですね。これを聞いた桑原は、さすが桑原ですね。現役のヤクザが回避するこの仕事を受けるんです。ここから、二宮と桑原のコンビが復活しまして、この危ない仕事に挑むんです。先程は大した波がないと書きましたが、シリーズの中で考えた場合でありまして、普通の世界で言えば、ここから波乱の連続です。無事このミッションをこなし、あわよくば桑原は復帰を果たす事が出来るのでしょうか⁉っていう感じの作品です。

シリーズの中ではランキングは低いと言っても、読み始めたら面白くてイッキに読んでしまいました。(僕は山手線を1周半してしまいました)


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勁草(けいそう) 黒川博行3

勁草














黒川博行の『勁草(けいそう)』です。オレオレ詐欺を題材にした作品でなかなか面白かったです。黒川博行は、オレオレ詐欺に余程思い入れがあるのか、今回はかなり気合いが入った作品に感じましたね。でも僕的には<黒川らしさ>が無い様に感じてしまいまして、次郎的黒川博行作品ランキングにはランクインしなかったです。僕が勝手に思う<黒川らしさ>とは作品中の随所に織り込まれる【自然な笑い】の事なのですが、今回はそういったものがない、事件だけに焦点を当てた様な本気の直球勝負な作品でした。(後半の沖縄の場面は黒川が沖縄に行きたかったからだと思いますが)変化球も織り交ぜたピッチングをしてくれないと、僕から三振を取るのは厳しいですわ。(* ̄∇ ̄*)

この作品は、大阪府警特殊詐欺合同特別捜査班の【佐竹】【湯川】のコンビが主人公です。この合同捜査班は、刑事部捜査二課と生活安全課、捜査四課の混成部隊で、佐竹は四課、湯川は生安から配属された異色コンビなんですね。湯川は童顔で人懐こい性格で、佐竹は四課出身らしく、無口で強面タイプ。このコンビが、オレオレ詐欺グループ立ち向かっていきまして、いい働きをするのですが、コンビの設定的には良かったのですが、黒川作品のコンビの中ではかなり影が薄かったです。

物語は、詐欺グループがターゲットに接触する寸前の緊迫した場面から始まります。実は、このターゲットは、オレオレ詐欺だと気が付き、警察に連絡して詐欺グループをおびき出す捜査に協力してるんですね。詐欺グループの【受け子】(ターゲットから金を受け取る役)を手配している【橋岡】がターゲットをあちこち誘導してお金の奪取を試みるのですが、警察の気配を感じて諦めるんですね。
 空振りに終わった警察は、ターゲット周辺を撮影した画像を解析して、以前の事件の際に撮影した画像と共通人物がいないか確認するという地道な作業から開始して、徐々に詐欺グループに迫っていきます。佐竹と湯川のコンビは、

 橋岡の所属する詐欺グループを壊滅させる事が出来るか 
 
という感じの物語です。詐欺グループとそれを追う警察といった展開だけではなく、詐欺グループの実態にも深い所まで斬り込んで描かれていて楽しめました。

続きで、印象の残った所を( ´∀`)つ



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後妻業(黒川博行)3

後妻業















黒川博行の『後妻業』です。ランキングを弄る程ではなかったのですが、面白かったです。【後妻業】とは、資産を持っている独り身の老人を狙って後妻に入り、その資産をふんだくる稼業の事です。今回の作品の主人公は、この【後妻業】を生業とする【武内小夜子】69歳です。結婚相談所の「ブライダル微祥」の所長の【柏木亨】と組んで荒稼ぎしているんですね。ブライダル微祥に登録した資産家の老人を柏木が武内小夜子に紹介して、小夜子がその老人をたらし込んで後妻に入るんですね。そして、言葉巧みに公正証書遺言を書かせて、資産をふんだくるんですね。
 
今回、小夜子は【中瀬耕造】91歳に取り入ります。耕造には不整脈があり、血液の抗凝固薬の「ワーファリン」を飲んでいたのですが、それを小夜子は胃薬と取り替えていたんですね。そして、2か月後に耕造は脳梗塞で倒れて、程なくして耕造は亡くなるのですが、耕造には2人の娘がいて、小夜子と遺産の話になり、小夜子は遺言状(殆どの資産が小夜子のモノになる)を2人の娘に叩きつけます。怒った娘達は、奪われた遺産を取り返えそうと、弁護士に相談します。そして、小夜子&柏木と中瀬の娘達の戦いに、南栄総合興信所の調査員の本多を交えての金の奪い合いに発展していきます。ラスト付近は、調査員の本多に感情移入していったのですが(読んで頂ければ分かるのですが)なんだか空しさが広がるラストでした。

参考文献を見ると、久留米の看護師連続保険金殺人事件と木嶋佳苗の婚活殺人事件を参考にしてまして、実際に有り得そうな内容で面白かったです。

続きで印象に残った所を( ´∀`)つ

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破門 (黒川博行)4

破門









黒川博行の『破門』です。待ちに待った【厄病神シリーズ】の第5弾です。単純明快で面白かったですね〜。今回の「破門」は、年に100本はDVDを見るという二宮の元に、桑原が「映画を撮るから力を貸せ」と現れるんですね。二蝶会の組長の古くからの知り合いの映画プロデューサーが製作する映画に、二蝶会の若頭の嶋田が3,000万もの出資をする事になり、桑原は、嶋田から映画がコケない様に製作に噛んで売れる映画にしろとの指令を受けるんです。その映画の内容は、韓国と日本が舞台となって、北朝鮮から潜入したスパイを韓国のKCIAと日本の公安が組んで暴れまわるというストーリーで、北朝鮮に二度も行って派手に暴れまわった経験のある桑原と二宮に白羽の矢が立ち、シナリオチェックやらアドバイスやらを任されます。
 そして、脚本も出来て、製作委員会も発足して出資者も出揃い契約書も交わして、いよいよという所で、その映画プロデューサーが金を持ち逃げしたんですね。嶋田からその映画プロデューサーの【小清水】を捜せとの指令を受けた桑原は、二宮と共に【小清水】を行方を追うのですが、そこには、本家筋の組の妨害が待ち受けているんですね。桑原と二宮は、【小清水】と捕まえて、無事に騙し取られた金を取り返せるか!!!という感じの内容です。

