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2013年08月

ホニャララ・ジャパン

金メダル量産中の柔道

監督の言葉のかけ方も本当によかったのかもしれないけれど、それが利いて金メダルを獲ったと言うのは選手に失礼だと思ってしまう。
選手がそれだけの才能を持っていて、そのうえで満足のいく結果を得るにふさわしい努力をしたからなのに…

なぜゆえに日本は指導者の存在を“前に”持っていきたがるのだろうか?

確かに、負けたときにたたかれるのも指導者。例えば、万が一、今後一切メダルが取れなければ、この大会が終わる頃には、監督がものすごいバッシングを世間から受けていることになる。

でもね、この国の国民(基本的にはマスメディア)の中に、それだけ指導者を称える文化やヤジり飛ばす文化があるということは、彼らがスポーツにおいての指導者の重要性を実は知っているということではないだろうか。
であるならば、現状の全体的なスポーツ指導者の質の低さを深刻に嘆き、国を挙げて、指導者育成に「本気で」取り組めばいいのに…

若年層のスポーツ競技参加者数を考慮すれば、日本はまだまだ世界で活躍できる運動選手を育成できるはず。そのためには、各競技団体同士が競い合って、よりよい指導者を育成できるシステムを作り出す努力をしなくてはならない。
指導者の指導レベルの向上は運動選手の競技レベルの向上に正比例するに違いない。


そのきっかけとしても、日本にオリンピック来てほしいなぁ…


スポーツファンとしての意見でした。

“バランス”とか“ゆがみ”とか言いまくる人材に対しての私見

少しでも体に関わることを勉強したり、仕事にしてしまっていると、ほっといても複数の体を見る経験を得るので、なんだか自分は人体のエキスパートなんじゃないか、もしくは、エキスパートとして振舞わなければならない、エキスパートと思われなければならない、という感情が生まれてきます。
そんな時に彼らにとって便利なのが、人体が必ず持つ「不均等」という特徴を指摘することです。

スポーツをすることから得る「体の癖」はもちろんのこと、日常生活からでも、もっと言えば、生まれながらにして、人体は左右、前後、上下に「不均等さ」が出てしまいます。しょうがないんです。

それらを指さして、
「だからパフォーマンスが伸びないんだ!」
「だから怪我するんだ!」
って言いまくってる人にまともな人はいません。
(このブログの題名の中でも言っているように、これはあくまで私見です)

彼らが言っているそういった“プロが出す評価っぽく聞こえるコメント”は、友達数人でラーメン屋に行き、友達に自分が味に精通していると思わせたい輩が吐く「まぁまぁじゃん」または「まっずい」などのセリフと同等です。

確かに、体が持つ特徴が傷害やパフォーマンス向上の妨げになることはあります。
または、傷害があるからこそ、ある特定の癖を体が持ってしまうということも多いです。

であるならば、体のプロはそれを指さして
「だから怪我するんだ!」
の一言で終わらせてしまってはいけません。

その癖があるからこそ怪我を起こしてしまうという事実、
どのようにそれを改善するのかという計画、
そのための具体的な解決策、
を説きつつ、その患者または運動選手に説明しなければなりません。

運動指導時も同じで、例えば、左右の体の使い方に少し変化がある場合、それを指摘するだけではだめなのです。どうしてその違いが起こるのか、それはどのようにして改善するのかを知りえない限りは、その弱点を選手に伝えるべきではありません。
スポーツ・スペシフィックな動きの指導でも同じことが言えます。例えばバッティングフォームを指さして、あれが悪いこれが悪いだけの指導者じゃだめです。どうダメなのか、どう修正するのかが説明できない限りは、その指摘は無駄です。
だって、ただ見たままの事実だけを伝えられても選手はどうしていいかわからないし、困惑させるだけなら、言わないほうがいいでしょ。
しかも、弱点だけ伝えられたって、選手一人じゃ改善なんか到底できないし、結局弱点を持ったまま選手生活が続いて、結果、選手としての成長が滞っちゃって、それをそのアホ指導者にこれ見よがしに「ホレ見たことか、だから言っただろ!」って無駄に指摘されて…想像するだけで悲しくなります…

あと結構いるのが、実は顕著な不均等さや癖、ゆがみも見つけてないのに、テキトウなゴタクを並べてフォームにイチャモンをつけて指導してる雰囲気を出しちゃう輩とか、はなから挙上重量が重すぎただけなのに、その重りを上げられなかった選手に向かって、「こうやって挙げなきゃ」ってエア挙上して指導してる雰囲気だけ出すどうしようもない輩。

指導者を気取ったクレイマー、
nnnメッ!!!


