蕎麦とラーメン食べ歩き と読書のブログ

蕎麦とラーメンの食べ歩きと読書のブログです。蕎麦は、結構詳しいので、蕎麦の評価は信用出来ると思います。ラーメンは、素人です。読書傾向は偏りがちです。

 お薦めの本を紹介してください!  コメント欄ではちょっと・・・。という方は、メールください。生意気言ってすみませんが、「恋愛もの」以外でお願いします。     

浅田次郎(読書関係)

長く高い壁(浅田次郎)2

長く高い壁
浅田次郎の『長く高い壁』です。浅田作品初の戦場ミステリとの触れ込みで、期待して読んだのですが大した事なかったです。また僕の好きなラーメンに例えちゃうと、ライトなスープに化調で味を調えたチェーン店のラーメンという感じでした。この本の帯は、作品以上に良い出来過ぎて、詐欺に近いです。(*´∇`*)

1938年秋。流行探偵作家の小柳逸馬は、従軍作家として北京に派遣されていた。だが、突然の要請で、前線へ向かうこととなる。
検閲班長の川津中尉と共に、北京から半日がかりで辿り着いた先は、万里の長城、張飛嶺。
そこで待っていたのは、第一分隊10名が全員死亡という大事件だった。
なぜ、戦場に探偵作家が呼ばれたのか。10名は戦死ではないのか
分隊内での軋轢、保身のための嘘、軍ならではの論理。
従軍作家の目を通し、日中戦争の真実と闇が、いま、解き明かされる。

「戦争の大義」「軍人にとっての戦争」とは
何かを真摯に捉え、胸に迫る人間ドラマ。


主人公は、従軍作家として北京に派遣された流行作家の【小柳逸馬】です。簡単に言うと、張飛嶺守備隊として警戒に当たっていた第一分隊10名全員が、何らかの原因で死んでいるのが発見されたんですね。その調査を【小柳逸馬】が命ぜられまして、助手役として検閲班長の川津中尉を伴って張飛嶺に向かいます。そして紆余曲折を経て事件を見事に解決するという物語です。物語の展開もライトな感じで、解決までの道のりに「ミステリ」としてのドキドキ感もなく、帯にある様な「日中戦争の真実と闇が解き明かされる」訳でもなく、「戦争の大義」「軍人にとっての戦争」を真摯に考えさせられる事もなく、最後までライトは仕上がりとなってました。せめて何処かに感情移入出来たら良かったのですが・・・・・。

浅田次郎の「戦場モノ」としては、最低ランクだと思います。( -д-)ノ


読書日記 ブログランキングへ

それでもファンは読んでみてください。



おもかげ(浅田次郎)3

おもかげ
浅田次郎の『おもかげ』です。この作品の評価は、その人が「スレてる」か「スレてない」かで評価が分かれる作品だと思います。「スレてる」僕は、少し斜に構えて本を読む様になってしまっているので、主人公や、その他の登場人物のキャラに少しだけ反感を持ちながら読み進める事になってしまったんですね。登場人物がみんな純粋だし、その境遇が特異だし、そこに拘り過ぎている設定に違和感を感じてしまったんですね。「スレてない」方が読めば、その主人公の生い立ちや境遇に素直に感情移入出来て、その後の展開に目が離せなくなり、一気に感動のラストまで引っ張られてしまうんだろうなぁ。なんて思える作品です。まぁ、そんな「スレてる」が僕が読んでも、それなりに(余計な、まわりクドイ話などもありましたが)楽しむ事が出来ましたけど。( ´∀`)つ

浅田文学の新たなる傑作、誕生━━━。
定年の日に倒れた男の〈幸福〉とは。
心揺さぶる、愛と真実の物語。


帯にはこうあります。僕的には「新たなる傑作」とは思わないですね。今までの浅田作品の色々な要素が織り込まれている作品で、この作品を読みながら、「地下鉄に乗って」「鉄道員」「血まみれのマリア」「天切り松闇がたり 」「椿山課長の七日間」などの作品が思い浮かんできました。(その他、何かの短編で出てたなぁ。なんてのもありました)特にラストの展開は、「〇〇〇やん!」と、一人呟いてしまった程です。(*´∇`*)

この作品の「あらすじ」は、毎日新聞出版の公式ページにあるので、先ずはそれをコピペさせて頂きます。
http://omokage-mainichi.jp/

主人公の竹脇正一は、昭和26(1951)年生まれの65歳。商社マンとして定年を迎えたが、送別会の帰りに地下鉄の車内で倒れ、集中治療室に運びこまれた。
 同期入社で今や社長となった堀田憲雄の嘆き、妻・節子や娘婿の大野武志の心配、幼なじみの大工の棟梁・永山徹の思いをよそに、竹脇の意識は戻らない。彼らを見守る看護師・児島直子は、竹脇と通勤電車で20年来の顔なじみでもあった。
 一方で、竹脇本人はベッドに横たわる自分の体を横目に、奇妙な体験をする。マダム・ネージュと名乗る老女と食事に行き、静と呼ぶことにした女性と夏の入り江で語らう。集中治療室で隣のベッドにいる患者・榊原勝男とは、銭湯に行き、屋台で酒を飲んだ。
 最初は彼女らのことを妻の知り合いだと思っていた竹脇だが、死に至るまでには肉体から解放された不思議な時間を経験するのではないかと考え始める。やがて、竹脇は自らの〈過去〉と思わぬかたちで再会する――。

公式ページの「あらすじ」はこんな感じです。定年を迎えた【竹脇正一】は、開催してもらった送別会の帰り道、地下鉄の電車内で「脳出血」で倒れたんですね。中野の国際病院に運ばれたのですが、出血がひどくて、脳圧も高く、手術も出来ない状態だったんです。この先たっぷりあると思っていた家族との時間も風前の灯火となってしまったんですね。
 病院のベッドで意識も戻らない状態で横たわる【竹脇正一】を軸とした「ヒューマンドラマ」が始まるんですね。上記の公式ページの「あらすじ」にある様に、同期で社長となった「堀田憲雄」、妻・節子、娘の「茜」、茜の旦那の「大野武志」、幼馴染の「永山徹」の視点で、それぞれの章がありまして物語が進んでいきます。そして、メインを張るのは、【竹脇正一】が幽体となって、病院のベッドに横たわる自分自身を尻目に、様々な体験をするんですね。竹脇正一には、他人に話したくない過去があるのですが(養護施設で育った事なんですが)そんな過去に関する事が少しずつ分かってきまして・・・・・・・・。

核心には触れない様にしますが、感動のラストが待ってます。この作品のターゲット層は、竹脇正一世代ですが、どの世代でもそれなりに楽しめます。(スレてない方は是非)( ´∀`)つ

続きで、くだらない話を(*´∇`*)


読書日記 ブログランキングへ




続きを読む

天子蒙塵 第一巻(浅田次郎)3

天子蒙塵1
浅田次郎の『天子蒙塵 (第一巻)』です。「蒼穹(そうきゅう)の昴(すばる)」シリーズという事になりますね。読み終えてみての感想は、なかなか面白かったという感じです。しかし僕がこの第一巻を読み終えた頃に、早々と第二巻が発売されたのですが、本屋さんで「二巻」を発見した際に、別に喜びは起きなかったですね。喜び勇んで二巻を購入するという程までは面白くなかったです。(実際にこの時、二巻の隣にあった「黒川博行」の新刊を購入してしまいました。(*´∇`*) )感じ的には、『黒書院の六兵衛』の時の様に、少しまわりクドさを感じてしまいました。(前戯が長すぎ) 今回の帯は素晴らしいです。

史上最も高貴な離婚劇。自由をめざして女は戦い、男はさまよう。
ラストエンペラー・溥儀と二人の女。時代の波に吞み込まれた男女の悲劇と壮大な歴史の転換点を描く。


ほんと帯は素晴らしい。正しくこの作品の表現としては100点です。この溥儀と二人の妻を絡ませて、この時代の中国の歴史の転換点が描かれていて、(少しクドかったですが)なかなか面白かったです。この時代に興味がある方ならおススメです。

話の流れ的には、朝日新聞の特派員である【北村修治】が、離婚した宣統帝(溥儀)の皇妃の所在を掴んだのですね。体当たりでの取材は叶わないので、先輩の【岡圭之介】に頼み込み、宣統帝の皇妃の取材を打診するのですが、その仲介をしたのがなんと【李春雲】なんですね。58歳となった春雲が北村修治と共に離婚した宣統帝の皇妃文繡(ウェンシウ)の元を訪ねます。そして、文繡(ウェンシウ)自ら(時には妹が文繡の代わりに)溥儀との結婚から離婚までを語るという展開です。ちょっと前半だらだらするのですが、中盤から流れも良くなりまして楽しめました。二巻は、本屋さんで帯だけ見ましたが、惹きは薄いのですが、後日購入します。( ´∀`)つ

続きで印象に残った場面を


読書日記 ブログランキングへ

続きを読む

帰郷(浅田次郎)3

帰郷














浅田次郎の『帰郷』です。

戦争によって引き裂かれた、男たちの運命とは。

と帯にもある様に、浅田次郎の得意分野の短編集です。ここの所、飲み会が続き、お金が無かったので、ランチを抜いて購入したのですが、後悔なかったですね。さすが浅田次郎という様な満足出来る作品でした。

「帰郷」・・・・・新宿の闇市で身体を売る【綾子】と復員兵の【古越庄一】の物語。テニアンのジャングルの中で終戦を迎えた庄一は、生まれ故郷の松本に戻ってみると、姉の旦那の【三郎さん】が待っていたんですね。

「なあ、庄ちゃ。聞き分けてくれないか」
ぴったりと俺に体を寄せ、うなだれた頭を合わせるようにして、三郎さんは言った。
「僕と出くわしたのは、偶然なんかじゃねえぞ。きっと、諏訪お大神様の思し召しだ。だでせ、庄ちゃ。ここは何も言わねえで始発の汽車に乗れってこっさ。どっかに落ち着いたら、松本高校の気付けで便りをほしい」
三郎さんは懐を探って、ありったけの金を俺の掌に握らせた。


