2015年01月17日

鍼灸学生に伝えたい「プロっぽく見える方法」

求人情報(新卒OK)(鍼灸専門、女性鍼灸師)
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勤務地: 東京都港区高輪(最寄り:品川駅)
待遇: 詳細は募集要項にて
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鍼灸学生に伝えたいプロっぽく見える方法


プロっぽく見えるか見えないか…。
最近の社内研修で、こんな内容を話し合いました。

患者さんは、本能的、経験的に私たちの技量を計ります。それは肩書きかもしれませんし、年齢かもしれませんし、性別かもしれません。服装や鍼灸院の立地も判断材料になります。言葉遣い、姿勢、態度、すべて見られています。

俳優や女優ほど意識したら自意識過剰になりますが、ある程度は、「患者さんに安心して頂くため」に「どう見られているか」を意識することが大事かと思います。これは医療関係者に限らないことですよね。


多幸てぬぐい


■プロの問診

「コリに当てるだけ」を目的とした施術なら、お客さんに質問することはあまりありません。すぐにコリを探してそこに鍼をすればよいからです。不問診施術ができます。

「コリに当てるだけ」の施術なら、アレコレ効くのはヤボというものです。質問すればするほど「触って分からないから聞いている」と思われてしまいます。その結果、素人として見なされてしまうと思います。

慰安(リラクゼーション)のプロとしてなら、問診せず、すぐ触れて「あ、ココ凝ってますね〜」と言った方がプロっぽく見てもらえて信頼を得やすいのかもしれません。

ですが、医療として鍼をするには不問診なし(2015/01/17 18:30修正)では難しいです。なぜかと言いますと、コリを当てることと、病気や怪我が治ることが直結されていないからです。気持ちの良い刺激のみが治癒力を引き出すわけではありません。医療というのは、患者さんの「してほしい」に従うことではなく、「悩みの解決」に向けて、必要だと思うことを医療者が選択し提案することです。

そのためには、絶対に問診が必要だと思っています。問診できる力こそ、プロの証しだと考えています。私が考えている問診の目的は次の5つです。

 1.症状の確認
 2.歴史にフォーカスする
 3.環境を知る
 4.共通認識の形成
 5.施術目的の形成

※詳しいことは、2008年11月13日に「問診力」をテーマに書いています。

ただし、医療だとこちら側が思っていても、患者さんが同じ認識であるとは限りません。問診の必要性を感じていても患者さんの協力を得ることができなければ、必要な情報を聞き出すことはできません。問診の必要性を患者さんに伝える工夫も、実際の現場では必要なことです。



■プロの触診

先日、鍼灸学校の学生さんから、こんな質問を頂きました。

学校での実習では、あやふやな場所に刺すことがないようツボの位置を確認していたのですが、リラクゼーションのアルバイトの研修の際、位置を確認するのは良くないとされ、「確認せず、パッと手を当てるように」と言われました。本当にプロならば確認などせず、パッとツボに当てられるものでしょうか?

触診でも医療系とリラクゼーション系では求められるものが違います。リラクゼーションでは最も気持ちよいポイントが重要だと思いますし、そこをきっちり分かっている人ほどプロとして評価されます。

経営者が鍼灸学生を雇う場合、学生に求めていることは、リラクゼーションのスキルである場合がほとんどです。今となれば、リラクゼーション(慰安)と医療の差をハッキリ区別しながら仕事していますが、学生時代は、その境界線にハッキリとした線を引くことはできませんでした。

ストレートに言ってしまえば、鍼灸学生はリラクゼーション事業の要因として重宝されやすい存在です。ある程度、触れるスキルがあって、リスクについての意識が高いからです(リスク管理が完璧という意味ではありません)。医療系で働きたい学生が、リラクゼーションでの仕事を下積みと思うか、別の仕事だと思うかは人それぞれでよいと思います。

