2015年12月12日
ギターとフルートの違いでわかる整動鍼
「二次元より三次元がいいさ、三次元より四次元がいい〜。」のつづき
最近、「整動」と「整流」について書いています。
「整動」は最新の鍼灸です。
患者さんから見れば「整動」であっても「整流」であっても、よく効くツボであるならば良いのです。この区別は施術者側にとって重要なのであって、患者さんにとっては“効果”が何より大事です。「整動」を使うと鍼の“効果”を飛躍的に高めることができます。
もっとも分かりやすい“効果”の代表は痛みの軽減(消失)です。
痛みは、整動でも整流でも取れます。経絡を指標にした整流を行っても効果が得られます。ただ、パワーを出すという場面になった時に困ることがあります。ですから、動ける身体を目標にする時は、筋肉の特性に気を配って施術をする必要があります。
パフォーマンスの直前で一番やってはいけないのが、痛いところに鍼をすることです。痛いところに鍼をして鎮痛が出来たとしても、そこに力が入らなくなってしまうため、別の部分に負荷が偏ります。動きの軸がズレてバランスが悪くなってしまうのです。
にも関わらず、スポーツ分野で使われている手法は「痛いところに鍼をする」ことです。選手の「力が入らなくなる」現象に気がついている鍼灸師は、鍼の刺し方を工夫するなどして、デメリットが最小になるようにしています。
また一般的にスポーツ分野で働く鍼灸師は、テーピングなどで筋肉をサポートする技術を有している率が高いため、力の入りにくさを感じさせないようにすることができます。現在、スポーツ現場で局所(痛いところ)に鍼をすることは当たり前で、それを関係者は疑っていません。しかし、整動が出来るようになると、こうした実状をもどかしく感じるようになるでしょう。
痛いところに鍼をせず、そこの痛みが取れるのはなぜでしょう。従来の鍼灸では「流れを整える」ことで痛みを軽減しています。鍼灸の古典には「不通則痛、通則不痛」という言葉があります。鍼の鎮痛機序の基本です。
要するに「通らないから痛いし、通せば痛くなくなる」という話です。「通りを良くする」ことを鍼の目的としているわけですが、必ずしも局所(痛いところ)に鍼をするわけではありません。ツボの作用を利用すれば遠隔部位から鎮痛作用を引き出すことができます。ただ、筋肉の性質を考慮すると「不通則痛、通則不痛」に従ってばかりいられません。
筋肉の働きは収縮です。対の働きとして弛緩があります。収縮と弛緩という視点から見れば、大事なことは「通す」ことよりも「適度な張力」を持っているかどうかです。楽器の弦は張りすぎても緩めすぎても良い音はでません。筋肉も同じようにチューニングする方がよいのです。ギターの弦はどこで調整しますか。末端の方についている“ペグ”という金具を回して調整しますよね。
ギターには6つの“ペグ”があります。6本の弦それぞれを適正な張力にすることでギターの音を最適化します。筋肉の中にも“ペグ”がたくさんあると想像してみて下さい。筋肉と骨の付着部(起始と停止)も“ペグ”の一つとなりますが、筋肉はたくさんの繊維からできているため、もっと複雑です。骨との付着部以外の場所にも、“ペグ”がたくさんあるのです。
たくさんの“ペグ”が必要なのは、筋肉と筋肉が連動しているからです。各部の筋肉と連係するためには、筋肉が一様に収縮したり弛緩するだけでは対応できません。筋肉のある部分が緊張することで、複雑な動きに対応しているのです。
このペグが、整動におけるツボです。
筋肉の不調和のほとんどは“ペグ”の締まりすぎからやってきます。肩こりも腰痛も締まり過ぎから起こります(例外あり)。鍼には締まりすぎた“ペグ”を緩める効果があります。ですから、整動とは筋肉のチューニングです。
こう考えると、整流はフルートに溜まった唾をクリーニングロッド(掃除棒)で掃除するようなイメージになります。楽器が違えば手入れの方法が違うのですから、身体も対象が違えば手入れの方法が違って当然です。内臓が対象ならフルートのように手入れすればよいのですが、筋肉であればギターのように手入れをしなければなりません。
勉強会では、こうした違いを練習の中で体験して頂くようにしています。整動と整流の違いがよく分かるのが、最近公開した「腹背編」です。既にA日程とB日程が終わりました。来年早々にはC日程があります。全て満席になってしまったのでD日程を追加しました。
同じセミナーは1年に一度程度しか行うことができませんので「整動」を使いこなしてみたい鍼灸師の方は、この機会をご利用ください。満席になり次第締め切ります。
参加者の感想が、活法研究会のブログにアップされました。
参考にしてください。
つづき…「整動鍼のツボ探しの具体的な方法」
整動鍼™「腹背編」の勉強会(鍼灸師対象)
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A日程(2015年11月29日〜30日) 満席(終了)
B日程(2015年12月6日〜7日) 満席(終了)
C日程(2016年1月10日〜11日) 満席(キャンセル待ち)
