蕎麦とラーメン食べ歩き と読書のブログ

蕎麦とラーメンの食べ歩きと読書のブログです。蕎麦は、結構詳しいので、蕎麦の評価は信用出来ると思います。ラーメンは、素人です。読書傾向は偏りがちです。

 お薦めの本を紹介してください!  コメント欄ではちょっと・・・。という方は、メールください。生意気言ってすみませんが、「恋愛もの」以外でお願いします。     

楡周平(読書関係)

砂の王宮(楡周平)3

砂の王宮














楡周平の『砂の王宮』です。この作品は、薬屋から身を起こし、一代でスーパー【誠実屋】を日本一の流通企業へと成長させた「塙太吉(はなわたきち)」の物語です。ダイエーの中内さんがモデルの物語で、後半はどんどん陳腐になっていくのですが、何度か壁にぶち当たりながらも、既成概念を次々と打ち破り、流通業界に革命を起こし、誠実屋を大きくしていくまでの前半は面白かったですね。

塙太吉は、大学2年の時に学徒出陣による召集で海軍予備学生として海兵団に入隊し、大和乗船を命じられたんですね。そして沖縄の水上特攻で奇跡的に生還して、神戸三宮の闇市で薬屋始めるんです。ズルチンやペニシリンの闇商売で莫大の利益を得るのですが、ある時、ブローカーの【深町信介】と出会うんですね。深町のアイディアで、販路を日本全国へと広げて更に利益を増やしていくんです。そして3年が経ち、闇商売も限界が見始めた頃に、またしても深町のアイディアで表の商売で「薬の安売り」を始め、これまた紆余曲折ありまして、塙太吉は、一個所で全ての買い物が事足りる【スーパーマーケット】の店舗形態に行き着くんです。そして、門真市で『主婦の味方 誠実屋』の1号店をオープンするのですが、これが大当たりするんですね。そして7年で誠実屋は大阪を中心に50を超える一大スーパーチェーンに成長するんです。関西→中部ときて、いよいよ関東進出となる頃から、塙太吉の一代記的な物語から、いっきに物語が変わっていくんですね。塙太吉が心底から信頼していた【深町信介】が怪しい動きを始めまして、やがて現代の場面となってからは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京」的な展開となっていきまして、僕的には後半は陳腐に感じました。塙太吉の一代記的な物語だと少し物足りないけど、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京」的な物語をわざわざ入れなくてもと思ったりしましたね。ま、でもほんとに前半は面白かったです。

文庫本が出たらおススメという感じですね。( ´∀`)つ


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スリーパー (楡周平)2

すりーぱー









楡周平の『スリーパー』です。楡周平の久々のこのジャンルという事で、朝倉恭介シリーズを越える作品を期待していたのですが、大した事なかったですね。ハラハラ感が全くなかったですし、読み進めながら、「このジャンルを描くのが下手になったなぁ」なんていう感想を常に抱きながらラストを迎え、無感動なうちに読了。という感じでした。帯もワザワザ余計な情報があって、

 そしてあの伝説の工作員が!

なんて、書いてあって・・・・・。ファンにとっては、このジャンルで「あの伝説の!」と言えば、朝倉恭介しかいない訳でありまして・・・・・・・・、特に知りたくない情報でしたね〜。(と言いつつ、僕も書いちゃってますが)唯一の救いは、この作品はこれからシリーズ化していく感じの内容でしたから、この作品自体は【序章】という事だと信じて、次作も購入してみる予定です。( -д-)ノ

CIAは、中国が沖縄で米軍を狙ったテロを計画しているとの情報を得て、(CIAにリクルートされた)【由良憲二】にそれを阻止する指令を出すんですね。そして、由良が見事にそれを阻止しちゃいます。阻止しちゃうんだろうとは誰でも想像つく訳ですが、それをハラハラドキドキさせながら、緊張のラストまで持っていって、イッキにボルテージは最高潮(死語か?)というのが作家の腕でありまして、それがこの作品にはなかったですね。この単純なストーリーを如何に肉付けして面白い作品に仕上げていくかが腕の見せ所なはずなのですが、まず主人公の由良にカリスマ性がないし、出てくる登場人物がどれもイマイチでした。浅倉恭介ももっと大事に扱えや!って感じでしたね〜。

文庫になったら是非!( ´∀`)つ

レイク・クローバー(楡周平)3

レイク・クローバー









楡周平の『レイク・クローバー』です。前回読んだ「修羅の宴」程ではなかったけど、なかなか面白かったです。内容的には「何かの映画であったなぁ」とか思えてしまう内容なのですが、誰が読んでも楽しめると思います。

アメリカ最大手のエンジニアリング会社の【ミルズベリー】が、ミャンマーの奥地の【レイク・クローバー】で、ガス田を発見するのですが、そのミルズベリーの探査技師が、大量の血を吐いて突然死してしまうんですね。そして、その血に触れてしまった同僚も数日後に大量の血を吐いて死んでしまう。何の兆候のなく短時間で死に至る現象に、ミルズベリーは、【CDC(疾病予防管理センター)】に通報して、CDCの鷲尾祐二らが現地に赴きます。そして、その突然死の原因が、新種の「寄生虫」が原因だという事が分かるのですが・・・・・・。

という感じで話は流れていきます。経済制裁下にあるミャンマーでの天然ガス田の発見に絡んだこの事件は、様々な政治的な思惑が絡まって、CDCの鷲尾達の前に大きな壁となって立ち塞がります。そうこうしている内に、極秘任務でミャンマーに潜入したCIAの工作員もまた、帰還中のアメリカ海軍原子力潜水艦「バッファロー」の中で、その新種の寄生虫によって、大量の血を吐いて死んでしまう。そして、その血を浴びた海軍の【SEALS】の隊員も次々と感染していきます。閉鎖された潜水艦の中での感染は、艦内をパニックに陥れます。レイク・クローバーでの鷲尾達の未知の寄生虫との戦いと、物語は同時進行で進んでいきまして、なかなか面白かったです。      

今回、特に印象に残る所はなかったのですが、潜水艦の「バッファロー」と中国潜水艦との遣り取りは、作品に深みが出て、面白かったです。( ´∀`)つ



修羅の宴(楡周平)4

BlogPaint

楡周平の『修羅の宴』です。僕的に、楡作品では久々のヒットでした『次郎的楡周平作品ランキング』の4位にランクインしました。後半は少しバテた感がありましたが面白かったです。

この作品は「住友銀行事件・イトマン事件」がモデルになっています。バブルの恩恵を受けてない僕にとっては、この事件は興味の対象外だったのですが、テレビか何かで防弾の板か何かに囲われて、被告席に着く【許永中】の裁判の様子を見て衝撃を受けて、この事件に興味を持って色々調べた時期がありました。(裁判所の中でさえ、命を狙われる畏れのある【許永中】ってなん何だと)

上記の事件がモデルの物語と言いますと、この作品は難しくて重めの内容かというと全然そんな事なくて、(悪く言えば上っ面だけを撫でた感じで)誰にでも分かり易く、どの世代の方でも楽しめる様な作品に仕上がってまして、

 またしてもドラマ化を狙ってるな!

