14.ボスニア・ヘルチェゴビナ

2006年03月30日

伝説のイヴァナハウスに泊まる。

イヴァナハウスという名前を初めて聞いたのはインドのニューデリーだ。
西から来た旅人が口にするサラエボの宿の話は衝撃的だったが
あまり信用してなかった。

なんでも日本の男性が世界で唯一危険にさらされる宿らしく
この宿のオーナーの女性は日本人男性を捕まえては
自分の家に民泊させ、肉体関係を迫るのだそうだ。しかも相当強引に。
(ヨーロッパでは自宅の部屋を旅人に貸出す民泊という制度がある)
その強引さに負け、一度肉体関係が成立すると夕食や観光ガイド等
サービスが良くなり、

逆に気に入られないとサービスが悪くなるとか。
もちろん若い女性ではない。完全なおばちゃんなのだ。

カップルや夫婦で行くと態度が急激に悪くなったり
他のホテルを紹介されたりするらしい。

気に入った日本人の男が電車に乗っているのを見つけると、
車でその電車を追っかけるとか、
彼女の部屋には犠牲になった(もしくは勇者)の日本人男性の
写真がびっしり壁に貼られているとか。

(´・ω・`)どれもこれも嘘臭いなー。

しかし、俺が西へ向かうほど宿にある情報ノートに
頻繁にイヴァナハウスについての書き込みがあり
そのほとんどが警告的な事が書かれているのであった。
絶対一人で行くな!とか。

サラエボには行くつもりなかったので別にどうでもよかった。

トルコに入ると情報は具体的になり、悪評が広がり名前を「ヤスナ」
に変えたとか、似顔絵等がノートに記述されていたりした。

イスタンブールに入ると実際に宿泊した旅人が現れ

「あの宿だけは外務省が危険情報を出すべきですね。」
と本気かジョークかわからない事を言っていた。

俺はその話を聞いて笑っていた。
が、関係ないと思っていた俺が。。
まさか。。俺がサラエボに来ているなんて。

そして俺はサラエボに着いた朝、バスターミナルをウロウロして
いた所を、このヤスナ(イヴァナ)に後ろから声を掛けられたのだ。

(・A・)あなた、日本人よね?

(´・ω・`)え?あ、はい。そうですけど。

振り返った瞬間気づいた。

(´・ω・`)こいつ!イヴァナだ!似顔絵そっくりだ!

自分はプライベートルームの貸し出しをしていて
そこに宿泊してほしい。と一通りの説明を必ず語尾にOK?をつける
イライラする早口の英語で喋った。

(・A・)私の名前はヤスナよ。
あなた一人で旅してるの?

(´・ω・`)そう。

(・A・)あなた結婚してるの?

(´・ω・`)してる。←嘘

(・A・)あなた何歳?

(´・ω・`)30。

(・A・)あー!私と同じね。私も明日31になるの!

10000%嘘である。どうみても50代だ。

イヴァナハウスがヤバイ宿と知っているのなら
ここで断ればいいだけの話なのだが。。

(´・ω・`)しかしである。人間、幽霊が出る屋敷が
あると聞いたら見たくなるものである。

俺はOKしてしまったのである。

(´・ω・`)ま、誰か他にも宿泊者いるでしょ。

と、何となく安心していた。

彼女に連れられ、彼女の家に辿りつくと

(´・ω・`)いなかった。。俺一人だけだ。。

イヴァナハウスは民泊というだけあって、普通の家の部屋であった。
俺が寝る部屋と彼女の寝る部屋は隣同士で

その間のドアには鍵が無かった。

(´・ω・`)そうか。。そういう仕組みか。なるほどね。

手前が俺が寝る部屋、向こうがイヴァナの部屋









それでも俺は夜行バスで寝ていなかったので仮眠をとることにした。
もちろん部屋のドアは荷物で塞いだ後で。

バックでドアを塞ぐ








昼ぐらいに起きると、昼食のピザが用意されていた。
この宿では夕食は出るのだが、昼食は出ないハズだ。

(´・ω・`)ヤバイ!サービスが良い!

俺がピザを食べていると、イヴァナは隣で出かける準備を始め、
(・A・)何処を観光したい?歩いていく方が良いかしら?
とか自分も一緒に付いて来るのを前提に聞いてくる。

俺はピザを飲み込むように食べ終わると、
まだ準備が終わっていないイヴァナに

(´・ω・`)大丈夫。一人で観光できる。じゃ!

と言って後ろを振り向かずに家を飛び出した。

そして午後8時、俺は帰宅した。
ここから激しい攻防戦が始まる。。

部屋の間のドアは閉めても閉めても何かと理由を
つけて開けてくる。

そして。。

イヴァナが膝上20cmぐらいの超ミニスカートに着替えてきた。

(´・ω・`)ぐあああ!なんだそのミニスカートは!!
スーパー気持ち悪い!しかも着替える必要性がどこにあるんだよ!

