蕎麦とラーメン食べ歩き と読書のブログ

蕎麦とラーメンの食べ歩きと読書のブログです。蕎麦は、結構詳しいので、蕎麦の評価は信用出来ると思います。ラーメンは、素人です。読書傾向は偏りがちです。

 お薦めの本を紹介してください!  コメント欄ではちょっと・・・。という方は、メールください。生意気言ってすみませんが、「恋愛もの」以外でお願いします。     

福井晴敏(読書関係)

人類資金 (福井晴敏)4

人類資金















福井晴敏の『人類資金察です。待ちに待ちました。(*´∇`*) 今回の7巻は700ページもありまして読み応えがある最終巻でした。あまりにも待ち過ぎて、忘れている所もあったのですが、読み始めたら止まらなくなりまして面白かったです。

今回の最終巻は【真舟雄一】がメインを張るんですね。【本庄一義】がその命と引き換えに手に入れた【逆転の目】を託された真舟は、逆転への壮大な絵図を描いて反撃に出るんです。それがハラハラドキドキの展開で最後まで楽しく読めました。

そもそも、この【M資金】は、マニラのマラカニアン宮殿地下にマッカーサー親子が築いたと言われる財宝をフィリピン進行作戦で奪い、日本軍の現地司令官から、

「資本を背景にした大国の覇権主義は、これからも続く。大本営の連中は、哀れな参謀どもは、戦争が終わればまた同じ事をくり返すだろう。笹倉、連中にこの財宝を渡すな。おまえの責任において、正しく未来のために使え。これは、この戦争で犠牲になった者たちの血と涙の結晶。すべての人間のために使われる、 

人類資金であるべきだ」

という事で【笹倉雅実】が託された資金なんですね。それがマネーゲームへの資金へと違う方向へ進んでしまった事を憂いた【笹倉暢人】が、現在この資金を運用している財団に反旗を翻すというのがスタートなのですが、この終戦直後の出来事から現代に至るまでを、最後まで魅力的に描ききってまして、この巻では、暢人の救出しか頭になかった僕に、しっかり当初の目的まで思い出させてくれまして、完璧なクロージングでした。

全然この巻の説明をしてないので少し説明させて頂きます。
捕らえられた暢人を救う為に、財団からの【M資金】奪取の成功報酬として得た50億円を元手に、真舟は〈ディスカバリーオイル株〉で仕手戦に打って出るんですね。日本最大の暴力団の【矢俣組】を巻き込んでのこの仕手戦は、ディスカバリーオイルの株価が暴騰して、この銘柄に世界中の注目が集まる状況にする為で、アメリカ側の【M資金】の運営者の陰謀によって〈国際テロ組織の拠点〉とされてしまったカペラ共和国に注目を集めさせる事に繋がるんですね。失敗したかに見えたその作戦は、意外な人物の助けがあって成功します。そして、石優樹が国連の一般討論演説のカペラ共和国のオブザーバーとしてスピーチする事になるんですね。スピーチを阻止する為に動き出したアメリカ側の清算人との対決、暢人を救出する為にアメリカの財団に乗り込んだ真舟、もうここら辺は興奮して、寝ないで朝まで読んでました。

今からでも遅くないので、1巻から読んでみてください。( ´ ▽ ` )ノ


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人類資金此癖^羸寡辧4

(人類資金1〜5)













福井晴敏の『人類資金此です。前回、1〜5をざっくり紹介しまして、僕的にかなり面白くてお奨めしていたのですが、今回も面白かったですね。前回の紹介の流れからして、今回の詳細を書いてもしょうがないのですが、前回、

現在のこの【M資金】を運営している者と、この資金を運営していた創業者の笹倉雅実の理想を受け継ごうとする者との戦いという感じですかね

と書いたのですが、この笹倉雅実の理想を受け継ごうとしている側の【笹倉暢人】が捕まってしまって、仲間である叔父の本庄も捕まってしまうんですね。しかし、何だか分からないんですが、本庄が【逆転の目】を掴むんですね。そして、その【逆転の目】を頼りに、暢人を支えるモノ達が最後の戦いを仕掛ける!!って感じです。今回は、その戦いを仕掛ける前段階で、実際の戦いは、完結巻であります次巻なのですが、最終巻への期待を膨らませつつ、前回までの話の【肉付け】みたくなっていて面白かったです。

