蕎麦とラーメン食べ歩き と読書のブログ

蕎麦とラーメンの食べ歩きと読書のブログです。蕎麦は、結構詳しいので、蕎麦の評価は信用出来ると思います。ラーメンは、素人です。読書傾向は偏りがちです。読書系の記事以外は酔っ払いながら書いてますので、失礼がありましたら、すみません。

カテゴリ:読書関係 > 作家(た行)

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非弁護人

月村了衛の「非弁護人」です。読む本が無くて、何となく買って読んでみたのですが、これがなかなか面白くてアタリでした。あと2往復くらい犯人との応酬があって、もっと犯人を小憎らしく描いていたら、もっと良かったと思います。(*´∇`*)

元特捜検事・宗光彬。
高度な法律関連事案の解決を請け負う彼は、裏社会の人々から「非弁護人」と呼ばれる。
ふとした経緯で、パキスタン人少年から「いなくなったクラスメイトを捜して欲しい」という依頼を受けた。
失踪した少女とその家族の行方を追ううちに、底辺の元ヤクザ達とその家族を食い物にする男の存在を知る。おびただしい数の失踪者達の末路はあまりに悲惨なものだった――。
非道極まる〈ヤクザ喰い〉を、法曹界から追放された元検事が、法の名の下に裁く!!

著者渾身、白熱のリーガルサスペンス!

この作品の内容紹介です。主人公は元特捜検事の「宗光彬」です。宗光は大物政治家が絡む贈収賄事件を追っていたのですが、検察上層部からストップがかかったんですね。それでも捜査を続けようとした宗光を待っていたのは「受託収賄罪」での逮捕だったんです。3年の実刑判決を受け、刑期を終えた宗光は、検察上層部に目を付けられている事で、弁護士になる事も出来ない。そこで、裏社会の住人から高額の報酬と引き換えに不可能とも思える仕事を請け負う「非弁護人」になった訳です。そんな宗光は、上記にある様に、パキスタン人の少年から、失踪したクラスメイトを探して欲しいとの依頼を受けるんです。そこから、「ヤクザ喰い」の男に辿り着くのですが、この男が、存在した事の証拠すら残さない最強の犯罪者なんですね。作品の中でも例えられておりますが、まさに「令和のロス疑惑」といった感じの展開になっていきまして、後半の裁判の場面は、もう興奮して読んでました。

最初の設定とか、所々に陳腐なものを感じてしまったので、「☆」3つにしましたが、中盤以降の展開は「☆」4つでも良い作品でした。これはオススメです。( ´∀`)つ

いつもの様に、続きで印象に残った場面を(*´∇`*)


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土漠の花















月村了衛の「土漠の花」です。友人から借りて読んだのですが、物語の展開に、何か既視感があったのですが、なかなか面白かったです。

ソマリアでの海賊対処行動に従事するジブチの自衛隊活動拠点に、墜落したCMF(有志連合海上部隊)連絡ヘリの捜索救助要請が入ったんですね。自衛隊は人道上の見地から捜索救助任務に当たる事を決め、陸上自衛隊第一空挺団が、ジブチ、ソマリア、エチオピアの三国が間近に接する国境地帯のアリ・サビエ州の南端に向かったんですね。隊長に任命された吉松3尉以下、緊急救命陸曹一名を含む計十二名が現地に到着し、翌日からの作業の為に野営をしている所に、女性3人が保護を求めてきたんですね。対立する氏族が攻め込んできて、一方的な虐殺が始まり、国境を越えて逃げてきたとの事。新開曹長が吉松隊長に、

 「我々の任務は海賊対処行動であり、遭難機の捜索救助です。未承認国家の小氏族とは言え、他国の紛争に介入することは許されていないはずです」

と進言するのですが、吉松隊長は3人を避難民として保護する事を決定します。そして、この決定を下すやいなや、四方から銃声が轟き、隊員二人が鮮血を噴いて倒れたんですね。攻撃してきたのは、保護した女性の氏族と対立する【ワーズデーン小氏族】で、逃げてきた女性達を追い掛けてきたんですね。あっという間に捕虜となってしまった自衛隊の隊員達は、【ワーズデーン小氏族】の指揮官の指示で、横一列に並ばされて、処刑される事となったのですが、小便の為に部隊から離れていた【市ノ瀬浩太】1士が89式小銃を放ち、敵をかく乱する事に成功し、生き残っている仲間達を逃がす事が出来たんですね。【ワーズデーン小氏族】の追手から少しでも離れようと洞窟の様な遺跡へ逃げ込むのですが・・・・・・。