とにかくね、結果論だけを指さして、そこがダメ、あれがダメ、っていう指導者は迷惑以外何物でもない。


人間の体には必ず不均等や癖がある。
その不均等や癖が許容範囲を超えると傷害やパフォーマンス向上の妨げにつながることはある。
でもほとんどの場合、その直接的原因になる度合いには至らない。
なんだったら、世界最高峰の選手にだって、ローカル地区最下域の選手と同じ体の癖があることもある。

プロの運動指導者ならば、理想的なテクニックをまず伝え、そこに近づけるため努力の仕方を指導し、順序をおってより難度の高い運動を取り入れ、その中で諸々の選手の特徴を把握し、できる限り弱点を克服しつつ、責任を持って健康的に身体能力の成長を生み出さなければなりません。

「ラーメンまずい」的な指導者にだけはならないよう、また、今後の「ラーメンまずい」的指導者の減少を目指し、皆さん指導に励んでください。

以上

スクワットはどこから見るか?

僕が中学生くらいの頃、「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」という題名のドラマがありました。
小学生くらいの子供たちが、「花火を真下から、または真横から見た場合、真っ平にしか見えないのではないか?・・・」というかわいらしい疑問を、子どもたちの純粋な心と夏の終わりの切なさとともに紡ぐ(?)といった内容だったのですが・・・。


先日、僕の施設に外部のトレーナーの方が来て、かつて僕がトレーニングしていた選手の指導をしていました。
諸々と”体幹”と呼ばれそうな運動をやったのち、ラックを使ってスクワットの指導をしていたのですが、はたから見ていた限りは、彼はスクワットの指導を後方からのみやっていました。

個人的な意見として、スクワット指導時のポジションの比率は、横:後=9:1です。
指導のポイントを確認する場合、横から見ればおおよそが理解でき、少しだけ気になった時だけ、足幅とか、膝の動きとか、バーのポジションとかを後ろから確認する程度なので、先ほどの比率が効率よい数字ではないかと思っています。

まぁ、先述の方は、諸々のスクワット試技の後、自分のおなか辺りを指さして、もっと胸を張らなければいけない・・・的なことを述べていたので、きっとスクワット自体をやったことがない、または間違って理解している、ということが想像できるので、きっと多くの皆さんは彼のような指導はしていないとは思いますが、今後何かしらの形で他人の体に運動を教えようという希望をお持ちの方、スクワット運動をはじめ、ランジ、デッドリフト、クリーン、スナッチ、その他もろもろの全身運動は、比較的横方向から見たほうが諸々都合がいいです。

参考までに。

RDLへの指導キュウと、指導者の心構えに関して

今回は、RDLという運動の詳細に加え、基本的な知識は同種であったとしても、着眼点によっては指導時の指摘点も当然変わるという話をします。

Romanian Dealift(RDL)という運動があります。
こういうの


僕はこの運動は腰を中心とした背部とハムストリングの運動であるという認識があります。

まぁ、この運動中ずっと腰をピシッと伸ばし続けることは絶対条件なんで、腰の運動であることを説明するのは簡単です。そして、その腰を伸ばし続けるためにも両肩甲骨を後方でくっつけるように収縮し続けるという指導も行っています。そうすることで、背部を全体的に鍛えることができます。もしかしたらこの肩甲骨の部分が一般的な指導では外されがちなのかもしれませんが、僕の運動指導では非常に大事な要素で、デッドリフト系運動のテクニック指導ではこの「肩甲骨をピッタリくっつける」というセリフを多様します。
RDLがハムストリングの運動であるという説明は簡単なような気がしていたのですが、僕がやっているテクニックよりも膝の屈曲角度が大きいとそこまでハムストリングには効かないので、「RDLは腰とケツの運動でしょ!」と思っている人も多いかもしれません。確かに、腰とハムストリングの真ん中に臀部があるんで、RDLは臀部の運動でもあるのですが、僕個人の運動そして指導経験からいうと、この運動はそこまで臀部に効きません。理由は簡単で、臀部よりもハムストリングが伸びきるタイミングが早く来るので、ハムストリングの活動が臀部よりも多く導入されるからです。ただ、これも僕が用いるテクニックで行うと、という大前提があります。もし僕よりも膝の屈曲が大きいと、ハムストリングの伸展よりも臀部の伸展が強調されてしまうのかもしれません。

