2011年12月09日
患者さんのブログに治療体験レポート発見!

患者さんのお店のブログを覗いてみたら施術の感想が書かれていました。どんな感想が書いてあるのか思うとドキドキします。
5年ぶりに来院した患者さんです。普段はプライバシーの関係で、どこの誰が来院しているのか具体的なことは書きませんが、今回は患者さんが実名で体験レポートを書かれているので例外です。患者さんにも「お店のこともブログで紹介しますね」と予告済み。
今度は、患者さんの方がドキドキする番です。
お隣の埼玉県でスノーボード店を営む、こしみずさんです。お隣と言っても深谷市なので、この伊勢崎市と隣接しています。近い距離です。こしみずさんのお店まで30分くらいでしょうか。伊勢崎市の中心街までと変わらぬ距離です。なぜなら、ここは群馬と埼玉の境界線とう中途半端なところだからです。
さてさて、施術の内容はスノーボードの転倒による怪我の後遺症です。レントゲンを見せていただくと、骨折がハッキリ写っています。今でも折れたままです。レントゲンを見る限りでは、ものすごく痛そうなのですが、強い痛みは緩和されています。怪我をしてから2年近く経つので、その間に和らいだようです。
骨が折れているのに痛くない (違和感や軽い痛みはあるけれど)
これって治療家として重要なことです。レントゲンでは語れない世界があるのです。その世界で私たち鍼灸師は勝負しています。
レントゲンに写るのは骨。骨を観るには都合がよいのですが筋肉は写りません。決まった姿勢で撮ることが多いので、動いた時の様子はわかりません。レントゲンはある瞬間の「直立の背骨」を切り抜いたものです。
「スノーボード(仕事)を楽しみたい」という要望に対して私ができることは、骨をくっつけることではありません。2年近く離ればなれになった骨は、もうそこが定位置です。事故の衝撃で椎骨(背骨)の棘突起(とさか)を折れたのですが、ここが折れることによって衝撃が吸収されて、軽く(軽くはないのですが…)済んだのかもしれません。
F1マシンのボディがコックピットへの衝撃を吸収するために壊れやすいという話に似ています。そういう意味では折れたことに感謝なのです。
もし、施術において折れた部分を責めるような態度で施術に望めば、“今"大事なところに目を向けられなくなります。
“今"求められているのは、生活やスポーツをする上で問題になっている不協和音をどうにかすることです。動きに調和が取れていないことによる違和感や痛みが出ているのです。骨折の痛みを避けようと体は頑張ってきました。その頑張りは永遠に続くわけではありませんから、どこかで「もうダメ…」となるわけです。
“今"対処すべきは、今苦しんでいる筋肉をサポートすることです。動く時には必ず支点となる部分があります。同じ動きでも立っている時と座っている時では違います。支点が機能しないと新しい支点を体は探します。探しているうちに痛みが出てくることが多いのです。
この支点を探し出すところがミソです。実際に動いてみないとわかりません。見当がついたら、そのポイントを押したまま動かすと、不思議なくらいに症状が消えてしまうことがあります。押した指が仮の支えになったからです。
「支え」と表現すると、硬くしっかりした部分のように思われるかもしれませんが、「支え」となる部分は十分な柔軟性をもっていなければなりません。柔らかいから、必要な時にキュッと収縮して力を出せます。この収縮力が支えとなるパワーです。
痛いところが悪いのであれば、痛いところをどうにかすればよいです。そういう場合もあります。ただ、そういうケースばかりではありません。痛いところが悪くない時は、痛いところをいじっても症状はごまかせてもよくなりません。悪いところも悪気があってそうしているわけではありません。だから優しい気持ちで接したいと思います。
調和を大事にする東洋医学って面白いでしょ?
今シーズンのRelaxは絶好調になるはずです。たぶん(笑)
山やスノーボードが好きな方は、ぜひ深谷のRelaxへ。
パタゴニアも扱っています。私も近々。
店舗情報
・Relax(バックパッキング&スノーボード/埼玉県深谷市)
・Relax Blog
こしみず店長の養気院体験談
・約2年ぶりの快眠(Relax Blog)
・はり治療2回目(Relax Blog)
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この記事へのコメント
1. Posted by ぐっち 2011年12月09日 19:28
「コリが動きの支点になる」というのは、活法の考え方なのでしょうか?本を読んでいてもたまに出てくるのですが、一言くらいしか書かれておらず、まとまったものを見たことがありません。
このような内容について学べる媒体はないのでしょうか?それともまだ、理論化はされていない分野なのですか?
質問ばかりですみません。僕もスキー、スノーボード問わず冬山が大好きです。待ちに待った季節が来ました。毎年、栂池に行っているので、今年もそこに行ってみようかと思います。
このような内容について学べる媒体はないのでしょうか?それともまだ、理論化はされていない分野なのですか?
