ペンギンとカエル。いなばぶろぐ


こんにちは。稲葉葉二です。

皆様いかがお過ごしでしょうか。梅雨も明け、連日地獄のように照り付ける日差しがつらいですが、頑張っていきましょう。この夏真っ盛りの時期を「盛夏‐せいか‐」と呼ぶそうです。電車のテレビ広告で言ってました。

さあさぁ、夏の始まりではありますが、一つの終わりをお知らせします。

先日まで下北沢のシアター711で行われていた
クリム=カルム「群盗=滅罪」
が無事終演いたしました。IMG_1704

集合写真

ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。
皆様のおかげで無事に全公演盛況で終えることができました。

初の古典作品(現代版アレンジではありますが…)に参加させていただきました。
団体や共演者のレベルがとても高くて、この座組の一員として公演を終えることができて幸せの至りでございます。

また今年の目標であった「舞台上でダンスか殺陣か古典をやりたい」「下北沢の本多グループ系列の劇場にたちたい」というものを一気にクリアできました。わーい。

今回は大学時代の先輩や同期、後輩もたくさん来てくれて、うれしかったです。
「元気にやってるよ」って姿を見せれたと思います。

また面識のない方からも終演後に褒めて頂けることも多く、幸せMAXでした。


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お花。(初めてもらいました!センス◎)

私はヘルマンという役をしました。
恋心を利用されてあれこれコマ使いされる悲しい男です。

演出家(以下、そらさん)から与えてもらった裏テーマは「進化論」。
今回チケット(当公演ではパスポート)を開いて裏を見ると、それぞれの役の設定?アナザーストーリー?が書いてあります。
ヘルマンのはこちら。

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もともと進化論ってテーマが大好きで、よく調べたり考えたりしていました。
ツノゼミの意味不明の進化とか成長の過程で死ぬバビルサとか。
キリンのはなしとか。
バビルサは嘘らしいんですけど。

能力者系の漫画だとよくこういう考えをこじらせたやつ出てきますよね。
DIO(ジョジョ)とか佐藤(亜人)とか。

そう考えて、自分なりに解釈したのは、ヘルマンは自分は新人類だ、と思っていて、ひどく他人を見下してるんですけど、その反面、愛か情かわからないけど、特定の個人(フラン)に縛られてるひとなんですよ。

そうやって自分の中に矛盾が奥底にあって、ぐらぐらとするんです。

地方の弱小貴族出身で反骨精神的なのでバキバキと成り上がろうとして、領主の居城へ出入りを許されるくらいには評価されてたのかな。

「愛に飢えた貴族」とそらさんには書いていただきました。ビジュアル公開の時。

たぶん、初めのほう(劇中の時系列ではずっと前)愛という意味ではヘルマンはまだアマリアのことが好きです。
でも情という意味(だと思うんですけど)では、フランのほうが気にかかってます。

なんとなく状況が自分と重なっているように見えて、フランが「幸せ」になれば自分も幸せになれると思った。
フランを「しあわせ」にするんだ。

ここからですね。幕が上がるのは。

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小道具。貴族っぽい小物はすべて柊みさ都さんにお借りしました。

みなさまお気づきかもしれませぬが、実はヘルマンは全役と絡む唯一の役なんです。
(アマリアは殺して運び出すだけですが、まぁセリフで二人の過去について言及されてるし多めに見てください。)

あっちに行ったりこっちに行ったり。

群盗たちの一員として潜入するとき、教会に仕える牧師という体でカールたちの目の前に現れます。

「ダークナイト」でジョーカーを演じたヒース・レジャーは役に飲まれて死にました。
「演じる」という行為は程度の差はあれど、その個人になにか影響を及ぼすのでしょう。

フランと同じで実力行使を信じてきたヘルマンは神を信用していませんでしたが、ここで牧師コジンスキーを演じたヘルマンはすっと宗教的な教えが腑に落ちます。

そしてカールに詰め寄られたとき、それがより強固になります。
同時に自由を謳歌していると思っていたカール並びに群盗たちも世界に対して不信感があることを知ります。

だから、嘘をついてカールを城へ向かわせようとしたあのシーンの長いセリフは、嘘じゃないのです。
その時の稽古のノートには「嘘から出た真」と書きなぐってありました。

対照的な二つの視点を理解したヘルマンはその後フランを教義的に諭したり、「世界の仕組みをわかっていない」という台詞を吐くようになります。

そのあとは見た通りだと思います。
本当はこんな説明をしないで演技で全部語りたいのですが…力不足でした。

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とってもいい人たちばかりで楽しかったです!本当にいい座組でした!

ありがとうございました!

くしくも大楽の翌日がtwitterの役者としてのアカウントを作ってから2周年の記念日でした。
今日から俳優3年生。
今までたくさんいろいろなことを教えてくれた人たちに恩返しをしつつ、もっとたくさん勉強してもっといい俳優になりたいです!


次回は年末に北区に出没する予定です!!!