なんて思える作品で、僕もすっかりドラマ化に心が行ってしまいまして、この主人公には【北大路欣也】だな。とか色々考えてしまいました。( ´∀`)つ

物語の内容を全く説明してないのですが、とにかくオススメです。この作品を読んで、この「住友銀行・イトマン事件」に興味を持ったら、これらの事件を扱った本が沢山出てるので、そちらも読んでみてください。(この事件の裏で、いったい何人の人が死んだんだろう?なんて感じで、裏の話まで興味を持った記憶があります)



次郎的楡周平作品ランキング

 1位「クラッシュ」

 2位「マリア・プロジェクト」

 3位「陪審法廷」

 4位「修羅の宴」

 5位「Cの福音」
 

 となります。気分によって順位は多少変動しますが、だいたいこんなものだと思います。「クラッシュ」は、シリーズを読んでない人でも全然楽しめるので、読んでみてください。(シリーズものは、面白いと聞いていても、ついつい面倒になって、手が出せないないものですよね。)初期の頃を好きな僕としては、最近の作品は、結構不満ですね。

 追記

 「修羅の宴」がランクインしました。最近の作品は、僕にとっては、ぱっとしない作品が続いたので、【お別れ】しようかという所だったのですが、さすが楡周平ですね。これかも追いかけます。(・∀・)つ 

羅針(楡周平)3

羅針

楡周平の『羅針』です。最後まで飽きずには読めたのですが、何か不満の残る作品でした。帯には、この作品について2つの事が記されています。1つは、

北洋でサケマスを追い、南氷洋で鯨を狙う。荒ぶる昭和の海に生きた男の物語。

そしてもう1つは、

生きて帰れ。そして息子の羅針となれ。
親子の絆を問う、楡周平の新境地!

というもの。どちらかと言うと、最初の方の「荒ぶる昭和の海に生きた男の物語」という方がしっくりはします。主人公の関本源蔵は、11才の時に、日本の戦況悪化に伴い、サイパンを離れ、仙台にいる親戚の元に身を寄せ、苦学の末に商船学校を卒業し、幹部船員として「富国水産」で働きます。この作品の大半が、機関士としての源蔵の航海の描写に費やされています。北洋でのサケマス漁や南氷洋での捕鯨の様子が分かりやすく描かれていて、僕的にあまり興味のあるジャンルではないのですが、どんどん惹き込まれていきました。でも、源蔵は幹部船員なので、漁の最前線にいる訳ではないからかどうか分からないのですが、リアリティがないというか、緊張感までは伝わってこないのが残念でした。
 という理由で、「荒ぶる昭和の海に生きた男の物語」と言うのには少し物足りなさを感じてしまいます。

もう1つの「親子の絆を問う」という事に関してですが、源蔵は二人の男の子がいるのですが、その長男が思春期となり、航海に出たら半年は家を空ける源蔵と長男が疎遠になっていくんですね。そして、対立が起きてしまい、関係が悪くなる・・・。そういった誰でも経験するであろう父親の悩みみたいなものも、物語に織り込まれています。そして、とある事件をきっかけに再び父子の関係が修復されるのですが、ネタばらしちゃいますと、源蔵が遭難しちゃうんですね。三日間程。それがきっかけで、息子が素直になるというか、心を開くと言いますか、このパターンには少し不満が残りました。思春期の息子との対立を、正攻法な、対話や行動で、心を開かせるなら、また違った感想になったと思いますが、

「流石に、生きるか死ぬかの場面になれば、そりゃあ心も開くだろう」

と思っちゃったんですね。参考にならんというか、それが「羅針」か?と思っちゃったんですね。

この作品の最後の締めとして、

親の生き様から何を学ぶかが重要なのだ。そう、親は子の羅針となればそれでいいのだ。

なんて言葉で締められてますが、遭難しなければ、そんな展開になれたか?遭難しなかったら、どうやった方法で、そんなに早く息子の心を開かせた?なんて逆に「楡周平」に問いたくなりました。変り映えのしない日々の日常生活を送りながらでは、いくら親の生き様を見せようが、ある程度の時間の経過が必要なのが、一般的な親子の関係だと思うんですよね。「羅針」となるという事の答えは、この作品にはなかった気がします。とにかく【絆を問う】という程ではなかった気がしました。

意味不明かもしれないですが、という理由で中途半端な読後感でした。( -д-)ノ

介護退職(楡周平)3

かいご

楡周平の『介護退職』です。この作品自体はごくごく普通の出来映えで、点数をつけるなら45点という感じなのすが(タイトルからストーリーを容易に想像出来ると思いますが)高齢の両親がいる僕的には、この作品の様な事がいつでもありえる事なので、「う〜ん」と唸るような読後感でした。( -д-)ノ

大学で東京に出るのは自然なことだった。
そのまま職を東京で求めることもまた、自然なことだった。
田舎に両親を残すことなど、気にも留めなかった。
父母がやがて老いる時のことなど考えもしなかった。
だけど今にして思う。
親子の絆が断ち切れぬものである以上、その時のことに備えておくべきだったと―。
 

という文章から始まるこの「介護退職」は、分かり易くて簡単過ぎる程のストーリーです。

・大手総合家電メーカーの営業部長の「唐木栄太郎」が主人公。都内に暮らし、有名中学の受験を控えている息子が一人いる3人家族。
                 ↓
・山形で一人で暮らす「唐木」の76歳になる母親が転んで、骨折してしまい、車椅子の生活を余儀なくされるので、唐木の住む東京に連れていき、唐木の奥さんが介護する。環境が変ってのストレス等が原因で、唐木の母は、認知症になってしまう。
                 ↓                                              ・大きな案件の責任者を任されている「唐木」は、介護を奥さんに任せきりなり、遂に奥さんがくも膜下出血で倒れてしまう。
                 ↓
・奥さんの看病、母親の介護の為、会社の業務に支障をきたし、大型案件の責任者から外されて、閑職に追いやられてしまう。 
                 ↓  
・「唐木」は、退職を余儀なくされ、問題が山積みに・・・・。そして、「唐木」は・・・・・。
 


という様な骨組みに肉付けした感じのストーリーです。早見和心の『砂上のファンファーレ』を連想しました。結末言っちゃうと、ハッピーエンドな結末で、特にこれと言った感情が湧き出てこなかったのですが、まぁ、良かったんじゃない?という感じでした。この作品に、現代社会における、介護問題の解決策とかは全くなくて、あまりタメにはならないのですが、とにかく、この作品を読んで、