この映画プロデューサーの【小清水】がかなり味のある狸オヤジで、あの桑原さえも翻弄させる老獪さは、この作品にかなりの深みをもたらしてました。そして、桑原と本家筋のヤクザとの争いもかなり楽しめましたね〜。勿論、この桑原と二宮コンビの掛け合いの笑いも健在で、ヤクザとの争いでの緊張感もあり、小清水を追ってのマカオでの博打の話もあり(黒川博行自身が楽しむ為に、取材と称してマカオに遊びに行って作品に組み込んだと予想してます〜)面白かったです。

次郎的黒川博行作品ランキングにランクインしました。( ´∀`)つ




離れ折紙 (黒川博行)3

離れ折紙









黒川博行の『離れ折紙』です。骨董の世界の騙し合いを描いた作品で、なかなか面白かったです。次郎的黒川博行作品ランキングの4位に入っている「文福茶釜」の様な作品ですね。スケール的には「文福茶釜」より小さいのですが、それでも楽しめました。この作品は、

・唐獅子硝子
・離れ折紙
・雨後の筍
・不二万丈
・老松ぼっくり
・紫金末


の6編からなる短編集なんですが、どれも癒し系で、僕みたな性格の男にとっては、とっても癒されますね〜。

【唐獅子硝子】
 ・ 洛鷹美術館で非常勤のキュレーターをしている澤井が主人公。遺品整理に伺った先で、アールヌーヴォー期のパート・ド・ヴェールのレリーフを貰った澤井は、一儲けを企むのですが・・・。癒し系な結末です。(*´Д`*)

【離れ折紙】
 ・持ち寄った骨董品を鑑賞しながら食事をする【木二会】の会員の伊地知は、会の終了後に、同じ会員のパチンコ店オーナーの徳山に声をかけられ、備前杉孝相をカタに金を貸して欲しいと頼まれるのですが、刀の収集が趣味の伊地知は、その話に乗って、1400万を貸すのですが・・・・・。癒されますね〜。

【雨後の筍】
 ・先出の澤井の元に、古美術商の坪内が、上方浮世絵の版木を持ち込んで来て、怪しい話を持掛けるのですが・・・・。【唐獅子硝子】に登場していて憎めないキャラなので、感情移入してしまい、澤井を応援したくなるのですが、やっぱり癒し系キャラなんですね〜。

【不二万丈】
 ・画商の矢口は、売った作品が贋作だという事がバレて、代金の返却を求められる。そんな時に美味しい話が舞い込んできたのですが・・・・・。器の大きさを認識しろというメッセージが隠された作品ですね〜。( ´∀`)つ

【老松ぼっくり】
 ・僕的には、この作品が一番良かったですね。詐欺の中でも上級なやり口にワクワクさせられました。

【紫金末】
 ・またまた澤井の物語。澤井の同級生が現れて、知り合いの画商から絵を購入してあげてくれてと頼まれるのですが・・・・。澤井自身に被害はないのですが、そういう事か!と感心してしまいました。

これが文庫本なら、おススメ度は、★4つですね〜。(・∀・)つ



落英 (黒川博行)4

落英









黒川博行の『落英』です。前回の「繚乱」と同じコンビモノの警察小説です。前回の「繚乱」に星を四つ付けたのですが、今回の『落英』は同じ星四つでも「繚乱」より更に面白かったです。大阪府警察本部刑事部薬物対策課の【桐尾武司】【上坂勤】のコンビが活躍するのですが、【疫病神シリーズ】の桑原と二宮のコンビに匹敵する位、良いコンビでしたね。前回の「繚乱」の所で、「悪果」と「繚乱」の堀内と伊達のコンビになくて、【疫病神シリーズ】の桑原と二宮にあるものは【笑い】だと言いましたが、今回はその【笑い】が満載なんですね。電車の中で気を抜いて読んでいたら、思わず声を出して笑ってしまった事もある程のレベルの高い【笑い】が満載なんですね。それに、特命による和歌山県警との専従捜査で一緒になった【満井】を加えての3人のトリオも最高に面白かったですね。この作品の帯はなかなかでした。

 大阪府警薬物対策課の桐尾と上坂は覚醒剤密売捜査の最中、容疑者宅で想定外のブツを発見した。発射痕のある中国製のトカレフ―迷宮入りしてる16年前の和歌山・南紀銀行副頭取射殺事件で使用された拳銃だった。ふたりは拳銃を調べる専従捜査を命じられ、射殺事件を担当していた和歌山県警の満井と手を組む。しかし、満井は悪徳刑事だった。桐尾と上坂は、事件当時に犯人と目されていた暴力団幹部に、発見した拳銃と同じものを売りつけるよう、満井に持ち掛けられる。

 一兵卒のまま、警察人生おわるんか。

この作品は、未解決となった「阪和銀行副頭取射殺事件」がモデルになっています。その事件を元に、先出のトリオの面白さと、展開の面白さが抜群のタッグを組んで襲ってきます。後半は、適度な緊張感もあって更に楽しめました。上坂のキャラが特に良くて、これで終わらせるのは、かなりもったいないです。ぜひ、また登場させてほしいです。

この作品は、かなりお薦めです。( ´∀`)つ

続きで、笑ってしまった場面の一部紹介します。





 