稲葉葉二でした!


special thanks

神、せい、ゆいちゃん、アイモノ、きむ、青地、原、戸田さん、べべ、かなこさん、達哉、まなと、ちか、塩谷、あすみさん、ながさわさん、まなかさん、ザキさん、しのさん、須田、ガンマさん、親父、親父の会社の人、楓子、ミさん、もーえさん、かすみさん、しぐさん、その他ミさんのお友達方、みきさん、けいちゃん、下北沢を歩いていたカメラ好きな人、まみさん、加藤さん、小林さん

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お久です。稲葉です。


いや、ここ数日、5月とは思えないほどの猛暑でしたね。つい1か月前は異常気象で雪とか降ってた気がするんですけど。雹か?霰か?


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僕はといえば、土曜日に外の仕事で日銭を稼いでいた訳ですが、馬鹿みたいな直射日光に当てられ、熱中症となっておりました。


水分と塩分は取らなきゃダメですよ。取ってたつもりだけどだめだった。想像よりちゃんと採らなきゃだめですよ!



そのせいでここ何日かありえないほどの高熱と頭痛に苛まれた訳ですが、その期間、Twitterばかり見ていました。


この熱気に狂わされたのか分かりませんが、物騒な事件がよく目に付いた気がします。いつもより。


新宿の血塗れのメンヘラ女、栄のゲイ同士の殺人に至る喧嘩、そして川崎の無差別とも思われる児童殺傷事件。


Twitterというのは幸か不幸か優れすぎたツールでございまして、凄惨な事件現場の画像や動画が出回っておりました(現在は運営によって投稿次第削除されているようですが)。


今までも惨たらしい事件は多数あったはずですが、私個人の状況も相まって、これらの事件をは今までのものとは比べられないほどに現実を突きつけて来ました。


土曜の現場仕事の昼休憩で鉄板焼き屋に入った時のことです。(なんであんなくそ暑かったのに鉄板焼き屋入ったんだよ絶対熱中症になった原因半分くらいこの選択にあるわ)


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ある友人がメンヘラ女を話題に挙げ一言言いました。


「今まで人を殺して来なかったような人間に殺人をさせてしまった被害者にも落ち度はあるのではないか」(意訳、こんな知性に溢れた喋り方するやつじゃないです。)


その時、僕は、サークルの同期を思い出しました。


彼女はとても演劇を愛していました。多分同期、いやサークル全体の中でも1番。実力もさながらでした。


ただ、人より少しだけ不得手なことがあり、非難されることによって精神が不安定になり悪化、それが発端でサークルを排斥され、半年ほど休息期間を経て戻ってきました。


しかし精神の不安定さというものは半年経ったとしても、ほんの少しのきっかけでまた古傷が開いてしまうものだったのでしょう。


彼女は周りに暴言を吐いて周り、先輩やOBにも噛み付く始末。本人も制御出来ていなかったはずです。


当時、サークルとしての本公演を主宰として背負っていた僕は、目先の利益や幸せを手に取り、彼女のことは度外視して、また彼女を排斥してしまいました。


なぜなら、本公演の主宰というのはあくまで一過性のものであり、彼女とサークル全体の問題は、一年通しての責任者である部長などに任せるべきだと思っていたからです。


しかし、その後誰も彼女をケアするような動きは見せなかった。本公演からの排除に成功し、サークル全体の危険も去ったと認識したのでしょう。


彼女は当時よく言ってました。


「殺してやる。死んでやる。私を殺したのはお前らだ。生きる意味なんてない。殺す殺す。演劇が満足に出来ているお前らが憎い。私はこんなにも望んでいるのに。お前らよりもずっと。お前らなど度し難い。演劇を冒涜している。殺してやる。私が死んでお前らを殺してやる。」


あの時、僕は、正直、彼女に殺されていてもおかしくなかったかもしれない。


でも彼女は殺さなかった。そして僕は生きている。


演劇を続けている。


その友人の発言を聞いてから、僕はいま演劇をやる資格があるのかと、台本を受け取り稽古場に行き客前に立つ資格があるのかと、自問自答を重ねました。


彼女の最後の優しさだったかもしれない。彼女のお陰で僕は今、演劇が出来ている。


加害者と被害者の関係は簡単に変わります。


僕はあの時、完全に加害者だった。


もし彼女が一線越えていたら、僕が被害者だった。


友人に言われるまで、そんなことは分かっているつもりでした。ただ、自分を正当性で塗り固め、正義だと信じていた。


本当に悪いことをしたと思っています。本当にごめん。もっと話を聞いて、両者の着地点を探すべきだった、ととてつもない後悔が脳みそを支配しています。


マンションのロビーで全裸で血塗れで横たわっていた男、鉄パイプでこれでもかと殴打され深く腹部に出刃包丁を突き立てられた男。


彼らはもしかすると、少し前までは立派な加害者だったのかもしれない。


そして、少しだけ歯車が違えば、あれは僕だったのかもしれない。


そう思ってしまうのです。


川崎の事件だって同じです。規模が少しだけ大きいだけ。


事件が起こった直後、ある言葉がトレンド入りしました。


「無敵の人」


ご存じでしょうか。


2008年に2ch創設者のひろゆき氏から端を発したネットスラングです。


http://hiro.asks.jp/46756.html


漫画『ドリフターズ』には


尊厳が無くとも飯があれば人は生きられる 飯が無くとも尊厳があれば人は耐えられる

だが 両方無くなると もはやどうでもよくなる 何にでも頼る(平野耕太・著)