次巻の完結が楽しみで仕方ないです。続きで印象に残った所を(・∀・)つ

http://blog.livedoor.jp/yocching/archives/51418602.html

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人類資金1〜5(福井晴敏)4

人類資金










福井晴敏の『人類資金』です。文庫本での書下ろしで、今日現在までは、1巻〜5巻まで刊行されております。(7巻で完結との噂です)僕の友人の評価は、「主人公が青臭くてダメ」との事ですが、僕的には、ど真ん中で好きですね。早くも2014年度次郎的小説大賞の候補作です〜。( ´∀`)つ

この作品は、所謂【M資金】(GHQが占領下で接収した財産を元にして、極秘に運用されていると言われる資金)を題材にした作品です。この作品では、マッカーサー親子が築いたと言われる財産を奪い、フィリピンから日本に運んだ【笹倉雅実】が、終戦の日に日銀の地下金庫から、この莫大な金塊を奪うんですね。(詳しく言うと、ワンクッションあるのですが)笹倉雅実は、フィリピンで、現地の司令官(多分、山下 奉文だと思うのですが名前は出てこない)から、

「資本を背景にした大国の覇権主義は、これからも続く。大本営の連中は、哀れな参謀どもは、戦争が終わればまた同じ事をくり返すだろう。笹倉、連中にこの財宝を渡すな。おまえの責任において、正しく未来のために使え。これは、この戦争で犠牲になった者たちの血と涙の結晶。すべての人間のために使われる、 

人類資金であるべきだ」

と言われるんですね。そして笹倉は、この資金を元に、戦後の日本の復興を支える為の財団を作るのです。まだこの作品の主人公すら説明してないのですが、この「M資金」がこの物語の軸となっています。現在のこの資金を運営している者と、この資金を運営していた創業者の笹倉雅実の理想を受け継ごうとする者との戦いという感じですかね。これに、アメリカや福井晴敏のお得意の「市ヶ谷」なんかも加わって、しかも、僕の大好きな「詐欺」の話を絡ませて、凄く面白い話になっております。諜報とかの話が好きな方には、少し主人公達の性格がぬるく感じるかもしれませんが、

それがいいのよ〜
 (*´∇`*)


分からんかね〜。ま、とにかく賛否両論ありますが、僕的にはお薦めです。.。゚+.(・∀・)゚+.゚









震災後(福井晴敏)3

震災後

福井晴敏の『震災後』です。僕的には、『Op.ローズダスト』以来の5年振りの福井作品となります。福井晴敏は、次郎的好きな作家のベスト10に入る作家ですが、今回の作品は僕が求めていた系の作品ではないので、少し残念でした。内容的にも、タイトルから僕が想像した内容と少しズレがありましてイマイチな感じでした。

多摩市在住の平凡なサラリーマンの野田圭介が主人公の物語で、2011年3月11日の東日本大震災後に、一変してしまった野田家の様子が綴られています。(フィクションです) 震災で、野田の勤める会社の茨城の工場が被災し、先行きが見えない状態、福島第一原発の先行きの不安、政府の対応への不信、誘発されるであろう今後の大地震への不安で、野田の心は闇を抱えてしまう。そんな時に、野田の息子の弘人までもが、震災後から明らかに言動がおかしくなる。弘人を心配した野田と野田の父は、弘人の不安を取り除かせようと、ゴールデンウィークを利用して被災地にボランティア活動に向かうが・・・・・・・、弘人には逆効果で、弘人はとある事件を起こしてしまう・・・。

という感じの流れです。芯が弱く、精神的にはまだまだ大人に成りきれてない野田圭介に、僕的には嫌悪感を抱いてしまうのですが、野田の父が防衛省の情報本部にいた人で、頼りがいのある魅力的なキャラで、びしびしこの物語を引っ張ります。そして、野田の父のアドバイスで野田圭介は立ち上がり・・・・・・・。

