2017年10月11日
活法研究会が歩んできた道
■変化の年
今年は私にとって大きな節目となります。大きな出来事が続いています。スペインで講習してきたことも大きかったのですが、それよりも大きいのは活法研究会の変革です。
活法研究会は、2009年に橋本と共に立ち上げた活法の勉強会です。橋本を筆頭に、鍼灸師そして柔道整復師に活法を伝えてきました。私は副代表として影から活動を支えてきました。
そして、このたび活法研究会から橋本が卒業することになりました。

■活法が生んだ時間
活法と私を引き合わせてくれたのは橋本でした。今から9年前、2008年のことです。活法の技術と哲学の虜になってすぐに勉強会に参加。月2回東京に通う生活が始まりました。短期間で活法の技をシャワーのように浴びて、細胞まで染みこんでくるようでした。
そして、活法研究会の副代表として活法の普及と啓蒙に務めることを誓いました。そして今日までの8年間があります。文字にすると数行ですが、この数行には詰め込めないほどの思いがつまっています。
会の運営は手探りから始まりました。当然、失敗することも、空回りすることもしばしばでした。
私を動かしていたのは、活法を鍼灸師や柔整師に広めたい、という強い気持ちでした。ブログで感じている興奮を伝え出すと仲間が次第に増え、「活法」という言葉も少しずつ浸透していきました。
「見たことも受けたこともないけれど、そういうのを聞いたことがある」というくらいになったと思っています。
活法のことを考えている時は、いつも少年のような気持ちでいられました。代表の橋本も、副代表の私も、そして主任講師の秋澤も、みんな活法のことを話していると時間を忘れるのです。

■整動鍼が生まれる
活法を始めてから、一人でコツコツとやっていたのが鍼灸への応用でした。活法で感じる爽快感を鍼灸でも味わいたいと思ったからです。そして、できたのが古武術鍼法であり、今でいうところの整動鍼です。活法から生まれた鍼灸なので、活法のDNAを受け継いでいます。
こうして、会にもう一つの柱ができたのです。橋本も理解し応援してくれて、一生懸命整動鍼をプッシュしてくれました。整動鍼の臨床力を証明したいという気持ちに、主任講師の秋澤が応えてくれ、品川に「はりきゅうルーム カポス」が生まれました。今から3年前のことです。
整動鍼の評価は私の想像を超えて行きました。期待に応えたかったので、整動鍼に専念する日々が始まりました。活法は橋本に頼ることに。とてもよい分業ができていたと思います。
ただ、柱がもう一つ出来たことで、最初の頃とはいろいろ違ってきたことも事実です。橋本の立場で見る活法、私の立場で見る活法は違ってきたと思います。それは言葉に出さずとも感じるもの。
整動鍼への期待が高まるにつれ、私の心は複雑になりました。原点を見失ってはいないかと。そんな私の心を知ってか、「整動鍼の勢いを大事にしてほしい」という橋本の言葉。その裏には、もちろん一抹の寂しさがあったのだと思います。
実際、整動鍼のセミナーに費やす時間が増えたため、活法を語る時間は半分になっていました。

■選択の時
苦渋の選択を迫られていることはお互いに感じ始めていました。
私にもどうすることもできない現状のまま、橋本の言葉に応える意味でも整動鍼の方にますます全力投球。整動鍼を担えるのは私しかいません。そして2つのことを同時に担えるほど、活法も整動鍼も軽いものではありません。
互いに決断しなければならない時期が迫ってきていました。
私が選んだ道は「鍼灸師のための活法」の追究でした。
橋本は、活法の継承を重んじて活法に専念する道を選びました。互いの生き方を尊重することが、会員さんに対しても誠実であると思ったからです。
8年間共にやってきたことは互いの財産です。この8年があるからこそ第2ステージに挑めるのです。
■一般社団法人 整動協会が生まれる
活法研究会は、株式会社活法ラボのセミナー事業として行って来ましたが、新設した整動協会に移しました。これからも活法研究会は整動協会の中で存続していきます。
もちろん、活法セミナーは存続します。私も講師を続けます。
これからは、名人のカリスマに頼ることなく、鍼灸師や柔道整復師に必要な活法を追求していきます。研究する組織として再スタートします。
橋本は、活法研究会を離れ、師から受け継いだ技を次世代につなぐ活動に専念します。

■それぞれの道
別々の道を歩むことが決まった時、強い脱力感に襲われ、時間がゆっくりと流れました。
本当は書き切れないほどの汗と涙があります。活法と私をつなげてくれた橋本には感謝してもしきれない想いがあります。活法研究会を立ち上げた時の興奮は今でも体が覚えています。一生忘れられません。
9年もの間、私の理解者でいてくれたことが本当に嬉しいです。これからも理解者でいてくれると思います。私も橋本の理解者として生きていこうと思います。
不安になった時は、活法と出会った時の衝撃、そして活法研究会を立ち上げた時の興奮を思い出して乗り越えていきます。人生の別れではないので、こんなに大げさに考える必要はないのかもしれませんが、やっぱり一つの節目です。
個人的な関係はこれからも続くので、橋本の活動は個人的に応援していこうと思っています。
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