テニアンの玉砕で古越庄一二等兵は、昭和19年8月2日に「西太平洋テニアン島」にて戦死した事になっていたんですね。葬式も出して墓石も建てた。そして、庄一の妻の【糸子】と庄一の弟の【精二】は夫婦になったんですね。庄一の二人の娘も精二を「おとうさん」と呼んでいるんですね。再び松本を離れた庄一は、新宿の闇市で綾子と出会って・・・・。 という感じですね。なぜか既視感があるのですが良い作品でした。

「鉄の沈黙」・・・・・ニューギニアの瓢箪岬にある八八式七センチ野戦高射砲の修理を命じられた【清田吾市一等兵】の物語。ニューブリテン島のツルブから魔のダンピール海峡を越え、海図も読まず磁石も使わずに、ニューギニアのちっぽけな岬に辿り着いたんですね。途中で敵の魚雷艇に二度も出くわし、エンジンを止め息を殺してやり過ごして奇跡的に辿り着く事が出来たんです。清田は以前は大阪の造幣廠に勤務していた技術者で、修理を終えてもここに残る決心をするんですね。ここに残っているのは、連日の砲爆撃で、清田を入れても7名の兵員だけなんですね。そして清田は八八式七センチ野戦高射砲を見事に直すのですが、

「修理をおえたら、おまえは川の向こうまでさがれ。ありのままを申告すれば、どこの陣地でもまさか追い返しはすまい」
軍曹の情に気付くより先に、清田は怒りを感じた。肚の中を探るように、軍曹はしばらく清田を睨みつけていた。
「おまえのことは何も知らんが、技術者は必要だ。後方にさがって、師団の砲兵段列を追及せい。サラワケットを越えるのだから、食料は好きなだけ持っていけ。毛布も忘れるな」


なんてやり取りがあるのですが、清田は一緒に戦う道を選ぶんですね。そしていよいよ、B24の大編隊との対決する事となり・・・・・。奇跡は起きないんですね。まあ起きるはずはないのですが、じ〜んとくるものがありました。

「夜の遊園地」・・・・・父親は、フィリピンのレイテ島で戦死し、母は遠縁の資産家に望まれて再婚した為、母の実家で育てられた【武内勝男】の物語。大学に通いながら奨学金と後楽園遊園地でのバイトで生計を立てる苦学生なんですね。ある日、ナイターが終わった後に遊園地にやって来た2組の父子と出会うのですが、それがきっかけで自分の人生を見つめ直す的な物語です。浅田次郎らしい作品でした。

「不寝番」・・・・・(1973年の話なのですが)射撃競技会に参加した【片山賢三】士長の物語です。競技会の前日だというのに不寝番に立つ羽目になったんですね。しかも午前零時から一時まで上番する深夜の第三直で睡眠時間を奪われる枠だったんですね。不寝番も交代の時間になり、廊下の軋みを気遣いながら居室に戻り、交代の要因を起こしに行くんですね。不寝番は、ベッドの枕元に木札を吊るして、通路の床にチョークで矢印を書くのですが、一番奥の寝台に木札が下げられ、すこぶる几帳面な、冗談とした思えぬチョークの指名が床に記されていたんですね。

不寝番第四直 仙波上等兵

ここで浅田次郎ファンならこの後の展開が予想出来ちゃうのですが、予想以上に良かったですね。

「起床、起床。仙波上等兵殿、不寝番第四直、上番であります」
 笑い声を噛み潰して、片山士長は仙波の肩を揺すった。


時空を超えて東富士の演習所は、戦時下と繋がってしまっていたんですね。演習の後に関東軍の指揮下に入り満州に向かう【仙波上等兵】と片山士長は・・・・・。

「金鵄のもとに」・・・・・ブーゲンビル島で玉砕した歩兵八十一聯隊の第二大隊の唯一の生き残りの【染井俊次軍曹】の物語。都電に乗っていた染井は、街路に蹲る白衣の傷痍軍人をみかけて電車を飛び降りたんですね。物乞いをする傷痍軍人に歩み寄り、

「おい」
病衣の襟を吊るし上げたい衝動に耐えながら、染井は声をかけた。
「商売をするの勝手だが、この看板は下ろせ」
まるで聞こえぬふうである。染井は路上に差し延べられた指を軽く踏んだ。
「耳までないとは言わせんぞ」
飯盒の脇には、軍歴を書いた小さな木札が置かれていた。要するに、お国のためにこういう体になったという来歴である。
染井は屈みこんで、兵隊の耳にきつく囁きかけた。
「南方派遣独立混成第三十八旅団麾下「月七三八六」部隊か。おい兵隊。お前さん何様だか知らんが、その「月七三八六」の編成地はどこだ。言ってみろ」
兵隊は答えなかった。答えられぬかわりに、白衣の肩がわずかにしぼんだ。


簡単に言うと、物乞いの傷痍軍人は、染井の軍歴を語り、嘘をついて物乞いをしていたんですね。ブーゲンビル島での生き残りは染井だけなのに、嘘を語り、物乞いをする傷痍軍人を許せなかったんですね。そしてこの商売を取り仕切っている顔役が現れて、染井と対峙するんです

「あの傷痍軍人の軍歴についてだが」
と、染井は気にかかってならないことを口にした。
「あの能書きは誰がかいたんだ」
しばらくためらってから、久松(顔役)は答えた。
「俺だ。おつむがいいだろう。全滅した部隊を騙るのなら、文句をつけるやつはいねえ」
染井は混乱した頭の中を整理しなければならなかった。軍歴を読んだときは怒りが先にたって、兵隊が玉砕部隊の生き残りを正確に騙るという謎にまで、頭が回らなかったのだ。


生き残りの目を怖れて玉砕部隊の名を騙るのであれば、名高い硫黄島守備隊やアッツ島守備隊を名乗ったほうが、人の情をは受けやすかろう。それがなぜあえて、国民のほとんどが知らぬ南方の玉砕部隊なのか・・・・。

その謎が明かされていき、深い話となっていきまして・・・・・。なかなか良かったです。

「無言歌」・・・・・任務の為、特殊潜航艇で母艦を発つやいなや特殊潜航艇が操舵不能に陥り、深度100メートルの所で着底し機関停止してしまった【沢渡中尉】と【香田中尉】の物語です。簡潔で読後感も凄くありまして、僕的にはこの作品が一番良かったですね。酸素が欠乏する中、二人はそれぞれ、心地良い夢を見るんですね。それぞれ残してきた恋人の夢を見るのですが、【切ない】という言葉がピッタリの物語でした。


読書日記 ブログランキングへ


獅子吼(浅田次郎)3

獅子吼














浅田次郎の『獅子吼』です。6編からなる短編集で、なかなか面白かったです。浅田次郎ファンでない方にオススメする程ではないですが。(*´∇`*)

 『獅子吼』・・・・・この作品は戦時猛獣処分で、殺処分されるライオンの話。簡単に言うと童話の『かわいそうなぞう』想像して頂ければと思います。浅田次郎版『かわいそうなライオン』といういう感じですかね。浅田次郎テクを駆使した作品に仕上がっておりました。
 主人公は、農学校で畜産を学んだ後、動物園に就職して働いている時に徴兵で帝国陸軍に入隊し、本土の留守隊に残された【草野二等兵】です。戦時猛獣処分で、かつての職場の動物園のライオンに殺処分の命令が草野二等兵下ったんですね。もうここまで書くと浅田次郎ファンなら色々想像出来ると思いますが、なかなかでした。( ´∀`)つ

 『帰り道』・・・・・この作品は恋愛モノです。時代的には、浅田次郎が一番得意な時代の(僕が勝手にそう思ってるだけです)東京オリンピックの数年後の時代の男女の物語です。他人の恋愛なんて全く興味がない僕は、恋愛モノが嫌いなのですが、拒否反応が起こる事もなく普通に読めました。(良いとは思えませんが)
 主人公は、富山から集団就職で上京し、工場に勤める【清水妙子】です。30歳も目前の妙子は、同じ工場に勤務する年下の【光岡君】が好きなんですね。工場が主催するスキーの帰り道に、妙子は念願叶って【光岡君】からプロポーズされるのですが・・・・。

 『九泉閣へようこそ』・・・・・40女の【真知子】は、8年付き合っている不倫相手の【須田春夫】と初めての旅行に行く事になったんですね。出会ってからの8年間は、読んで頂かないと上手く説明出来ないのですが、真知子は、春夫の所為で自分の人生を狂わされたと思うに至った頃のこの旅行なんですね。辿りつた駅には、昔ながらの法被姿の番頭たちが、宿の幟を立て、提灯までさげて客を引いていたんです。そこで真知子が選んだ老いた番頭さんの宿がお風呂が九つあるという【九泉閣】だったんですね。あの名作の「プリズンホテル」の様な感じかと思いきや、全く違いました。

 『うきよご』・・・・・この作品が一番良かったです。東大紛争で東大の入試が中止となった年に、実家の京都から東大の受験の為に、旧制高校のころから続いている、由緒正しい学生下宿の「駒場尚友寮」に入寮した【松井和夫】が主人公の話。複雑な家庭環境で育った和夫の何かせつなくなる物語で読後感がありました。

 『流離人(さすりびと)』・・・・・この作品が2番目に良かったです。主人公が旅の道中で出会った【沢村義人】という老人の話。徴兵猶予の停止という事情で即成少尉となった【沢村義人少尉】が、終戦の間際の昭和二十年の五月に、新京の関東軍司令部に向かう途中の、奉天駅を出発した電車の車内で不思議な老人に出会うんですね。その時代では考えられない話なのですが、惹き込まれました。