ある行動に移すのですが、これが僕には響かなかったですね。僕的には、この作品は、震災の事よりも「父と子」のヒューマンドラマ(思春期の息子を持つ父の物語)といった印象が強くなってしまって、少し不満でした。僕の理想的には、被災した「ど真ん中」の人を主人公にして欲しかったです。千葉に住む僕は、立場的には、この主人公とあまり変らない立場であり、別にフィクションの物語を読む必要性を感じなかったです。

僕の予想ですが、首都圏エリアに住む、妻子がいるような人には、この作品の受けは良くないのではないかと思います。 まぁでも読んでみる価値はあると思います。    ( -д-)ノ

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真夏のオリオン3

今日は、「真夏のオリオン」を観てきました。福井晴敏ファンの僕としては、押えておかなければならない作品です。僕的な総評は最後の方に書いておきます。公式ホームページがあるので、詳しくはそちらを見てもらうと分かり易いです。

http://www.manatsu-orion.com/index.html

ストーリーとしましては、公式ホームページからパクらせてもらうと、


現代ー雨の降る海辺の町。
倉本いずみ(北川景子)は今、ひとりの人物を訪ねようとしていた。彼女の手には、英文で書かれた手紙が携えられている。アメリカから届いたその手紙は、こうはじまっている。

『あの夏、私の祖父が何を失い、何を手にしたのか。それを知りたくて、こうして手紙を書いています』

差出人の祖父は、かつてアメリカ海軍で駆逐艦の艦長として日本と戦い、輝かしい戦歴を誇った。にもかかわらす、終戦後は一度としてあの戦争の思い出を語ったこともなく、当時の品も一切手元に残さなかったという。しかし、その祖父の遺品の中に、ただひとつ大切に保管されていたもの。それが手紙に同封されていた楽譜であった。古びた手書きの楽譜には、いずみの祖母・有沢志津子(北川景子・二役)のサインがあった。
いずみは過去を紐解くために、かつて日本海軍で潜水艦長を務めた祖父を知るただひとりの存命者・鈴木(鈴木瑞穂)を訪ねてきたのだ。
海が一望出来る展望台で鈴木老人と対面した彼女は、こう問いかける。

『日本とアメリカは戦争をしていた・・・・それって殺し合っていたってことですよね?なのに、どうしてこの楽譜が戦っていた相手の手に渡ったのか、なぜ60年以上も大事にしまわれてきたのか・・・・』