 「俺も色々考えないとな(●´ω`●)」   

と思わせてくれた事には、感謝しております。楡周平とか僕の好きな作家が描いてくれなければ、この気になるタイトルでも読んでみる事はなかったですからね。高齢な両親を抱えた方達には、おススメです。( -д-)ノ

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血戦 〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京2 (楡周平)3

kessenn








楡周平の『血戦〜 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京 2』です。当たり前ですが、『ワンス〜』の続編です。まさかこのタイミングで、『ワンス〜』の続編が出るとは思ってもみなかったです。どうせ続編なら、川瀬雅彦のシリーズの続編とかの方が良かったのですが、『ワンス〜』がドラマ化されて、それに伴い文庫本が売れて、波に乗っている所に、『ワンス〜』の続編の書き下ろしを出すとは、経営戦略的には素晴らしいと思います。しかも、今回の『血戦』は、完結ではありません。まだまだドロドロが続きますよ〜。という終わり方です。第3のシリーズ化ですね。『Cの福音』シリーズ、『川瀬雅彦』シリーズには、足元にも及ばない気がしますが、『昼ドラマ』系としては人気が出るかもしれません。うちの奥さんなんかは、ドラマを毎週楽しみにしてるみたいなので、購買層が主婦や昼ドラ系が好きな女性に替わって人気が出るのかもしれませんね。しかし、『Cの福音』の頃からの楡周平ファンの僕としては、間違った方向に行ってる感じがして残念です。芯のある骨太なものを書いていって欲しいです。

で、この作品は、前作の後、8年位、時代が経過しています(たしか) スキャンダルによって、政治家の夢を諦める事となった「有川崇」は、司法試験を受けて弁護士になっています。そして、義父の眞一郎には相手にされず、不遇の時を過ごしいた所に、突然、眞一郎から出馬要請を受ける。眞一郎は、自分の地盤を盤石なものにする為、更に総理大臣になるという野望の為に、崇をただ単に金づるとしか見ていないと分かった崇は、野党の目玉候補として、眞一郎の選挙区からの出馬を決意する!

という感じで物語が進んでいきます。この本の帯に書いてあるような

「家族はここまで憎み会えるのか」

という程は憎しみあってはなくて、ドロドロになる為の複雑さがまだまだ足りないです。不遇の8年間にもっと屈辱的な扱いを受けたとか、もっとドロドロしてるかと思った。まぁしかし、まだこの作品で完結していないので、これから更に複雑化していくのかも知れませんが。この作品単体でみると、ごくごく普通な出来の作品だと思います。しかし、ここまで読んでしまったら、次も買わなくてはならないなぁ。

次回の作品のタイトルは分かりませんが、章毎にタイトルをつけるなら、『再会』というのが入ってくるんだろうな。(読めば、誰でも意味分かります)

朝倉恭介 (楡周平)3

asakura








楡周平の「朝倉恭介〜Cの福音・完結編」です。シリーズ最終章です。「Cの福音」を読んでしまったら、この作品まで読まなければ損です。じっくり読んでしまうと色々な矛盾点に疑問を持ってしまいますが、そんな事は考えずに読むとスゴく面白いです。

この最終章は、前作の「ターゲット」で、CIAが恭介をマフィアと関連がある犯罪者だとは知らずにリクルートしてしまい、任務に就かせたのですが、この「朝倉恭介」で、恭介の素性が分かり、そんな恭介をリクルートしてしまった汚点を抹殺する為に恭介を追います。そんな中、川瀬雅彦は、コカインの取材の為にコロンビアに赴くのですが、そこで恭介の存在を知り、やがて日本のコカインマーケットに恭介が関係している事を突き止める。恭介は、CIA、川瀬雅彦、日本の警察に追われる事に!!って感じです。

最初にも述べましたが、かなり無理くりな所があるのですが、それを差し引いても面白いです。やはり楡周平には経済小説路線以外のものを書いていってもらいたい。


ターゲット (楡周平)3

target






楡周平の「ターゲット」です。楡周平のカテゴリがあるので全作品載せようと思っていたのですが、この作品がなかなか発見出来なくて進みませんでした。(しかも、「外資な人たち」と「ガリバーパニック」は好きじゃないので、どうしようかと思ってますが) そして、この前書きましたが、実家の本の整理をしていたら、この「ターゲット」が出てきました。という事で今回はこの作品を載せる事にしました。ペラペラともう一度読み返してみたのですが、やはりなかなか面白かったです。楡周平作品では、やはりこのシリーズが1番好きです。最近は「経済小説」が中心になっていますが、こちら方面の本を出してもらいたいです。

この作品は、「朝倉恭介」のシリーズです。「続・Cの福音」の次にあたる作品です。この「ターゲット」の次が、シリーズの最終章の「朝倉恭介」で、このシリーズは完結となります。この「ターゲット」では、朝倉恭介がCAIにリクルートされ、CAIのミッションを行う事となるのですが、北朝鮮と日本とアメリカの情勢を巧く絡ませたストーリー展開で、とても面白かったです。

アメリカの西海岸で発覚した中国製の銃火器の密輸とそれを使用した事件、そして、DRMOからの流出する機密部品や情報。それらの事件には、中国の高位にいる人間の存在が見え隠れしていた。そのルートを解明する為に、CIAは実行力を持った工作員が必要だった。様々な点を考慮すると、「朝倉恭介」がこのミッションにはピッタリだった。そして、CIAは、マレーシアで恭介のスーツケースの中に麻薬を隠した事を臭わして、工作員になる事を承諾させる(マレーシアでは、麻薬の所持で死刑になってしまう)そんな中、北朝鮮の工作員が新型の細菌兵器を日本にある米軍基地にばらまく計画を立てていた。それを阻止する任務が、恭介を中心としたCIAのチームに与えられた!