最初に保護を求めてきた女性達の中での中心人物は【アスキラ】という名前の女性なのですが、女性達の中で、遺跡まで逃げ込む事が出来たのは【アスキラ】だけ。そして、自衛隊の方は、
 ・新開譲曹長
 ・朝比奈満雄1曹
 ・由利和馬1曹
 ・津久田宗一2曹
 ・梶谷伸次郎士長
 ・市ノ瀬浩太1士
 ・友永芳彦曹長→主人公

の7人なんですね。隊長の吉松3尉を含め5人も死んでしまったんですね。洞窟の様な遺跡に逃げ込んだ時には、持っている武器は残弾数9の89式小銃一挺のみ。ナイフも通信機も携帯端末もない。それでもなんとか70キロ離れた拠点まで逃げるしかない状態です。ここからの生き残りを賭けた自衛隊員達の戦いがアツいんですね。執拗な【ワーズデーン小氏族】の追撃に果して何人の自衛隊員が生き残るのでしょうか?興味を持ったら是非読んでみてください。冒頭に既視感があると書きましたが、何かの戦争モノの映画にあった様なハラハラの展開がアツかったです。


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田中慎弥

田中慎弥の「神様のいない日本シリーズ」です。この前のブログを見た友人が、大量に本を貸してくれました。ありがとうございます。(。・ω・)ノ゙

で、その中からまずは、興味があった「田中慎弥」の作品から読んでみました。僕向きではないと分かっていたので、ハードルをかなり低くして読んでみたのですが、つまらなかったですね。帯には「父と子の迫真の物語」なんてあるんですが、全然「迫真」ではなかったです。分かり易いし、登場する父親が語る野球の話は、野球少年だった僕には、すごく懐かしさを感じさせる話だったのですが、心に染み入ってこなかったですね。

野球部の上級生からイジメに合い、「学校へ行きたくない、野球も辞める」と言い出した、小4の息子の部屋の前で、扉越しに父親が延々と息子に語り続けるという内容。息子の名前が「香折(かおり)」という名前で、女みたいだとか、祖父がばくち打ちだとからかわれたんですね。根本の設定がこんな感じなのに、父親は、祖父の事や母親との出会いなどを、当時の日本シリーズの話を織り交ぜながら、微妙にズレた話を息子に語るんですね。最初の設定変えた方がいいんじゃない?なんて思っちゃうんですね。父と子というより、父の一人プレイな話に感じちゃいました。( -д-)ノ


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monoke

高橋由太の「もののけ本所深川事件帖〜オサキ婚活する〜」です。オサキシリーズの3作目という感じだと思います。以前に、もしこのシリーズが凄く売れたら、この作品のタイトルにもなっている「本所深川」エリアの商店街は便乗商品で儲かるのでは?みたいな事を書きましたが、実際に知り合いがいるので、何かの話のついでに話たら、

「駄目だよ〜、NHKのドラマになったりしないと」

と言ってました。投資家の僕としましては、その時点で動くようじゃ駄目ですと言っておきましたが、実際僕でもまだ動けないですね。(笑) 僕が小学か中学生の頃に、「ちびまる子ちゃん」が出始めの頃から、これはブレークすると言っていた女友達を、「そんな訳ない」とけなした僕は、少しの可能性も捨てておく事が出来ない性格になってしまいました。(;´Д`)

で、今回の作品は、本所深川を中心に、婚期を逃した女達がさらわれるという事件が起こり、更に「疱瘡(ほうそう)」まで大流行してしまい、「鵙屋」の主人の【安左衛門】は、嫁ぎ遅れの娘の【お琴】が心配になり、いよいよ【周吉】を婿にしようとするが、【周吉】の態度がはっきりしない。怒った【安左衛門】は、【お琴】に見合いをさせようと画策する・・・・・。