『難しいことは何もない』そう言ってから鈴木老人は、いずみの疑問に答えるかのように遠い昔の記憶を語りはじめた。

『私たちはみんな一生懸命だった。ただ、それだけです。でも、あの夏、倉本艦長と共にした二週間を、私は忘れたことはありません』

いずみの眼下に広がる雨の向こうの海に、64年前の夏。1945年8月の紺碧の海原が広がり始めた―

第二次世界大戦末期、沖縄南東海域―
日本海軍は、米海軍の燃料補給路を叩くためイ−77をはじめとする最後の潜水艦隊を配備していた。日本の戦局は日に日に悪化を辿り、米軍の本土上陸が近い今、この作戦は最後の防衛ラインともいえた。
イ−77の艦長・倉本孝行(玉木宏)は、同作戦に参加するイ−81の艦長・有沢義彦(堂珍嘉邦)とは海軍兵学校からの親友であり、その妹・志津子ともお互いに想いを寄せ合う仲であった。いつ戻るとも知れぬ作戦への出航前、志津子は倉本に手書きの楽譜を渡した。イタリア語で『真夏のオリオン』と題されたその曲は、志津子が作ったもので、そこには倉本に宛てたメッセージが書き添えられていた。
『―オリオンよ、愛する人を導け』
冬の星座の代名詞であるオリオン座が、この季節に海上から見えるのは夜明けのほんのわずかな時間だけ。真夏に輝けば、それはこの上やい吉兆だと、船乗りの間では語り継がれている。志津子は倉本への想いをそのオリオンの輝きに託したのであった。
倉本たちが迎え撃つのは、米海軍駆逐艦パーシバル。艦長のマイク・スチュワート(デイビッド・ウィニング)は、米海軍きっての歴戦の勇士であり、日本軍の人間魚雷「回天」の攻撃で弟を失くしたことで、さらなる闘志をみなぎらせていた。スチュワート艦長は、大胆かつ周到な知略で日本側の二重三重の防衛ラインを切り裂き、ついに倉本たちの前衛に配備された有沢の潜水艦イ−81と対峙した。
日本軍きっての潜水艦艦長としての数々の駆逐艦を沈めて来た有沢もまた、スチュワート艦長の裏をかく戦術で応戦するが、スチュワート艦長の奇策の前に防衛ラインを突破されてしまう。
残された希望は、倉本たちイ−77の乗員たちに託された。
そして、イ−77と駆逐艦パーシバルは、お互いの策敵範囲に相手の機影を捉えた。
おおらかな笑みを絶やさず、あたかもチェスの駒を進めるが如く一手一手冷静に相手の動きをを読み、一転大胆な決断で敵の意表を突く倉本。対するは、豊富な戦歴をもとに一切の楽観と予断を排し、確実な勝利を手中に収めるまで執拗に、そして非情なまでの冷徹さで爆雷を投下するパーシバル艦長スチュワート。二人の艦長は、限られた本数の魚雷と爆雷を武器として、持ち得る限りの知力と体力の限りを尽くして戦い続ける。三昼夜にも及ぶ激戦の果てに劣勢に立たされたイ−77は甚大な損傷を受け、艦内酸素の残量がわずか1時間となり、まさに万策尽きたと思われた。イ−77に同乗していた人間魚雷「回天」の特攻隊員たちは、最後の手段として倉本に出撃を乞う。しかし倉本は、はやる特攻隊員を抑え説き伏せた。

「いいか、俺たちは死ぬために戦ってるんじゃない。生きるために戦ってるんだ。人間は、兵器じゃないんだ」

若き潜乗員たちの命を預かる倉本は、この戦局を切り抜けるために重大な決断を迫られる。志津子の想いが込められた『真夏のオリオン』の楽譜を胸に、倉本は起死回生の一手に賭けて希望への最後の戦いに臨んでいく。


命を賭した戦いの中でも、生きる希望を決して失わないイ−77潜水艦艦長、倉本孝行。水面下の敵を徹底的に追い詰める駆逐艦パーシバル艦長、マイク・スチュワート。1945年8月―互いが知力と体力の限りをつくした最後の戦いの火蓋が切られた。紺碧の海で繰り広げられた男たちの誇り高き戦いが、今、64年の時を越えて語り継がれていく。


 という感じのストーリーです。公式ホームページを読むとだいたい分かるのですが、ここにも書かれてない事が、映画のパンフレットには、細かく書かれているので、是非観に行く!という方は、パンフレットも買った方がいいと思います。僕は、金欠病なので、パンフレットを買えなかったのですが、映画の上映前に立ち読みして、全部読みました。公式ホームページとパンフレットを合わせて、僕の記憶で、説明すると、この「真夏のオリオン」は、池上司の「雷撃深度十九.五」が原作となっている。福井晴敏は、原作のままでは、高い年齢層しか客が呼べないと思い、広い年齢層にも観てもらいたくて、「64年前の楽譜が時を越えて、人々の心を繋ぐ」とアイデアを盛り込んだそうです。そして、映画の内容も、日本側の視点とかではなく、中立な視点で見せる様にした様です。だから、どちらが悪役とかいう感じではない。

僕的には、まぁまぁな作品という感想です。まず、映画の進み方がよくある感じです。「楽譜」が敵の駆逐艦の艦長の遺品にあって、どうしてなのか?を調べるために、まだ在命している、潜水艦の乗組員に話を聞きに行って、そして、当時の場面になって、それが終わって、現代に戻って・・・というよくあるパターンだったのが少し悲しかった。少しありきたりな気がした。次に、やはり、幅広い層に観てもらえる様に、ヒロインを使った、少し無理矢理なお涙頂戴チックなストーリーとな所が少し残念。細々言うと、栄作とドランクの鈴木と堂珍は、別の人の方がいい気がするし・・・。まぁ、2時間を全く飽きずに観れたので、悪くはないと思います。純粋な心の持ち主なら、楽しめると思うし、悪くはないです。