 『ブルー・ブルー・スカイ』・・・・・ラスベガスのカジノで完膚なきまでに打ちのめされた主人公の【戸倉幸一】が、ラスベガス近郊の場末のグロサリー・ストアのポーカー・マシンでロイヤル・ストレート・フラッシュを出した事から始まる物語です。既視感がある展開でした。


読書日記 ブログランキングへ

わが心のジェニファー(浅田次郎)2

わが心のジェニファー














浅田次郎の『わが心のジェニファー』です。久しぶりに浅田次郎の作品を読めるという期待感からすると少しがっかりな作品でした。帯には、

 多感なアメリカ人青年が未知なる国の美しさを見いだす物語であり、浅田次郎が初めて描く極めて優れた、日本再発見をテーマとする作品。

 とあるのですが、何か既視感がある内容で、簡単に言うと、まだ日本に行った事のないアメリカ人青年が日本を訪れるんですね。東京→京都→大阪→別府温泉→東京→北海道と旅して感動するという作品です。簡単に言い過ぎて、かなりツマラナい作品に思われてしまいそうですが、そこは浅田次郎ですから、ちょっとした笑いやドラマが待ち受けていまして、何とか最後まで読み切る事が出来ました。(購入から1週間かかってしまいましたが)
 少し補足しますと、既視感がある内容と書いたのは、帯にもある様に【日本再発見】がテーマなんですね。本筋のストーリーは、ちゃんと別にあるのですが、主人公のアメリカ人青年の【ラリー】が日本を訪れて、行く先々で感動するシーンは、ニュース等で外国人観光客に、「日本の良い所は?」的なインタビューをして、それに答える外国人観光客を何度も観た事があったので、それを連想してしまい、もっと別の視点で日本再発見をしてもらいたかったです。

で、本筋のストーリーなんですが、主人公は先出の【ラリー】です。ラリーが幼い頃に両親が離婚して、祖父母に育てられたんですね。祖父は、海軍士官だった人で、みんなから敬意とこめて「提督」と呼ばれる人で、厳格ながらも愛情を沢山受けて育ったんですね。そして、社会人となり、彼女にプローズをするのですが、その彼女が大の日本好きな女性だったんですね。その彼女から、プロポーズの席でお願いされるんですね。

 今のあなたにプロポーズされても、私は答えを出す事ができない。もちろんあなたを愛しているわ。でもね、恋愛と結婚は違うと思う。

恋愛は対立する個性の方が望ましいわ。だけど、結婚には価値観の共有が必要なの。

プロポーズの前に、日本を見てきてほしいの。休暇をとって、ひとりでゆっくりと

 
という事になるんですね。海軍士官の祖父に育てられた【ラリー】は、祖父から「日本は油断ならない」と言われて育ってきたので、日本にあまり良い印象がない。しかし、彼女のジェニファーは、大の日本好きなんですね。結婚には価値観の共有が必要だと主張するジェニファーが、ラリーに日本行きの指令を出すんですね。そして、携帯やPCは持たずに、その間は、手紙だけのやり取りをせよとの指令もありまして、ラリーは旅先での出来事を(浅田次郎お得意の)手紙でジェニファーに報告するんですね。そして、最後は、ジェニファーが絶対に見てもらいたいと言った、【鶴のダンス】を見る為に、北海道の釧路に行きます。そして、感動のラストが待ち受けているという感じです。

ファンでない方が読む程ではないかもです。( ´∀`)つ

 
読書日記 ブログランキングへ

ブラック オア ホワイト(浅田次郎)3

ブラックオアホワイト














浅田次郎の『ブラック オア ホワイト』です。簡単に言ってしまうと、浅田次郎が描くタイムスリップものという感じです。帯的には、

 経済の最前線の夢現の堺を見失ったエリート商社マンの告解がいま始まる。近代日本の実像に迫る渾身の現代小説!
 
 となっておりますが、読んでみると全然堅苦しくなくて楽しめました。主人公は、三代続く商社マンであった【都築栄一郎】です。彼の祖父は、南満州鉄道の理事を務めた傑物で、そのおかげで栄一郎は、定年前に会社を辞めて、ベイエリアの最上階のマンションで悠々自適な生活を送っていたんですね。そんな中、同級生の通夜で邂逅した友人に栄一郎が30年前の好景気に浮かれていた時代の話をするんですね。

その内容というのが、栄一郎が商社マン時代に見た不思議な夢の話で、スイスの湖畔、パラオ、ジャイプール、北京、京都での仕事・休暇先で見た夢の話なのですが、それぞれの土地にまつわる魅力的な物語となっておりまして楽しめました。

この作品のタイトルである【ブラック オア ホワイト】は、栄一郎が旅先で出された枕に関連していて、白い枕で寝ると、良い夢を見て、黒い枕で寝ると悪い夢を見るんですね。深く読むとまどろっこしいので、普通に物語だけを楽しんでもらえば( ´∀`)つ




続きを読む

神坐す山の物語(浅田次郎)3

神坐す山の物語















浅田次郎の『神坐す山の物語』です。なかなか面白かったです。この作品は、浅田次郎の「あやし うらめし あなかなし」に出てくる【赤い絆】を想像して頂くと分かり易いのですが、奥多摩の山中に太古から鎮座する神社の神官を務める、浅田次郎の母方の実家での物語です。連作の短編集となっていて、幼少時代に浅田次郎が度々遊びに行くと、伯母が寝物語で色々な話をしてくれたんですね。その話を浅田次郎流のアレンジで、じ〜んとする作品に仕上げております。( ´∀`)つ

帯は分かり易いですね。

 奥多摩の御嶽山にある神官屋敷ー。少年だった著者が聞いた、伯母の怪談めいた夜語り。それは怖いけれど、惹きこまれるものばかりだった。

という感じです。「あやし うらめし あなかなし」の方が断然面白かったけど、こちらもなかなかでした。

 「神上りましし伯父」・・・伯父が死んだ時の話。名前を呼ぶ声を目覚めると伯父がいたんですね。伯父の死を知らせる電報がくる前に伯父の死をそれで悟って・・・・・・・・・。という感じで話が流れていきます。連作の一発目としての役割をしっかり果たしてまして良く出来てましたね。神道で言うと、死は、「神上りましし吉事」なんですね。

 「兵隊宿」・・・夜分に「おたのみもうす」という声がして外を覗き見ると大勢の兵隊が整列していたんですね。以前、大演習の際に屋敷を宿舎として提供した時に知り合いとなった芳賀少尉の砲兵隊だったのですが、話を聞くと、演習中に行方不明になった兵があり、捜索しているとの事・・・・・・・。という感じで話が流れていきます。怪談系の話ではこの手法がよくあるので、「浅田次郎も使っちまったな」という感想でした。

 「天狗の嫁」・・・カムロ伯母の話。この伯母は幼少の頃に天狗にさらわれた事があるんですね。そして、大きくなったら天狗の嫁になると約束して、やっと解放してもらって・・・・。という話。マニアックな浅田次郎ファンの方なら、浅田次郎の父親が登場するので、本筋の物語と更にその当時の情景を楽しめます。

 「聖」・・・祖父の元に、吉野熊野の「喜善坊」と称する行者が現れて、祖父の元で修行を積みたいというんですね。そして、祖父の元で修行をする事を許されたが・・・・。という話。僕的にはこれが一番良かったです。読後感がすごくありましたね。

 「見知らぬ少年」・・・これぞ「ちょっと怖い寝物語」の定番という作品。はとこいとこが沢山集まる神官屋敷では、何処の誰かも分からない子供も沢山いるんですね。友達になった男の子は実は・・・・。という定番な話なのですが、良かったですね。マニアックな話でいうと、その男の子を初めて見た時に、後姿だったので、ひとつ齢かさのいとこに見えて、「ヒロシちゃん?」って呼びかける場面があるのですが、この「ヒロシ」ちゃん、エッセイか何かで出てた!と感動しました。

 「宵宮の客」・・・毎年行われる「例大祭」の前日に泊まらせてもらいたいという男が現れるんですね。その男には、女の幽霊が憑いていたんです・・・・。という話。

 「天井裏の春子」・・・おじいさんは名の知れたお狐払いだったので、日本中から狐に憑りつかれた人達がやって来たんですね。ある日、春子というきれいなモダンガールが母親に連れられておじいさんの所にやってきて・・・・。という話。二番目に良かったですね。憑りついた狐が昔の話をし出すのですが、その話がベタだけど良かったです。



 

天切り松闇がたり 〜ライムライト〜(浅田次郎)3

第五巻 ライムライト









浅田次郎の「天切り松闇がたり〜ライムライト〜」です。シリーズの第五巻です。このシリーズが好きな僕としては楽しめました。ただ、このシリーズも限界には来てる感じがしました。あとは最後の締めとして、目細の安吉一家のそれぞれの最期を描いて締めくくって欲しい気がします。今回の5巻は6編ありまして、安吉一家のそれぞれが一度は頭を張っています。


「男意気初春義理事」・・・年の瀬も押し詰まった真夜中に安吉一家の長屋の戸が叩かれたんですね。誰かと思って出てくると、安吉親分の叔父貴分にあたる天狗屋の者が、網走監獄を脱獄して銀次親分の死を伝えにきたんですね。それを受けて、安吉親分は、大晦日に通夜、元旦に葬式を出すと仕立屋の親分衆に書状を出したのです。タイトルにあるように、安吉の男意気の話ですわ。これは良かったです。印象に残った文章が、あとで見てみた帯に書いてあったのは、少し悔しかったです。      ( -д-)ノ

 いいか、喧嘩てえのは力じゃあねえぞ、男意気だ。やれ御法だの世間の目だのに気を遣って、爺ィの小便みてえにちまちまと小出しにするくれえなら、ドンと一発花火を上げて恨みつらみを煙にするほうが後生もよかろう。おめえら子分どもにも四の五のは言わせねえ。通夜は大晦日、葬式は正月元旦、親が白だと言ったら、黒い鳥も渡世の掟だ。
 