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繚乱(黒川博行)4

繚乱

黒川博行の『繚乱』です。待ちに待った黒川作品です。それも今回の作品は、次郎的黒川博行作品ランキング2位の【悪果】の続編です。(ランキング編集しました)あの【堀内】と【伊達】のコンビが大活躍します。さすがに「疫病神」のあのコンビには敵わないですが、息の合ったコンビで、ほんと最後まで息つく暇ない程、突っ走っていくストーリー展開で、凄く面白かったです。

あれから堀内は、東京の芝浦に移り住みまして、女に六本木でラウンジをやらせたのですが、毎月赤字の垂れ流しで破産寸前という状態の所に、競売屋の委託調査員となった伊達が現れます。伊達の東京での競売物件の調査に手を貸す事になった堀内は、勢いで伊達と共に大阪に舞い戻り、伊達と同じ競売屋の委託調査員となります。そして、伊達と堀内は、西中島の商業地区にある敷地900坪のパチンコ屋の競売物件の調査を命じられます。調査内容は、そのパチンコ屋「ニューパルテノン」の権利関係。調査を開始してみると、その物件には、ヤクザやら経済界の大物やら警察OBまでが絡んでいまして、かなり大きな渦に巻き込まれていきます。

この「ニューパルテノン」の調査を開始してからの展開は、先程も述べましたが、ほんと息つく暇ないですね。スピード感があって、かなり複雑な展開なのですが、そんな難しい訳ではなく、一定の緊張感を保ったままラストまで行ってしまいます。前作の「悪果」で、黒川博行は、「腐敗した警察制度を暴く」みたいな事を言ってましたが、今回もそんな黒川博行の思いが垣間見れました。( ´∀`)つ

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よめはんの人類学〈黒川博行〉3

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黒川博行の『よめはんの人類学』です。新聞や雑誌などに掲載されたエッセイやコラムを纏めたものです。まあ、前回も書きましたが、黒川博行のエッセイは鉄板ですね。これは、エッセイでも笑いのレベル高いので楽しめます。1つだけ抜粋して紹介すると、「家内産廃」での所で、

 「これからはもう本を買いなさんな」よめはんがいう。
 「読むのは送ってもらう本と雑誌だけ。小説の資料は図書館で借りる。そういうふうにしなさい」
 「作家というものはな、資料と取材に金をかけてこそ、ええ作品が書けるんや」
 「お酒を飲むのもギャンブルで負けるのも取材かいな」
 「そう。立派な取材や」
 「ほな、こないだの短編で風俗嬢をかいたんは」
 「あんなもんは取材やない、想像や」
 「想像のわりには、微に入り細に入りやったね」
 藪をつついて蛇をだした。
 

こういう掛け合いは凄く面白いです。余談ですが、僕もよめはんに、「本は図書館で借りろ!」、「髪は1000円カットへ行け」と常に迫られています。  ( -д-)ノ

大阪ばかぼんど 〜ハードボイルド作家のぐうたら日記〜〈黒川博行〉3

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黒川博行の「大阪ばかぼんど〜ハードボイルド作家のぐうたら日記〜」です。この作品は、夕刊フジに連載されたものを抜粋・加筆修正したものです。なかなか面白かったです。僕は黒川博行のファンなので、この様なプライベートな部分が分かる「エッセイ集」は、大好きです。しかも、黒川博行は、「疫病神シリーズ」等を読んで分かるように、人を笑わせるセンスに長けています。こんな人が書く「エッセイ集」が面白くないはずはありません。この作品は、

 機ゥャンブルに毒される
 供ザ穏覆殆砲
 掘ゥ轡腑奪團鵐阿罵う
 検ハ靴い帽海
 后ゾ動物を愛でる
 此グ車に惑う
 

の6章に分かれています。どれも面白いです。僕的には、「ギャンブルに毒される」が1番面白かった。黒川博行の「麻雀放蕩記」も凄く面白かったけど、この章もそんな感じです。麻雀、株等での負けた話が多い、「癒し系」な話なのですが、電車の中で読んでいて、思わず、声を出して笑ってしまった場面がありました。しかし、黒川博行は自分の麻雀の腕を、読者サービスで、過小評価しすぎている気がする。他の作家のエッセイやらを読むとかなり強いみたいだし。まぁ、株に関しては、ホントに素人のような気もしますが。とにかく、笑えます。

その他は、やはり黒川博行の「奥さん」の事ですね。どの章でも「奥さん」が出てきますが、面白すぎますね。すごく仲が良いそうですが、これを読むと、黒川博行の存は、「奥さん」ありきだなぁ〜。と思いました。

本を読んでばかりの方には、この様な作品を間に挟んで読むと、良いリズムで読む事が出来ると思います。


螻蛄<けら>〈黒川博行〉4

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黒川博行の「螻蛄」です。僕的には、待望の「疫病神」シリーズです。やっぱり、この「疫病神」シリーズは、面白かったです。「国境」に比べるとスケールも小さく、展開も結構読めてしまうのですが、それでも、大満足でした。(「蜘蛛の糸」、「煙霞」と少し期待を裏切られた気がしましたので、少し、ビビッて買ったのですが・・・。)

今回は、複雑な仏教関係の世界を題材にした物語です。その世界は、僕は全然詳しくないので分かりませんが、最後のページの「参考文献」を見ると、ある程度か、かなりの部分かは分かりませんが、実際の世界を元に書かれていると予想出来ます。

発行元の新潮社のホームページの紹介では、

二転三転四転五転するストーリーの快感! 金は、一番悪い奴と仲良しや――。

イケイケヤクザの桑原と、自称「建設コンサルタント」の二宮――「疫病神」コンビ、待望の最新作! 桑原のもとに転がり込んだ某宗教団体の宗宝をめぐり、生臭坊主や強欲な石材屋、したたかな画商らが壮絶な争奪戦を繰り広げる……最後に笑うのは一番の悪党か、羊の皮をかぶった狸・二宮か。ノワール・エンタテインメントの傑作登場。
 

という感じです。今回は、桑原が金の匂いを嗅ぎつけて、狙いをつけた寺が、二宮家が檀家となっている事から、桑原が再び、二宮に接近します。そして、二宮を使って、「宗宝の絵巻物」を手にいれようと企てるのですが、相手も海千山千の坊主なので、桑原といえども、一筋縄ではいかない。美術商や石材屋やら様々な人間が入り乱れての「宗宝の絵巻物」の争奪戦となります。もう、展開が読めているのに、ハラハラドキドキさせられます。

ぜひ、読んでみてください!