亡国のイージス〈福井晴敏〉5

亡国のイージス






福井晴敏の「亡国のイージス」です。これまでに、福井晴敏の3作品を紹介しましたが、ごく数人が僕の紹介によって、今さらながらに福井晴敏のファンになりました。( ´∀`)つ これは嬉しい事ですね。この後の話はかなりの余談になりますが、(純粋に解説が見たいだけの人は、3段目から読んでください)本好きな方の多くは、趣向が偏っている方が多いです。(僕もかなり偏っています)自分の好きでないジャンルがいかに、直木賞候補になろうが、映画化されようが、読もうとしません。この「亡国のイージス」も自衛隊モノというレッテルが貼られているので、どんなに話題になっても、読まない人は読まないです。そいう人は、何かきっかけがないと読むようにはならないです。前にも書きましたが、僕が福井晴敏を読むようになったのは、大沢在昌がかなりお薦めしていたからです。(ちなみに、ヤンソギルを読むようになったのは、浅田次郎が「血と骨」を褒めていたからで、白川道を読むようになったのは、浅田次郎の本の解説をしてたからで、花村萬月を読むようになったのは、鈴木光司の本読んでだし、尊敬する作家が褒めてたとか秘かに尊敬する友人が薦めてくれた時とかのきっかけが必要です)なので、本のブログで、今さらの作品を紹介するのもいいのでは?と思っています。最新の本は、他の人にお任せして、僕はこっちの路線で、やっていこうと思います。(金も使わないしね)

で、僕は福井作品の中では、この「亡国のイージス」を1番最初に読んだのですが、その時の衝撃は、すごいものでした。心を躍動させてくれる作品でした。ストーリー的にも、オセロでほとんどが白だったのが、ある文章で、ほとんど黒に変わってしまうという様な、どんでん返しがあったり、悲しい気持ちにさせられたり、ほんのりしんみりさせられたり、若干の中弛みはありましたが、すごく面白かったです。福井作品では、こちらと、「終戦のローレライ」が1番好きです。「ローズダスト」は、かなりの中弛みがあるのですが、この作品で描かれている主な場所のお台場は、僕の前職で、かなり係りがあり、普通の人が迷ってしまう「青海1丁目」とかもめちゃ詳しい僕には、すごくリアルに場面が想像出来て、2番目に好きです。
 前にも少し書いたと思いますが、この「亡国のイージス」は、第122回直木賞の候補作になりましたが、惜しくも受賞とはなりませんでした。この時の他候補作が、東野圭吾の「白夜行」、真保裕一「ボーダーライン」、馳星周「M」、なかにし礼「長崎ぶらぶら節」で、なかにし礼以外は、全部が僕の好きな作家で、全ての作品を読んでると思います。この時は、僕的には、東野圭吾の「白夜行」とすごく悩んで、「亡国のイージス」が受賞すると思ってましたが、なかにし礼の「長崎ふらぶら節」でした。選考委員で、「亡国のイージス」を押したのは、井上ひさしと田辺聖子だけで、他の選考委員の評価は、良くありませんでした。選考委員の黒岩重吾なんかは、「余りにも登場人物が多く、重点を置く人物を見失ったのではないか?」みたいなへんてこな意見を言ってましたが、全然そんな気がしませんでした。なかにし礼の「長崎ふらぶら節」は、ほとんど全会一致の受賞と言っていいほどの受賞だったので、すぐに購入して読んだら、やはりいい作品でしたが、面白い作品ではありませんでした。どの回でも選考委員とただの読者との間にかなりの壁がありますね。

で、とばさず読んだ方はご苦労様です。簡単な解説です。まずは、文庫本にある解説ですが、これはあまりにもお粗末だと思えたので、割愛させていただいて、福井晴敏のオフィシャルサイトにある解説は、

