2021年08月08日

雇用のツボ「新人の役割」

テキストの画像化


後悔しない雇用(2)スタッフを雇っても孤独からは逃げられない」のつづき

一人鍼灸院から9名のチームに


一人で鍼灸院を営んでいると、「そろそろスタッフを雇ってみたい」と考える時期があります。求人をして雇用する人も、そのまま一人でやり続ける人も、雇って再び一人に戻る人も。考え方やスタイルはいろいろです。

この記事は同業者向けで「雇用で後悔してほしくない」という気持ちで書きます。私一人の経験でしかありませんが、一人鍼灸院から9名のチームになるまでの経緯を試行錯誤の痕跡がわかるように書くのでヒントにしていただければ幸いです。

実は、開業間もない頃にもアルバイトを雇っていたことがありました。でも1年に満たないうちに雇用は続けられなくなりました。売上が少ない状態だったので、自分の利益はゼロで人件費だけが出ていく状態でした。いったん仕切り直し再スタートしたのです。2003年のことですから18年も前です。

当時はすべてが未熟すぎて、今から思えば当然の結果でした。失敗の直後から妻と二人でコツコツと経営をして2年目にはプラスマイナスゼロ。3年目から利益が出るようになりました。5年目くらいには患者さんが増えすぎて新規をお断りしていました。

それから数年後、活法(古武術整体)セミナーのお手伝いをするようになって、私の鍼灸師としての流れが大きく変わりました。毎年毎年が予想ができない1年で、過酷な時期もあり乗り越えてきました。少しずつ認知されてきた整動鍼も、激流の中で生まれました。

この整動鍼(当時は「古武術鍼法」と呼んでいた)が次の雇用のきっかけとなりました。整動鍼は再現性を重視した鍼法で、誰がやっても同じ変化をもたらすことができることを特徴としています。その再現性が雇用に有利だと考えました。鍼灸師の技術のバラツキを最小化することができるからです。

2013年に鍼灸師2名を雇い、2014年から品川駅近くに鍼灸院を開院したのです。私は群馬にいながら経営をしていました。遠隔からの経営も大きな挑戦でした。

当時の記事「鍼灸師求人(東京都港区) はりきゅうルーム・カポス
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それから数年経ち、スタッフの入れ替わりがあり、オープニングメンバーと代わって新しいスタッフ2名と学生アルバイト1名の3名で営んでいます。私は週1回、金曜日だけ施術をしています。

いっぽう、群馬では私の他に4名の鍼灸師が所属しています。私の妻は鍼灸師ではありませんが、経理や雑務などの裏方をしています。

まとめると、現在は、品川が3名、群馬が6名。9名のチームで鍼灸院とセミナーを営んでいます。けっして大きなチームではありませんが、開業当初からは考えられない組織です。私の仕事の幅も広がりました。鍼灸師、講師、経営者という3つの職種を行ったり来たりの毎日で充実しています。

以上が、最初の雇用から現在までの流れです。失敗も含めてよい経験をしてきました。すべてが糧となっています。当初と考えを変えたところもあります。その一つが新人の役割についてです。


新人の役割


昨年の春は新卒を1名採用しました。しかし研修中に突然辞めてしまいました。戦力として期待していたので残念でしたが、起こりうることとして備えなければならないと反省し、勉強になりました。そしてこの出来事をきっかけに、新人の役割を踏み込んで考えることになりました。

さっそく今春も新卒が入ってきました。鍼灸学校を卒業したばかりなので臨床(実践)の経験がありません。

以前の私であれば、臨床に出るまでは「研修期間」として、勉強や練習に時間を使えるようにしていました。「臨床に出る=戦力になる」という考えだったのです。研修期間は人材への投資と考えてコストを惜しまないようにしていました。また研修中に売上に貢献できないのは仕方ないことと考え、割り切っていたのです。理想を求めすぎて、会社の規模以上の投資になってしまったのです。

大いに反省した私は、新人の役割を考え直すことにしました。今までは大企業のマネをしすぎていたのです。小さな会社には小さな会社のやり方があるはずだと頭をを切り替えました。

そもそも、鍼灸院の仕事は施術だけではありません。患者さんが気持ちよく通えるように掃除をしたり、洗濯したりという環境を整える仕事があります。こうした仕事はメンバーが少しずつ分担しながらやっています。