そして夕食を机に並べると俺をベットの上に座らせ、すぐ隣にピタリと
くっついて一緒に食べ始めた。(ベットがイス代わり?)
しかもミニスカートの中がワザと見える角度に座って。。

(´・ω・`)気持ち悪いよ〜。気持ち悪いよ〜。

これがイヴァナの部屋。このテーブルで夕食。









俺は反対方向を見て食べる。

(・A・)ねえ。この写真見てよ。私日本人の友達がいっぱいいるの。

と写真を沢山カバンから出してきた。
見ると日本人の男と仲よさそうに写っているツーショット写真が多数。。

(´・ω・`)ぐええええ。。この写っている男たちは。。皆。。
写っているヤツラは皆、切腹しろおおおおおおおおおお!!!

写真を見せつつ腕を絡ませようとしてくるが、すばやく回避。

(・A・)ねえ。明日私、朝5時に起きなきゃいけないの。。
あなたの目覚まし貸してくれる?

(´・ω・`)持ってない。←嘘。

(・A・)じゃあ。あなたが起こしてくれる?

(´・ω・`)は?自分で起きればいいじゃん。俺、客なんですけど。

(・A・)。。。

(・A・)後であなたの部屋のTVをこっちの部屋に移して良い?

(´・ω・`)良いけど、今移して。後は嫌だ。

(・A・)運ぶの手伝って。。

HITACHIFUJIANという分けわからん会社のTVをイヴァナの部屋に移した。

なんだこのメーカーは?









(・A・)あー。コンセントが足りないわ。どうしましょう?

と俺の顔を見てくるが無視。

なんとかコンセントを探すと、チャンネルを回し、サッカーを表示した。

(・A・)サッカーやってるわ。

(´・ω・`)ふーん。

(・A・)次は多分日本選よ。一緒に見ましょう。

と言うと、自分のベッドの、自分が座っている隣をポンポンと手で叩いた。

俺はイライラしていた。

そんな態度に気づいたのかベッドから立つと小さな暖炉の所に行った。

(・A・)ワオッ!火傷したわ!ここよ!ここ!見て見て!

相手するのが嫌になった俺は

(´・ω・`)グッドナイト!

と言うと自分の部屋に入り、ドアを閉め、荷物ですばやく塞いだ。
マジでイライラするおばちゃんだ。しかしあんな子供じみた
おばちゃんの誘惑にやられる奴もやられる奴である。

イライラしつつも。。

(´・ω・`)俺はベッドでウトウトした。

午前2時、ドアがゴゾッと音を立て、塞いでいた荷物がズレた。
俺は身構えた。
イヴァナは荷物で塞いでいるのに気づいたらしくドアを閉めた。

午前5時、再びドアが音を立てて動く。またもすぐ閉めた。

朝起きるとイヴァナは外に出かけているらしかった。
俺はすばやく準備をして宿を出発した。

(´・ω・`)以上。大した攻撃ではなかった。
他の人はどういう攻撃を受けているのだろうか。。
ま、とにかく俺は被害なーし!

しかし、ろくに寝れず、宿としての機能は果たしていない。

(´・ω・`)こっち方面に行く人はヤスナに気をつけろ!
彼女はあなたがサラエボのバスターミナルに来るのを
待ち受けている!

(´・ω・`)でも、伝説の宿と聞くと行ってみたくなるよね。
わかるわかる。その気持ち。


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2006年03月29日

紛争の傷跡 ボスニア・ヘルチェゴビナ

ブルガリアのソフィアでは3日間カジノに通いつめ
ブラックジャックとルーレットに熱を上げた。
カジノでタダで食べれる贅沢な夕食はおいしかったが

カジノ








お金はすごい勢いですっとんでいった。
3日間で1度も勝てなかったのである。

(´・ω・`)ぎゃあああああああああああああ!!!

ズタボロになった俺は、ぶつけようの無い怒りに溢れていた。

(´・ω・`)というわけで。。

宿にいた人と一緒にストリップを見に行った。

ストリップ








ステージの中心に棒がある、外国映画によくでてくるアレであった。

もちろんスッポンポンで踊っているのだが、
それはショー的な見事な美しさで、幸か不幸か。。

(´・ω・`)興奮といよりも感動してしまった。

さてさて

(´・ω・`)堕落パワーも充填完了である。

これ以上充填すると取り返しのつかないダメ人間に
なると思った俺は、27日の早朝
セルビア・モンテネグロ行き国際バスに乗り込んだ。

−−−−−−−−−−−−−−−
13ヶ国目

国名:セルビア・モンテネグロ Serbia and Montenegro
首都:ベオグラード Beograd
言語:セルビア語、クロアチア語、スロベニア語、マケドニア語
時差:JST-8, GMT/UTC+1
通貨:セルビアン・ディナール SERBIAN DINAR