という感じです。少し歪んだ説明かと思いますが、こんな感じだと思います。この作品は凄く分かり易く展開していくので、このジャンルが苦手の人にも楽しめると思います。こういうジャンルの作品ばかり読んでいると、以前起きた、メルボルン事件(http://www.melbosaka.com/)や、はたまた三浦和義の自殺でさえ、諜報機関の暗躍を疑ってしまいます。少し変なニュースがあるだけでも、おかしな想像をしてしまうようになります。そうなると、読書の傾向がイッキに偏ってしまうので、気をつけてください。(。・ω・)ノ゙




ゼフィラム (楡周平)2

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楡周平の「ゼフィラム」です。貧乏な僕にとって、1600円の価値があったかというと、そこまではなかったなと思います。文庫本で買う位なら満足出来るかなという感じでした。本の帯では、

日本自動車工業社長・牧瀬亮三は、CO2を劇的に削減する新型車開発のために、アマゾンの原生林を利用することを着想するが…。CO2削減に専心する牧瀬たちの苦悩と戦いを描いた、壮大な最新ビジネスモデル小説。

 という感じなのですが、ストーリーというか、展開がどんどん小さく纏まっていき、「夢」がないというか、こういう小説に期待する壮大なスケールがなくなってしまい、最後に現実的に纏めた感じになってしまった。中身としても、新発見的な事実をこの作品で知る事となったというような事もなく、アマゾンに関してなど、だいたいの事が知っている事でしたし、全くの新型のエコカーが出現するか?と期待していたら、先出のものを路踏したエコカーに、販売的な戦略だけが、斬新なだけなもので、少しがっかりしてしまった。牧瀬社長にカリスマ的な魅力を見つける事も出来ず、主人公の栗林絵里香にもイマイチ魅力を感じなかった。少し、展開がたんたんとしすぎな感があった。多分、今の読み手は、こんな時代ですから、どんなジャンルの業種でもいいので、不況からの華麗なる脱却とか壮大なスケールのサクセスストーリーを求めている気がします。

 まぁ、文句ばかり言ってますが、すらすらと飽きる事もなく読めたので、読む人が読めば面白いのかもしれません。

骨の記憶(楡周平)3

骨の記憶







楡周平の「骨の記憶」です。たった今、読み終わった所なので、いまいち感想を上手く纏められないのですが、なかなか面白かったです。しかし、帯には、

「著書の最高傑作誕生」

とありますが、最高傑作ではないですね。楡周平作品では、真ん中のちょい下位の位置にあると僕は思います。帯では、

没落した東北の旧家の娘のもとに届いた宅配便は51年前に失踪した父の頭蓋骨だった。差出人は、中学卒業後、集団就職で町を出てその翌年に火事に遭って死んだはずの同級生。いったい誰が何のために。隠されていた過去が、昭和の記憶とともに今、明らかになる。人生の光と影を余すところなく描いた力作長編。

という説明です。僕が帯を書くなら、

失踪した父の頭蓋骨が51年を経た今、娘の「清枝」の元に届く。差出人は、47年も前に死んだはずの同級生だった。そこに書かれていた手紙には、父の失踪には、「清枝」の夫が係っていたと記されていた

と感じで書きますね。まぁ、僕のもたいした事ないのは承知してますが、書いてみたかったです(笑) 内容的には、長年連れ添った【清枝】の夫の「弘明」が、末期癌で余命が2ヶ月で、夫の看病に明け暮れる場面から始まります。そこに、先出の「頭蓋骨」が宅配便で届きます。そこには、清枝の父の頭蓋骨と共に手紙が入っているんですね。差出人は、先程言った様に、中学を卒業して集団就職で東京に働きに出て、その翌年の16歳の時に火事で亡くなったはずの同級生。内容的には、清枝の父が失踪した経緯が書かれていたんですね。この場面では、僕等読者には失踪した理由が分からないのですが、『章』が変って、場面が51年前に遡ります。そして、失踪の理由がだんだん明らかになっていって、どうして今頃、頭蓋骨を送ってきたかの経緯が描かれていきます。この「経緯」がなかなか面白いんですね。この経緯だけで、イッキに宅配便が送られてきた時代にまで行ってしまいます。(つまり、この本の構成の大半は、この「経緯」の説明です)時代がいったりきたりはしないので、分かり易いといえば分かり易い。その「経緯」は、面白いけど、後半は人間の心理をあまり上手く描けてない気がしますね。(主人公の後半の態度と清枝の夫にたいする感情が)僕的には、別の方向性に持っていって欲しかったです。この本の後半からは、色々なパターンに持っていけると思います。(ネタバレしないように、例を出すと、主人公が騙されて、破産するとか)後半が少し感情移入出来なかったです。

しかし、読み始めたら止まらなくなったので、面白い作品だとは思います。それにしても楡周平は、運送関係の事を書くのが好きだなと思いました。( ´∀`)つ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京(楡周平)3

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京 







楡周平の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京」です。この作品は、面白いには面白いのですが、ちょっと「そんなアホな(/--)/」と思える場面もありまして、大満足ではなかったです。僕的には、この作品は「昼ドラ小説」という感じの位置付けです。
 本を読んでいて、自分の期待する方向から逸れていったりすると段々興味がなくなり、文字を追うのも辛くなります。この現象を客観的に見て、面白くない作品だと判断します。この作品は、所々でこの現象に陥りかけるのですが、章が変わって、主役の視点が変わったりして(例えば、母親から見た視点が、章が変わって、息子から見た視点に変わる)、また持ち直して、面白くなったりを何度か繰り返して最後まで読めました。この作品の展開を受け入れらる人は、何の問題もなく「いい作品だった〜」と思うと思います。

かなり分かり難いかもしれませんが、僕が昼ドラ小説という位置付けだといったのは、昼ドラって、少しドロドロして、ネチネチしていて、またこの展開か〜と思ったり、1つの事柄にしつこく時間を割いたりして、イライラする時があります。そんな昼ドラを見て感じた感情が、この小説でも感じたので、「昼ドラ小説」と位置付けてみました。キャスト的にも、50もの病院をもつ、「有川会」の女理事長の有川三奈と東大出の財務省キャリアの息子の崇、代議士で政調会長の白井という男、そしてその娘。崇に捨てられて、復讐に燃える外銀の女ディーラー。キャストを見ただけでストーリーが想像できますよね?過去に有川三奈と白井に因縁があったり、政略結婚があったり、なんか「昼ドラ」にありそうですよね。

取り敢えず、決してつまらない作品ではないので読んで見てください。この作品の解説は僕にはちょっと無理なので、『続き』でネタばれ解説をするので、ネタがばれてもいいという人は、『続き』を見てください。これもかなり下手くそな解説に仕上がってますが。( ´∀`)つ





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ラストワンマイル(楡周平)4

ラストワンマイル







楡周平の「ラストワンマイル」です。これもなかなか面白かったです。最後のクロージングの仕方が少し納得出来ませんでしたが、なかなかの作品に仕上がってます。楡周平の「再生巨流」に続く経済小説という感じです。経済小説と言っても、そこら辺のジャンルが苦手な人にも楽しめると思います。

ストーリー的には、業界最大手の1つの「暁星(ぎょうせい)運輸」は、最大顧客である、コンビニの2社を郵政によって奪われしまう。そして更に、ネットショッピング大手の「蚤の市」に、従量料金(売り上げの額)3%を課せられしまう。(約8億7千万)それにより暁星運輸は、危機的状況に陥ってしまうんですね。暁星運輸本社営業本部広域営業部の横沢は、この状況を打開する為に「ネットショッピングサイト」の立ち上げを企画する。下請けという感じの立場ではなくて、自分達が主役となってネットショッピングを運営していき、そこで取引される物の配送を独占すれば、損失を補うだけの利益が得られるのではないかと考える・・・・。