まぁ、前後読まないと分からないと思いますが、ベタだけど好きです。

 「月光価千金」・・・罪もない男を3人も殺したとして拘置所で取調べを受けている女に松が語ります、おこんがメインの話です。前にも似たような話がありましたが、今回は、住之江財閥の当主がおこんに一目惚れをして求婚されるんですね。そして【おこん姐さん】がどうしたか、このシリーズのファンなら誰でも想像がついてしまいますが、分かっていても面白かったですね。

 「今にして思や、さほどのべっぴんだったとも思えねえ(おこんの事)だが、男はみんなすれ違いざまに惚れた。女はもっと惚れた。あれァ、姿形じゃあねえんだ。心意気がおめかしをして歩っているようなもんだった」

ここまでで、「男意気」と「心意気」を勉強出来ます。(・∀・)つ

 「箱師勘兵衛」・・・こちらは寅兄ィの話です。僕的にはこの作品は、二番目に良かったです。寅兄ィは、盆の藪入りも過ぎた頃に、二百三高地で戦死した部下の家を訪ね歩いて線香を立てて、たいそうな香奠を置いていくというならわしがあるんですね。大正の大震災でその家の者が行方不明になっていたのですが、やっと消息がつかめて、信越線の急行列車でその人に会いに行く途中で、日本中でその名を知らない者はいないという「箱師勘兵衛」に出会うんです。この2つの出来事を上手く絡ませて物語は作られてましたわ。( ´∀`)つ

 歩一の兵隊はみんな江戸っ子だ。職人だのサラリーマンだの、魚河岸の若い衆だの市電の運転士だの、素性はそれぞれ違うが、誰もがぐずぐずすることの大ッ嫌えな江戸っ子だった。

読まないと分からないと思いますが、この前後の文章が一番感慨深かったですね。

 「薔薇窓」・・・ こちらは安吉親分と寅兄ィのダブルメインの話。浅田次郎作品の何処かに似たような内容があった気がする作品。まあ、なかなか良かったですけど。不幸な女の話って感じです。

 「琥珀の涙」・・・栄治兄ィの話。この作品が一番良かったです。栄治兄ィの育ての親である「根岸の棟梁」が「俺ァこの齢になって、ようやっと納得のいく仕事をしたぜ」と栄治に言うのですが、栄治が施主は何処かと聞いたら、「花清の大旦那だ」と答えるんですね。シリーズ読んできた方なら分かると思いますが、これでまた喧嘩になるんです。実は、これには「根岸の棟梁」の栄治への愛情がこもっているんですね。そして、栄治兄ィは、「根岸の棟梁」が手掛けた最高傑作のその家に天切りをかけに行きます。僕的には、うるっときて、じ〜んときた作品です。

 「ライムライト」・・・常兄ィの話。シリーズでは、常兄ィの話はかなり好きなのですが、この作品は、得意の詐欺的な作品ではなくて、スケール大きく、チャップリンと昭和の大事件を上手く絡ませた作品で少し微妙なところでした。でも、なかなか面白かったですが・・・。松が現在のお笑い芸人はツマラナイという事から、昔の芸人の話をするんですね。それが、チャップリンで・・・・。という話。

ま、おススメです。( ´∀`)つ

黒書院の六兵衛 (浅田次郎)2

a76177c9.jpg


浅田次郎の『黒書院の六兵衛』です。僕的には、あまり面白くなかったです。とにかく回りくどいストーリー展開で、飽きてしまいました。前戯が長すぎる。胸から徐々に下におりてきて、お臍辺りまできたと思ったら、再び胸に戻る。そして再びゆっくりゆっくり下におりてきて、いよいよ今度こそはと思ったら、またもや胸に戻ってしまうという様なデリカシーのないテクニックで、やっと下着をおろしたのが、サービスタイムが終了する(下巻の後半くらい)時間で、イク事が出来ずに、もやもやした気分のまま帰途に着(読了する)といった感じでいたね。(≧∇≦)

男性に向けては、かなり分かり易く説明したつもりなので、これで分かって頂けれると思いますが、とにかく僕的にはオススメ出来ないです。

1678年3月14日の勝海舟と西郷隆盛の会談後、江戸城の無血明け渡しが決まり、いよいよ明け渡しの運びとなる訳ですが、御三家筆頭である尾張徳川家の江戸定府の御徒組【加倉井隼人】が、この明け渡しに先んずる官軍側の隊長に任命されたんですね。官軍が入城するにあたっての露払いという訳で、命はないと腹を括っての入城だったのですが、何とか役目を果たしつつ、城内にいる勝海舟の元に訪れると、城内に留まっている侍は殆ど恭順を誓っているのだが、西の丸御殿にどうしても了簡いかぬ侍がいると言うんですね。それが、この作品のタイトルにもなってい「六兵衛」こと、御書院番士の【的矢六兵衛】なんです。この六兵衛、御書院番士の宿直部屋に何をするわけでもなくぽつんと座っている。勝海舟が話かけようが、加倉井隼人が話しかけようが、何も答えない。開城にあたっては、些細な悶着も起こしてはならないと言われているので、力ずくで六兵衛を排除する訳にはいかない・・・・。それで、加倉井隼人達が、あらゆる手を使って、六兵衛を江戸城から追い出そうとするというのがこの作品の中身です。まあ、六兵衛は口も利かないので、六兵衛を知る同僚や上司や家族達から話を聞いて、説得させようと試みるのですが、これが回りくどいのです。口を利かない六兵衛を盛り上げていく為には、周りを固めていかないと駄目だからか、これでもかと、しつこい位に、数多くの同僚や上司などが登場してきて、一人称で語り出すのですが、ホントこれがだらだらとしていてつまらなかったです。斜め読みしよかと思ったのですが、お小遣いをやりくりしてやっと購入した作品だったので、気合で読み切りましたが、飽きちゃいました。「珍妃の井戸」並のつまらなさでした。

ま、それでも最後は上手く纏めた感じなので、★2つです。( ´ ▽ ` )ノ





一路(浅田次郎)3

一路









浅田次郎の『一路』です。★を4つ付ける程ではなかったのですが、面白かったです。この作品がどれだけ売れてるか分かりませんが、「浅田次郎作品」の中では、あまり売れてないんじゃないですかね?表紙はバリバリの時代モノで、その時代モノの中でも【参勤交代】を扱った小説だと謳っていまして、浅田次郎ファンで、歴史モノ好きな僕にとっても惹きがなく、しかも上下巻ときてますので、ガンガン売れているとは思えないのですが、どうでしょうか?僕としましては、「読書ブログ」と謳っている手前、誰よりも先に読んでアップしたい気持ちもあったのですが、なかなか手が出なかったです。しかし、いざ読んでみると、なかなか面白かったので、おススメです。

この作品は、ジャンルは「時代小説」と言う事になるでしょうけど、浅田次郎は、

 「時代小説は、歴史オタクだけのものであってはならない!」

という事を信条にしてるだけありまして、エンターテイメントとして十分な作品に仕上がっていまして、歴史モノが嫌いな方でも十分に楽しめる作品になっております。ホント、分かり易い【正義】があって、分かり易い【悪者】がいて、期待した通りに【悪】が滅びる。という単純だけど一般大衆の心を擽る内容で、笑いあり、ホロッとする場面ありの【THE浅田次郎】という感じの作品でした。

西美濃田名部郡を領分とする知行7,500石の旗本の蒔坂左京大夫の家臣であり、参勤道中の御供頭を務める事になった【小野寺一路】が主人公。小野寺家は、代々、参勤交代を差配する「御供頭」の家で、一路の父の「弥九郎」が急死した為、19歳の若さで「御供頭」となったのですが、父の「弥九郎」は、病気で臥せていた屋敷での火事で逃げ遅れての焼死という突然の死であって、41歳だった「弥九郎」は、家督を譲るのはまだまだ先と考えて、「一路」に御供頭の仕事を何も教える事なく死んでしまったんですね。「御供頭」という役職は、一旦道中に出れば、家老であっても、口を出す事が出来ない程の権威のある役職で、それに伴い、責任も重大で、何かの不手際があれば、責任を一身に背負う役職であるので、【一路】は途方に暮れてしまっていたのですが、下男が、焼け落ちた屋敷の中から「文箱」を拾ってくるんです。それが、小野寺家に代々伝わる参勤交代の【行軍録】だったのです。この参勤交代の心得の【行軍録】は、元和の頃のもので、200年も後の幕末の時代に生きる一路の時代とは、かなりの違いがあったのですが、これしか分からない一路は、
 

 「この度の参勤交代は、古式にのっとる!」 

という事にして、この【行軍録】が定めた通りに江戸へ向かいます。そこには、お家騒動があったり、今と昔の違いから、様々な困難が待ち受けます。江戸へ着くまでの中山道の道中には、様々な事件が待ち構えているんですね。それが、先程述べた様に、「笑い」あり「涙」ありの物語で面白かったです。



続きを読む

赤猫異聞(浅田次郎)2

次郎

浅田次郎の『赤猫異聞』です。つまらなかったと言う程ではないのですが、リズムが悪くて、少し飽きてしまう所があったりして、微妙な感じでした。
 
この作品の舞台は伝馬町牢屋敷です。知っての通り、「火事と喧嘩は江戸の花」と言われた程、江戸時代は、火事が多かったのですが、火事で牢屋敷に火の手が迫った際、たとえいかなる極悪人といえども、火事で焼き殺すのは余りにも不憫というわけで、鎮火ののちはいつ幾日、どこそこに必ずや戻れと厳命して囚人達を【解き放つ】慣わしがあったのですが、この事を囚人達の符牒で【赤猫】と呼ぶそうで、明治元年暮の火事の際、この【解き放ち】が行われたのですが、その【解き放ち】での出来事を市ヶ谷監獄署の典獄、書記達が調査するという進行になっております。

