2021年06月22日

ついに実現した夢の細鍼管!

鍼管とは


鍼管(しんかん)というのは、鍼を刺す際に使う管のことで、日本で考案された道具です。もともとは金属のみですが、最近はプラスチック製が主流です。

鍼管を使った切皮


この道具を使うことで、細くて柔らかい鍼を無痛に近い感覚で刺すことができます。この鍼管のおかげで患者さんはあまり痛くない鍼を受けることができるのです。

この道具のすごいところは、どんな鍼灸師が使っても痛みが軽減できることです。極端に言えば下手でも痛くないのです。ですから、日本の鍼灸師の9割以上が鍼管を使っていると思います。


鍼管の問題点


日本人のすばらしい発明ですが欠点がないわけでもありません。なんでもそうですが、メリットがあればデメリットがあるわけです。デメリットは刺鍼点がズレることです。

鍼管は持ち手(鍼柄)が管を通るように出来ていますから、その分の内径が必要です。鍼柄が太くなるほど内径を大きくしなければなりません。メーカーによっては持ち手がプラスチックであることもあり、内径がだいぶ大きくなっています。つまり、鍼柄の直径の分だけズレを生んでしまうのです。

鍼管の太さの比較
(過去記事:「理想の鍼をメーカーに特注したい!」より)


鍼管の理想と現実を比較する


鍼灸師によってツボのサイズ感はまちまちで、正解というものがありません。ですから、鍼管の内径に問題を感じるのは個人的な見解です。しかしながら、私は個人的な感覚として、そのズレが大きな問題だと思っていました。私と同じ問題意識を持つ鍼灸師もいて、鍼管を使わずに刺鍼しています。ただ、痛みが出やすいのでテクニックを磨く必要があります。

「鍼管がなければ切皮(鍼先が皮膚を通る最初の段階)ができないのは下手な証拠」

という鍼灸師もいるのですが、私はこの論理には賛成できません。痛みを感じにくい鍼管をせっかく日本人が考案したのだから積極的に利用すべきだと考えています。


安心感か、精度か!?


実は、内径から生じるズレはディスポーザブル(使い捨て)の鍼の問題なのです。ディスポーザブルの鍼は基本的に「鍼+鍼管」がセットになっていて、使用するとどちらも廃棄します。

鍼管だけ、滅菌して何度も使うステンレス製にするという手もあります。職人がつくった、内径をギリギリまで絞り込んだものがあります。滅菌して使うわけですから、実質的に感染リスクはありません。

私個人の意見では「滅菌されているならいいんじゃない」と思うのですが、使い捨て以外は心配なので嫌という人もいます。というわけで、ディスポーザブルの鍼管を使っています。

私が鍼灸師になって20年になりますが、その間、ディスポーザブルにすると刺鍼のズレが気になるし、滅菌して使うステンレス製は患者さんの目が気になる、という状態がずっと続いていました。現存するディスポーザブルの中でもっとも内径が小さい鍼管を使うことで妥協し続けてきたのです。

その不満が2016年にこの記事(理想の鍼をメーカーに特注したい!)で爆発しました。合わせて読んで頂けると嬉しいです。


ついに理想の鍼管ができた!


2021年は特別な年です。なぜなら、理想の鍼管がついに発売されることになったからです。実は、理想の鍼管づくりに向けたプロジェクトは2年前には動き出していて、試行錯誤を経て完成したのです。私の手元には外に出ることはない試作品もあります。開発に尽力して下さった、ユニコ(日進医療器株式会社)さんには本当に感謝しています。いろいろなメーカーにお願いして、耳を傾けてくださったのはユニコさんだけでした。

鍼灸師になってずっと妥協してきた問題を解決してくだったユニコさんに、この感謝の気持ちを何と表したらよいのかわかりません。とにかく、ありがとうございます。めっちゃ嬉しいです!

細鍼管(ユニコ)


これがその鍼管です。鍼柄がギリギリ通る内径になっていて、外径も小さめになっています。現在のところ、業界最小径の鍼管です。「理想」に近いと思いませんか?


鍼管が皮膚に触れた時にチクチクしないように、丁寧に面取りもしてあります。この処理が本当に大切です。

せっかくなので、既存のあるメーカーの鍼管と比較してみました。

鍼管の直径が違いすぎる


出来心でやってしまいました。

鍼管の中に鍼管が入る


細鍼管 2021年7月12日発売!


細鍼管パッケージ(ユニコ)


これがパッケージです。製品は「鍼+鍼管」の個包装セットです。現在、寸3-1番(0.16mm×39mm)のみです。シリコン加工していないタイプです。この製品がたくさん売れたら、バリエーションが増えると思います。だから、なりふりかまわず宣伝しています。

ちなみに、売れても私にロイヤリティは入りません。この細鍼管を使えるだけで利益として十分です。今まではお金をいくら積んでも買えなかったのですから。

私が主宰する整動協会のロゴも入っていますが、会員でなくても鍼灸師なら誰でも購入できます。学派や流派を超えて使って頂きたいです。

どんな方法であれ、刺鍼の精度が高くなれば施術効果が上がりますから、鍼灸業界全体にとっても、この鍼管が普及することには大きな意味があります。

私は、細型の鍼管が世界のトレンドになると信じています。この製品を一度でも使うと細型のメリットに気がついてしまいます。精度を大切にする鍼灸師なら手放せなくなってしまうでしょう。普及するまで、出会う鍼灸師全員に「一度使ってみてください」と言い続ける覚悟です。

肝心の購入方法ですが、まだわかりません。発売元のユニコさんが発表したら、このブログに書き加えます。


細鍼管で100人連続施術「百連」


「細鍼管」の発売日の前日である7月11日(日)に、この鍼管を用いて100人連続で施術するイベント「整動鍼 百連」を予定しています。対象は鍼灸師と鍼灸学生です。この細鍼管を受け手として体感していただくことができます。

100人連続といっても、100人が同時に会場に入るわけではなく、時間帯を分けて順番に入りますので密にはなりません。感染対策に気を配って行います。細鍼管と整動鍼に興味のある方もぜひお申し込みください。

ユニコさんに協賛して頂いているので、参加者の皆様には「細鍼管」のサンプルを差し上げます。6月22日現在、若干の空きがあります。 

現場に足を運べない方のために、当日の様子はライブ配信しますので、オンライン参加も可能です。

どちらも無料です。お待ちしています。

詳しい情報はコチラです。
整動鍼「百連」(2021年)



twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke

はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
はりきゅうルーム カポス(東京/品川駅)
整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)

yoki at 01:28│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 鍼灸 | こだわり

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