もう一点。
僕は110㎏を超えたら「アルタネイト・グリップ」を許可しています。僕が下の2つのビデオでやっているバーの握り方がそれです。


110㎏から許可するということに科学的な考察はありません。単に、個人的な経験上、学生の必要な能力を考慮してもこの辺かな…くらいの理由です。握力があるに越したことはないし、結構握力というのは大事な運動能力の一つでもあるので、あまりにも重い負荷を扱う場合以外は、僕はストラップを使わせません。だから、うちの野球部が140㎏でRDLをやる場合でも、彼らはストラップは使わずアルタネイト・グリップで行います。
左右のバーの持ち方が違うと、諸々不均等な力のかかり方が出て、結果、効率よくトレーニング結果が出てこないという考えもあるかもしれませんが、僕はそこは全くといいほど気にしません。例えば、RDLをアルタネイトで行う運動のみを日常生活の中で継続的に行い、他の運動は全くしなければ、そういう残念な結果が出ることもあるでしょうが、日常生活の中にスポーツ練習や、多種にわたるウェイトトレーニング運動が組み込まれる場合は、その心配は無用でしょう。むしろ、それよりも先に挙げた背部やハムストリングへの効果というメインの筋力向上に加え、できる限りはスタンダード・グリップで、そしてスタンダードの限界が来た場合のみアルタネイト・グリップを用いた場合、RDLの副産物として(僕にとってはメイン相当)握力向上が結果として現れると考えた場合、ストラップを使うことはデメリットになります。
あと、実際にビデオで見てとれるように、アルタネイトでもスタンダード時と同じフォームでできているという自負もあります。だったらやっぱり握力の強化もできるし、アルタネイトで問題はないじゃん…と考えられませんか?


で、指導者としての心構えですが、こういうことを見聞きした後、「じゃあRDLはこのビデオで見るくらいの膝の屈曲で抑えることで背部とハムに効かせなきゃいけないんだ! そしてスタンダード・グリップで握力が続かなくなったらアルタネイトでやるんだ!」となんの考慮もなく変化させるのは問題があります。
今まで自分が行ってきた運動そして指導方法と異なることを他者が述べていても、もし自分の中に確固たる理由があるならば、その自分のやり方を押し通した方がいいです。
僕も、日本国内において非常に少ない「信頼できる指導者」の中で、微々たる違いではあっても、僕の指導方法とは違う指導方法を見聞きすることがあります。そのたびに「なぜ」という質問を投げかけさせてもらうのですが、彼らはしっかりしているから、常にちゃんとした回答をしてくれます。
それに対して、「いやいや、そういうんじゃだめ。だって僕とやり方違うんだもの…」とは当然言い返しません。
彼らが確固たる理由を脳みそに抱え込んで、それをもとに指導しているということこそが大事なことなので、反論する必要もないのです。
逆に、何か言われて、すぐさま「確かに…」ってなって、自分の指導方法を”訂正”してしまうほうが大問題なのです。だって、それじゃあ今までの指導を受けていた運動選手やクライアントに失礼でしょ。

しっかりした理論がある指導
を心がけ、日々の指導に当たってください。

以上。
プロフィール

加賀 洋平

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校キネシオロジー学科大学院プログラム終了
ロングビーチにおいてストレングス&コンディショニング(S&C)の世界的権威であるDr. John Garhammerを師事し、S&Cコーチとして経験と知識を積む。
日米両国で様々なレベルのアスリート指導経験があり、現在は仙台大学において、日本においては稀有な大学レベルでのS&Cプログラムを主催・運営している。

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