この作品の主人公は、

 繁松・・・・・・・・深川一円の賭場を仕切る麴屋五兵衛の手下。親分の代わりに罪を被って伝馬町の牢獄に落ちるが、その後親分に裏切られる。

 岩瀬七之丞・・・・・父は外国奉行も務めた二千石の旗本の次男坊。鳥羽伏見の戦に参加し、上野戦争にも死に遅れた七之丞は、江戸市中の空屋敷に潜伏して、官軍を切りまくって伝馬町の牢獄に落ちる。

 白魚のお仙・・・・・三十間堀の白魚屋敷あたりに巣食う夜鷹の大元締め。ねんごろになっていた奉行所の内与力に裏切られる。

 簡単に言いますと、明治元年暮の火事の際、【解き放ち】が行われたのですが、この曰く付きの3人にだけは、

 「鎮火報を聞いたのちは、暮六ツまでにきっと立ち戻れ。おぬしらの命は一蓮托生と決した。すなわち、三人のうち一人でも戻らざれば、戻ったもの死罪。刻限までに三人ともども戻れば、罪一等を減ずるではなく、三名とも無罪放免といたす」 

という命令が下されるんですね。上記に主人公の紹介をチラッとしましたが、意趣返しをしたい相手がそれぞれにいて、三人は、それぞれ縁もゆかりもない。一般的には、戻ってくる訳ないですよね。これが守られなければ、この三人の命を助けた丸山小兵衛という役人が切腹しなければならないという程度の縛りしかない。

 果たして、三人は、戻ってくのだろうか

とう感じの物語です。(ホントは影の主人公がまだいるのですが)これの主人公のラインナップを見ると、浅田次郎ファンなら、「きんぴか」とか「ハッピー・リタイアメント」に出てくる主人公を連想して、その作品の様な展開をワクワクと期待しながら読むのですが、それがイマイチなんですね。それぞれの主人公の回りくどい過去の説明とか邪魔なものとかあって、三人を上手く纏めきれてないんです。「きんぴか」の様に、三人のキャラの良さと展開の面白さの相乗効果で、物語が最高の作品に仕上がっていく事はないんですね。「きんぴか」の江戸時代バージョンを狙って失敗したなというのが読み終えてすぐの感想です。今回は、江戸の古地図を見ながら、作品を作り上げていく浅田次郎の姿が目に浮かびますが、地理なんてどうでもいいです。ストーリー展開にもっと力を入れて欲しかったです。( -д-)ノ

天切り松 闇がたり(浅田次郎)5

BlogPaint

 浅田次郎の『天切り松 闇がたり』です。このシリーズは、次郎的浅田次郎作品ランキングの4位の作品です。最近の浅田次郎作品には、「クサさ」を感じてしまうので、僕の方が擦れてしまったのか、浅田作品がそうなったてきたのか、イマイチ分からなかったので、再びこのシリーズを読んでみましたが、やっぱり良かったですね。クサ味を抑えて感動出来る作品に仕上がっております。( ´∀`)つ

 前にも少し書きましたが、5年前に僕の母が白血病になってしまって、病院に運ばれた時には、移行期から急性期になる寸前で、「もうやばいかもしれない」との話を聞いた後の初めてのお見舞いに、何かの本を持って行こうと思って、何千冊かある僕の蔵書の中から、熟考の末に選んだのが、このシリーズです。1年間の抗癌剤治療→再発→ミニ移植を経て、現在はヨボヨボながら実家の店で働けるようになって、元気にしておりますが、その生きるか死ぬかの瀬戸際の最初のお見舞いに、本を持ってきた僕を母は、「こんな時に本なんて持って、我が子ながらよく分からん子だ」と思ったそうです。( -д-)ノ とにかく、僕的には思い入れのある作品です。

 で、この作品ですが、主人公は【天切り松】との異名を持つ、その世界では伝説の盗っ人の「村田松蔵」です。仕立屋銀次というスリの大親分の下で働く「抜弁天の安吉」親分に弟子入りした、仕立屋一門最後の生き残りです。今やその「天切り松」は、盗っ人稼業から引退しているのですが、とある警察署の管内で頻発している空き巣狙いを捕える為に、署長や本庁のお偉いさんから依頼されて知恵を貸します。そしてその代わりに、昔懐かしい留置場に泊めてもらい、そこで出会った人達に、伝説の天切り松が、六尺四方から先へは届かないという夜盗の声音の【闇がたり】で、当時の出来事を語ります。この話がたまらなく面白いのです。

抜弁天の安吉一家

 ・抜弁天の安吉・・・目細の安の異名を持つ。仕立屋銀次の片腕。「中抜きの達人」(すれちがいざまにすった財布の中身だけを抜いて、空財布を元通りに相手の懐に戻すという離れ業)
 ・坊主の寅弥・・・「説教寅」の異名を持つ。安吉一家の若頭。稼業は強盗。 
 ・黄不動の栄治・・・天切り松の師匠。「天切りの達人」(屋根に登って瓦を外し、天井裏から棟木づたいに忍び込む業) 花清(今でいうと大手の建設会社)の社長の妾腹の子。
 ・書生常・・・百面相の常次郎の異名を持つ。今で言う経済犯的な詐欺の達人。(次郎的には、この書生常が一番好きです)
 ・振袖おこん・・・「ゲンノマエ」(帯にはさんだ紙入れを、真正面から抜き取る芸当)の達人。絶世の美女。

 以上の5人と「天切り松」のラインナップが、「安吉一家」です。現代の留置場で、仕立屋一門最後の生き残りとなった「松蔵」老人が当時の出来事を「闇がたり」で語るわけです。その内容とは、帯にもありますが、

 粋でいなせな怪盗たちが、意地と見栄とに命をかける

 というような内容です。簡単に言ってしまえば、この作品は、損得勘定よりも、意地とプライドで生きている「一家」の物語です。大衆受けするベタすぎる内容ですが、その都度都度で、一家の誰かが主役となって物語が進んでいき、僕的には、つまらないものがない位、全部が面白かったです。( ´∀`)つ







降霊会の夜(浅田次郎)2

120322_0056~01

浅田次郎の『降霊会の夜』です。浅田次郎ファンの僕が贔屓目で読んでも、あまり面白くなかったです。ターゲット層と思われる浅田次郎世代の方なら感想も違ってくると思いますが・・・・。帯には、

 至高の恋愛小説であり、第一級の戦争文学であり、極めつきの現代怪異譚。まさに浅田文学の真骨頂!

とありますが、ちょっと大袈裟ですね〜。確かに、恋愛小説の要素もあり、浅田次郎お得意の戦後間もない頃の東京の情景を描いた所もあり、ふんだんに浅田次郎テイストが織り込まれているのですが、深みのない作品に仕上がっている印象です。そしてやはり文章が少しクサいですね。(どういう所でクサいと思ったか、続きで書く予定です)ラストもチープでした。

主人公は、浅田次郎自身を投影させたような人物の「ゆうちゃん」です。「ゆうちゃん」の育ってきた環境や時代背景などは浅田次郎自身が今まで語ってきた事とかなりの事柄がリンクします。都市型中産階級の家庭に育ち、高度経済成長の申し子と言われた環境の中で育った「ゆうちゃん」は、現代の今では、浅間山近くの森に囲まれた、かつては企業の保養所に使われていた広い家に独りで暮らしています。

ある日、「ゆうちゃん」の家の庭に、雷雨に見舞われた女性(梓)が迷い込んで来ます。その女性を介抱するのですが、その恩返しにと女性が、

 会いたい人はいませんか。生きていても、亡くなっていても構いません。

西の森に住む「ジョーンズ夫人」が必ず会わせてくれます。との申し出をうけます。

そして章が代わり、「ゆうちゃん」が小学3年生の頃の話に飛びます。「ゆうちゃん」の心の奥底に澱んでいた悪い記憶の中の1つでもある同級生の「山野井清」との思い出話です・・・・・。

と、ここまで来るとこの作品の展開が掴めてくるかと思います。「山野井清」との思い出話が終わると、ミセス・ジョーンズの住む古い山荘で『降霊会』が始まります。ミセス・ジョーンズ、霊媒役のメアリー・ジョーンズ、梓、「ゆうちゃん」がテーブルに座り、四人が手を重ね合い、「ゆうちゃん」が会いたい方の顔かたちと名前を念じます。(すると、物語の進行上しょうがないのですが)山野井清がビシッとすぐに降りて来ないで、清に関係する人達が、メアリーに憑依して話始めます・・・・・。

ここからの話が少しクサみがあるんですね。山野井清は、ろくでなしの父親に、「当たり屋」稼業の道具として使われ、ダンプに轢かれて死んでしまうのですが、「ゆうちゃん」は、清の父親が清の背中を押して、ダンプに突っ込ませる瞬間を目撃してしまうのですね。「ゆうちゃん」がもっと早く声をかけていれば・・・、とか色々な思いが、「ゆうちゃん」の心の奥底で澱んでいたのですが、山野井清の父親とか、山野井清本人が、メアリーの体を借りて登場してきて、それぞれの人物の心が解放されます。そのやり取りが少しクサいのです。(●´ω`●)

で、同級生の山野井清の「降霊会」が終わると、大学生になってからの「ゆうちゃん」の恋愛話があって、それに関する「降霊会」が始まるんですね。これが更にクサみがあって、僕には受け入れる事が出来なかったです。

「山野井清」との思い出話とゆうちゃんの大学生の頃の思い出話は良かったのですが・・・・・。

浅田次郎世代の方なら読んでみる価値があるかもしれません。

続きを読む

夕映え天使(浅田次郎)3

夕映え

浅田次郎の『夕映え天使』です。短編集です。悪くはないですが、浅田次郎の短編集の中では、普通の部類に入ると思います。

 『夕映え天使』・・・テイスト的には、『鉄道員』の中の「ラブ・レター」を彷彿させます。男やもめの親子の住まう「昭和軒」という中華屋に、「純子」と名乗る、訳ありげな四十過ぎの女が、住み込みで働く事になるのですが、働き始めて半年で姿を消してしまいます。1年が経ったある日・・・・・。という感じです。って全然分からないと思いますが、簡単に言えば、おっさんのせつない物語です。