説明が下手すぎますが、こんな感じで話が進んでいきます。「蚤の市」の武沢社長は、さらなる野望の為に、「極東テレビ」の買収に打って出るのですが、このいざこざを利用して、横沢は「極東テレビ」と組んで、ネットショッピングサイト立ち上げを具現化していき、「蚤の市」に一泡吹かせようとします。日本人は、こういう弱者が強者に立ち向かって、勝利を収める的な話が好きなので、誰が読んでも楽しめるのではないでしょうか?しかも、内容が本当にあった、ヤマト運輸と郵政のコンビニを巡る戦いや、ライブドアや楽天のテレビ局買収の出来事を参考に書かれているので、更に身近な話に感じられるので、主婦の方でも楽しめます。

「下請けに過ぎないと思われていた物流業が、実は全ての産業の生命線を握っている。まさにラストワンマイルを握っている者こそが絶対的な力を発揮することを世に知らしめる絶好の機会を目の前にしてるんです」

これは、暁星運輸の横沢が「ネットショッピングサイト」の企画を部長に承認してもらう為に言った、キラートークです。楡周平は、この作品でここの部分を1番主張したかったのではないかと思います。楡周平は、「再生巨流」といい、今回の作品といい、物流業界に思い入れがあるみたいですね。ただどうせなら、ついでに事実上、契約を打ち切られたコンビニ業界にも言及して、大手コンビニをギャフンと言わすストーリーも書いてもらいたかったですね。

余談ですが、僕は、前の会社にいる時に、僕の担当しておりました、今回の作品では「弱者」である「暁星運輸」にあたる会社の関連会社に契約を打ち切られて、かなり悔しい思いをしたので、あまり感情移入が出来ませんでした。(;´д`)  ついでに言えば、この会社をギャフンと言わす小説を書いてみようかと思っているくらいです。(-。-)y-~まぁ、とにかく読んでみてください。




プラチナタウン(楡周平)4

プラチナタウン







楡周平の「プラチナタウン」です。この作品もなかなか面白かったです。しかし、この表紙見て、楡周平ファン以外に、この本を買おうと思う人がいるでしょうか?(笑) 僕だったら、かなり勇気がいると思います。この表紙の所為で、5000部は売り損ねたと、マーケティングの素人の僕は分析しています(笑) まぁ、表紙と内容というのは関係ないと言っても、人間の心理の面では、重要な要素ではないかな?と思うんですね。失礼ながら、逆に言うと「幸田真音」の本の表紙は、どれも魅力的な表紙だと思うんです。作品が表紙に負けてるのもあります。けど、販売目的には幸田路線の方が優れてますよね。つい、表紙のカッコ良さにつられて買ってしまう訳ですから。
 話は戻って、この「プラチナタウン」は、楡作品の中では違った感じに仕上げてきて感心しました。服部真澄の「ポジ・スパイラル」のような前向きなストーリーです。

ストーリー的には、日本で1、2を争う大手総合商社の四井商事食料事業本部穀物取引部部長の山崎鉄郎は、実家の宮城県の中学の同級生のクマケン(熊沢)より、緑原町の町長になってくれないかとの打診を受けるんですね。緑原町は、150億円の借金を抱えどうしようもない状態になっている。過疎化の進む町の財政を建て直せる訳がなく、山崎は断わるのですが、その後、山崎は上司の妹の息子の採用試験で、間違って、不採用にしてしまうミスを犯して、子会社に出向させられるハメになったんです。そこで自棄になって飲んでいる時に、クマケンから連絡があり、酒の勢いで、町長選の出馬を承諾してしまうんです。そして、めでたく?町長に就任した山崎は大規模な老人ホームを建てて、町の財政を立て直す起爆剤にしたいと考える・・・・・。

という感じでストーリーが進みます。表紙の絵を見て、期待しないで読み始めると、これが面白くて、イッキに読めてしまいます。少し好条件が整いすぎてるけど、こんなのあったらいいな。と思うんですね。しかも最後の場面での山崎は、人間の器がでかく、すっきりした完結になっています。僕なら上司への復讐をするような気もします。あと1つ感想を言うと、表紙にこんな絵を使うなら、黒川作品の『桑原&二宮』のコンビのような関西人が町長と助役の山崎&クワケンの役を少し面白ろおかしく進めていくともっと面白くなったと思います。とにかく、一応お薦めです。( ´∀`)つ




陪審法廷(楡周平)4

陪審法廷






楡周平の「陪審法廷」です。この作品はかなりお薦めです。ストーリーも面白いし、アメリカの陪審制度の勉強にもなります。僕がこの本を読んだ頃は、日本でも裁判員制度が導入されるという事で、多少話題になった時期でありまして、その時、友人達に、この本を読んでの知識しか全くないのに、アメリカの陪審制度を語り、それから類推して日本の裁判員制度もこいうものだと薀蓄を語った記憶があります。(* ̄∇ ̄*)エヘヘ (僕の今勤めている会社は、つい最近、この裁判員に選ばれて、会社を休む場合、賃金を100%保証するとのメールがきました)

ストーリー的には、主人公の1人である「パメラ」は、中米のグアテマラで生まれ、物心ついた頃はには父はなく、母親に育てられてきたが、母親もパメラが7歳の時に病気で死んでしまったんですね。路上生活を余技なくされたパメラは、ある時、孤児の施設に引き取られます。そして、その施設で兄のように慕っていたホセがアメリカに行くというので、一緒に連れていってもらう事になります。(アメリカでは、20歳に満たない密入国者は、強制送還されず、グリーンカードがもらえる)そして、パメラは、運良くアメリカに入国できて、国境警備隊に捕まり、施設に保護される事となるのですが、そんなパメラに養子縁組の話が舞い込むんですね。父となる男は、医者であり、母となるのも看護士という恵まれた家庭だったんです。パメラは、その家庭に養子として入り、とても幸せな生活を送っていたのですが、ある夜、パメラは父親となったクレイトンに性的虐待を受けるんです。その日を境にして、パメラは3年間もの間、性的虐待を受け続けてきたんです。パメラは恵まれた家庭での、生活の崩壊を恐れた事と、大好きな母親を悲しませたくないと思い、クレイトンの性的虐待に耐えてきたが、我慢の限界となり、クレイトン殺害を決意するんです。
 その話を聞いた、隣に住み、家族同然に過ごしてきた幼馴染のケンイチは憤慨し、パメラに代わってクレイトン殺害を決意します。ケンイチは、完全犯罪を計画し実行に移すが、計画通りにいかず、クレイトンを殺害するものの、その場で逮捕されてしまうんです。15歳のケンイチではありますが、アメリカでは殺人を犯した場合、15歳でも成人と同じ基準で裁判にかけられるんです。ケンイチが有罪となれば第1級殺人が適用されます。適用されれば、仮釈放なしの無期懲役となる。第2級殺人でも最低25年は刑務所にいれられる。
 そして陪審員候補が召集され、12人の陪審員が決まり、法廷が開廷し、そして、ケンイチが無罪か有罪かの評議がなされる・・・・・・。

