2016年02月09日

東京で鍼灸師を求人している理由(6)「雇う責任」

(5)鍼灸と活法の野密な関係のつづき

■地味だけど大事な安全性能

どんなビジョンを広げて見せたところで、スタッフを増やすには大きな責任が伴います。常に問われるのが「責任を背負う覚悟」です。家族経営していた頃とは、比べものになりません。売上げを2倍にしようと思って人材を増やすときにかかる重責は2倍どころではありません。

「売上げが伸びなかったら、スタッフの首を切ればいい」と考えたら、この立場で仕事はできません。貴重な人生の一部を預けてもらうわけですから、忙しいという自分の都合だけで募集しないようにしています。

責任は実務で果たしていかなければなりません。この部分は鍼灸師の仕事ではなく、純然たる経営者の仕事です。「鍼灸大好き、イエーイ!」というテンションは何の役にも立ちません。面白いかどうかに関係なく、必ずやらなければいけない仕事です。

鍼灸の技術屋として、チームのテンションを引き上げていく仕事と並行して、責任を形にしていく仕事を行っています。やってみるまでは、これほど手間とお金がかかる仕事だと思っていませんでした。でも、やりがいは十分です。


F1マシン


要するに、スタッフが安心して働ける環境にできるかどうかです。すっごい速いクルマを開発しても、安全かどうかもかわからないクルマには乗りたくありませんよね。安全にスピードが出せるクルマでなければレースはできません。F1もシーズンが始まるこの時期、安全テストを行っています。このテストに合格しないとレースに出られません。そうした手順は見習いたいと思います。


■安定数を目指す

カポスの経営には攻めと守りを意識しています。攻めようと思うほど守りが大事です。たぶん、サッカーと同じです。まだ組織が大きくない今だから攻守のバランスが調整できます。スタッフが10人以上に増えても大丈夫な基盤は今しか作れません。逆にいえば、今作った基盤で将来が決まってしまいます。

「どれくらいの規模を目指しているの?」と聞かれます。目指しているのは安定する人数です。今のカポスは施設的に4名が最適な人数です。4人のうち3人が常駐するスタイルにします。3人に対して1名が待機というスタイルを実現させようと思っています。これが安定する最小ユニットです。このユニットを3つ作ってさらに安定させたいと思っています。


サッカーコート


規模や売上げは、仕事の価値を示す一つの指標ですが、何より私が重視しているのは安定感です。小さすぎず大きすぎず、安定した走行ができるカポスを目指しています。

もちろん、これはスタッフ一人一人が安定した生活ができることを意味しています。仕事である以上、キレイゴトを言っても売上げに左右される運命ですから、力を合わせて「患者さんが受けたい」と思う鍼灸を提供し続けていこうと思います。


■経営者が考えていること

私にも就職活動をした時期があります。その時に困ったのは「経営者の考えていることが分からない」ということでした。整形外科に勤務していた時は、雇い主である院長と会ったのは、最初の面接と辞める時の2回だけです。面接では、「私の診断ができなければ君は何の治療もできないだろ?」という言葉に「はい」と嘘の返事をして採用になりました。

カルテ


院長から回ってくる指示書は、人体図のいくつかに○が書いてあるだけでした。「そこをマッサージしろ」という意味で、診断名すら書かれていません。それに従ってマッサージをして指名が増えれば給料が上がる、という仕組みでした。

来院者の指名が多いスタッフほど優秀という評価される仕組み。保険診療なので毎日欠かさず通い続ける通院者に指名されるスタッフが高給でした。

午前は日課のように訪れる高齢者に、夕方は日課のように訪れるサラリーマンに、マッサージをしていました。「強くして」と言われれば強くして、「弱くして」と言われれば弱くして、来院者に従順であることを求められていました。マッサージに合間には、電気の流れる吸盤を来院者が指差す場所に「はい」と返事をしながら付けたり取ったり…。

院長と私の関係、そして通院者と私の関係は何だったのでしょうか…。
答えは見つけられなかったのです。

院長とは会うことも話すこともなかったので、顔を覚えておくのも大変でした。そこで何を目指せばよいのか道が見えなくなって半年で去りました。収入を失うより、もっと大きなものを失うと思ったからです。

プロフィール上は、整形外科(医師のいる医療機関)で“修行”という体(てい)になっていますが、私が得たものは“忍耐力”だけでした。

愚痴のようになってしまいましたが、こうした過去があるからスタッフとの関係は真剣に考えたいのです。カポスのスタッフには、私の価値観と目標をしっかり示すことを約束したいのです。また、それぞれの目標に耳を傾けるように努めようと思っています。