 『切符』・・・こちらも浅田次郎の何かの短編集に似たのあったな?と既視感がある作品。まぁ何と言っても「江戸っ子」のじいさん描かせたら、浅田次郎の右に出るものはいないだろうと思ってしまう。時代的には、東京オリンピックが開催された年で、両親が離婚して、祖父に引き取られた「広志」の物語。と言っても本当の主役は「広志」の祖父ですね。この手のタイプは絶滅寸前なんだろうな。としみじみさせられます。僕的にはこの作品が1番良かったです。

 『特別な一日』・・・何となく浅田次郎らしくない作品。実力がありながらも役員に昇格出来ずに、60歳で定年を迎えた男の物語。出社最後の日の朝に「今日を特別な日にしてはならない」と誓って、出社するが・・・・。普通のごくありきたりな話にした方が何倍も良かったと思います。結構、失望感ありました。

 『琥珀』・・・定年退職を目前に控えた警察官の「米田」と、時効まであと1週間となった放火殺人犯の「川俣」の物語。よくありそうな話ですが、物語の終盤までは、ラストに期待を膨らませながら読む事が出来ました。ただ、僕的にはラストは良くなかった。

 『丘の上の白い家』・・・若い頃の浅田次郎自身を投影した様な主人公。得意なパターンですね。僕的には2番目に良かったです。貧乏な為、奨学金を貰っている高校1年生の「小沢」と「清田」の物語。主人公の「小沢」は、愛嬌があるが不真面目な生徒。一方「清田」は、成績も優秀な優等生。この設定だと色々な展開が使えますが、さすがという方向に流れていきます。

 『樹海の人』・・・この作品は、浅田次郎が自衛隊時代に体験した不思議な出来事を語っています。ちょっとカッコつけ過ぎ感がありました。

地下鉄に乗って(浅田次郎)5

めとろ

浅田次郎の「地下鉄に乗って」です次郎的浅田次郎作品ランキングの堂々2位の作品です。読み終えた直後の切ない様な、遣る瀬無い様な何とも言えない読後感は浅田作品の中でも特に強い印象が残ります。この作品を読み終えて、まる1日位は、頭の中でずっとこの作品の事を、あれやこれやと考えてしまってました。この作品を読んだ当時は僕がまだスレていなかっただけかもしれませんが、雑念なく物語の中に没入出来て、涙してしまったりしました。(●´ω`●) (浅田次郎の初期の頃の作品は、「わざとらしさ」がない)

「小沼真次」は、四半世紀ぶりの同窓会に出たその帰りの地下鉄で、恩師の野平先生に会う。昔話などをするうちに、今日が真次の兄の「昭一」の【命日】だという事に気が付く・・・・・。そして、間違って、丸の内線の新中野駅まで来てしまい、出口を上がると、そこは、兄の「昭一」が自殺した年の、昭和39年だった・・・・・・。

という感じで物語は進みます。主人公の「小沼真次」は、世界的な企業の「小沼グループ」の御曹司なのですが、父の「小沼佐吉」との軋轢から家を飛び出して関係を絶って、母と嫁と子供2人の5人で暮らしています。その軋轢の要因の一つが、真次の兄の自殺で、その自殺は、「佐吉」との口論の末に家を飛び出してのものだったのです。そして、昭和39年にタイムスリップした真次は、「昭一」が死ぬ4時間前に「昭一」を見つける事が出来るのですが・・・・。

その後、真次は戦後間もない時代にタイムスリップして、若き小沼佐吉に出会ったりもして、物語は息つく暇もなく進んでいきます。僕的には、真次が「昭一兄さん」に出会った所辺りから心奪われてしまいました。(*´Д`*)

まだ読んでない方は是非読んでみてください。( ´∀`)つ

一刀斎夢録(浅田次郎)3

110515_2229~01

浅田次郎の『一刀斎夢録』です。「壬生義士伝」「輪違屋糸里」ときて浅田版新選組三部作の締め括りの作品。この作品の主人公は、新選組の「斉藤一」です。斉藤一は、1915年(大正4年)の、72歳まで生きるのですが、晩年の斉藤一自身が、幕末から西南戦争までを(浅田次郎解釈で)語るというもの。

この作品は僕的には「普通な作品」という感じ。浅田次郎の「一刀斎夢録」での新選組などの解釈や創造の世界(坂本竜馬暗殺の件とか、その暗殺の内容を今井信郎に会津如来堂の戦いの前に話したという話や、甲州道中での土方と土方の兄の再会の時の土方の態度とか、会津戦争の白川の攻防の話とかいっぱいあります!)に少しアレルギーが出てしまい、気持ち的に拒絶してしまう所とかがあったりして少し駄目でした。(因みに、僕的には「壬生義士伝」はギリギリOKです)

でも、この視点は好きでした。新選組モノの多くは「大政奉還」前の華々しい活躍までがメインで完結するものが多くて、その後の新選組の様子を描いた作品というのは、あまりない気がします。しかも斉藤一が主人公の作品は「赤間 倭子」の作品しか知りません。その点では楽しめました。人気の浅田次郎がスポットを当ててくれたおかげで、この辺の小説が沢山出てくるかもしれませんね。浅田次郎には、司馬遼太郎等の読者層の次世代の読者層にこの辺を伝えて欲しいです。浅田版「翔ぶが如く」なんかも期待しちゃいます。

僕の説明ではよく分からないと思いますので、こちらを参考にどうぞ。
                      ↓ 
 『一刀斎夢録』文藝春秋特設サイトhttp://bunshun.jp/pick-up/muroku/



お腹召しませ(浅田次郎)3

110222_2329~01

浅田次郎の『お腹召しませ』です。これは、歴史モノの短編集で、凄く良かったです。ランキングに入ってもおかしくない作品です。この作品は、浅田次郎自身がストーリーテラーとなって物語が進行していきます。それがまた作品を良くしてますね。この作品は、

 ・お腹召しませ
 ・大手三之御門御与力様失踪事件之顛末
 ・安芸守様御難事
 ・女敵討
 ・江戸残念考
 ・御鷹狩


の6編から成っています。僕的には、「江戸残念考」が1番良かった。

 「お腹召しませ」・・・勘定方に勤める、高津又兵衛の入婿の与十郎が、藩の公金に手を付け、吉原の女郎を身請けして、逐電してしまった。高津家を守るには、又兵衛が腹を切って詫びるしかない。又兵衛の妻も娘も「高津家を守る為には、お腹召しませ」と言う。覚悟を決めた又兵衛は・・・・・。という感じの話。短編なので、その後の想像を膨らませて楽しんだ記憶があります。

 「大手三之御門御与力様失踪事件之顛末」・・・御百人組の横山四郎次郎が夜詰めの大手番所から忽然と姿を消してしまった。全く手がかり摑めぬまま五日経った時、自宅の前で倒れている横山四郎次郎が発見された。「神隠し」にあったとしか思えないのだが・・・・。という感じ。まぁこれはロマンがありますね。

 「安芸守様御難事」・・・芸州広島藩の藩主は、ある時「斜籠」の稽古をさせられる。何の稽古か分からない藩主は、奥御殿の御住居様に相談に行くが、教えてもらえない。そして、何の意味があるか分からないまま、その稽古の成果を見せる時がくる・・・・・・。という感じ。僕は少し頭が弱いので、僕も意味が分からず、1度戻ってやっと想像がついて、その後確認して確信出来ました(笑)

  「女敵討」・・・江戸勤番の奥州財部藩士の吉岡貞次郎は、幼馴染から吉岡の妻が浮気をしていると教えられる。吉岡の家を守る為に「女敵討」に向かうが・・・・。という感じ。これは何との言えないですね。「次郎だったらどうする?」と聞かれても、実際になってみないと分からないです。

 「江戸残念考」・・・これが1番良かった。ストーリーとは関係ないけど、大政奉還がなされた頃の御家人は不甲斐ないものが多かったみたいな印象が強いので、良く思えたのかもしれません。「残念」という言葉は深いですね。

 「御鷹狩」・・・これは普通です。








五郎治殿御始末(浅田次郎)3

110213_1727~01

浅田次郎の『五郎治殿御始末』です。時代短編集です。これはなかなか良かったです。浅田次郎は、歴史小説という分野を、歴史好きの読者の専有物にしたくないとの事で、虚構も織り交ぜて書くようにしてるそうです。という事もあって、歴史モノを読まない方でも楽しめるような作品になっています。この作品は、

・椿寺まで
・函館証文
・西を向く侍
・遠い砲音
・柘榴坂の仇討
・五郎治殿御始末
 

の6編からなっています。どれも『御一新』の後の武士が主人公の作品です。浅田次郎らしい作品なのですが、嫌味のない作品なので、誰でも楽しめると思います。

 「椿寺まで」・・・反物と羅紗地を扱う日本橋西河岸町の江戸屋小兵衛は、八王子までの買い付けに、丁稚の「新太」を共に選んだ。これには、深い訳があった・・・。という感じ。小兵衛は『御一新』前は、商人ではなかった。大した事ない展開なのですが、なぜかずっしりとした読後感を得る作品でした。

 「函館証文」・・・工部少輔の「大河内厚」の元に、大河内直筆の千両の証文を持った、「渡辺一郎」なる男が現れ、返済を迫ってきた。・・・という感じで話は進んでいきます。これこそ浅田次郎の言う「虚構」満載の作品で、3回同じ事が被った瞬間は、イラっときたのですが、読み進めていくと、ぐっとくるものがあった作品です。多分、僕が純粋なんでしょうね(笑)

 「西を向く侍」・・・『御一新』後の欧化政策で、従来の太陰の暦法から西洋暦に変わる事となった。そうなると、明治5年は、12月2日が大晦日で、あくる日が明治6年の元旦になってしまう。商人にとっては、掛け取りが早まる事となる。支払う方にとっては死活問題である。暦法の専門家である「成瀬勘十郎」は、文部省天文局に談判に向かう!・・・という感じかな。僕の説明だと大して面白くなさそうですが、実際は結構良かったです(*^o^*)