うわ〜、やはり巧く説明できない。とにかく、この作品の見所は、陪審員が選ばれてから判決が出るまでの過程が非常に面白いです。勉強になるし、どっぷりと作品に浸ってしまう。面白いので、ぜひ読んでみてください。

クラッシュ(楡周平)5

クラッシュ






楡周平の「クラッシュ」です。これは、川瀬雅彦シリーズの第二弾です。僕的には、この作品が楡周平作品の中で1番好きかもです。

前作の「クーデター」で龍陽教のクーデターを阻止した後の話です。川瀬は、由紀という最愛の女性を失い、カメラマンを辞め、取材記者としてやっていく事になるんですね。そんな川瀬が最初に取り組んだテーマは「インターネットに潜む危険な罠」というモノだったんです。その事からまた大事件に係っていく感じです。

現在の航空機は、コンピューター化が進んでいる。極端に言うと、パイロットの仕事は、予めコンピューターにインプットされたデータベースの中から、出発する空港と目的の空港を、そしてルートを選択する。地上滑走を行い飛行機が地上を離れたところで脚を上げ、そして目的空港の滑走路に進入を開始したところで脚を降ろしてやる。その程度のことしかしないところまできている。全てをコンピューターが管理する環境にある。(それを可能にしたのは、FMSとIRSという装置です)そのフライトコントロールシステムに、そのシステムを作ったキャサリンが、(復讐の為に)システムを改竄してコントロール出来なくさせるウィルスを仕掛ける。その事がキャサリンの想像をはるかに超えた大事件に発展していくというストーリーです。そうした中で、再び川瀬達が活躍していく感じです。

 もう簡単に書きすぎだけど、600ページにも渡る大作で、川瀬の章とキャサリンの章とウィルスに犯された航空機のパイロットの章と航空機会社の章と代わる代わる進んでいって、僕を飽きさせなくてすごく興味深いものでした。航空機の事などもすごく詳細に説明されていて勉強にもなりました。かなりお薦めです。


 

またまた余談ですが、航空機のストーリーなので、それに関連した件を少しだけ書きます。僕は、飛行機が怖くて、もう20年以上乗ってないです。その原因といのは、1985年の「日航機墜落事故」です。あの8月12日は、僕も母の田舎に帰る為に別の飛行機に乗ってました。出発時間もあまり差がないくらいだったと思います。熊本に到着した位に大騒ぎになっていて、まだ小学生だった僕はその当時、恐怖を覚えた記憶があります。それから飛行機が駄目になりましたね。熊本からの帰りは、絶対に飛行機は嫌だと言ったのですが、父から、「飛行機が墜落してばかりだから、航空会社も十分気をつけてるから当分は大丈夫だよ」とか説得されて、帰りは飛行機で帰りましたが、その帰りの飛行機が僕が乗った最後の飛行機です。歴史の本とかを読んでいて、僕が常に思うのは、「死を前にして決してろたえてはいけない」と思ってます。病気などで余命を宣告されても、決して、うろたえないでいようと常に思ってますが(これは、吉田松陰や坂本龍馬の死生観を読んだりしてとか、歴史上の偉人は、最期は潔いのが好きだからです)墜落死だけは、何か嫌だな〜と思っていたら、何か飛行機に乗らないで済んできました。

さすがに、もう乗ってもいいと思ってますが、いつになるかは分かりません。少し前に、墜落した日航機のボイスレコーダーが公開されて、特集とかやっていましたが、この「クラッシュ」に、

「スコーク7700」、「日本語にて申し上げます」 

という同じセリフがあって、何か響くものがありました。ボイスレコーダーでは、機長の、「山にぶつかるぞ」とか「がんばれ〜」とか「どーんといこう」という言葉が残っていて、何か衝撃をうけました。



マリア・プロジェクト(楡周平)4

マリアプロジェクト








楡周平の「マリア・プロジェクト」です。この作品は、後半はちょっと駄目な感じですが、全体的には良い作品で、楡周平作品では上位に入るくらい好きな作品です。この本が出た頃と同じ位に、ヤンソギルの「闇の子供たち」が出たと記憶してるのですが、違ったとしても、僕はこの2作品をそんな間をあけずに読んだ記憶があります。ヤンソギルの「闇の子供たち」を本や映画を見て、興味を持った方は、必読の作品です。

 例によって、帯では、

 「妊娠22週目の胎児の卵巣に存在する700万個の卵子。この生物学上の事実が巨額の金をもたらすプロジェクトを生んだ。顕微鏡の中で繰り広げられる生命創出の一部始終。快感に打ち震える科学者。神を冒瀆する所業に今、ひとりの日本人が立ち向かった。」


 という感じですが、ちょっと駄目ですね。微妙にずれてる気がする。


 内容的には、アメリカのコロラド州にあるボルダーで開催された学会に参加した、東京で産婦人科医院を経営する新城と帝都大学で不妊治療の研究を行っている河村に、アメリカの製薬会社のウィリアム・アンド・トンプソン社のものが、

 「未成熟の卵子を体外受精に耐えうるだけの成熟した卵子にする培養基と技術を開発した。それも胎児の卵子を成熟出来る」

 そのプロジェクトに協力してくれないかとの依頼がくる。巨額の成功報酬と研究者としての立場で深い興味を覚えて、2人はこの提案に協力を約束する。そんな中、新城の元に、一部上場会社のオーナー社長の娘である、大道寺諒子が妊娠6ヶ月で、中絶手術に訪れる。その妊娠22週目の胎児を使い、その胎児の卵巣から採取された卵子が培養液によって、40個の卵子が成熟して、使用可能となった。その卵子を使って、フィリピンのスラムのトンドから拉致した処女の女の体を使って、子供を生ませようとする!・・・・・という感じでストーリーが流れていきます。それから、様々な因縁やら臓器売買やらにと流れていきます。

 実際にありそうで怖い話です。昔よく、小説やマンガの世界で、借金して返済できない人に借金取りが、「じゃあ、臓器でも売って、金を作ってもらおうか?」なんて脅し文句がありましたが、まんざら嘘でもない気がします。この「マリア・プロジェクト」は、不妊治療の事やフィリピンの情勢などが詳しく書かれていて、そういった面から見ても面白い本です。今回は、更に説明下手ですが、今から読んでも損はなしです。

再生巨流(楡周平)3

再生巨流






楡周平の「再生巨流」です。この作品は、僕的には経済小説の部類に入ると思います。楡周平は、外資系企業で働いていただけあって、この手の小説も巧く書くなあという印象です。「青狼記」などの歴史モノも書けるし、「Cの福音」のようなハードボイルドも書けるし、オールラウンドプレイヤーですね。

この「再生巨流」は、大手運送会社のスバル運輸に勤める「吉野公啓(まさひろ)」に、東京第一営業部次長から東京本社新規事業開発部部長への異動の辞令が下りたんですね。一見昇格に思える人事異動だが、この新設された事業部は、部下1人、事務1人の合計3人の事業部で、この3人で年間4億もの売上を作れというものだったんです。出来なければ閑職に追いやられるか、自主退社をせまられる事になるであろう左遷人事だったんですね。懊悩した吉野は「文具通販」に着目する。スバル運輸をただの運送会社から脱却させて更なる企業へと飛躍させる可能性の事業プランを立てる!