私の想いを全力で吐き出し、吐き出したものは全力で実践しています。このシリーズの記事は会社説明会みたいなものです。私が考えていること、出来ること、そして現状を精一杯伝えることに全力で挑みました。

それで、私と一緒に働きたいと思った鍼灸師は、まず募集要項を請求してください。募集要項にはここでは書けない本音やさらに具体的な展望を記してあります。興味本位では請求しないでくださいね(笑)

<シリーズ完>


■求人に関する記事(2016年)

・東京で鍼灸師を求人している理由(5)「鍼灸と活法の濃密な関係
・東京で鍼灸師を求人している理由(4)「価値をつくる自由
・東京で鍼灸師を求人している理由(3)「ブラック起き鍼灸と活法の濃密な関係
・東京で鍼灸師を求人している理由(2)「スタッフ教育
・東京で鍼灸師を求人している理由(1)「ブランドづくり
 --
・求人中だから考えておきたいこと(5)「チームワークについて
・求人中だから考えておきたいこと(4)「自分の限界について
・求人中だから考えておきたいこと(3)「無駄な仕事について
・求人中だから考えておきたいこと(2)「好きな仕事について
・求人中だから考えておきたいこと(1)「孤独について


■鍼灸師と整体師のためのセミナー案内

・整体入門<骨盤編>(2/14-15) 定員15名(先着順)
・活法1日体験会<上半身編>(2/21) 定員15名(先着順)
・活法1日体験会<下半身編>(2/28) 定員15名(先着順)

 柔整師・整体師の方はこちら≫活法整体塾(1日体験会)


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yoki at 23:16│Comments(3)このエントリーをはてなブックマークに追加 鍼灸師求人 | 鍼灸院経営

この記事へのコメント

1. Posted by 銀次   2016年02月10日 15:04
人を採用するって難しいですよね。
このブログを読んで居たらカポスの最初の求人募集が出た時に資料請求をされた方の中でも、求人に応募されなかった方もいらっしゃったみたいですし働きたいと思って資料請求をしても実際に資料を読んでカポスの活法への情熱や経営理念等についていけないと思った方もいらっしゃるでしょうし、資料請求と言うワンクッションがある事で応募の前に意志確認ができるところが良いですよね。
考え方が合わない人はクリ助さんの整形外科勤務でもそうですが、結局は退職してしまいますから。
逆に人によっては整形外科勤務が好きって方も僕は知っているので、こればかりは割りきるしか無いですよね。
今が大切な時期とお考えなら尚更採用基準は厳しいものと思いますが、それでもカポスで働きたいと思う方は沢山居ると思います。
2. Posted by クリ助   2016年02月12日 23:17
今>銀次さん

募集要項は、本当に真剣勝負です。現実をしっかり書かなければいけないいっぽう、未来に広がりがなければいけませんからね。

今回の要項はヴァージョン3です。初回の時、2回目、そして今回の3回目。より、描く未来の精度が高くなっています。

採用基準は、最終的には“縁”だと思っています。「ここで働きたい」という気持ちと「この人を採用したい」という気持ちが重なった時です。こちらも選びますが、どちらかと言えば評価するというより、評価される身分ですね。

よい縁に恵まれたいです。
3. Posted by 銀次   2016年02月13日 08:03
経営者の中には人を駒にしか思っていない人も少なからず居ますからね。
辞めたら募集して補充すれば良い。
そこには人は育つまでに時間がかかるって考え方は無かったようで結局はサービスの質が低下し収益も激減てパターンがつきものです。
業界的に本当に離職率が高いので個々の能力云々よりも人柄や考え方、縁がモノを言うのかも知れません。
僕も絶対に落ちた…と思ったのに採用されたり確実に大丈夫だと思ってたのにダメだったりって事が普通にあるので、こればかりは縁だと思います。
中には辞められるのが怖くて知り合いからの紹介でしかスタッフを採用しないって人も居ましたし、人を採用する、人に任せるって事の怖さや難しさを感じました。
知り合いに結構な額の収益があった企業の採用面接経験者が居るのですが結局は直感に頼るところが大きいと言っていました。
資格や経験も大事だけど中にはそれを超えた面白い奴が居るって話だそうです。
逆に会話の中で楽しさを感じない人は採用しても長続きしないんだとか。

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