2017年02月19日 鍼灸 勉強会

東京で開催している「整動鍼®」の勉強会には、全国から鍼灸師が集います。

飛行機や新幹線を使う方もたくさん。前泊して参加する方も。今回の脊柱編(2月12日〜13日)は北海道からの参加が6名でした!それに比べたら群馬の私は近い方です。

私が主催する勉強会に、時間とお金をかけて参加してくださる、同業の鍼灸師さんには本当に感謝しています。その費用以上の価値を提供するため、私も気合いが入ります。

整動鍼脊柱編セミナー(2017年2月12日〜13日)


■本当にツボは効くのだろうか


遠くから集まってくる鍼灸師には共通の想いがあるように思います。それは「ツボの力をもっと信じたい」という気持ちです。「患者さんのために、もっと効果があるツボを使いたい!」という想いが伝わってきます。その熱を感じて私も燃えています。

ツボは目に見えないだけに、扱いがとても難しいものです。ボタンのようにポチッと押したら、どこかが治るわけではありません。迷走し、ツボを信じられなくなり、自信を失ってしまう鍼灸師もいるのです。

学校を卒業し、免許を取得したばかりの鍼灸師を襲うのは、

「学校で習ったツボを使っているのに、まったく効果が出ない...。ツボは本当に効くのだろうか...」

という迷いです。ツボ選びに自信を持てなくなってしまうと、鍼灸師としての将来が暗くなってしまいます。ですから、学生の時から、ツボの力を見せてくれる人の近くにいることが大事です。

できるだけ、ツボの効果を目で見ておくことです。患者さんの症状が変わっていく様子を目の前で目撃すれば、ツボが効くことが当たり前のこととして、脳に刻み込まれます。


■鍼灸をファンタジーにしてはいけない


患者さんに鍼や灸をする様子を見ても、どこに何が起こっているのかわかりません。別の日、患者さんに「どうでしたか?」と聞くまでは、鍼灸がどれだけ効いていたのかを判断できない現実があります。

鍼灸には、効果を判定する方法はいくつもあります。ただ、客観性が乏しいものばかりです。

鍼灸師の指が診ているもの


たとえば、脈診(手首の脈を診て体調の変化を読み取る診断術)という方法。術者(鍼灸師)の指で感じるものが情報なので、そこから判断したことが正しいのか気のせいなのか結論が出ません。

術者の感覚だけで完結させるため、極めたとしても、その技術を客観的に評価することはできません。「『名人』を名人と思う」しかないのです。鍼灸はファンタジーな世界ではありませんから、客観性の乏しい診察術は内外から問題視されています。

鍼灸には「見える化」が必要です。


■ツボに当たれば動きが変わる


「見える化」の努力を怠っていると、鍼灸はいつまでも前に進めません。効果が見えなければ、価値まで見えないままです。不確かなツボで患者さんに接することは苦しいことですし、騙しているかのような罪悪感があります。その苦しさに耐えかねて鍼灸師をやめてしまう人もいます。

「鍼灸は感覚の世界」という人がいます。確かにそういう側面はありますが、それだけを貫き通すと「わかる人だけわかればいい」いう孤立した世界になります。鍼灸の価値を理解するのに、特別な感性など必要ありません。鍼灸は難しいものではありません。誰にでも効果が見えるものです。

整動鍼脊柱編セミナー(ツボ押しで動きが変わる)

私が行っている整動鍼®は、効果の見える化を推し進めています。目で違いがわかる「動き」に着目し、その動きの変化からツボの効果を確認していくのです。ツボが当たれば動きが変わり、ツボを外すと動きは変わりません。

ツボを刺激すると筋肉も刺激されます。動きをコントロールしているのは筋肉ですから、要所を刺激されたら絶対に動きは変わるのです。この当たり前のことが、これまで見逃されてきたのです。

理由は歴史にあります。古典を紐解けば、内臓とツボの関わりが研究されてきたことがわかります。ずっと、ツボは内臓を調整するポイントとして認識されてきたのです。理由はわかりませんが、ツボと筋肉の関係には手が付けられていません。個人的な想像では、そいういうものがあったはずだと思うのですが、記録が残されていないのです。


■経絡では動きを整えられない


ツボと動きの関係を説いたものが全くないわけではありません。鍼灸のツボ理論の基礎は経絡(けいらく)です。この経絡を使って動きの調整を試みてもうまくいきません。なぜなら、経絡は動きを整える理論ではなく、循環を整える理論だからです。