煙霞〈黒川博行〉3

煙霞






黒川博行の「煙霞」です。これは、なかなか面白かったです。ただ、黒川博行著となると、もっと面白く出来たでしょ?と思ってしまいます。今までの黒川作品の名作と比べると(疫病神シリーズや警察シリーズ)少し見劣りしてしまいます。この作品の主人公も美術の常勤講師。ストーリー展開も内容も目新しものはない。今までの作品を何作かミックスさせた感じで、新しく、沢山の資料を紐解き、入念な取材をもとにして出来上がった作品ではないです。せめて、もっと笑いのあるものか、びっくりするようなラストは欲しかったです。

晴峰女子高等学校の美術の常勤講師の熊谷と音楽教諭の正木菜穂子は、体育科常勤講師の小山田に誘われ、晴峰学園を私物化する理事長の酒井を糾弾する仲間になってくれと頼まれる。熊谷は、このままだと、今の地位を追われ、左遷されてしまう立場で、正教員になれるという約束まで反故されそうであり、正木菜穂子も左遷されそうな立場の為、2人は、しぶしぶ小山田の誘いに乗る。そして、3人で、理事長の酒井を、不正の証拠があると言って、酒井の愛人と共に誘いだす事に成功する。そして、熊谷は、「来年度より正教員にする」という書き付けを、正木菜穂子は、「本人の了承なしに異動させない」との書き付けを貰う事に成功する。それをもらって、2人は、その場を去ったが、実は、小山田は、理事長から金をせしめる計画を、学校法人をターゲットにした「校地売買ブローカー」の箕輪達としていた。それに気がついた熊谷と正木のコンビと箕輪一味の金塊を巡る争奪戦になる。騙し合い、裏切りありの展開で、果たして金塊は誰の手に

という感じかな。特に不満もなく面白いですが、僕的には、あと一捻り欲しかった。(やっとの思いで買った本だけに、期待値が高すぎたのかもしれませんが)

蜘蛛の糸〈黒川博行〉2

蜘蛛の糸






黒川博行の「蜘蛛の糸」です。この作品は、黒川作品の中では、ワースト1かなと思える作品です。何かの新人賞の佳作に入った位の出来だと思います。まぁ、だいぶ昔の短編を寄せ集めただけの作品だからしょうがないといえば、しょうがないですが。(1作品は、新しいですが)

この「蜘蛛の糸」は、7編の短編からなっています。

・充血性海綿体
・USJ探訪記
・尾けた女
・蜘蛛の糸
・吸血鬼どらきゅら
・ユーザー車検の受け方教えます
・シネマ倶楽部


『充血性海綿体』
これはつまらなかったです。彫刻家の遠野公彦の元にモデルのバイトとして、林田亜実が訪れる。その亜実に翻弄されるというストーリーです。遠野は、大地主の息子として生まれ、父親が死んで、自宅と350坪の土地を相続して、賃貸マンションを立てて優雅に暮らしている。(母親もなくなり、生命保険も入ってきた)モテない男であるが、金を持っている。この人物設定の時点で、女に翻弄されようが、どうでもいいし、翻弄のされ方もバカげている気がします。

『USJ探訪記』
これもつまらなかった。これも女に翻弄されるストーリー。ただ、人物設定が、先程の遠野と違って、ごく普通のサラリーマンであることが、この主人公に多少の同情を感じられる事がせめてもの救いです。

『「尾けた女』
これが1番面白かった。作家である主人公の元に、先輩作家から、現職の刑事が、小説を書いているから、それを添削してくれとの依頼がくる。その刑事が味があって面白い。唯一、笑った作品だった。

『蜘蛛の糸』
これは、充血性海綿体に出てくる遠野の物語。これまた、女に翻弄される。充血性海綿体で、遠野のくだらなさに免疫が出来て、少し冷静に読めた。まぁでも、普通な作品です。

『吸血鬼どらきゅら』
これもつまらなかった。マンションの工事現場で、黒マントを着た男が、11階から飛び降りると言って、騒ぎになっていた。その男は、主人公の刑事である、伴進平を呼べと要求してきた。身に覚えのない伴は、現場に駆けつけてみるが・・・・・。という話。

『ユーザー車検の受け方教えます』
これは、普通でした。教師の春沢は、愛車のボルボの車検が切れてしまった事に気づいて、ユーザー車検を受けに行く話。それをユーモラスに描いた作品。