という感じで話は流れていきます。今回は今が旬という感じの【江姫】を登場させ、話のボリュームを膨らせて、なかなか面白い話に仕上がってました。

もう【周吉】と【お琴】の話は次回でけりをつけて、次の展開に進んで欲しい気もしますが、なかなか楽しめました。( ´∀`)つ


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高橋由太の「唐傘小風の幽霊事件帖」です。「もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ 」→『もののけ本所深川事件帖〜オサキ鰻大食い合戦へ〜』→『大江戸あやかし犯科帳 雷獣びりびり』ときて4作目という感じだと思います。今回も文庫にした所が素敵ですね。なかなか面白かったのですが、「雷獣びりびり」から少しずつパワーは落ちてますね。深みが少し足りなくなってきてます。それに伴い、主人公の魅力も落ちてきてます。もしこれから高橋由太作品がもっと売れてきて、目敏い深川周辺の商店街とかの店が、便乗商売で、キャラクターのせんべいや饅頭を作るとしたら「オサキ」「周吉」に集中すると思います。僕も今のうちに、高橋由太に、得意の?営業トークで近づいて、権利を買うなら、この2キャラクターで十分です。(という事で権利売ってくれ!)まァ、前回は「徳間書店」で、今回は「幻冬舎」という事で、何処も金の匂いを嗅ぎ付けてきているので、一通り権利は押えておいた方が良いかもです(゚∀゚)アヒャヒャ

で、今回はおっさんの僕には少し辛くなってきている内容です。文庫本の帯には、

“泣く子も惚れる”大江戸ラブコメ! 

なんて案内されている通り、言われてみれば少しだけラブコメです。物心ついた時から頼りなく【こんにゃく】とあだ名をつけられる位ふにゃふにゃしている寺小屋の師匠『伸吉』と赤い唐傘を持ち、カラスを肩に乗せた美少女幽霊の『小風』が主人公の物語です。『小風』は鬼界の幽霊達を使う事が出来る凄腕の美少女幽霊で、『伸吉』の家に棲んでいるので、頼りない『伸吉』を色々な形で守ります。そんな幽霊の「小風」に恋心をおぼえる『伸吉』。そんな関係の中で物語が進んでいきます。まだ、色々な謎を残したまま終わるので、今後も続いていくと思います。次の作品が今回位の出来なら、このシリーズは捨てる予定です。( -д-)ノ


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高橋由太の「大江戸あやかし犯科帳 雷獣びりびり」です。前の2作とテイストは同じですが、新シリーズです。舞台は同じ「本所・深川」です。主人公は、妖怪改方同心「冬坂刀弥」と刀弥の持っている印籠の中に暮らしている子鬼の「カタナ」、飯屋「稲亭」の女将の「お園」、娘の「統子」と雷獣の「クロスケ」、そして「稲亭」で働く妖怪達、あとは、妖怪改方長官の「夜ノ介」が織りなす物語です。

あとがきを読むと、今回の『雷獣びりびり』は、徳間書店から、「捕物帳をやってみませんか?」という話があったのが発端だそうで、「鬼平犯科帳」が頭にあったこともあり、全力で飛びついたそうです(笑)

 第一話 妖怪改方
 第二話 黒天狗
 第三話 包丁幽霊
 第四話 火鬼
 第五話 山姥
 


からなっており、どれもほのぼのとしていて、なかなか面白かったです。でも、「オサキ」に比べると、キャラクター的には、こちらの方が弱いですね。第三話の「包丁幽霊」位の面白いストーリーを持ってこないと、面白さに少し欠けると思います。

因みに、「包丁幽霊」は、徳川家康が「鯛の天ぷら」に中って死んでしまった時の料理番の俎小四郎が、成仏出来ずに(責任を取らされて首を刎ねられてしまった)幽霊となり彷徨っていて、「稲亭」に現れる。成仏出来ない理由は、自分より優れた料理人をしらないからだと言う。自分より優れた料理人に出会えれば成仏出来るという。そこで、「稲亭」の妖怪達との料理対決が行われる・・・・。という話。こういう歴史との合体もののストーリーは面白いですね。(家康の死因は諸説ありますが、僕は「胃がん」説を信じています。食中毒というのも、あの年齢ならかなりありえますけどね)


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おさき2

高橋由太の「もののけ本所深川事件帖〜オサキ鰻大食い合戦へ〜」です。なかなか面白かったです。なんか、凄く安定感ありました。中堅どころの作家さん並の風格を感じました。2作目でこの感じは良いのではないですかね。さすがに、ハードカバーを買う気にはなりませんが、文庫本なら確実に購入したいです。僕の世代の青春時代の「週間少年ジャンプ」で例えると、「こち亀」(例え下手だわ)という位置付け。ドラゴンボールや北斗の拳にはなれないけど、末永く業界に居続ける事が出来ると思います。芸能界で言えば「関根」さんですね。

今回も一日であっという間に読んでしまいました。内容はタイトル通りで、少し読めば話の内容は想像出来てしまうのに、なぜだか面白い。キャラで読ませているのかストーリーで読ませているのかもよく分からないのですが、最後まで飽きずに読めました。