という感じのストーリーです。なかなか面白かったです。ただこの話は、郵政民営化になる前の話なので、少し古い気もしますが、今読んでも楽しめます。ぜひ、読んでみてください。・・・・・・・・とお薦めしながら、僕的には、このジャンルはあまり好きではない。なぜかというと、このタイプの話は、架空の話より、実際に成功した人達のノンフィクション的な話の方が現実味もあるし、楽しいからです。よくある、ソニーの話やホンダの話、最近で言えば、ソフトバンクの孫さんの話やドコモを今のような巨大な企業に育てた方の話やサイバーやその他実際のビックプロジェクトを仕掛けた人とかの話の方が興奮するからです。ついついそれと比べてしまいます。



 

無限連鎖(楡周平)3

無限連鎖








楡周平の「無限連鎖」です。これは、楡周平作品の中で上位に入る面白さです。これを書くにあたって、パラパラと読み直してみたのですが、今見ても面白かったです。

2001年9月11日に、ビンラディン達が起こした同時多発テロに対するアメリカのアフガニスタンへの報復行為に対する、更なる報復の為に、国境を越え団結した別のテロ組織が再びテロをアメリカに仕掛けるんです。今度のテロは、アメリカの物流網を遮断させるテロを起こします。ニューヨークに架かる8つの橋、4つのトンネルを破壊し、更にサンフランシスコ湾に架かる4つの橋、チェーサーピークベイブリッチ、ワシントンのポトマック川に架かる2つの橋、ロス近郊のインターチェンジ、東西のコンテナ埠頭に繋がる橋を破壊。更に鉄道網では、メイライン上にある橋、内陸部のインターステイトのトンネルを爆破する。世界経済は、情報、物流、あらゆる面で、1つのネットワークになっている。その中心であるアメリカ経済を麻痺させれば世界の経済にダメージを与えられるとの戦略だった。
 そして、国境を越えたテロ組織は、次に日本に対して、テロを仕掛けた。30万トンの原油を満載した日本のタンカーの「あらびあ丸」を乗っ取り、あらびあ丸に爆弾を仕掛け、東京湾にアンカーを下ろし、日本政府に対して、
 1、米国政府は、現在も続行中のアフガニスタンへの攻撃と駐留をただちに止め、即時撤退せよ。
 2、米国政府は、キューバのグアンタナモに捕虜として抑留中のアルカイダのメンバーを即座に釈放、母国へ送還せよ。
 3、日本政府は、米ドルで1億ドルの現金を用意せよ。
と要求した。タンカーには、船長以下20名もの人質もいる。果たして、日本政府と米国政府の対応は?


という感じのストーリーです。少し解説の視点がずれているのですが、そこを詳しく書いてしまうと面白くない気もしたので、「あらびあ丸」のあたりは、さらっとしか書いてませんが、そこのあたりが面白いです。こういう感じの本の常識を覆す感じの展開だったので面白かったです。この作品はお薦めです。( ´∀`)つ

青狼記(楡周平)3

青狼記








楡周平の「青狼記」です。楡周平、初の歴史小説です。男性向けの作品という感じがしますが、どちらかというと女性向けな作品という感じです。歴史モノという概念を捨てれば、女性の方が楽しめそうです。逆に歴史ものが好きな人が期待して読むと、少しがっかりすると思います。

ストーリー的には、大陸が、湖朝・宋北・華感・奉金・楽天の5国に別れ、それぞれ小競り合いを繰り広げる中、1番の小国の楽天に、1番の大国の奉金より、講和盟約を結びたいとの話がくる。湖朝と宋国と華漢の3国が密かに盟約を結ぶ気配があるとの理由なのですが、奉金は、盟約の証として、奉金の宝と呼ばれ、諸国に名の轟いた軍師の「春申」を差し出すと言ってきた。楽天の王、伯夷帝は、講和盟約を結ぶ決意をする。そして、楽天側の人質としては、楽天の宝と謳われた軍師の「荘忠英」を差し出す事にした。伯夷帝は、「忠英」が、国民の尊敬を一身に集める存在になっている事を面白くないと感じていた。「この国に、民衆の尊敬を受ける者は、2人といらない。それは、帝である自分1人だ。」と思っていたので、この人質の交換は、喜ぶべき事だった。しかし、「忠英」の後を嗣いだ忠英の第一子の「趙浚」が、次第に民衆の尊敬を集める様になり、しかも、伯夷帝の第一子の「元コウ」よりも文武とも優れていたので、伯夷帝は、様々な手段を用いて、「趙浚」を陥れようとするというストーリーです。

この作品を面白いか面白くないかは、主人公の「趙浚」に、感情移入出来るか出来ないかで、別れる所だと思います。僕は、ダメでした。伯夷帝に、酷い仕打ちを受けても、ひたむきに、純真に接する態度が、僕には、バカに見えてきてしまった。とにかく、1度読んでみてください。感情移入出来れば、非常にいい作品だと思います。



クーデター(楡周平)3

クーデター







楡周平の「クーデター」です。この「クーデター」では、楡周平の朝倉恭介と並ぶ位、魅力的な川瀬雅彦が主人公です。この作品は完璧に男性向きの作品です。でもこれを読まないと、後に続く作品に魅力が半減してしまうので、この作品は押さえないと駄目です。これを読んだ当時は凄く面白かった記憶があります。自分の中でかなりランキングが高かったのですが、今回、ブログで紹介しようと思って、ぱらっと読みかえしたら、そんなでもなかったのですが、2回目だからでしょうか?

