2005年03月17日

鍼灸学生時代2「手は口ほどに物を言う」

マッサージ店でバイトしなかった私。
「基礎を積み上げる期間」としてバイトをしなかったという理由もありますが、もう一つ理由があります。こっちの方が本音なのかもしれません。

反感を覚悟で書きます。本音を書かなければ面白みがないですから。
どうしてマッサージ店で働かなかったか、その理由は

指が痛くなるのが嫌

だったからです。
私は指圧やあん摩をするとすぐに指が痛くなってしまって、長時間やることができないのです。バイトで何時間も指を酷使すると、次の日に痛みが残ってしまいます。お客さんの「もっと強く!」という言葉に対応できないひ弱な学生だったのです。「痛いから嫌だな〜」って。

「なんで、あん摩マッサージ指圧師の免許とったの?」

と、つっこまれるはずです(笑)

級友の中には、学校時代に既に指の関節が変形している人もいました。
毎日、毎日、何時間も指圧をしていたら、指が変形してもおかしくありません。

私は指が変形することに抵抗を感じます。
変形することは私たち術者の勲章なのかもしれませんが…。

指を痛めない施術方法があるはずだ!
そう思っていましたが、バイトでそれを実現するのは難しいのです。自分なりの方法を練習するわけにはいきませんからね。その職場で求められる基準があります。単に指圧の強さだけが評価されたりすることもあるからです。

誤解しないでくださいね。私はあん摩マッサージ指圧が好きです。

「あん摩マッサージ指圧」を学ぶことには大きな意味があります。
人の体に触れるということはどういうことか…触れるということは、嘘をつけないということです。術者の気持ちが患者さんに伝わってしまうからです。

術者の手は、術者の心そのものです。

手から何をどう伝えるか、そういう技術を学ぶことができました。この技術は鍼灸でも全く同じだと思います。鍼灸をする前には必ず患者さんに触れなければなりませんから。その時に手から伝えるメッセージがあります。そのメッセージが伝わらないと鍼や灸は思ったように効いてはくれません。

鍼灸はただの道具に過ぎません。その道具を使える手があって初めて鍼灸が生きてきます。私は「あん摩マッサージ指圧」は行わない鍼灸師ですが、あん摩マッサージ指圧から学んだものが基本となっています。

私はあん摩マッサージ指圧をしない鍼灸師です。
あえて、あん摩マッサージを行わず、鍼灸という道具にこだわる鍼灸師です。

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yoki at 22:21│Comments(7)TrackBack(0) 鍼灸学生時代 

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この記事へのコメント

1. Posted by ジャッカル   2005年03月17日 23:14
へー、意外な本音だね。指使うと痛くなるんですか?

痛くならない方法もあるとは思うけど、雇われてる身じゃ勝手に出来ないもんね。

指が痛くなるなんて考えたことも無かったな。
くり助さんはデリケートな指してるんじゃないですか。

どっちにしろ無免許でバイトなんてしなくて良かったと
思いますよ。事故でも起きてたら一緒に卒業できなかったかもしれないもんね。
2. Posted by クリ助   2005年03月17日 23:23
指痛かったとです。
ジャッカルさんとはバイトしなかった同志だったとです。我々は少数派だったとです。一緒に卒業できてよかったとです。試験の時は大変お世話になったとです。クリ助です。
3. Posted by ムム   2005年03月17日 23:40
 指が痛くなるから嫌なのは立派は理由です。ボクも嫌ですから。
 ボクの場合は指を痛めつけて頑張ってやって数日後には又コリコリで来院では疲れます。楽を追求したいですね、楽して治す、時間を掛けないで治す、汗かかないで治す、スマートに治す、かっこよく治す…。お前馬鹿かと言われそうなのでこの辺で。
4. Posted by クリ助   2005年03月18日 00:10
> ムムさん
ジャッカルさんのように指が痛くならない人もいれば、ムムさんや私のように痛くなる人もいるわけですね。
治療者が楽を追求することは、私もすごく大切だと思います。身を削って仕事をすればいつか限界が訪れます。だから身を削らなくてもよい技術こそ価値があると思います。施術者は与える立場ではなくて、治るという摂理に気づいてもらうことが本来の役割です。身を削ることで得られる術者自身の満足が、必ずしも患者さんのためになっているとは限らない。そういうことですよね?
とはいっても、一日中患者さんを診た後は疲れます。何人診ても疲れないように早くなりたいです。「馬鹿」なんて思わないので、また素敵なご意見を書いてください。
5. Posted by ムム   2005年03月18日 22:58
 クリ助さん有難う。自分の治療におけるテーマは「患者さん一人ひとりが自立した健康を獲得する」
 これは受け売りですが治療家は最終的には補助的な立場に立ち患者さん自身が自分の体に責任を持てるように健康の素晴らしさ・楽しさに気付いて欲しいです。もちろん最初の痛みの激しい時には痛みを取ることは治療家の責務であると思いますが。
 よくなって、悪くなって、何度も繰り返して来院する、確かに治療院の売上だけを見ればいいかもしれませんがそれは与えられた健康であり真の健康ではなく、真の健康とは結局自分が気付き、勝ち取ることであると思っています。その気付きのきっかけを作ることと勝ち取る道筋を立ててあげることが自分の仕事であると思っています。
 かなり反感を買いそうですがあえて書いてみました。
 
6. Posted by ムム   2005年03月18日 22:59
 勝ち取るという表現がちょっとおかしいですが何となくのイメージとしてご了承ください。
7. Posted by クリ助   2005年03月18日 23:55
同感です。まったくの同意見です。
きっかけは頼られることから始まりますが、頼られなくなることがゴールだと思います。

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