毎年、本所深川で行われる「鰻の大食い合戦」の優勝賞金が100両。様々な諸事情ある奴らが賞金目当てにこの合戦に参加します。周吉も拠無い事情でこの大食い合戦に参加する事になる・・・。

という話です。ライバルがいて、そのサイドストーリーがあったり、鰻の話も使えそうなのがあったし、あとは、戦いの描写をもっと想像出来るようにしたり、緊張感を持たせたりすればもっと良かった。とにかく読む価値あると思います。そして、次作を期待してしまいます。


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takahasiyuta

高橋由太の「もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ 」です。江戸の本所深川を舞台にした時代ものです。この作品は予想を遥かに越えて面白かったです。今週中にゆっくり時間をかけて読もうと思っていましたが、今日の朝の通勤電車で読み始めたら、なかなか面白いので、今日の昼間に読み終えてしまった(笑)勿論、仕事は、きちんとしてました。営業に向かう道すがら、赤信号の時読んでました。( -д-)ノ

僕が時代小説が好きなので面白いと思ってしまう面もあるかと思いますが、あまり好きでない方にも、読みやすいし、分かりやすいので、オススメです。(逆にマニアックな程好き方には、少し物足りないかもですが)

主人公は『オサキ』(尾がふたつに裂けた白狐。妖怪のような存在)とオサキに憑かれた『周吉』(不思議な力を持っている)で、本所深川の献残屋の手代として働く『周吉』の周りで起こった事件の物語です。

この本の解説には、この作品は「魔物とのバディもの」「江戸を舞台にした時代もの」を合体させたものがポイントだ。と書かれてありました。そう言われればそうなのですが、僕的には、『周吉』単体キャラでも十分にいけると思います。周吉自身が不思議な力を持っていて、しかも色男で仕事も出来る。色恋沙汰には鈍感な愛すべきキャラは、この作品のように妖怪テイストの入った時代ものにしても、妖怪テイストがない、ただの本所深川で起きた事件帖でも面白く読めると思います。この作品を読んでいる時、なぜか説明は出来ないけど、池波正太郎の「剣客商売」が浮かんできました。このての作品の主人公は、圧倒的な「強さ」みたいな安心して読める所が良いので、この「周吉」の安心して読んでいられる所が被ったのかもしれません。まぁ、「剣客商売」と比べたら可哀相ですが、もっと江戸の地理や当時の様子を詳しく記述して、料理や名物の店についても詳しく織り込んでいけば、マニアックな読者をガッチリ掴めると思います。(因みに、僕は、本所深川エリアに結構詳しいのですが、この作品で、その地理を重ね合わす事が出来なかった)マニアックな読者は、ストーリーだけでなく、自分の知らない知識を求めてしまう傾向あります。そこら辺のツボを押えれば、もっと面白くなると思います。

この作品は、まだまだ続きが書けると思うので、もっと面白くなって人気が出たら、東野圭吾の「新参者」の影響で、「人形町」が賑わっているのを目の当たりにしている本所深川エリアの方達は、街をあげて応援してくれるでしょう(笑)あと、「門前仲町」という地名もいれてくれと依頼がくるはずです。


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haeotoko







田口ランディの「蝿男(はえおとこ)」です。この作品は、

・「蝿男」
・「サイボーグ・ナナ」
・「すっぽん」
・「海猫の庭」
・「蛙たち」
・「鍵穴」


の6編からなる短編集です。この作品は、どの作品も文章が、すらすら頭に入ってきて、興味深く読む事が出来まして、読後感もあり、なかなかの作品だと思います。でも、1作品を除いて、その読後感が、ダークな気分になる読後感で、元気を出したいと思ってる方には、お薦めできません。(笑) あと、副題として「腐純愛小説集」と謳ってますが、これは全然、筋違いな気がします。

「蝿男」は、今更色恋沙汰には無縁だと思っていた、定年一歩前の男が、26歳の若い女と出会って恋に落ちた。しかし、若い女と出会って10ヵ月で、男はガンで死んでしまう。女を忘れられない男は・・・。という感じで話は、進んでいきます。この作品は、タイトルにもなっているけど、この中では、僕的には1番下の評価です。僕よりだいぶ年輩の方が読むと評価は、違ってくるとは思いますが。

「サイボーグ・ナナ」は、現代的な話で、携帯を通してでしか人とがっていない「ナナ」の話。結末は・・・。これは、若い女の子向けかな。

「すっぽん」は、主人公が雑誌記者だった時に、大物企業家に取材をした。その企業家を成功に導いたのは、「究極のすっぽん料理」を食べたからだという話を聞く。そして、主人公が末期ガンだと分かった時に・・・。という感じの物語。単純なのですが楽しめました。