私が取り組んでいる「ツボで動きを整える方法」は、ありそうでなかったのです。

実際の臨床ノートを整理してまとめたのが整動理論です。この理論を使えば、関節痛や筋肉痛がスイスイと治療できるようになります。どんな症状の時、どのツボをを使えばよいのか、理論が導いてくれます。本当に便利です。

経絡から離れるからこそ、見える世界があります。基本とされている経絡から離れることは勇気が必要です。躊躇するうでしょう。私がそうでした。でも、離れることは否定することではありません。離れてみてわかる、経絡の魅力があります。


■症例とツボ


鍼灸師ほど得たいの知れない職業はありません。間違いなく、謎の多い職業の一つでしょう。もっと多くの人に鍼灸のことを知って頂きたいと思っているので、積極的に症例を出すようにしています。論文ではないので、一般の人にわかりやすい表現を心がけています。

鍼灸の症例図(サンプル)


症例を読むと、鍼灸師がどんなふうに身体を見て、どんなふうに症状を解釈し、どんな手を使って症状を改善させているのかイメージできるようになっています。これも、見える化運動の一つです。

誰でもわかる言葉を使って書こうとすると、案外難しいものです。つい専門家の間でしか使わない表現を使ってしまいます。

最近、私の周りでは、わかりやすい症例を書いたりする「鍼灸の見える化運動」が盛んです。わかりやすい鍼灸をしよう、と思っている鍼灸師が増えています。わかりやすさを身につけた鍼灸師は自信が持てるようになります。

どうしたら患者さんに伝わるのだろう…

こんなふうに考えることで、鍼灸の未来も、鍼灸師の未来も明るくなります。


■求人情報(鍼灸師2名)


わかりやすさを追究したい鍼灸師は、私と一緒に働いてください。鍼灸師が不足しています。春の求人はまだまだ続いています。詳しくはこちら≫採用情報


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2017年01月24日 仕事日記 

マナーの悪い患者さん

■正解のない問題


私が初めて採用試験をした時に、こんな課題を出そうとしましたが、あまりにも難しいのでやめました。ちなみにこんな問題です。

「あなたは優秀な外科医です。今あなたの目の前で、何十人も殺めてきた殺人鬼が怪我をして死にそうです。治ったらさらに大勢の人を殺しそうな雰囲気です。あなたを殺すかも知れません。周りには誰もいません。あなた一人です。この殺人鬼を助けますか?」

この質問に正解はありません。答えのない問題、あるいは答えがいくつもある問題に、逃げずに答えを出そうと取り組めるかを問う問題です。医療には答えはありません。いろいろな価値観が渦めく中で、正しさを探し続ける職業だと思っています。技術は「力」になっても、「正しさ」を教えてはくれません。

「大いなる力は大いなる責任を伴う」

これは、映画スパイダーマンの中でベンおじさんが、主人公のピーターに言った言葉です。医療スキルというものは、困っている患者さんの前では大いなる力です。技術力が上がれば上がるほど責任も大きくなります。

正解を導けないことは仕方ないとしても、誠意を失ったら終わりです。



■マナーの悪い患者さんに困った時は


来院される患者さんはよい人ばかりです。おかげさまで気持ちよく仕事をしています。良いご縁をたくさん頂いています。でも、年に1〜2人くらいの割合で、「え?」と思う場面に遭遇します。

私たちは普通の人間ですから、態度が上から過ぎたり、言葉が乱暴だったりした時は、感情が揺れますが、できる限り感情を抑えて平静を保つようにします。

ただ、そういう我慢をスタッフに強いられません。スタッフを守ることも私の仕事です。理想の実現のために、スタッフの気持ちを犠牲にはできません。私が我慢できないことはスタッフにも我慢させるわけにはいきません。

「どうしても…」と感じた場合に限り、お断りしてもよいと言っています。

一歩外に出れば逆の立場です。断られないように気を付けています。どこかで飲食するとき、どこかで買い物をする時、どこかでサービスを受ける時、提供する側の気持ちを考えるようにしています。

お金を支払っているのだから、何を言っても許される、何をしても許される、と考えたら最高のサービスは絶対に受けられません。その前に、そういう態度はとてもかっこ悪く思います。

