
我が娘、中学生最後のコンクール
4月から高校生となる娘がコンクールに出場しました。まずは結果から。
ジャパンバレエコンペティション東京(4/2開催) 7位
マーティプレバレエコンクール(4/3開催) 2位

結果が娘そして私たちの家族にとってどういう意味を持つのか、そこまで含めてお伝えしようと思うので、ちょっとだけ前置きがあります。
前回の出場からは半年以上が空いています。高校受験で出場を自粛していたからです。バレエは大事ですが、同じように高校進学も大事な目標でした。ただ、単純に高校受験のためにコンクールを自粛していたわけではなく、バレエをどう続けるかという大きな問題を、本人そして私たち家族が抱えていたのです。
この数ヶ月、バレエを続けていくのは本当にむずかしいことだと改めて思い知らされました。本人のやる気、という言葉では片付けられない複雑な事情が待ち構えているのです。もちろん、本人のやる気が中心であることは間違いなく、それがなければバレエという世界に居続けることはできないでしょう。
バレエはスポーツではない
もしかしたら「バレエを子どもに習わせてみたい」とお考えの方がこの記事を読んでいるかもしれませんので、そういうお父さんお母さんに一番伝えたいことがあります。それは「バレエは芸術であってスポーツではない」ということです。
良い踊りは主観で判断されます。バレエはメソッドが歴史の中で練り込まれているので「バレエの動きとはこうです」という明確なものがあります。運動神経が良いからバレエも上手くできるということはなく、バレエの動きを幼少期から刷り込むことでバレエ特有の動きを習得できるのです。特に、アンデオール(en dehors)という、股関節から脚全体を外側(外旋)に回す技術・ポジションができないと、バレエになりません。
これは「つま先を外に向けておく」という見た目だけの話ではなく、バレエが設定している各種の動きはアンデオールができていないとできないのです。バレエ経験者ではない私にはここから先を語る資格がありませんが、娘のバレエに関わる中で、バレエとバレエらしきものの違いはわかるようになっています。
実際に、アンデオールがあまければコンクールでは目を覆いたくなるようなひどい点数がつきます。娘もそういう点数を何度も突きつけられてきました。ジャッジシート(審査員のコメント)には「BASIC」と一言書かれていることもありました。このBASICはこれまでの課題であり、これからの課題でもあります。
バレエは芸術
このように、「バレエとはこういうもの」と定義がはっきりしているので、審査において線引きしやすい基準となります。
踊りがバレエとして成立するレベルになったあとは、バレエは芸術なんだと思い知らされます。コンクールは技術的要素を判定する場でありながら、同時に「美しさ」を競う場でもあります。これがスポーツではないと言った理由です。
美しさの判断は審査員の感性に委ねられます。何が美しいのか、それは審査員の心の中にあります。芸術には公平なんて言葉はありません。誰が審査員の心に届けられるか、そういう話です。音楽の世界もそうなのかもしれないなぁと思いながら書いています。
バレエ教室の色
バレエを続けていくのがむずかしいと感じたのは、昨年末、それまで所属していたバレエ教室をやめたからです。早い話、コンクールに出るためにはバレエ教室をやめなければならない、そんな状況になったのです。
バレエ教室にもいろいろあって「バレエ教室」という一言では表せないほど多様です。これは、実際に体験してみないとわからないと思います。それぞれにバレエ教室の方針があります。
その一例として、どの教室でもコンクール出場をサポートしてくれるわけではありません。また生徒さんたちがみんなコンクールを目標にしているなんてこともありません。
コンクールがすべてではありませんから、コンクールに出場しなくてもバレエは楽しめます。その一方でコンクールが控えているからこそ、本人も家族もがんばれる場合もあります。
コンクールの意味
娘が小学生から中学生になるとき、バレエを続ける条件としてコンクールで結果を出すことを求めました。教室までの送り迎えも必要ですし、お金もかかります。緊張感なくやって、時間をつぶすだけの習い事にはしてほしくなかったのです。
もちろん、この価値観は誰にでも理解してもらえるとは限らないことは承知しています。ただ今回はこの点でバレエ教室の方針と合わなかったのです。実際、その教室でコンクールに出場していたのは娘ただ一人で、特別に出場を許してもらっていたのです。
バレエ教室はありそうでなかなか見つかりません。通いたいと思う教室があっても、通える距離になければ意味がありませんから。高校受験が終わったらコンクールに出たい、でも練習する場もない、という状況が昨年の11月です。
バレエスタジオをつくる
ここからは力技です。スタジオをつくることにしました。バレエ教室には免許や資格制度はなく、やろうと思えば誰でも始められます。とはいえ、それを公の場で口にする人はいません。バレエ界に何のコネクションもないフリーな立場だからこんなことを書けるのだと思います。
誤解されないように書いておくと、バレエに対するリスペクトがなければ、娘をコンクールに出そうとは思いませんし、教室をつくろうなんて思わないわけです。この記事、バレエ界のすごい人が読んでいたらどうしよう、とヒヤヒヤしています。
ガラクタ置きになっていた倉庫の2Fを改装してつくったのがこちらです。2週間でつくりました。その詳細は別の機会にしようと思います。

けっして広くはありませんが、一人で使うのでなんとかいけそうです。問題は床でした。バレエは床が重要なんです。ベニヤ板のままというわけにはいかず、奮発しました。バレエ専用として評価が高いTMフロアを敷くことに。私も舞台設置や片付けを手伝ったことがあるのですが、バレエのときは特別なシートを貼り付けます。適度にグリップしてくれる絶妙な素材です。見た目はただのグレーのシートなんですけどね、これがまあまあ高いわけです。

「娘のために」というと、ただのバカ親になってしまうので、鍼灸院の付属施設としてつくり、それを娘も使えるという形にしました。それでも、ただのバカ親ですが。
私の鍼灸院には、スポーツをやっている人もたくさん訪れますので、施術の前後で実際に体を動かしてみて調子を確認するなんてことがこれからはできるようになります。足裏の重心測定なども、ここですでに行っています。話題がバレエから遠ざかってしまうので、この辺りは別の機会に書くことにします。

そういうわけで、私は今、バレエスタジオの代表になっています。芸術面では何にも言えませんが、身体のケア、身体の使い方指導、そしてバランス調整など、できることはあります。バレエの関係者に生意気なことは言わないので、まあお許しいただければと思います。
高校に入学してから、新しい出会いもあると思いますので、新しい環境で挑戦となるかもしれません。バレエを続けていくというのは、お金もかかりますが、覚悟も試されます。プロになってそれらが回収できるなんて保証はありません。
だから、重要なのは、“いま”に納得しているかだと思うのです。だから、娘に投資しているわけじゃないのです。結果が出るときも出ないときも、そこから何かを学び、人生を豊かにする糧となればよいのです。

また新しい道が待っている。
・鍼灸のクリ助ch.(YouTube)
・X(旧ツイッター)
・インスタグラム(ほぼ趣味)
・はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
・はりきゅうルーム カポス(東京/品川)
・整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)
yoki at 16:27│Comments(0)│