つまり、失うものがない人。


社会から抑圧され、何も成すことが出来ないひと。


件のサークルの彼女の1番初めの排斥はこれに当たると思います。


社会を構成する一人一人が、社会の幸せを追求する中で、溢れてしまった個人に相応しいセーフティネットが用意されなかったばかりに、その個人だけが不利益を被り、挙句の果てには非難、揶揄までされてしまう状況です。


無差別の殺人事件などが起こった時にばかり話題になりますが、強盗や詐欺などの犯罪や減らない自殺者の数にも確実に関係していると思います。


現代日本社会において、絶対に看過できないことなのです。


正直僕には国家単位での妥当な解決策は思いつきません。


ただ、私たちが属している小さなコミュニティにおいて、所属している一人一人が意識して、風通しの良い政治と全員が納得出来る平等、そして溢れてしまった人の為の救済措置、これらを提供するよう努力することは出来るのではないでしょうか。


集団というものは頭のない怪物だと、誰かが言いました。


ならば大きい単位での話は一旦置いておいて、自分の手が届く範囲で「無敵の人」を作らないようにしていきませんか。


「そんなものうちには端からいない!」という声が出るかもしれません。僕だってそう思ってました。だけど、冷静に考えてみてください。


正当性があると、我こそが正義だと他者を迫害していませんか。もしくは周りにそういう人がいて黙殺してはいませんか。ということです。


きっと僕達にできることなんてそれくらいしかないから。


ごめん。本当に。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーキリトリーーーーーーーーーーーーーーーーー


以下、少し続きと宣伝になります。


先程、現代日本社会においての問題だと話しました。


しかしそれは、現代日本社会でしか僕が生きていないからです。


大きい目でみれば、イスラム国のテロ行為などもその中に含まれるのではないでしょうか。


そして、現代だけではありません。


今回、僕が出演させていただきます『群盗=滅罪』は、言うならば全員が悪者です。


原作、フリードリヒ・シラーの『群盗』が描かれた当時にも、社会的な差別や区別があったのです。


全員が悪者ですが、みな、全員の正義のために悪事を働かざる負えなかった者達です。


矜持の為、名誉の為、愛の為、すべて等しく美しい正義が登場人物達の中にあります。


自らの中の正義を信じ、悪に手を染めた人間達は、果たして「滅罪」することが叶うのでしょうか。


物語の結末を、是非あなたの目でお確かめ下さい。


クリム=カルム『群盗=滅罪』


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クリム=カルム最新作はフリードリヒ・シラー原作「群盗」 

初演では熱狂した観客が失神するほど熱烈に支持されたというシュトゥルム・ウント・ドラング屈指の名作! 

激動の時代を生き抜いた戯曲が、スタイリッシュに生まれ変わる! 


「群盗=滅罪」 


劇場:シアター711(東京都世田谷区北沢1-45-15) 
演出:sola 
脚本:西荻小虎 
原作 :フリードリヒ・シラー 
出演:山田亮、小沼枝里子、華奈、工藤沙緒梨(カプセル兵団)、長田咲紀、野村梨々子(あひるなんちゃら)、いわみりかこ、石川琢康、柊みさ都(エーライツ)、竹之内勇輝(BE GLAD PRODUCE)、稲葉葉二 


スケジュール:2019年7月24日(水)~7月28日(日) 
24(水) 19:00 
25(木) 14:00/19:00 
26(金) 14:00/19:00 
27(土) 14:00/19:00 
28(日) 12:00/17:00 


チケット 前売¥3,500/当日¥4,000 

予約フォーム:
当日精算 (稲葉扱い) 
事前精算 (ログイン後購入画面に進んで頂き、「予約枚数指定」画面にて券種「全席自由 稲葉葉二」をお選びください)

特設サイト:gunto.themedia.jp



あらすじ


18世紀末のドイツ——。

領伯の座を狙うフランは、才気あふれる兄・カールを妬み一計を案じる。
罠に嵌められ家を追い出されたカールは、街のはぐれ者たちと盗賊団を結成し自由を謳歌する。

しかし群盗たちは次第に市民革命の渦に巻き込まれ政府軍と対立していくことに…。

地位のため、名誉のため、自由のため、戦い続けた先に迫られる選択。
生きて別れるか、愛のために死ぬか——。

自由を追い求めた若者たちの激しく生々しい——美しき、魂。



美術:Xiaolong LAB
照明:南条真沙代
音響:鷹取滉平
撮影:炬鉄刀
舞台監督:逸見輝羊/今宮稜正 (株)STAGE COMPANY
フライヤーデザイン:添野郁
制作:後藤由香理(TEAM#BISCO)
企画:犯穏罪団
製作総指揮:péché=mignon・delacroix
主催:クリム=カルム
協力:スカレッティーナ演劇研究所、GAIA art entertainment、めとめとひらく、社会福祉法人東京都社会福祉協議会


クリム=カルム  
crimecalme.themedia.jp 
crimecalme@gmail.com