『シネマ倶楽部』
これも『遠野』の話。3回目の登場となるとかなり慣れたが、やはり馬鹿らしいと思ってしまう。

というようになっています。いまいち、馬鹿らしい話を巧く書けてない気がしました。馬鹿らしい話も決して嫌いじゃないのですが、少し物足りない気がしました。

絵が殺した〈黒川博行〉3

絵が殺した





黒川博行の「絵が殺した」です。シリーズでは、この「絵が殺した」だけ持ってなくて、せっかく「黒川博行」のカテゴリを作っているので、全部読んでみようと思いまして最近買いました。久しぶりに読む黒川博行の作品は凄く面白かったです。今回の主役は、大阪府警捜査一課の【吉永誠一】と【小沢慎一】のコンビです。僕的には、黒川博行の警察小説の中では、ストーリーとは別に、この吉永と小沢のコンビのやり取りが1番面白かったと思います。電車で真面目な顔して読んでいて、この2人の会話がすごく面白くて、突然笑い出したり、にやにやしたりしてしまって、少しやばい人に見られた様な気がします。(* ̄∇ ̄*)エヘヘ

ストーリー的は、竹の子採りにきていた主婦が白骨化した死体を発見した所から話が始まります。この白骨化した死体は、別の場所の崖から墜落死したと思われていた日本画家と分かります。捜査を始めていくと、怪しいと思われる人物が次々と死んでいきまして捜査が行き詰るのですが、吉永と小沢のコンビの活躍で犯人にたどり着いていくんですね。

今回の作品は、面白い手法というか、少し変わった感じでストーリーが進んでいくのですが、そこらへんの所もこの作品を面白くさせていると思います。今回も、密室トリックがあり、アリバイトリックがあり、なかなか面白かったです。

悪果〈黒川博行〉4

悪果






黒川博行の「悪果」です。黒川作品の中では、「国境」の次に面白かったです。この作品は凄くお薦めです。

ストーリー的には、大阪今里署のマル暴担当の【堀内】と【伊達】の物語です。堀内のネタ元の田代より、堀内の管轄で「盆」が行われているという情報が入ります。この「盆」を摘発した事により、様々な事件に発展していく・・・・。って感じの作品です。よくこの黒川博行の「悪果」の宣伝では、

 「癒着、横領、隠蔽、暴力、腐敗した日本の警察制度を暴く!」

みたいな事が書いてありましたが、この本の警察の悪事の内容は、よくドキュメントみたいなのでやっていまして、驚くような内容ではなかったのですが、テンポやストーリー展開が凄く面白くて最後まで楽しめました。ノンフィクション的な要素を入れながら、読者を楽しませるストーリーが展開される抜群の構成です。

東京新聞のインタビューで、黒川博行は、

 「事件があって、捜査があって、トリックがあって、大阪弁の刑事がほんわかしたやりとりをして、前に書いていたそんな小説に今はあまり興味がない。もともと警察が嫌いやったのに、警察もののミステリーでデビューしたんです」 

と語っていました。昔のそんな小説も好きな僕には微妙な気持ちになる発言ですが、とにかく「悪果」を書く時は、警察OBなどに徹底的に取材をして書いたので、この中に出てくる警察の悪行に嘘はないそうです。(たしかに、全てなんらかの形で、表沙汰になった事がある事ばかりです)この悪果を出した時の黒川の発言には、何か響くものがありました。

夕刊フジのインタビューでは、

 「徹底的なダークヒーローで、徹底的に優秀な刑事を書きたかった。堀内も伊達も優秀です。ネタとって、内偵して、金の流れを暴き出す。優秀やから、給料では足らんのです。優秀であるがゆえに悪に染まってしまう。そんな刑事をそして、腐敗しきった今の警察を書こうと思った。堀内らは、ダークやけど、実は、まともで、もっと腐っているのは、自らの手を汚さずに悪事を働く上層部です。」 

とも語ってました。まあ、言わんとしてる事は分かります。どこの世界でも構図は同じですが・・・・。そんな本気な作品の「悪果」はお薦めです。( ´∀`)つ

海の稜線〈黒川博行〉4

海の稜線






黒川博行の「海の稜線」です。この作品も面白かったです。「ブンと総長」編です。黒川博行は、この「海の稜線」が出版されたのを機に教師を辞めて専業になったそうです。(この作品は、教師をやりながら1年間かけて書きあげたそうです)

ストーリー的には、深夜の高速道路で車が爆発炎上する事故があり、車内から男女2人の遺体が発見されたんですね。時限爆弾による殺人事件と断定されるが、遺体の身元がはっきりしない。そして、またもう1人、首を絞められて焼かれた遺体が出てきます。捜査を進めていくうちに、偽装海難事故に繋がっていく・・・・。

という感じかな?とにかくこの作品は奥が深かったです。最後の方まで全く犯人がよめなかった。その謎解きだけでも面白いのに、昨日書いた様に、ブンと研修に来ているキャリアの荻原との大阪VS東京の話も面白かったし、最後は、良い終わり方してるんですよ。ベタだけどね。

これもお薦めです。( ´∀`)つ

暗闇のセレナーデ〈黒川博行〉4

暗闇のセレナーデ






黒川博行の「暗闇のセレナーデ」です。黒川博行の3作目の作品です。この作品がNHKの銀河小説の原作になるのが決まっていたので、第3回のサントリーミステリー大賞にはエントリーしなかったみたいです(違っていたら、すみません)こちらも「ドアの向こうに」と同じく正統派なものに仕上げられています。(同じく「密室」もあります)これは、すごく面白かったです。「ドアの向こうに」よりもっと、複雑になり、僕の予想も翻弄されました。読み手の心理を巧く操っている作品だと思います。

ストーリー的には、有名な彫刻家に嫁いだ姉を訪ねて、妹の美大生の美和とその親友の冴子が、姉の家に行くと、瀕死の状態の姉を発見するんですね。自殺未遂かと思われたのですが、その後の捜査で、殺人未遂と思われる状況になる。その事件と同時進行で、姉の旦那も失踪してしまう。美和と冴子は、警察とは別に犯人探しを始める・・・・。

といった感じの作品です。「キャッツアイころがった」に似てますね。

僕の説明だと面白そうでもないかもだけど、実際読んでみると面白いはずです。このトリックと犯人に初めからたどり着ければ、立派なもんです。ぜひチャレンジしてみてください。