「海猫の庭」は良かったです。うまく説明できませんが。(*´∇`*)

「蛙たち」は1番良かったです。女編集者が、作家と「アウシュビッツ強制収容所」へ行った時の話。読後感が1番ありました。

「鍵穴」は、ダークな気分にならなかった作品です。ストーリー的にも良いですし、クロージングの仕方が僕の期待した通りだった。


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2
被爆のマリア







田口ランディの「被爆のマリア」です。今年の僕は、読書に関しては、食わず嫌いを止めて、色々な作家を読んでいこうと目標を立てました。しかし、全然、実行されなかったのですが、田口ランディの「キュア」を薦められて、読んだら面白かったので、今回は、タイトルが僕的には、興味を惹くタイトルだったので、読んでみました。この作品は、

 「永遠の火」
 「時の川」
 「イワガミ」
 「被爆のマリア」


の4編からなる短編集です。全ての作品が原爆に関する事が組み込まれている作品です。ですので、「原爆小説」と書いてある所もありました。いつもの様な個別の説明は省きますが、この作品の評価は別れそうですね。僕的には、ごくごく普通に感じました。250ページ位しかないのに、かなり時間がかかりました。読み進めるうちに飽きてきました。タイトルで、もう少し深い作品を期待してしまったからだと思いますが、人によっては、評価が高い作品です。どういう感じ方をしたかによると思います。

例えばの話ですが、もし僕が原爆に関して知らない人の為に、原爆に関する事に興味を持ってもらうと思って、本を読ませるなら、もう単純に、浅田次郎の「勇気凛々〜」の【理不尽について】を読ませる。広島で被爆した『李殿下』の話なのですが、短い文ですが、これだけである程度興味を持ってもらえると思います。あとは、加賀乙彦あたりを読ませるかな?


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キュア







田口ランディの「キュア」です。この前、「夢の研究」について、僕のブログに少しの間アップしていたのですが(もう削除してしまいました)それを見た方からメールをいただき、僕の感性には、この「キュア」がお薦めですと紹介していただいたので、早速読んでみました。読んでみたら、すごく面白くて、イッキに読んでしまいました。この「キュア」は、思わず作品の中に引き込まれてしまった。でも、意見は真っ二つに別れそうな作品でもあります。

田口ランデイオフィシャルサイトでのこの作品の紹介は、
人はなぜ生まれ、どこへ行くのか。
子供の頃からの疑問を物語にしてみました。


「命を救うは、悪いことではありません」

神の手をもつ外科医、斐川竜介はその不思議な能力で数々のがん患者を救ってきた。
ある日、斐川の前に一人の女が現れる。
人間のオーラが見えるという看護師・白川まな子は、斐川にこう告げた。
「あなたのオーラは病気です」
究極のがん治療とはなにか。人が人を救済することは罪なのか。
過去へ、未来へ、壮大なスケールで展開される物語は、意外な結末に・・・・。

という感じで紹介されています。本の最後の参考文献を見てみると、参考文献の数がすごく多くて、徹底した取材の元に書かれている作品なんだなと思いました。この手の作品は、一歩間違うと、オカルトチックな作品になってしまうのですが、大きく脱線する事なく、僕の許容範囲の中で上手く書かれました。自分が末期のがんに侵されていると分かったら、どうするだろ?と考えさせられたりもした作品でした。たまにこの手の作品もいいものです。いい作品を紹介してもらいまして、ありがとうございます。(*´∇`*)

この作品に少し関係した余談です。以前、特集してたことなのですが、アメリカか何処かの子供で、「年をとらない」病気の子供がいて、3歳か4歳(もっといってたかもですが、忘れた)になっても赤ちゃんのままの子供がいました。その子供は、世界中の研究者に注目されている。人間は、生まれてくると、死へのプログラムが作動していきます。年をとるにつれて、細胞が老化していき、やがて何らかの病気なって、死に至ります。しかし、この子供の年をとらない病気の原因が解明されると、不老不死とは言わないまでも、老化しない人間が出来るというのです。がんも細胞の老化が原因の1つなので、これが解明されると世界が変わる。それを商品化できる会社は、世界のトップ企業になれる。それを研究している会社を調べて、株を大量に買っておけば、金持ちになれるかも?、いや、その会社に投資しないか、投資したら、その治療を優先的に出来ると言ってまわれば、巨額の詐欺が可能だなぁとか考えた事がありました。( ´∀`)つ


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