2018年06月06日

日本が世界の鍼灸の中心になる理由(後編)

中編のつづき

日本が世界の中心(後編)


日本の鍼灸師が取るべき戦略


日本の鍼灸に弱点がないわけではありません。むしろ、今はまだ弱点だらけです。最大の問題は、「ひとり一流派」の状態です。いろいろ勉強して、自分なりに消化吸収して「自分の鍼灸を人生をかけて作り上げるんだ!」みたいな空気があります。

鍼は手で施すので職人的な要素があることは否めませんが、職人気質が強すぎるのは問題です。技術を共有できないからです。共有できなければ、いくらがんばっても芸の世界です。一人一人ががんばっただけでは、国家でがんばっている中国に勝てるはずがありません。

日本の鍼灸は世界に売って行くには多様すぎます。異文化を受け入れて自国の文化にできる日本人。誇れることなのですが、鍼灸では多様性を受け入れすぎていて、国単位で見た時に特徴が表せていません。

いろいろありすぎて、海外から見たら何をしているのかわからないのです。「日本の鍼灸と言えば○○」と特徴がすぐさま口に出るようでなければ、日本の鍼灸は存在しないに等しいと思います。

取り組むべきは、ツボのコンセンサス(意見の一致)を得ることです。ツボの位置、ツボの効果を統一させていくことです。こうした取り組みは真剣に行われてきませんでした。「鍼灸師それぞれの人間性が施術に表れる」みたいな理由からごまかされ続けて来たように思います。

このツボいいね


鍼灸師の熟練度によって差が出るのは仕方ありませんが、鍼灸師によって作用が異なると言ってしまったら何も始まりません。ツボの標準化が必要です。一応、今でもWHOでまとめられた「標準経穴部位」があるのですが、統一されたのは位置だけで作用には言及されていません。

つまり、ツボの位置だけが標準化されていて、そのツボがいったい何なのかは、未定義のままなのです。世界標準があるようで、まだないのです。ツボとその作用を一つにすることが、標準化の入口です。


ツボを標準化する取り組み


それには、ツボの作用を数値化しなければなりません。この作業は、個人レベルのがんばりだけではどうにもなりません。まずはアイデアが必要ですし、そのアイデアを形にする資金が必要です。もちろん、ノウハウも必要です。得られた結果を信用してもらうには、決められたフォーマットで論文を発表し、世界のあちこちで追試されていくことが必要です。

論文


 .張椶琉銘屬魏渉蠅垢
 △修離張椶虜醉僂鮓朕優譽戰襪悩童修垢
 次に、組織レベルで再現する
 ぅ張椶虜醉僂鯊荵絢圓客観的に検証する(科学的実験)
 ハ席犬鮟颪
 δ瓢遒鬚靴討發蕕


 銑Δ魴り返すことによって、ツボ一つ一つの科学的な裏付けが取れていきます。そこでようやく標準的なツボが定義されるのです。

言っているだけでは何も始まりませんので、行動あるのみです。整動協会では 銑に取り組んでいます。会員の鍼灸師一人一人が、協会で統一したツボの位置と作用を学び、それぞれの臨床で再現できるように取り組んでいます。

これだけでも十分に価値のあることですが、さらに、現在、北海道帯広市の北斗病院と協力してツボの効果を脳科学的に分析しています。昨年からい鉢イ房茲蠢箸鵑任い泙后

ツボへの刺鍼が脳にどのような変化をもたらすのか、被験者のツボに鍼を1本して、その前後で脳の状態を調べています。

詳しいデータの発表は論文を書いてからとなりますが、将来が明るくなるデータが得られています。

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北斗病院内の実験室にて ※クリ助不在


くどいようですが、日本では経絡の証明が重要ではありません。ツボの作用を客観的に確認できれば、経絡があってもなくてもどっちでもよいのです。大事なのは、ツボの効果に一定の法則があるかどうかです。

その法則性を広めることで鍼灸の再定義できます。

病院内の実験室で繰り返されている施術と計測。その体験が噂となり、鍼に関心がなかった人がどんどん注目するようになってきています。私もこうした取り組みに積極的に協力しています。今年の後半は私の出番が増える気配がしています。

ツボの標準化への取り組みは、もう始まっています。

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老健施設で便秘に対する鍼の有効性を実験 ※こっちもクリ助不在


こうした整動協会の取り組みは、段階的に鍼灸師全体に広げていく予定です。目指すは、鍼灸師の雇用の創出、そして開業鍼灸師に対しては、マーケティングに時間とお金をかけずに済む経営体質の実現です。

どの業界でも血気盛んな人たちは「業界をひっくり返す」と言いますが、私は現状を完全否定したいと思っていません。良い所も良い人もたくさんいます。実際に良い仲間に囲まれています。私がやりたいのはアップデートです。ちょっと大きめの。

次回は、鍼灸師と鍼灸の未来を一緒につくって行きましょう、という話です。


はりきゅう養気院(群馬県伊勢崎市)
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yoki at 01:43│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 鍼灸 

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