「自らの掟に従い、15歳で父親を手にかけた少年。一人息子を国家に忙殺され、それまでの人生をなげうち鬼となった男。祖国に絶望して反逆の牙をむく、孤独な北朝鮮工作員。男達の底深い情念が、最新のシステム護衛艦を暴走させ、一億二千万の民を擁する国家がなす術もなく立ちつくす」 

僕的にはこれが素晴らしいと思うので特にありません。長編を、短く説明するとこんなものかと思います。とにかく、自衛隊モノというのを越えて面白いです。人間対人間の熱い物語です。敢て補足するなら、父親を殺すまで追い詰められた如月行と一人息子を国家の思惑で殺された宮津艦長と祖国に絶望した北朝鮮工作員のホ・ヨンファと仙石先任海曹との4人の思いのぶつかり合いの物語です。これは、下手に説明してしまうと爆弾踏んでしまいそうなので、こんな感じで。



Twelve Y.O.〈福井晴敏〉4

Twelve Y,O






福井晴敏の「Twelve Y.O」です。福井晴敏のデビュー作なのですが、実際は、前回紹介した「川の深さは」の続編という形になります。(登場人物は違いますが)第43回江戸川乱歩賞を「川の深さは」で、候補作に選ばれながら、惜しくも落選して、次の第44回江戸川乱歩賞で、「川の深さは」を踏まえたストーリーの「Twelve Y.O.」で、みごとに受賞に至りました。

この「Twelve Y.O.」もなかなか面白いです。ただ、「川の深さは」より、内容や展開が非常に複雑になっています。登場人物は、前回と違うのですが、それぞれの配置といいますか、役割的なものは、だいたい同じです。しかし、その人物の背景や真相の複雑さは、かなり難解なので集中力が必要です。

なので解説をするのが、かなり難しいです。文庫本の紹介には、

「沖縄から米海兵隊が撤退した。それは米国防総省が、たった1人のテロリストに屈服した瞬間だった。テロリストの名は、「12(トウエルブ)」。最強のコンピューターウィルス「アポトーシス」と謎の兵器「ウルマ」を使い、米国防総省を脅迫しつづける「12」の正体は?真の目的は?」 

となっていますが、これでもまだまだ上手く説明できてない。僕があえて短く説明するなら、

 「希望も目的もなくただ流されるだけに生きている、元ヘリパイで、現在は、自衛隊地方連絡部で、自衛官の募集、自衛隊の広報活動に従事する「平」(たいら)は、かつての上官で、命の恩人でもある東馬修一に10年ぶりに出会う。東馬と出合った事がきっかけで、平は、様々に事件に巻き込まれてゆく!」 

という感じですかね?全く違った作品のようになってしまいました。大事なキーワードであるアポトーシスウルマグソーの門BB文書も使ってないのは、やはり下手すぎますが、まあでもこんな感じですよ。これを読んでハマるようなら、次は、「亡国のイージス」を読むべし。(・◇・)ゞ

川の深さは〈福井晴敏〉4

川の深さは






福井晴敏の「川の深さは」です。前回、「6ステイン」をご紹介しましたが、僕の友人にはすごく評価が高かったです。食わず嫌いというか、福井晴敏の描くジャンルが駄目だから読んだ事がなかったそうです。前にも言いましたが、僕は大沢在昌が対談みたいな場で、今最も注目する作家は「福井晴敏」と言っていたので、じゃあ読んでみようと思いまして、最初に「亡国のイージス」を読んで、イッキにハマってしまいました。

「6ステイン」を読んで、良かったと思う人に次にお薦めするのが、この「川の深さは」です。この「川の深さは」が実質的なデビュー作です。これも良い作品です。

ストーリー的には、主人公の保に与えられた任務は、「須藤葵とその父親を警護する」という事だったのですが、様々な政治的情勢によって、その任務が警護するのではなく、抹殺せよという事に変更になったんですね。保は、それを拒絶して葵を連れて逃亡する。そして、保は負傷してしまうのですが、その時逃げこんだビルで、もう1人の主人公の桃山と出会うんですね。元マル暴担当の刑事だった桃山は保を助けるんですね。そこから、保を追う様々な組織との戦いが始まる・・・・。という感じです。この僕の解説は、かなり薄っぺらい。もっと深い所では、福井晴敏が、自衛隊の曖昧な存在の事や日本危機意識のなさとか問題を提起しているのですが、そんな事を抜きにしても面白いです。心を閉ざした、保が徐々に桃山に心を開いていく所や、桃山の不器用な所とかそいう所が何か心に響く感じがします。