 「遠い砲音」・・・これはまぁまぁでした。『御一新』後は、軍隊も「西洋定時法」が採用される。まだ慣れない「土江中尉」は・・・。という感じ。当時は、ホント大変だったろうなとイロイロ夢想しました。

 「柘榴坂の仇討」・・・この作品が1番良かったです。桜田門外の変の井伊側と刺客側の物語。御駕籠回りの近習として、井伊直弼を守れず、『御一新』後も刺客の残党を探し回っている「志村金吾」と刺客の「佐橋十兵衛」の遣り取りには胸にくるものがありました。

 「五郎治殿御始末」・・・これは、タイトルになる程なのにそんな良くなかった。 

 

次郎的浅田次郎作品ランキング

1位「蒼穹の昴」
 2位「地下鉄に乗って」
 3位「日輪の遺産」
 4位「天切り松 闇がたりシリーズ 」
 5位「中原の虹」
 6位「シェエラザード」
 7位「きんぴか」
 8位「極道放浪記1・2、初等ヤクザの犯罪学教室」
 9位「勇気凛凛ルリの色シリーズ」
10位「プリズンホテルシリーズ」
11位「鉄道員」
12位「霞町物語」
13位「月島慕情」
14位「月のしずく」
15位「あやしうらめしあなかなし」
 
 

 気分によって多少前後しますが、僕的には、こんな感じです。友人によく意外と言われるのですが、僕はヤクザものばかり読んでいた時期がありまして(特に「飯干晃一」が大好きでした)その頃、本屋に行くと「幻冬舎」のコーナーで、アウトロー的な本もよく買ってました。その時に、浅田次郎の「初等ヤクザの犯罪学教室」に出会って読んだのが始まりです。なので、基本的には浅田次郎の悪漢小説は想い入れがあります。
 で、1位の「蒼穹の昴」を抜く作品はまだ出てないですね。歴史が好きでない方じゃないと駄目かもしれませんが、清朝末期のこの時代をこんなに分かり易く、面白く描いている作品を僕は他に知りません。
 2位の「地下鉄に乗って」は、読後感的には、浅田作品中ナンバーワンでした。時代背景も好きだし、小沼昭一、軽部みち子のあの場面は、深い読後感を得ましたね。小沼佐吉は(浅田次郎の父がモデルだと記憶しているのですが)、過去のアムールの時代を知ってしまうと、良いのか悪いのか何とも言えないですね。この作品は僕にとっては名作ですね。
 3位の「日輪の遺産」は、この時代背景が好きだし良かったですね。涙が出る浅田作品ベスト3に入ります。「真柴少佐」はすごく印象に残ってます。
 4位の「天切り松 闇がたりシリーズ 」は、3位と迷った。感じ的には、同率3位という感じです。「じ〜ん」とくるものばかりですね。しかし、僕的に1番印象があるのは、「松ぼっくり」の場面なんですね。他に沢山あるはずなのですが、なぜが1番印象に残ってます。「松蔵」のモデルになった方に取材に行った話を何かで読みましたが、その時代のまた違ったリアルな話を聞いてみたいですね。
 6位の「シェエラザード」は、僕の心のざわめき的はものは、1番だったかもです。これは、「阿波丸沈没事件」がベースになっている作品なのですが、アメリカが客船と知っていて撃沈させた言われている事件です。何かの事件とかをベースにして作品を作るのが上手いなァ〜。と思ったのですが、「終わらざる夏」は、失敗でしたね。
 8位の「極道放浪記1・2、初等ヤクザの犯罪学教室」は、やはり、僕にとっての浅田次郎の原点ですから、外せないですね。この後の浅田作品とリンクしているがかなりありますので、ぜひ読んで欲しいですね。続きを読む

マンチュリアン・リポート(浅田次郎)2

101010_2244~01

浅田次郎の『マンチュリアン・リポート』です。ホント評価は分かれると思います。ただ僕的には、ツマラなかった。300ページ位しかないのに、読み終えるまでに1週間かかってしまいました。読んでいても全然前に進まない。通勤時間が長いので、読む時間はたんまりあるのに、何か読む気がおきず、携帯いじってばかりいました。この状態って、客観的に考えても出てくる答えは、僕にとっては「ツマラない」作品なんだろうなって事です。

内容的には、「治安維持法改悪ニ關スル意見書」(この中で、天皇を「人間」だと断言している)を書いて配布した事により禁固六月を言い渡されて服役中の志津中尉の元に、昭和天皇の密使が現れ、陛下の元に誘われ、そこで志津中尉は、陛下より

「張作霖爆殺事件の事実調査」 

を命じられる。そして、志津中尉は調査に旅立って行き、徐々に事件の真相に迫っていく・・・。という感じかな。その調査での経過報告書が「満州報告書(マンチュリアン・リポート)」という形で、陛下に送られます。

タイトルとストーリーがピタッと連動していて非常に解りやすい内容なのですが、ツマラない。「蒼穹の昴」から読んでる方には非常に懐かしい人物が出てきたり、あの思い入れの深い張作霖の最期の事なのに、ツマラない。そもそも最初の設定がダメでした。浅田次郎は「張作霖」の事ばかりに気を取られて、最初の設定を安易にしすぎた感があります。ここで「天皇」を使うのは安直過ぎるかと・・・。最初の設定をこうしてしまうと、その後の「報告書」がどんなに素晴らしく、ドラマチックな内容だったとしても、

「だからどうしたの?」

という感じになってしまう。「張作霖爆殺事件」よりも、天皇が動く事で、日本は正しい方向へ軌道修正される所を、またもや「軍部」の力で、戦争へと・・・みたいな展開に期待が頭を占めてしまい、「張作霖爆殺事件」の事がどうでもよくなってしまった。勿論、そういう趣旨の作品ではないという事は、重々承知してますが( -д-)ノ

少し酔っぱらいながら書いているので、意味不明だと思いますが、浅田次郎は、「張作霖爆殺事件」の事をドラマチックに書きたかったのでしょうが、最初に天皇出してしまったので、興味が反れてしまったという事です。


終わらざる夏 (浅田次郎)3

asada2

浅田次郎の『終わらざる夏』です。前にも少し言いましたが、この作品は、僕にとっては、あまり良くなかった。浅田次郎の大ファンだし、この時代も好きだし、長編も好きだし、余程の事がない限り「鉄板」な作品です。しかし、読み始めてみるとそうでもない。その最大の原因は、『登場人物の言動に、嫌悪感を伴う臭さ』を感じてしまったからです。純粋に感動出来る場面とかもありましたが「これはやり過ぎだろう」と思ってしまう場面がかなりあった。(鬼熊の挨拶とか、時を越えてやってくる「サーシャ」だっけ?)特にこの作品の中に頻繁に出てくる『手紙』は、僕が受け付けられないのが多かった。(前なら、感動してたのかな?)純粋な僕の心が、ドロドロした社会の中で腐ってきてしまったのか、(ノд・。) グスン  それとも浅田次郎が失敗したかは分かりませんが、少しクサい作品だと思います。

それに加えて、ストーリーの展開、ソ連側からの視点、最後の「占守島」での戦いの描写等、気にくわないものが多かった。

大変失礼な言い方ですが「硫黄島の戦い」、「占守島の戦い」とかをテーマにして小説を書けば、プロの小説家の方なら、読者を涙させる事はすごく簡単だと思います。史実に則って、その中の兵士達にスポットを当てて小説を書けば、鉄板ですよ。史実に則ってなくても、フィクションにしたって、まず外さないと思います。このイージーなテーマを、浅田次郎は、難しく、回りくどく、クサく仕上げてしまったと思います。





続きを読む

椿山課長の七日間(浅田次郎)3

110213_1826~01

浅田次郎の「椿山課長の七日間」です。まァまァ面白い作品です。浅田作品をどの位置から読み始めたかによって、評価が変わるのではないですかね。初期の頃から読んできた方には少し飽きがくるパターンかもです。浅田次郎の得意なパターンで、軽いのだけど、うるっとくる作品。代表的なので言えば「きんぴか」をイメージしてしまいます。このセットのメンバー構成では、この作品のメンバーより「きんぴか」のメンバーの方が上手ですね。

都内有名百貨店の婦人服飾部の担当課長の『椿山』は、バーゲンセールの初日が終わった夜に「脳溢血」で死んでしまった。46歳という働き盛りの年齢で死んでしまった「椿山課長」は、

 「このまま死ぬわけにはいかないんです。思い残すことが多すぎて」 

との事で、現世と来世の中間の、俗にいう『冥土』という所で(通称「SAC」)「再審査請求」をして、それが認められて、初七日が終わるまでに現世に戻れる事となった。車にはねられて死んでしまった少年の「根岸雄太」、人違いで殺されてしまったヤクザの親分の「武田勇」と共に現世に舞い戻るが、果たしてこの3人のその後はいかに?