ストーリー的には、龍陽教という宗教団体が、「腐りきった日本を立て直す!」という日本の再生を夢みて、クーデターを画策するんですね。龍陽教は、信者を自衛隊に送りこみ、実践のプロに仕立て、ロシアから武器、弾薬を入手して、クーデターを起こす機会を伺っていたんです。そんな矢先、アメリカの潜水艦が座礁するんです。この場所は、北朝鮮が定める海域に近く、アメリカ、北朝鮮、日本の間で、緊張がはしります。龍陽教は、この機会をチャンスととらえクーデターを敢行するんですね。そのクーデターが起きた現場に、渡瀬の恋人のユキが取材に入るんです。そして、ユキは、龍陽教の実行部隊によって銃撃されて殺されてしまう。それに怒った渡瀬は、真実を暴く為に現場に飛ぶ!

という感じのストーリーです。この「クーデター」は、解説が難しいです。楡周平は、読者に、この物語を分かってもらう為か、本の中で日本とアメリカの現在の(本が出た当時の)関係や、アメリカと北朝鮮の関係、現在の国際的な政治状況、日本の防衛政策とかを分かり易く、ストーリーに織り込んでいて、その部分が非常に長い。良く言えば親切なのですが、悪く言えば焦点が定まってないというか、本筋でない所まで、長々と書いているので、解説を書く時に迷ってしまいます。でも、それなりに面白いので、読んでみる価値があると思います。それに、その後、渡瀬が主人公の作品も出るので、やはり読んでおかないと駄目かもしれません。あと、この本が出たのが、だいぶ前の為、「有事立法」らへんの事は、現在とは違うので、そこら辺は、心して読んでください。

猛禽の宴<続・Cの福音>(楡周平)3

猛禽の宴







楡周平の「猛禽の宴」です。サブタイトル通り、Cの福音の続編です。今度の舞台はアメリカが舞台です。朝倉恭介のパートナーであり、父のような存在である、ニューヨークに君臨する組織のボスであるファルージオは、中国マフィア達の手によって暗殺されかかるんです。奇跡的に一命はとりとめたが半身不随になってしまうんです。ファルージオは、このままボスに君臨するのは無理だと判断して、後継者を癸欧離献腑札奸Ε▲粥璽砲鮖慳召垢襪、ボスへの野心があるフランク・コジモによって暗殺されてしまうんです。そして、ボスに登りつめたコジモが恭介のビジネスをも奪おうと恭介を追い詰める。

という感じのストーリーです。ホントは、もっと複雑なのですが、だいたいの筋は間違ってないです。恭介の活躍がまたスリリングで面白かったです。「Cの福音」が面白かったと思った人にはお薦めです。


フェイク(楡周平)2

フェイク







楡周平の「フェイク」です。これはどうですかね?意見が別れると思います。

銀座の高級クラブのボーイの主人公の「岩崎陽一」が、ママの摩耶と岩崎の友人の平木謙介と3人で、「オリエンタル製薬」を脅迫して、大金を脅しとろうとするストーリーです。色々な事を省いて、短く説明するとこういう事になります。ホントはこれに、様々な事が絡んでいて、こんな単純な説明では説明がつかないのですが、とにかく1度読んでみてください。( ´∀`)つ




 

クレイジーボーイズ(楡周平)3

クレイジーボーイズ







楡周平の「クレイジーボーイズ」です。少し中弛みする所があるのですが面白かったです。この作品は「発明の対価」に対するニュース(青色発光ダイオードの件など)をきっかけに閃いて書いた作品ではないかと思いました。

ストーリー的には、水素自動車実用化を可能せしめる画期的な燃料タンクを開発した【柴山哲治】の父(柴山教授)が、特許の申請を会社のものとしてではなく、柴山教授個人の名前で申請した事により、会社と対立するんです。会社側は、「この技術が会社の施設を利用して開発されたものだから、特許の所有権は、会社に帰属する」と主張するんです。柴山教授は、「たった1人で開発したものだから、所有権は、私のものだ」と主張します。そして、所有権の帰属を巡って、会社と法廷で争っている間にサンフランシスコの海岸で無惨な姿となった柴山教授の遺体が発見されんですね。柴山教授は、実は「ゲイ」だったのですが、そのプレイの最中に殺されたと思われたんです。哲治は、父の死がそんな簡単なものじゃないと、友人と真相解明に乗り出す

という感じです。自分の解説を読み直したら、かなりツマラナイ作品に思えたのですが、なかなか面白いです。解説が下手なだけです。ただ少し中弛みしちゃいます。母との件とか、納得いかないとことかあったりするけど、楡周平らしい作品に仕上がってます。


Cの福音(楡周平)4

Cの福音






楡周平の「Cの福音」です。楡周平を読んだ事がない人の為にまずお薦めするのは、この「Cの福音」です。多分、12年位前に出た作品ですが、今読んでも全然楽しめます。

主人公の朝倉恭介は、私立にあるミリタリースクールに進学して、充実した3年間を過ごし、ブラウン大学への進学も決まり卒業式を迎えようとした矢先に、卒業式に出席するために、ニューヨークからフィラデルフィアに向かった恭介の両親が飛行機事故で亡くなってしまったんですね。恭介は孤独になりながらも、ブラウン大学に進学して、勉強に励んで、そして、米軍特殊部隊のベイヤーの格闘技道場に通い、実践で鍛えたベイヤーをも凌ぐ強さを身につけたんです。そして、非合法組織を運営する組織のドンの「ファルージオ」と知り合います。恭介はファルージオに、日本の複雑な通関業務を利用して、麻薬の密輸を提案するんですね。

説明が下手だから分かり難いかもしれませんが、これが凄く面白いです。アメリカと日本を結ぶ広大な犯罪計画に圧倒された記憶があります。僕が読んだ当時は、この犯罪システムがすごく斬新なものに思えて、しかもこんな感じのジャンルは初めてだったので、凄く好きになった記憶があります。ベストセラーになった作品なので、僕だけの意見ではないと思うので、まず、楡周平を読むなら、こちらから読んでください。( ´∀`)つ

楡周平

僕の知る限り、「異端の大義」、「ガリバー・パニック」、「外資な人たち 」を除くと、楡周平作品は全部載せたと思います。一応、ここまでで、楡周平作品の次郎的ベスト5を発表しようかと思います。

 1位「クラッシュ」
 2位「マリア・プロジェクト」
 3位「陪審法廷」
 4位「Cの福音」
 5位「クレイジーボーイズ」


となります。気分によって順位は多少変動しますが、だいたいこんなものだと思います。「クラッシュ」は、シリーズを読んでない人でも全然楽しめるので、読んでみてください。(シリーズものは、面白いと聞いていても、ついつい面倒になって、手が出せないないものですよね。)


Cの福音猛禽の宴








朝倉恭介無限連鎖








青狼記外資な人たち








マリアプロジェクトクラッシュ








クーデターガリバーパニック








陪審法廷フェイク








クレイジーボーイズワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京








nire1骨の記憶








ラストワンマイルプラチナタウン







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