どんなにお金を持っていても、相手に提供を拒否されたら、そのお金の意味がありません。お金は、提供してくれる相手がなければ何の役にも立ちません。相手あってこその価値ですよね。だから、相手を粗末に扱えば、自分のお金の価値を下げてしまいます。

「お店の店員の前だけ横柄になる男性は女性に嫌われる」と、どこかの本に書いてありました。私も妻に嫌われたくないので、できるだけ店員さんとは仲良くするようにしています。



■自由診療で一番大切なもの


私たちの鍼灸院は自由診療です。日本では、基本的に鍼灸に保険は適用されません。自由診療である鍼灸を、あえて選ぶ患者さんを私たちは診ているわけです。

患者さんに選ばれる立場です。ただ、逆から見れば、患者さんを選んでいるとも言えます。

私たちが発する情報次第で、来院する患者さんのタイプ(症状)が変わります。情報発信を工夫し、できるだけ得意な症状、つまり役立てる可能性が高い症状を診るようにしています。

これが、「患者さんを選んでいる」という意味です。

来院した患者さんを拒むことはしたくありません。だから、来院前にお断りする場合があります。その時に注意しているのは、患者さんの可能性を(診てもいない立場で)奪わないことです。

自分の経験で難しいと思っても、他ではわかりません。だから、「治る見込みがありません」と断言はしません。「うちの経験の中では改善例がありませんので、うちでは見込みが立てられません」と言うようにしています。

治るか治らないか、本当のところは誰にもわかりません。

自由診療というのは、自由な関係です。
自由であるからこそ、そこには人間関係が必要です。

私が考える自由診療は、適切な人間関係の上に成り立ちます。互いに大事に思える関係が必要です。私たちも患者さんから大事にされたいと思っています。たとえば、無断でキャンセルされたら気分は落ち込みます。大事にされていないと思うからです。もちろん、私たちの方から患者さんのことを大事に思っていることを示さなければなりません。



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2017年01月22日 活動報告 

スペイン語の勉強


今年のゴールデンウィークはスペインで整動鍼のセミナーをやります。

4月28・29・30日の3日間です。

昨年、スペインの鍼灸学校から声をかけて頂いて、行くことにしました。移動と観光(1日半)を合わせて、約1週間、日本を留守にします。海外まで整動鍼の噂が届いているなんて、本当に嬉しいです。スペイン語で情報発信したことは一度もないんですけどね。

その学校は、世界のあちこちから高名な鍼灸の先生を呼んでいるとのこと。私にお呼びがかかったということは、そういう評価を頂いたってことになります。素直に喜びたいです。普段、群馬と東京の往復ばかりなので、飛行機に乗って仕事に出かけるのは楽しみです。

しかも、スペイン!

ちょうど、次に行ってみたい国だったのです。このご縁は大切にしないと。
セミナーをやる学校はバルセロナなので、あのガウディのサグラダファミリアが目と鼻の先。この興奮は抑えられません。しかも、マクラーレン・ホンダ(F1)のドライバー、フェルナンド・アロンソの母国というおまけ付き。

早急に、スペイン用のカリキュラムを作らなければなりません。3日間でできることは限られていますから、国内のカリキュラムとは別にします。整動鍼らしきところを強調し、なおかつ取っつきやすい内容にします。言葉の壁を乗り越えるため、ジェスチャーを強化します。

整動鍼は発想からして新しく、特に若い鍼灸師に人気があります。ただ、鍼灸界全体に浸透するにはもう少し時間がかかると思います。文字通り、「動きを整える鍼」なのですが、これまでなかった革新的な方法です。

ツボの使い方が面白いはずです。でも、患者さんは、従来の鍼灸と区別できませんから、違いを感じるのは効果です。即効性を体感すると「鍼ってこんなに効くんですね〜!」とその場で驚いてくれます。

動きは体のコンディションすべてに関わっているため、運動器疾患だけでなく、内蔵の不調まで、幅広く使えます。自律神経の乱れにも有効です。

整動鍼の魅力と盛り上がりは、活法研究会のブログで確認してください。

整動鍼は日本でも従来の鍼灸のイメージを大きく変える力を持っています。スペインでいい仕事してくれば、加速するはずです。

スペインセミナーには、カポス院長の秋澤が同行します。男の二人旅にご期待ください。準備や現地での様子は、こまめにレポートする予定です。イタリア以来の久しぶりの海外なので自然と気合いが入ります。



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