2019年02月01日

出版に際して(2)ファッシアでは経絡は説明できない

ファッシアでは経絡は説明できない


(1)経絡通りに治らない理由」のつづき

3月上旬に『ツボがある本当の意味』を出版します。
今回も出版と関連した話題です。


鍼灸のポテンシャルを絞り出したい、といつも思っています。そのためには、まず鍼灸が理解されやすいものであることが、もっと重要な条件だと考えています。

視覚的に理解しやすい、という意味において、経絡(けいらく)は突出しています。直感的に理解しやすいと思います。だから、鍼灸の歴史を支えてきたのだと思います。

いつの時代でも、人体解剖は気軽にできません。ということは、経絡図に記された線の正体を解明しようと思っても、簡単に着手できません。状況から考えて、経絡の実体を確認できないまま、鍼灸は歴史を歩んできたのです。

「経絡というものが人体に潜んでいる」と信じてやってきたのです。

それは今も変わりません。解剖しても経絡らしきものが出てこないので、「まだ見つからないけれど、必ず見つかるはずだ」と、実体が暴かれる日を期待している鍼灸師は少なくありません。最近では、ファッシアが経絡の機能を説明できるのではないか、という仮説が鍼灸業界で飛び交いました。





ファッシアとは、膜や筋膜のことです。身体の臓器、筋肉は真空状態で包まれているのですが、それを担っているのがファッシアです。

『閃く経絡』では、ファッシアが経絡の正体ではないかと論じており、経絡経穴ファッシア論が昨年の鍼灸界の一部でブームになりました。しかし、書籍を開いてじっくり読んでみると、ファッシアで経絡は説明できていませんし、ツボのミリ単位の違いについては触れさえしていません。

ファッシアが身体で重要な働きをしている、ということは疑っていません。しかし、それを経絡と結びつけてしまうのは、あまりにも粗雑な論です。そう思った私は、監訳をしている医師の須田万勢先生と会うことしました。直接、意見を聞きたかったからです。

偶然、須田先生もミリ単位でツボを使い分ける鍼灸師を探していたようで、須田先生と親しくしている鍼灸師が間を取り持ってくれたのです。ありがたいことです。こうしたご縁から、私の出版イベントに須田先生をお招きすることになりました。

詳しくはイベントでお話できるかと思いますが、須田先生とお話した限りでは、ファッシアで経絡もツボも説明できません。十分な証拠はありません。

現時点では、経絡は作業仮説として便利なものであるというところまでしか言えません。作業仮説とは「あると仮定してやってみると結果が得られる」というものです。

いっぽう、ツボはどうなのでしょうか。

ツボは、鍼や灸をした時に他の部位と比べて大きな変化をもたらします。ツボも正体が明らかになっていませんが、ツボの位置に組織的な特徴を見つけられる可能性があります。これから新たな動きがありそうです。

つづく…

出版記念イベントの案内(3/24)
鍼灸師と医師で解き明かす 経絡とツボの正体
会場:FinGATE KAYABA(東京)
参加費:2,000円(1部)/3,000円(2部)
申込フォーム

Twitterもやっています。
https://twitter.com/kuri_suke

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yoki at 02:45│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 鍼灸 | ツボ(経穴)

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