という感じでしょうか?浅田次郎の得意の展開にやられてしまいます。次郎的ランキングに入ってないですが、お薦めは出来ます。( -д-)ノ

沙瞽跂埼(浅田次郎)3

沙瞽跂埼

浅田次郎の『沙瞽跂埼』です。僕にとっては浅田次郎らしい作品という感じで、なかなか良かったです。青山墓地のほとりにそびえる高級マンションの最上階にある「沙瞽譟廚箸いΕ汽蹈鵑如功成り名を遂げた人々が秘密を語り合うというストーリー。世界中に数百棟ものビルを所有している東和総業の会長がオーナーで、女装をして、司会進行を務めます。

「沙瞽譴砲茲Δ海宗今宵もみなさまがご自分の名誉のために、また、ひとつしかない命のために、あるいは世界の平和と秩序のためにけっして口になさることのできなかった貴重なご経験を、心ゆくなでお話し下さいまし。いつもどおり、前もってお断りしておきます―お話しになられる方は、誇張や飾りを申されますな。お聞きになった方は、夢にも他言なさいますな。あるべきようを語り、巌のように胸に蔵うことが、この会合の掟あのです―」

という感じで物語が進んでいきます。

 ・小鍛冶
 ・糸電話
 ・立花新兵衛只今罷越候
 ・百年の庭
 ・雨の夜の刺客
 

の5編からなる連作の短編集です。この中で面白かったのは、2編で、「小鍛冶」、「立花新兵衛只今罷越候」が良かったです。「小鍛冶」は、簡単に言えば、刀の鑑定の権威が「折紙」を書いたものが、実は贋物だったという話。これが凄くワクワクするような進行で、楽しませてもらいました。黒川博行の作品で似たのあったような気もしましたが忘れました。「立花新兵衛只今罷越候」は、『活動寫眞の女』を何となく思い出される作品で、池田屋騒動の映画を撮っていたら、時代を越えて、当時の池田屋の会合に向かっていた「立花新兵衛」なる武士が現代に迷い込んできてしまった物語。幕末の時代が好きな方には、何となく感慨深いものが沸いてくる作品だと思います。

極道放浪記〜相棒への鎮魂歌〜(浅田次郎)4

110213_1828~01

浅田次郎の『極道放浪記②〜相棒への鎮魂歌〜』です。次郎的浅田次郎作品ランキング第8位の作品です。浅田次郎の初期の頃の作品で、僕的には浅田次郎のエッセイでは、最高のレベルの作品だと思います。浅田次郎が自衛隊を除隊し、ヤクザの企業舎弟の世界やらにいた頃の事を面白おかしく披露しています。僕的に特に面白かったのは、

『第四犯 メンタンピン、ドラ一、拳銃一発』・・・浅田次郎が浪人中の18歳の頃に雀荘でバイトをしていた時の話。近所の電機屋の社長、地元の若いヤクザ、ソープ嬢のヒモと卓を囲んだ時の話。これは、面白かった。

『第六犯 ヤクザとマルボウデカの奇妙な関係』・・・簡単に言えば、ヤクザとマルボウデカは区別がつかないという話。良いオチでした。

『第八犯 ポロリと墜ちた手榴弾』・・・浅田次郎の自衛隊時代の話。当時、集められた隊員の質が低くかったという話。しかし、最後はしっかり「じ〜ん」とくる話でした。こういう話が、後の「歩兵の本領」に繋がった感じです。

『第十犯 一触即発!企業舎弟の慰安旅行』・・・これは、後に、「プリズンホテル」でも話になりました。ヤクザの慰安旅行と警察の慰安旅行の部屋が隣同士になったという話。

『第十三犯 オトシマエ、どうつけたろか』・・・これは、2番目に良かった。ヤクザにおかまを掘られそうになった仕返しに出陣!

『エピローグ 相棒への鎮魂歌』・・・やはりこれが1番ですね。「J」君の話は全部良かっただけに、何か心にくるものがありました。

読んでない方は必読です!

ひとは情熱がなければ生きていけない(浅田次郎)2

110226_1250~01

浅田次郎の『ひとは情熱がなければ生きていけない』です。この作品は、色々な所で掲載されたエッセイを纏めただけの作品です。「絶対幸福主義」よりはマシかなという感じです。僕的には、この作品の中に、

 「後輩諸君!<私の人生観>」と題された、浅田次郎の母校の駒場東邦高校での講演の内容と、

 「男の本領について<私の自衛隊経験>」と題された自衛隊市谷駐屯地での講演の内容が収録されているのが、唯一の救いでした。( -д-)ノ

勝負の極意(浅田次郎)3

SH3D0221

浅田次郎の『勝負の極意』です。なかなか楽しめると思います。この作品は2部に分かれていて、

 第一部 私はこうして作家になった

  第一章 二足のわらじはなぜ必要か
  第二章 二足のわらじを履くむずかしさ
  第三章 二足のわらじが幸運を招いた


 第二部 私は競馬で飯を食ってきた

  第四章 勝負の極意
  第五章 プロが教える投資金額
  第六章 馬券は有価証券だ
  第七章 関西馬ぬきに馬券は買うな
  第八章 パドックは宝の山
  第九章 笑いのとまらない馬券術
  第十章 決してウワさを信じるな

という感じになっております。今はやりませんが、中山競馬場が近い事もあって競馬を10年位やっていました。一番勝ったのは、いつだかの「ジャパンカップ」で、ランド→ヒシアマゾンを本命でとって、34万位買ったのが最高です。トータル的には200万くらいのマイナスですね。株を知ってからは、熱が冷めてしまいました。そんな僕が読んでも、「第二部の私は競馬で飯を食ってきた」は、全然為にならなかったですね。少しかじった人なら当然の事しか書いてない感じです。ですので、この作品は、第一部のみで楽しんでいただく感じですね。デビューする前後の仕事と小説を書く事を「二足のわらじ」と評して、面白く語っています。このような作品は、本格的な作品を書くまでの足かけだという事が分かります。女優志望のタレントが売れるまで水着の仕事を嫌々するようなものですね。

待つ女(浅田次郎)2

110213_1728~01

浅田次郎の『待つ女』です。特別書き下ろしの短編と浅田次郎のインタビュー、対談、エッセイを集めたものです。はっきり言って、この書き下ろしの「待つ女」も大した出来ではなく、エッセイや対談も色々な所からの寄せ集めですし、よくある作家の知名度で強引に刊行された作品(浅田次郎はこれが結構ある)です。唯一、浅田次郎資料館の章の「自作を語る」は良かった。僕の好きな作品のエピソードとかが語られていて良かったです。

アイム・ファイン! (浅田次郎)3


浅田次郎の「アイム・ファイン!」を読みました。出掛けた先の本屋さんで( ´∀`)つ (本屋さんでの立ち読みは、「エッセイ」のようなものが一番いいです。) 

 この作品は、「つばさよつばさ」と同じく、JALグループの機内誌の「SKYWARD」に掲載されたものをまとめたものです。 このてのエッセイ集は、少し飽きた感じもあるのですが、なかなか面白かったです。これからの浅田次郎のエッセイは、僕等読者が「お題」を提供したり、「質問」に答えるような形式にした方が絶対に面白くなると思います。(ぜひそれでお願い出来ないかな?)

 前も同じ様な事を書きましたが、「勇気凛々〜」には劣りますが、好きな作家なので興味深く読めました。浅田次郎の愛犬「パンチ」が死んでいたのをこのエッセイで知りました。「勇気凛々〜」には、度々登場していたので、少しショックを受けました。その他、「狭心症」になってしまった事などもこの本で知り、やはり「エッセイ」は、ファンにとっては外せないですね。あとは、「中原の虹」のツアーの事や盛岡文士劇に桂小五郎役で出演した事や、愛馬の「スカイワード」の話なんかが面白かったです。

 ぜひ、次回は、先程提案した様なものをやってもらいたいです。

ハッピー・リタイアメント (浅田次郎)4

adadahapp






浅田次郎の「ハッピー・リタイアメント」です。浅田次郎ファンの僕としては、あの名作の「きんぴか」を彷彿させる作品で面白かった。なので、僕的には、星4つですが、ファンでもない、一見客には、星3つという所でしょうか?万人受けする作品だと思います。この作品は、プロローグありきの作品で、このプロローグが誘発剤となって、ぐぐっと、この作品の世界に没入させます。この所が、浅田次郎の巧さですね。

この作品に関しては、作品紹介とか概略みたいなものは、一切見てないので、本当かどうか全く分からないのですが、この作品の「プロローグ」では、浅田次郎の家に、さる金融機関の整理部の者が訪れる。

「突然お騒がせして相済みません。わたくし、整理部の○○と申します。とうに時効を過ぎております案件でございますから、ご面倒はおかけいたしません。少々のお時間を拝借いたしまして、書類上の手続きをなさっていただければ幸いに存じます。ほんの五分か十分のことでございますから、よろしくお願いいたします」

というような具合です。浅田次郎は、30年以上前に金融機関から大金を借りて、ろくに返済をしないまま、金銭賃借の時効を向かえていた。今回訪れた金融機関は、その債務保証をしてくれた機関で、その機関が浅田次郎の債務を弁済した。「今さら返せとは言わんが、せめて書類上の手続きをさせてください」との事。当初、浅田次郎は、民法上の時効も成立している事だし、債権放棄の書類にさっさとハンコをついて追い返そうと思ったのですが、その後、色々あり、その金を返す事となった。そして、その法外な支払いを取り戻す為に、書斎にこもった(笑)

そして、物語が始まるのですが、内容的には、このプロローグでの出来事から構想を練った、「金融機関の整理部」の物語が始まります。物語上の機関は、「JAMS(全国中小企業振興会)」です。その債権回収役には、財務省から天下った、財務官僚の樋口慎太郎と元自衛官の大友勉という魅力的なキャラクターの2人に、秘書兼庶務係の立花葵の3人が物語をひっぱります。

最後は少し捻り過ぎた感がありますが、僕的には、非常に面白かったです。


続きを読む
Categories
記事検索
プロフィール

次郎

LINE読者登録QRコード
LINE読者登録QRコード
ギャラリー
  • 壱六家 大和店(大和市)
  • 壱六家 大和店(大和市)
  • 壱六家 大和店(大和市)
  • 壱六家 大和店(大和市)
  • 壱六家 大和店(大和市)
  • 壱六家 大和店(大和市)
NAVERまとめ
「NAVERまとめ」ブログパーツは、サービスを終了しました。
ブログトピックス
本ブログパーツは終了しました
livedoor 天気
Profile

次郎

LINE読者登録QRコード
LINE読者登録QRコード
J-CASTニュース
ブログトピックス
本ブログパーツは終了しました
カテゴリ別アーカイブ
プロフィール

次郎

  • ライブドアブログ