D日程(2016年1月24日〜25日) 定員15名(先着順にて受付中)
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「整動」は最新の鍼灸です。
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もっとも分かりやすい“効果”の代表は痛みの軽減(消失)です。
痛みは、整動でも整流でも取れます。経絡を指標にした整流を行っても効果が得られます。ただ、パワーを出すという場面になった時に困ることがあります。ですから、動ける身体を目標にする時は、筋肉の特性に気を配って施術をする必要があります。
パフォーマンスの直前で一番やってはいけないのが、痛いところに鍼をすることです。痛いところに鍼をして鎮痛が出来たとしても、そこに力が入らなくなってしまうため、別の部分に負荷が偏ります。動きの軸がズレてバランスが悪くなってしまうのです。
にも関わらず、スポーツ分野で使われている手法は「痛いところに鍼をする」ことです。選手の「力が入らなくなる」現象に気がついている鍼灸師は、鍼の刺し方を工夫するなどして、デメリットが最小になるようにしています。
また一般的にスポーツ分野で働く鍼灸師は、テーピングなどで筋肉をサポートする技術を有している率が高いため、力の入りにくさを感じさせないようにすることができます。現在、スポーツ現場で局所(痛いところ)に鍼をすることは当たり前で、それを関係者は疑っていません。しかし、整動が出来るようになると、こうした実状をもどかしく感じるようになるでしょう。
痛いところに鍼をせず、そこの痛みが取れるのはなぜでしょう。従来の鍼灸では「流れを整える」ことで痛みを軽減しています。鍼灸の古典には「不通則痛、通則不痛」という言葉があります。鍼の鎮痛機序の基本です。
要するに「通らないから痛いし、通せば痛くなくなる」という話です。「通りを良くする」ことを鍼の目的としているわけですが、必ずしも局所(痛いところ)に鍼をするわけではありません。ツボの作用を利用すれば遠隔部位から鎮痛作用を引き出すことができます。ただ、筋肉の性質を考慮すると「不通則痛、通則不痛」に従ってばかりいられません。
筋肉の働きは収縮です。対の働きとして弛緩があります。収縮と弛緩という視点から見れば、大事なことは「通す」ことよりも「適度な張力」を持っているかどうかです。楽器の弦は張りすぎても緩めすぎても良い音はでません。筋肉も同じようにチューニングする方がよいのです。ギターの弦はどこで調整しますか。末端の方についている“ペグ”という金具を回して調整しますよね。
ギターには6つの“ペグ”があります。6本の弦それぞれを適正な張力にすることでギターの音を最適化します。筋肉の中にも“ペグ”がたくさんあると想像してみて下さい。筋肉と骨の付着部(起始と停止)も“ペグ”の一つとなりますが、筋肉はたくさんの繊維からできているため、もっと複雑です。骨との付着部以外の場所にも、“ペグ”がたくさんあるのです。
たくさんの“ペグ”が必要なのは、筋肉と筋肉が連動しているからです。各部の筋肉と連係するためには、筋肉が一様に収縮したり弛緩するだけでは対応できません。筋肉のある部分が緊張することで、複雑な動きに対応しているのです。
このペグが、整動におけるツボです。
筋肉の不調和のほとんどは“ペグ”の締まりすぎからやってきます。肩こりも腰痛も締まり過ぎから起こります(例外あり)。鍼には締まりすぎた“ペグ”を緩める効果があります。ですから、整動とは筋肉のチューニングです。
こう考えると、整流はフルートに溜まった唾をクリーニングロッド(掃除棒)で掃除するようなイメージになります。楽器が違えば手入れの方法が違うのですから、身体も対象が違えば手入れの方法が違って当然です。内臓が対象ならフルートのように手入れすればよいのですが、筋肉であればギターのように手入れをしなければなりません。
勉強会では、こうした違いを練習の中で体験して頂くようにしています。整動と整流の違いがよく分かるのが、最近公開した「腹背編」です。既にA日程とB日程が終わりました。来年早々にはC日程があります。全て満席になってしまったのでD日程を追加しました。
同じセミナーは1年に一度程度しか行うことができませんので「整動」を使いこなしてみたい鍼灸師の方は、この機会をご利用ください。満席になり次第締め切ります。
参加者の感想が、活法研究会のブログにアップされました。
参考にしてください。
つづき…「整動鍼のツボ探しの具体的な方法」
整動鍼™「腹背編」の勉強会(鍼灸師対象)
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A日程(2015年11月29日〜30日) 満席(終了)
B日程(2015年12月6日〜7日) 満席(終了)
C日程(2016年1月10日〜11日) 満席(キャンセル待ち)
D日程(2016年1月24日〜25日) 定員15名(先着順にて受付中)
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