ドアの向こうに〈黒川博行〉3

ドアの向こうに(黒川博行)






黒川博行の「ドアの向こうに」です。この作品は、スタンダードなパズラーです。「密室殺人」の作品です。ストーリー的には、大阪南東部の橋梁工事現場で、バラバラ死体が発見されるんですね。その数日後、大阪北部のマンションで、心中事件が起きます。一見関係ないこの2つの事件には、関連性があると思われるものが心中事件のマンションで見つかったです。しかし、心中事件は、密室で起きた事件であり、ブンと総長を悩ませる・・・・・・・。

という感じです。この他、大阪文化と京都文化の軋轢の話あり、最後は心温まったりやらで、とても面白い作品に仕上げられてます。ぜひ、読んでみてください。          ( ´∀`)つ

てとろどときしん〈黒川博行〉4

てとろどときしん





黒川博行の「てとろどときしん」(大阪府警・捜査一課事件報告書)です。この「てとろどときしん」は、黒川博行が初めて出した短編集です。副題にあるように、大阪府警捜査一課の刑事が登場する6編を集めた短編集です。

 ・「てとろどときしん」
 ・「指輪が言った」
 ・「飛び降りた男」
 ・「帰り道は遠かった」
 ・「爪の垢、赤い」 
 ・「ドリーム・ボート」
 

以上の6編です。これも面白かったので、お薦めです。

「てとろどときしん」は、やはり1番面白かったです。フグの毒の成分を「てとろどときしん」と言うのですが、「黒マメコンビ」のマメちゃんが昔通っていたふぐ料理専門店「ふぐ善」が廃業して、立派なビルになっていた。近所の人に聞くと、そのふぐ屋さんで、ふぐ中毒により死人を出してしまって廃業したとの事。更に話を聞くと、「ふげ善」は、地上げにあっていて、最後まで売らずに頑張っていたとの事。そんな矢先に「ふげ中毒事件」が起きて、しかも、その後に出来たビルのレストランのオーナーに、「ふぐ善」で働いていた女がなっていたので、マメちゃんは、怪しい匂いをかぎつける・・・・。って感じのストーリーです。これは、僕の予想を見事に裏切られる形になって、面白かったです。

「指輪が言った」は、面白かったけど、黒川博行は、反則技をつかいました。内容は言わない方がいいと思えるので、控えるけど、推理小説なので、この技使ったら、駄目だよという感じのストーりーです。文中の何処の部分を言っているのか当ててみてください。

「飛び降りた男」は、すぐ分かっちゃいました。

「帰り道は遠かった」は、またもや「黒マメコンビ」が登場します。これも面白い。以外な展開になるので、少し意表をつかれました。

「爪の垢、赤い」これも、「黒マメコンビ」が主人公です。これは、やられたという感じです。予想を覆す巧さでした。これは、「犯人あてクイズ」の出題作品だったらしいのですが、正解者は、とても少なかったそうです。これが分かった人は、なかなかの人という事になります。

「ドリーム・ボート」は、あとがきで、黒川博行は、「真相は藪のなかというミステリーを目指して書いた」そうです。この作品あたりから、ハードボイルドにつながったと言ってます。(この短編は、91年の作品。他の短編jは、87年と88年の作品)

もし読んだら、「指輪が言った」で、僕は、何処の部分の文章を、これは、反則と言ったのか当ててみてください。( -д-)ノ


 

封印〈黒川博行〉3

封印





黒川博行の「封印」です。黒川博行にしては珍しくカッコいいタイプの主人公が登場します。白川道の作品に出てくるような主人公です。主人公の名前(酒井弘樹)は、黒川博行の以前の担当編集者の名前から取ったそうです。そして、その酒井弘樹という人が「解説」を書いています。当時の黒川博行とのエピソードとかを話しているのだけど、黒川博行の人柄が垣間見れて、この解説もすごく面白かったです。

ストーリー的には、ライト級の全日本1位までいった元ボクサーの酒井は、腕のいい釘師として働いていたのですが、酒井の会社にとって悪い事ばかり起きるようになるんでうすね。そして、酒井個人にもヤクザがやってきて身に覚えのない「封筒」を渡せと脅迫されます。そして、その事を相談した酒井の恩人でもあり、酒井の会社の社長でもある「津村」が失踪してしまいます。やがて、これらの事がある1つの事が原因としておきている事が分かるんです。酒井が社長と約束していた「封印した拳」を解き、事件の解決に紛争する・・・・・。

という感じです。相変わらず説明下手だけど、とにかく、スリルがあって面白かったです。少し恋愛モノも入ってるけど、それ抜きにしても面白いです。 

カウント・プラン〈黒川博行〉3

カウント・プラン





黒川博行の「カウント・プラン」です。この作品は、5編からなる短編集です。黒川博行は、この「カウント・プラン」で第49回日本推理作家協会賞短編部門賞を受賞しました。

 ・「カウント・プラン」 
 ・「黒い白髪」
 ・「オーバー・ザ・レインボー」
 ・「うろこ落とし」
 ・「鑑」
 
 


以上の5編です。やはり断トツに面白いのは「カウント・プラン」です。次に「鑑」です。後は同じ位の面白さです。

「カウント・プラン」は、計算症の男が主人公です。目に入ったものは、数えずにはいられない病気。これは、説明すると内容ばれるので、これだけです。とにかく1番良かったです。