難しい分析なしに気軽に読んでも絶対に面白いです。( ´∀`)つ

6ステイン〈福井晴敏〉5

6ステイン






福井晴敏の「6ステイン」です。福井晴敏の書く主人公は、魅力的というか、孤独感がいいというか、表現しがたいのですが、ついつい惹き込まれてしまいます。福井晴敏は長編が多いのですが、まだ福井晴敏を読んだ事のない人の為にお薦めなのが、短編集のこの作品です。これを読んでみて、ハマるか合わないか判断できると思います。

この作品は、

 ・「いまできる最善のこと」
 ・「畳算」
 ・「サクラ」
 ・「マーマー」
 ・「断ち切る」
 ・「920を待ちながら」


の6編からなる短編小説です。どれも基本的に防衛庁の「治安情報局」(存在そのものが秘匿されている非公開機関)で働いていた人とか、現役の人が主人公です。福井晴敏作品は、だいたいこのタイプが主人公なので、好き嫌いが別れると思います。僕はこの手のジャンルが大好きなので、福井晴敏作品は簡単に受け入れる事ができました。苦手な人もストーリーが面白いから大丈夫だとは思うのですが。

『いまできる最善のこと』は、治安情報局を辞めて、建設業界で働く主人公は、リストラ名簿のトップに挙げられたと分かった時に、出世街道を歩んでいた同僚のスキャンダルな写真をばら蒔き、追い落とし、画期的なトンネル工法を横取り完成させ、代わりに出世街道を歩んでいた。そんな最中、死に場所をもとめていた元北朝鮮工作員に狙われるはめになった。少し解説の視点がずれてるかもですが、こんな感じです。主人公の歩んできた道に対する心の葛藤がすごく上手く表現されていて、とてもいい作品です。

『畳算』は、1番良かったです。ストーリー的には、ロシアのスパイとして働いていた男が、末期の癌に直面して、核爆弾の入った「スーツケース」を預かった事を告白する。そして、主人公がそのスーツケースの回収に、男の妻がやっている民宿に訪れる・・・・・。という感じです。ほんの最初の部分しか触れてないのですが、これは、すごく良かったので、この解説の知識だけで読んでもらいたいです。

『サクラ』もまた良かったです。サクラは、防衛庁情報局の正局員を補佐して各種情報活動に専従する警補官(AP)なのですが、ある指令を受けて、もう1人の主人公の高藤とある人物を監視する任務に就く。これもこれだけの知識だけで、読んでもらいたいです。

『マーマー』も良かったです。これは何と言っていいか・・・・。肉親の愛情を書いたストーリーなんだけど、このパターンは、福井晴敏の得意なパターンです。難しくないので、分かりやすいです。

『断ち切る』も良かったです。やっぱこちらが1番かな?ストーリー的には、現役を引退した元スリ師(厳密には、バックやポケットなどを剃刀で切り裂き、中身を抜き取る、断ち切り師 )の元に、情報局から、「ある女の電子手帳をスリ取ってほしい」との依頼がくる。今は、引退して息子夫婦と同居して、お世話になってる身なので、初めは断わるのですが、様々な葛藤や出来事があり、その依頼を受ける事にする。これも最初の触りだけだけど、この知識だけで読んでもらいたいです。その後の展開はかなり面白いです。それに、この短編の中で出てきた人物も再び登場して、物語をさらに面白くしています。

『920を待ちながら』は、この短編の中では、上級編です。頭を整理してじっくり読まないとわからなくなります。この物語をよく覚えておくと、この物語の主人公が、別の作品にも出てくるので、感動します。これも面白いです。

まぁ、簡単に言えば全部面白いです。( ´∀`)つ

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