2018年02月01日

鍼治療はもうすぐ科学になる(最終回) 科学は最強のマーケティングになる

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10)のつづき

科学は最強のマーケティング


明日の天気を読む


天気が予想できるのは、気候や天候の変化に法則性があることに誰かが気づいたからです。そこから知見の集積が始まり、現在のような精微な予報ができるようになっています。知見を得るために科学技術が使われています。

科学の発展には個人の努力が必要ですが、個人ではどうにもならないことだらけです。努力や才能だけで人工衛星は打ち上げられません。

空を読むのが得意な少年がいて、経験を積み重ねて直感を磨いて順調に育っても、スマホのアプリには及びません。もし、鍼灸師がお天気少年だとしたら...。



独立のリスク


発展に必要なのは集積と集結です。鍼灸にどちらが足りないかは言うまでもないと思います。どこかの院で修行を積み、独立開業したら一人前と言われる雰囲気。

しかし、技術の壁にぶちあたるのは、一人前になってからです。そして、しだいに近づいてくる「マーケティング」という響き。「技術だけは食べていけないんですよ」と、技術で悩んでいる時に襲いかかってきます。

空をそこそこ読めるようになったら、経営の勉強です。人を雇う余裕なく一人で何でもやっていくことになります。鍼灸を極めんと始めたのに、いつのまにか鍼灸以外の部分で競っているのです。

鍼灸師には鍼灸に専念できる職場が必要です。



チームで光る才能


北斗病院(北海道)の研究室を見学した時に、強烈に感じたのは専門分野とその専門家が集結して作るチームの強みです。

「そんなことも知らない(自分の専門外のことは詳しくない)」人たちの集まりです。専門知識はどんどん高度化していきます。だから分からなくて当たり前です。専門分野は専門家に任せるという仕組みが出来ています。

それぞれの専門家に信用があるからできることです。鍼灸師も、チームの一員になるなら鍼灸師の信用を何かの形で必要です。人間性とかではない何かを。

自分らしさの追求のために鍼灸を選んだ人には余計な話かもしれません。しかし、メッシもサッカーチームに所属しているから輝けることもお忘れなく。



まとめの時間



科学は万能ではない

「科学で鍼灸の価値は計れない」という人がいます。それは間違っています。科学に携わったことがある人は、科学の限界も知っています。科学者とはわからないことを楽しんでいる人のことだと思います。


科学で安心できる

鍼灸の一番の課題は、わからないために患者さんを不安にさせていることです。鍼灸のメカニズムの一部でも解明できたら、患者さんは安心します。


科学で交流が増える

科学は共有することです。鍼灸を科学で語ることでたくさんの人と共有できるようになります。共有できれば情報交換が盛んになって知見が増えていきます。


科学は説明を省いてくれる

「鍼灸って伝統医学でWHOにも認められていて…」などと説明する必要がなくなります。治療に必要な説明に専念できます。


科学は最善の選択にヒントをくれる

医療の現場は選択の連続です。医療者は常に最善を探っています。大きなヒントを与えてくれるのが科学です。


科学は人をクリエイティブにする
 
科学は経験や技法を蓄積する手段でもあります。感覚の世界だと思い込んでいることも、数値化できるかもしれません。私たちが指先で感じるツボの感覚はセンサーが捉えてくれるかもしれません。

もうクルマが自動で走れる時代なのです。鍼施術ロボットはやる気(とお金)の問題です。こういうことを言うと、鍼灸師の仕事がなくなると心配する人もいます。しかし、そこを考えることがこれからの鍼灸師の仕事だと思います。


科学は最強のマーケティングになる

科学的な裏付けがあれば、医師などの医療関係者から信頼されます。そうすれば、つながりができます。このつながりは最強です。本当は当たり前であってほしいのですが...。

※追記 参考記事 ≫ 鍼治療を科学する風景(整動協会) by 副代表(谷地一博)


おわりに


最後の回は長くなってしまいました。

このシリーズいかがだったでしょうか? 

賛否両論があるかと思います。批判的精神を表に出してはいますが、目的は鍼灸業界が直面している課題を表面化させることでした。考える機会にして頂けたら幸いです。 

時代の渦は鍼灸も巻き込んでいます。危機感を抱くと共に可能性を感じます。その可能性をつかむも逃すも、発想次第だと思うのです。

鍼灸が科学になるかを決めるのは私たち鍼灸師の姿勢です。

バルセロナに着きました。
次回はバルセロナからレポートします...バルセロナセミナー2018年冬編

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