2021年05月07日

後悔しない雇用(2)スタッフを雇っても孤独からは逃れられない

スタッフを雇っても孤独からは逃れられない


孤独を理由に雇用してはダメ


「一人鍼灸院は孤独だから人を雇いたい」とお考えなら、絶対に雇用しない方がよいです。なぜなら、もっと孤独になるからです。

そもそも、孤独でない経営者なんているのでしょうか。断言しますが、一人鍼灸院であっても従業員がいても経営者は孤独と付き合っていかなければなりません。その孤独は決断の責任を取るという立場から生まれるものです。経営者の言い訳を許してくれる人はいません。これが孤独を感じる理由です。けっして、人が近くにいないから孤独を感じるのではありません。


寂しさと孤独は違う


孤独を感じている人が都会に出ても孤独です。人がたくさんいるのに孤独を感じます。むしろ孤独感がどんどん増していきます。なぜでしょうか。そこにいるのは“わたし“を理解してくれる人ではないからです。

人がいない時に感じるのは寂しさです。理解してもらえないときに感じるのが孤独です。寂しさと孤独は心の中で区別するのが難しいです。本当は孤独を感じているのに、賑やかさを求めてしまうのです。いくら賑やかになっても理解者がいなければ孤独は続きます。

孤独を和らげる理解者はたくさん必要ではないと思います。自分を深く理解してくれる人が一人でもいれば孤独を感じません。私はそうです。


孤独を感じたら


一人で経営していて孤独を感じたら、まずやるべきことは雇用ではなく理解される努力です。家族や友達に仕事で実現したいとことを正確に理解してもらうことが優先です。

この努力を怠り雇用してしまうと孤独感が増します。それは都会に出て孤独感が増すのと原理とたぶん同じです。「理解されていない」という状況が際立ってしまうのでしょう。

何を隠そう、私自身が「理解されていない」という状況に苦しんでいた時期があります。今だって、100%理解されているなんてことはありません。どんなに近くにいても、別の人間であるわけですから、私のことはわかりません。自分のことだってわからないのに、誰かが100%理解してくれるなんてありえません。これはポジティブな割り切りです。誰かに抱く期待感を適度にチューニングできれば孤独を感じにくくなります。


孤独にさせない


雇用において重要なのはスタッフを孤独にさせないことです。経営者の孤独問題は二の次三の次くらいにしておくくらいでなければ上手くいきません。スタッフを孤独にさせない方法は一つしかありません。スタッフを理解することです。

言うは易しです。理解したつもりになっている場合が多いです。理解できたら理解を示すところまでやらないと意味がありません。理解しようとしている姿勢が伝わってはじめて孤独を和らげる効果になります。

これは患者さんに対しても同じです。理解をしようとしている姿勢を伝えることで患者さんを孤独にさせないように努めています。


提案の扱い方


スタッフが増えれば増えるほど、全員の意見が一致しづらくなります。でも、経営者は決断をしなければいけません。それは誰かの提案を不採用にするということです。チームづくりという視点からいえば、採用した提案よりも不採用にした意見や案の扱いの方が重要です。雑に扱えば、誰も提案しなくなってしまいます。振り返れば反省ばかりです。


理由なく雇ってはいけない


患者さんが増えてくると、どこからともなく「そろそろスタッフを雇ったらどうですか?」という声がやってきます。無視した方がよいと思います。雇用のための雇用では目的を見失って迷子になります。「忙しいから」と「孤独だから」であれば、雇用で解決することはありません。

個人的には、一人では実現できない目的ができたとき、特別な事情が発生した場合だけ雇用を検討すればよいと思います。

雇っていると「すごいね」と言われることがありますが、雇用したからといって鍼灸師としてのランクは1ミリも上昇しません。


個人的には雇用して大正解


雇用せずに経営するという道もありました。スタッフが辞めていったとき「これでおしまい」と一人に戻ることもできました。選んだのは雇用し続ける道です。チームがなければできない仕事を知ってしまったからです。道は半ばです。これからチームの真価が問われます。

人間的にも雇用しなければ気づけないことがいっぱいあります。ダメダメな自分と向き合えるので心の成長のきっかけになります。

嫌な経験もしてきました。嘘をつかれたり、約束を破られたり、引き抜かれたり、突然いなくなったりと...。そのときはダメージがありますが、起きた意味を丁寧に考えていくと、これからすべきことが見えてきます。雇用を続けるという強い意志がある限りすべてが学びとなります。

雇用して収入が増えるかどうかは人それぞれでしょう。売上が順調でもパンデミックが起これば一瞬にしてマイナスに傾きます。小回りの利く個人の方が窮地をしのぎやすいと思います。昨年はたいへんでしたが、お金の勉強をするよいきっかけになりました。

雇用すべきかどうか。

正解は人それぞれです。タイミングもあると思います。ただ、一つだけ自信をもって言えるのは、雇用は孤独の解消にはならないということです。

つづく...


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はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
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yoki at 00:31│Comments(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 仕事日記 | 鍼灸院経営

この記事へのコメント

1. Posted by 植木康晴   2021年05月09日 22:47
5 ありがとうございます。
スゴく共感します。
未だ株式会社独りですがまたスタッフを増やしていくつもりです。

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