ここから医療としての鍼灸の話をします。

私が触診する場合、しっかり骨や関節の位置を確かめながら、一つ一つ間違わないように慎重に行っています。背骨一つ違うだけで作用が全く違いますし、2〜3ミリでもズレると、目的の効果が得られないことがあります。素人くさく見えると言われるかもしれませんが、施術前と後で(数ミリもズレずに)同じ位置をチェックするために印をつけています。

私のようにマーキングすることを「素人っぽい」と思う人はいるでしょう。でも、患者さんの立場で考えた時、プロっぽさの演出より、前と同じところをきちんとチェックしているという確実性を優先しています。このように、あえてプロっぽさを犠牲にすることもあります。

社内研修やセミナーでアドバイスさせて頂いていることですが、最終的なところで患者さんに「ツボとその作用」を感じて頂くことができればプロとして認めてもらえます。指がパッとツボに触れても、触れ方が雑であったりボヤけていればプロとして認めてもらえません。また、ツボの作用によって起こる体の変化がわからなければ、次回を期待されることもありません。


■プロの刺鍼

プロは無痛で、アマ(学生)は痛というわけではありません。プロでも痛い時はあります。プロは痛いか痛くないかよりも優先すべきポイントを知っています。

効果が同じなら施術は痛くない方がよいですよね。わざわざ痛い治療を選ぶ必要なんてないのです。時には患者さんの方が「痛い方がよく効く」と勘違いをされていて、頑張って痛みに耐えてしまうこともあります。痛みには、治癒力を引き出す痛みと、全く関係のない苦痛なだけの痛みがあります。

プロは、痛いと分かっていても、見合う効果が期待できれば実行します。「痛かったけど、こんなに良くなるなら受けてよかった」と思って頂ければよいのです。逆に「痛くないけれど、全く効果もない」というのは、ただお金の移動が起こるだけで何も生み出しません。

プロは、効果(治癒力)を第一に考えます。効果を確保した上で、不必要な痛みを最小限にする工夫をします。プロになりきれないうちは「効くかどうかわからいから痛くなく済ませておこう」と考えます。

鍼の開封

「治療のためには痛みくらい我慢しましょう」と強いているわけではありません。苦痛のない治療、できれば快適で気持ちのよい治療を患者さんに提供するのが一番です。でも、いつもそういうことばかりではありません。患者さんには我慢を強いる必要もあります。刺激の話に限りません。「お酒を我慢してください」も、そうです。

効果が懐疑的な時は、些細なことでも我慢できません。効果がハッキリ見えると、同じことが何とも思わなくなるものです。

プロは、患者さんの意識を「嗜好優先」から「目的優先」に上手に誘導していきます。そして、必要な痛みとそうでない痛みを見極めることもできます。



※ここに書いた他、例外的な事例もありますし、私の考えるプロでしかないので、「ちょっと違うかなぁ〜」と思っても大目に見て頂けたらと思います。


■鍼灸学生に伝えたい整体術

538-1鍼灸師のための整体術の勉強会です。また、整体の要素を活かした鍼の方法を学べる勉強会です。

2月22日(日) 活法1日体験会 上半身編 先着15名
3月1日(日) 活法1日体験会 下半身編 先着15名


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yoki at 13:41│Comments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 鍼灸 | 鍼灸師の裏話

この記事へのコメント

1. Posted by KIKO   2015年01月17日 14:55
クリ助先生!! とてもわかりやすい解説をありがとうございました!!
『慰安』と『医療』とが違うことは、先生の他の記事によりわかってはおりましたが、ここまでご解説いただけて、一人で抱えていたモヤモヤがとれてきました!! 身を持って境界線を知ることができた私は 恵まれているような気がしました!! 心から感謝申し上げます!!
2. Posted by クリ助   2015年01月17日 16:19
>KIKOさん

お役に立てたようでよかったです(^o^)

私自身が通って来た道です。モヤモヤしてきた時代があります(笑)

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