これらの仕事をすべて新人に任せる、という話はありません。施術をする者にとっても重要な仕事と位置づけています。私も掃除や洗濯に参加しています。

では、新人ができることってなんでしょうか。答えは一つではありませんのでアイデア次第だと思います。すぐに着手できると考えたのは広報です。もっと私たちの取り組みを社会に向けて発信していく余地があります。



情報発信量と来院数の関係


2003年から鍼灸院をやってきて確かなのは、情報発信量と新規の患者さんの予約は比例関係にあることです。ですから、情報発信は超重要事項です。チームが大きくなればそれに応じた発信量が必要なので、伸ばしていく必要があります。私の頭はどんどん古くなっていきますし、若手の登用がこれからの鍵になります。

開業したばかりの頃は、ブログをする人が増え始めた頃で、フェイスブック(日本語版2008年〜)やツイッター(日本語版2008年〜)はありませんでした。インスタなんて影も形もありませんし、広告にYoutubeを使う環境も発想もありませんでした。

ネットで鍼灸院を探す人もまだ多くなく、チラシやポスティングの方がメジャーでした。費用がなかったという理由で私はほぼ無料で発信できるネットに力を注ぐしかなく、ブログをコツコツと更新しはじめました。まさにこのブログです。

第1回は2004年10月17日でした。『ツボって何だろう...

一瞬で読める浅い記事です(^。^;)

ブログを始めたばかりは何の変化も起きませんでしたが、2005年3月には毎日のように更新をしていました。開業3年目を迎えようとする頃ですが、患者さんも増えていました。当時は、一人でやっていたので空き時間のほとんどを執筆に充てていました。ちょっとその頃が羨ましいです。


ブログの本当の価値


SNSの時代に入る前はブログに全集中で報われました。SNSやYoutubeの時代に入ってからは、時代に合わせるようにしてみました。一巡してやっぱりブログが大事と思っています。

実際にブログは廃れていません。このライブドアブログの無料プランもずっと生き残っているのでありがたいです。noteが出たとき乗り換えも検討しましたが有料にするつもりがなかったので、このブログに自分の鍼灸師人生を刻んでいこうと決めました。

過去の記事はすべて残してあります。役に立たない記事もありますし一貫性もありません。いろいろな出来事があって思考も価値観も変わっています。でも、変わらないことがたった一つあります。それは、この18年ずっと鍼灸をやり続けてきたことです。この事実は誰も覆せません。

どんなことを書いたら患者さんが集まるかのか、という視点も経営には必要な観点だと思います。しかし、私は中長期で考えるとあまり関係ないように思います。その時その時、鍼灸への想いを語るので十分と思っています。集客のことばかり考えていたら、楽しくありませんし続けられません。

自分が鍼灸師という職業を楽しむことを最優先に考えています。まだ見ぬ患者さんをイメージするより現実的で具体的で嘘がありません。私の鍼灸に対する姿勢や気持ちが患者さんや同業者に伝わることで道が拓けてきました。


広報を通じて学んでほしいこと


どんな媒体で情報を発信するとしても基本になるのは文章です。何も考えていないと何も書けません。考えているつもりでも、書けないときは考えていない証拠です。

新人さんに記事を書いてもらうと発見があります。そんなふうに見えるんだ、とか。伝えたつもりになっていたなぁ、とか。新人の目を通じて経営を見直すことができます。

また、新人さんも、書くことを通じて院の理念や方針を再確認ができます。また、患者さんの気持ちを想像する習慣もできます。

わかっているつもりを減らすことが書く目的です。書くことが苦手な人もいます。よく勘違いされるのですが、上手い文章を書く必要なんてありません。

そもそも作家ではありませんし、読み手も名文を期待しているわけではありません。文章から仕事に対する姿勢が伝わればよいのです。

スタッフに書いてもらうときに、指示しているのは「自分の目線で書くこと」だけです。文体や書式への指示はありません。この仕事を通じて自分の目を養ってくれたらよいのです。

みんな感性が違うし思考のパターンも違います。それぞれの良さを鍼灸に活かせるようにサポートをするのが私の仕事です。私自身もこのブログを通じて自分の感性を磨き、思考を整理していこうと思っています。

まだまだ私自身が勉強中です。雇用をしなければ気づけなかったことがたくさんあります。私自身の人間としての成長のために雇用を続けていきます。至らぬ点ばかりですが、これからもよろしくお願いします。


最後に当院のTwitterを紹介してこの記事を終わります。こんな感じで自由です。




twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke

はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
はりきゅうルーム カポス(東京/品川駅)
整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)

yoki at 22:42│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 鍼灸院経営 | 鍼灸師求人

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