質問ばかりですみません。僕もスキー、スノーボード問わず冬山が大好きです。待ちに待った季節が来ました。毎年、栂池に行っているので、今年もそこに行ってみようかと思います。
2. Posted by クリ助 2011年12月10日 00:09
>ぐっちさん
わかりずらくてすみません。「コリが動きの支点になる」ではなく、「コリは支点になれない」のです。
碓井流活法では、回転エネルギーを重視します。調子の悪い状態は回転エネルギーが低下している状態です。
なぜ低下するのか…。
回転軸がハッキリしなくなるからです。
私が「支点」と表現した部分は、回転の中心です。中心は面積を持ちませんよね。中心はモノではなく、動いたときに軸と言ってよいと思います。
コリは筋肉が凝り固まって「コリ」という存在を作っているので、中心になることができません。
活法では、コリをむりやり中心にて動かして存在を消す(=コリを消す)という技もあります。
運動鍼の理論的ベースが何であるのか勉強不足でわかりませんが、運動鍼でも中心をつくる効果があるように思います(ただツボを選ぶ際の着眼点は別)。
この分野は、残念ながら理論展開している人を知りません。
冬山いいですよねー。栂池がホームですか!まだ行ったことないところです。
私は群馬県内を中心にスキーをする予定です。1月は八方尾根を予定しています。
わかりずらくてすみません。「コリが動きの支点になる」ではなく、「コリは支点になれない」のです。
碓井流活法では、回転エネルギーを重視します。調子の悪い状態は回転エネルギーが低下している状態です。
なぜ低下するのか…。
回転軸がハッキリしなくなるからです。
私が「支点」と表現した部分は、回転の中心です。中心は面積を持ちませんよね。中心はモノではなく、動いたときに軸と言ってよいと思います。
コリは筋肉が凝り固まって「コリ」という存在を作っているので、中心になることができません。
活法では、コリをむりやり中心にて動かして存在を消す(=コリを消す)という技もあります。
運動鍼の理論的ベースが何であるのか勉強不足でわかりませんが、運動鍼でも中心をつくる効果があるように思います(ただツボを選ぶ際の着眼点は別)。
この分野は、残念ながら理論展開している人を知りません。
冬山いいですよねー。栂池がホームですか!まだ行ったことないところです。
私は群馬県内を中心にスキーをする予定です。1月は八方尾根を予定しています。
3. Posted by ぐっち 2011年12月10日 07:13
>「コリは支点になれない」
>「支え」となる部分は十分な柔軟性をもっていなければなりません。
ご回答ありがとうございます。なるほど…勘違いをしていました。この内容が理論化されれば、バイオメカニクスや運動力学の分野に充分切り込んでいける気がします。そうなるにはまだ時間がかかるのでしょうか。
八方尾根は私も行ったことがあります。栃木に兄弟が住んでいるので、いずれ群馬にも行ってみたいですね。信州のスキー場とは、何か違いはありますか?
>「支え」となる部分は十分な柔軟性をもっていなければなりません。
ご回答ありがとうございます。なるほど…勘違いをしていました。この内容が理論化されれば、バイオメカニクスや運動力学の分野に充分切り込んでいける気がします。そうなるにはまだ時間がかかるのでしょうか。
八方尾根は私も行ったことがあります。栃木に兄弟が住んでいるので、いずれ群馬にも行ってみたいですね。信州のスキー場とは、何か違いはありますか?
4. Posted by クリ助 2011年12月11日 22:50
>ぐっちさん
バイオメカニクスや運動力学の分野から注目されれば技術は私の施術内容の詳細を明らかにしてみてもよいと思います。あ、詳細を公開しないと注目されないですね(笑)いつかまとめて世に出したいと思っています。ブログで小出しにしていくので、ブログも引き続きよろしくお願いします。
信州と上州の違いですかー。どちらも楽しめるという点では同じですね(笑)信州は志賀高原で2シーズン泊まり込みで過ごしたことがありますが、あのスケールは群馬にはないです。群馬の天神平はシーズンが長いことで有名ですね。春が来ても雪に未練がある人はぜひ水上へ!
バイオメカニクスや運動力学の分野から注目されれば技術は私の施術内容の詳細を明らかにしてみてもよいと思います。あ、詳細を公開しないと注目されないですね(笑)いつかまとめて世に出したいと思っています。ブログで小出しにしていくので、ブログも引き続きよろしくお願いします。
信州と上州の違いですかー。どちらも楽しめるという点では同じですね(笑)信州は志賀高原で2シーズン泊まり込みで過ごしたことがありますが、あのスケールは群馬にはないです。群馬の天神平はシーズンが長いことで有名ですね。春が来ても雪に未練がある人はぜひ水上へ!