「黒い白髪」は、坊主と葬儀屋が喧嘩して、坊主が、ゴルフのクラブで葬儀屋を殴って、大怪我させた事から、事件が始まる。まあまあ面白いです。

「オーバー・ザ・レインボー」は、うまく説明出来ない。やばい感じの人の物語です。これも、まあまあです。

「うろこ落とし」は、読んですぐに、ストーリー読めてしまった。どろどろした関係?のストーリーです。

「鑑」の主人公は、「カウント・プラント」の主人公とよく似てるタイプです。ストーリーも似てます。すぐ予想は出来ちゃうのだけど、面白いです。

この文庫の解説は「東野圭吾」が書いています。お互いに「新刊」が出ると送り合う仲なのだそうです。東野圭吾曰く、

「新刊を出した時、今も私は、彼に一冊送る。どんな書評よりも怖いのが、彼の感想である。彼からの手紙により、私は、自作が成功作かどうかを知ることができる」  

と言っております。それなら僕にも新刊を送ってもらいたい。僕もピリッとした感想の手紙を書きますから。(ブログは1時間位だけどその場合なら10時間かけて書きます(・◇・)ゞ) 

切断〈黒川博行〉4

切断





黒川博行の「切断」です。この作品あたりから(僕的にはですが)黒川作品のレベルがどんどん上がっていったと思います。この「切断」は、これまでの「警察小説」からハードボイルドに移行し始めた最初の作品で、黒川博行は「あとがき」で、

「間口を広くして、いろんな作品を書いていかないと読者に厭きられる。わたしはそれがいちばん怖い」 

と語っています。黒川博行のその姿勢には感心します。それでいて今まで以上な作品も書けるのだから、実力も凄くあるという事ですが・・・・。

ストーリー的には、病院の病室で耳を切断され、更に別人の小指をその耳の穴に詰められた殺人事件が起きるんですね。そして更に、舌を切られ最初の被害者の耳をくわえた死体が見つかります。次は誰かが殺され、舌をくわえた死体が発見されると予想されるのですが、はたしてどうなるか?という感じです。説明下手なのですがこれが面白いんです。これも犯人の視点、警察の視点、そして被害者の1人の視点が交錯し、時間軸が過去にいったりでハラハラしたりします。今回は、軽快なトークは殆んどないのですが面白いです。是非読んでください!

この、黒川博行の「切断」は、単行本と文庫本で結末が違います。最初に出した単行本を読んだ黒川博行の多くの知人が「どうも、最後のとこがすっきりせえへん」と言ったらしいです。「それなら別にこだわることはあらへん」と文庫本を出す時に黒川博行は結末を変えたのです。この精神もすごい!尊敬する。となんかべた褒めですが好きな作家だからそうなっちゃいます。もちろん変えた方がすっきりして僕も好きです。( ´∀`)つ

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キャッツアイころがった〈黒川博行〉3

キャッツアイころがった





黒川博行の「キャッツアイころがった」です。この「キャッツアイころがった」で、第4回サントリーミステリー大賞を獲りました。何度も書くようですが第1回のサントリーミステリー大賞では「二度のお別れ」で佳作。「黒マメコンビ」に華がないと審査員に言われ、第2回のサントリーミステリー大賞の「雨に殺せば」では、黒さんを別人にして独身という設定にしましたが、やはりそれでも「黒マメコンビ」に華がないと言われ佳作。黒川博行は懊悩した結果、第4回では、美大に通う美人女子大学生を主人公にしたら大賞を獲れたのです。(*´∇`*)

こういう賞って、直木賞とか色々みても、その小説の良し悪しもそうですが、タイミングみたいなのも重要な要素なので難しいところです。だから、この黒川博行の「キャッツアイころがった」が「二度のお別れ」や「雨に殺せば」より優れているかと言えば、そうではないのです。僕は美人女子大学生が主人公より、黒マメコンビが主人公の方が好きですね。

ストーリー的には、滋賀県北部の余呉湖で、顔を潰され、指を切断されて指紋もない身元不明の死体が発見されるのですが、唯一の手がかりは、胃の中にあった時価500万相当のキャッツアイ(宝石の名前)だったんですね。その後、京都の美大生、大阪の日雇い労働者が次々と殺されるのですが、その2人の口には共に「キャッツアイ」が含まされていたんです。そこで殺された美大生の同級生の美人女子学生2人が、事件の糸口をもとめてインドに旅立つ。警察の捜査の上をいく2人の女子学生の奮闘ぶりが見ものの作品です。

上手く女子大生の魅力を表現しきれてない部分もありますが、面白いです。

八号古墳に消えて〈黒川博行〉2

八号古墳に消えて






黒川博行の「八号古墳に消えて」です。この作品は「黒マメコンビ」の第3弾です。ストーリー的には、大阪の遺跡発掘現場で大学教授の遺体が発見されるのを皮切りに、考古学会の中で殺人事件と思われる事件が連続していくというストーリーです。考古学会の内情的な事とか、古墳の事とかの雑学の知識が身について、それなりに面白かったのですが、何か全体がぼんやりしている感じで、僕の中では黒川作品の中でワースト1かもしれません。僕は妄想癖があるので、本を読んでいる時に字を追いながら右脳?辺りで、その作品を映像化してしているのですが、今回の「八号古墳に消えて」は、上手く映像化出来なかったです。最後のネタばらしあたりは速読風にさらっとしか読まなかったです。

そんなにお薦めではないですが、ここまできたら全部読んでやるという人は、読んでみてください。

雨に殺せば〈黒川博行〉3

雨に殺せば(黒川博行)





黒川博行の「雨に殺せば」です。黒川博行の2作目の作品です。「黒マメコンビ」がまた活躍するんですね。前回の「二度のお別れ」の時に書きましたが、デビュー作は、サントリーミステリー大賞の審査員に「黒マメコンビ」に華がないと言われました。黒川博行は、