−−−−−−−−−−−−−−−

セルビアモンテネグロのニーシュという田舎町に到着。

(´・ω・`)本当に田舎だな〜。何も無い。

ニーシュの風景








川の横でのんびり

ニーシュの風景2








しかし、兵士は沢山いる。

ニーシュバスターミナルの軍人








ここで9時間30分ブラブラした後、
ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボ行国際夜行バスに乗った。
東欧は小さな国が多い。夜行バス一本ですぐボーダーを越えられる。

−−−−−−−−−−−−−−−

14ヶ国目

国名:ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国 Republic of Bosnia and Herzegovina
首都:サラエボ Sarajevo
言語:ボスニア語、セルビア語、クロアチア語
時差:JST-8, GMT/UTC+1
通貨:BOSNIA-HERZE CONV MARKA 1$=1.5576

−−−−−−−−−−−−−−−

さて、ここら辺の国々を行くにあたって、避けては通れない事がある。
それはユーゴスラビア紛争だ。

俺が来たセルビア・モンテネグロとボスニア・ヘルチェゴビナは
旧ユーゴスラビア連邦の国々なのだ。

旧ユーゴスラビア連邦は
七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、
二つの文字、で一つの国家だった。

(´・ω・`)すごいね。

サラエボの町並み








ユーゴスラビア連邦の中心であったセルビア共和国の
ミロシェビッチ大統領が、アルバニア系住民の多いコソボ自治州を
強引に併合しようとするとコソボは反発、独立を宣言して
ユーゴスラビア国内は内戦状態となる。

(´・ω・`)ミロシェビッチはつい最近死去してたなー。

サラエボの町並み2








91年にはスロベニアが10日間の地上戦で独立を達成し(十日戦争)、
次いでマケドニアが独立、クロアチアが激しい戦争を経て独立した。
ボスニア・ヘルツェゴビナは92年に独立したが、
国内のセルビア人がクロアチア人からの
独立を目指して戦争を繰り返した。

(´・ω・`)旅の現在地の地図を参照して下さい。

セルビア国内でもコソボ自治州が独立を目指したが、
セルビアの軍事侵攻によって戦争となった(コソボ紛争)。

サラエボの市内にあるヘリコプターの残骸








アメリカの和平案が出されるが決裂。
アメリカを始めとするNATO軍がセルビア人による
アルバニア系住民の民族浄化(ジェノサイド)を理由に空爆を開始。
紛争は収まったが、今でも複雑な民族問題を抱えている。

(´・ω・`)結構最近の話だ。複雑だな〜。

というわけで、俺が今いるボスニア・ヘルチェゴビナのサラエボには
紛争の傷跡が町中に残っているのだ。

弾痕の跡がすごい家。

弾痕の家1









弾痕で蜂の巣状態の家。

弾痕の家2









爆発、炎上したと思われる家。

弾痕の家3









普通に生活しているマンションにも弾痕がすごい。

弾痕の家4









動く物はセルビア人狙撃兵により全て狙撃されると
いわれたスナイパー通り。すごい名前の通りだ。

現在のスナイパー通り









サラエボは過去に冬季オリンピックを開催した
都市でもあるのだが

オリンピックスタジアムのグランドは墓で埋め尽くされていた。
墓場まで運ぶ時間が無く、スタジアムに埋葬したらしい。

オリンピックスタジオの墓地









聖火が灯されたであろうタワーが悲しく見える。

聖火タワーと墓地








第一次世界大戦のきっかけになったサラエボ事件の
現場もあった。

サラエボ事件現場








そんなボスニア・ヘルチェゴビナだが、現在は
普通の生活を取り戻している。
通りを歩く人々には笑顔が溢れている。

日本と遠く離れた国ボスニア・ヘルチェゴビナ。

市内には日本のODAで送られたバスが沢山走っている。
車体にはJAPANの文字が。

ODAで送られたバス








そして前述したオリンピックスタジオの墓場には
一つの石碑があった。

スタジアム墓地に日本の桜が









日本の団体が桜を600本植えているのである。

(´・ω・`)小さな事だが、日本がボスニア・ヘルチェゴビナの
為に役立ててる事が嬉しかった。

さて、サラエボの紛争も大変なのだが
俺も一つ紛争を抱えそうである。それは。。

俺の目の前をあるいているこの女。。

この女は誰だ。
















今朝、バスターミナルで俺に声をかけてきたのだが。。
彼女の名前はヤスナ。またの名をイヴァナ。
知る人ぞ知る有名な女だ。

俺は今夜、この女の家に泊まることになったのだ。。

ヤバイ。ヤバイ匂いがする。今夜何があるのか。。

(´・ω・`)詳細と結果は後で報告する。多分。

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