「華とはなんぞや」 

と深く自問して主人公の黒田が所帯持ちだからでは?と思ったらしく、今回の作品から黒田刑事を「黒木刑事」にして、独身の設定にしてみたそうです(笑)そして、めでたく第2回のサントリーミステリー大賞も佳作で、審査員から、やはり「黒マメコンビ」に華がないと言われた。そりゃそうです。黒田を黒木にして独身にした位で「華」がある訳ないです。(゚∀゚)アヒャヒャ

ストーリー的には、大阪湾にかかる港大橋の上で現金輸送車が襲われ、銀行員2人が射殺され、1億1千万を奪われる事件が起きるんですね。これを「黒マメコンビ」が解決に導くというストーリーです。これは、なかなか面白かったです。よくある様なこいつが犯人と読者に思わせといて、裏をかくというのが何回かあって、最後まで誰が犯人か分かりませんでした。

これもぜひ読んでみてください。

アニーの冷たい朝〈黒川博行〉3

アニーの冷たい朝





黒川博行の「アニーの冷たい朝」です。この作品は、なかなか面白かったです。イッキにサクッと読めます。この作品はネクロフィリア(死体に性的欲望を抱く事)の殺人鬼が、殺害した女性をコスプレさせ派手な化粧をさせて屍姦するんですね。次々起こる事件に、大阪府警捜査一課が挑むという内容です。

「アニーの冷たい朝」は、3つの視点で物語が進みます。1つは、殺人鬼の視点の物語(犯人の人物は特定出来ない)と、2つ目は大阪府警捜査一課の村木と谷井の視点、3つ目は被害者になるであろう女性の物語が交互で進行します。このパターンでは、初期の頃に出る犯人と思える人が犯人だった事がないですよね。いかに読者を惑わさせるかが腕の見せ所ですが、黒川博行は上手いっすね。( ´∀`)つ

まあ、読んでみてください。

左手首〈黒川博行〉4

左手首






黒川博行の「左手首」です。この作品は、7編からなる短編集です。内容的には以前紹介した「燻り」と同じ様な内容です。道を踏み外して、奈落の底に落ちていく人達を描いた短編集といいますか・・・。気分的にはダークになります。気分が落ち込んでいる時などに読む本ではないですね。僕なんか、「燻り」→「左手首」の順で1日で読んだので、なんか気分が落ち込んだ記憶があります。まあでも面白いですからおススメです。( ´∀`)つ

 ・「内会」
 ・「徒花」
 ・「左手首」
 ・「淡雪」
 ・「帳尻」
 ・「解体」
 ・「冬桜」
 


の7編です。ハズレなしという感じです。(「燻り」は何個かあった)

内会は、堅気がヤクザに内緒で開く盆に押し入って、金を掻っ攫おうとするストーリーです。面白いです。

徒花は、ヘルスの権利を買わないかと誘われ、2千万を工面する為に、強盗を決意するが・・・・・。っていう感じ。これも面白い。

左手首は、美人局で金を稼いでいたカップルが、ある時ひっかけた男が「ヤクザ」だった。脅しに屈しないヤクザに、逆襲されて・・・・。という感じです。これも面白いです。

淡雪は、不法投棄をしている自分の会社を脅して、金をせしめようとするストーリーです。これもまたもや面白いです。

帳尻は、僕は1番好きですね。詐欺師の物語という感じ。ホントによくある女詐欺師は、こういう感じです。

解体は、よく世間である借金問題の話というか・・・。これは、作者が意図的な戦略で、犯人が最初から分からない様にしてたので、一瞬分からなかったです。

冬桜は、2番目に好きです。警察を語り、違法カジノから金をせしめるストーリーです。これは、スリルあります。

ぜひ、読んでみてください。(。・ω・)ノ゙ 

燻り〈黒川博行〉3

燻り(黒川博行)






黒川博行の「燻り(くすぶり)」です。9編からなる短編集です。

 ・「燻り」
 ・「腐れ縁」
 ・「地を払う」
 ・「二兎を追う」
 ・「夜飛ぶ」
 ・「迷い骨」
 ・「タイト・フォーカス」
 ・「忘れた鍵」
 ・「錆 」
 


「燻り」という言葉は、よく浅田次郎の初期の頃の作品によく出てくる言葉なので、印象がある言葉です。浅田次郎がよく使っていた「クスブリ」の意味は、

 何をやっても上手くいかなく、落ち目な状態の事  

を言っていたのですが(これは、近くにいると伝染するらしい)こちらの作品の「クスブリ」では、

うだつの上がらない下っ端、チンピラ  

の事を意味しております。「燻り」では、四係の刑事の頼みで拳銃をコインロッカーに入れにいく途中で、検問にあってしまい逮捕される「クスブリ」の話です。この作品は、僕的にはイマイチでした。なんか実際に運悪ければ、ありそうな話であったので、かなり期待したのですが大した事なかったです。もっと真面目にやれば凄く面白くなりそうなのでもったいないです。「短編」って、読後感勝負と言いますか、最後までどうなったか分からないように終わらせるパターンが多いですが、この作品は、あまりにも早く物語を終わらせすぎな感じです。もう少し先を書いてもいいだろうと思ってしまいました。

腐れ縁は、「クスブリ」コンビが、パチンコ屋の社長を脅して金を盗ろうとするストーリーです。読んでいて、途中で先が読めちゃいました。

地を払うは、「クスブリ」が悪知恵働かせて、儲けようとするが・・・・。という話。

二兎を追うは、う〜ん。これは面白かった。

夜飛ぶは、「文福茶釜」ちっくで、これも面白かった。

迷い骨は、「二度のお別れ」ちっくで、これも面白かった。

タイト・フォーカスは、「蒼煌」に派生した感じ。

忘れた鍵は、よくある「トリック殺人」の話。

は、説明が難しい。けど、少し裏をかかれて、面白かった。

簡単に書きすぎました( ´_ゝ`)ノ

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